その後、泊まる事になった俺達の寝床についての問題が発生。
俺は別に適当なところに雑魚寝で良いし、風太郎も同じ意見だったのだが。
「お客様をソファーで寝させられません!」
「私のベッド使っていいよ」
四葉の言葉に三玖が自分のベッドを貸すと言い出した。
「十分な睡眠は勉強にも繋がるから」
風太郎の言う通り。それで勉強に集中できないとなると本末転倒だからな。
「大丈夫。私は他の子の所で眠る。誰かと寝るのは慣れてる」
「なら、久しぶりにお姉ちゃんと寝よ。三玖」
「一花の部屋……大丈夫なのか?」
俺はあのお部屋という汚部屋の光景を思い出す。
「失礼だな。ベッドは綺麗だよ」
「それはそれでどうなんだよ」
「とにかく、上杉さんと長尾さんは三玖のベッドを使って下さい」
そう言って押し切られて俺達は三玖の部屋で寝る事に。
しかし、野郎二人でベッドを使うには少々窮屈だ。それに風太郎もこれまでの事で結構疲れてるみたいだしな。
「風太郎」
「ん?」
「俺、母さんに連絡するの忘れてたわ。ちょっと電話してくるから先に寝てろ」
「うわ、おい」
ベッドへ風太郎を押しやって俺は部屋を出る。
連絡なんて電話じゃなくても良いんだけどな。とりあえず、母さんに今夜泊ることを伝えて俺はリビングのソファーへと寝転がる。
「しまった。何かせめて掛けるものを……ま、着込めば大丈夫か」
俺は着てきたパーカーを羽織り、ソファーにあったクッションを枕にする。
このまま寝てもいいが、その前に俺は教科書を開く。
「しっかり見せつけないといけないからな」
そうして俺は少しだけ教科書と向き合ってから眠りについた。
「……しいね……君は」
「ん……だ、れ」
ぼんやりと誰かが俺に声を掛けてる気がした。
目を開けようとしたが、その瞼は誰かの手で優しく覆われた。
「おやすみ」
朝からバイトに五月の事もあって俺も疲れていたみたいでその言葉のままもう一度俺は眠りについた。
そして次に目が覚めたらカーテンの隙間から眩い光が差し込んでいた。
「……やっぱ、誰か来たみたいだな」
いつの間にか毛布が一枚掛けられていた。
おそらく姉妹の誰かだろう。あとで聞いて礼を言わないと。
「うーん」
とりあえず、体を起こし毛布を畳んで体を思いっきり伸しながらカーテンを開ける。
星空も綺麗だったが、朝の光景も最上階ならではだな。
「あ、長尾さん! おはようございます! 早いですね」
「おぅ、おはようさん」
姉妹の中だと四葉が一番か。
そんなイメージだ。ま、ドベも多分俺の予想通りだとは思うが。
「ところで四葉、これを掛けてくれたのは」
「げ、もう起きてる」
あからさまに嫌そうな声は振り向かなくてもわかる。
「二乃! 今日の朝ご飯は何?」
「そうね。卵あるからエッグベネディクトにしようかしら」
「長尾さん! エッグベネディクトですって」
「朝から洒落たもの作るんだな」
確か沸騰したお湯に酢を入れてかき混ぜて作るんだよな。
んで、マフィンとかの上に乗せて食べたりするやつ。
「は? なんであんたの分まで作らなきゃならないわけ?」
お前が俺らの分作るとは思ってないけどさ。
「だろうな。んじゃ、俺は適当にコンビニ行って」
風太郎の分も買ってきて野郎はそれ食べるとするか。
俺はサイフを持ってコンビニへ行こうとすると四葉が俺の腕を掴んできた。
「二乃の料理はすごいんですよ! お店に出てくるようなものから家庭的なものまで。中野家自慢のシェフです!」
「べ、べつに料理担当になったから自然とそうなっただけよ」
「きっかけは大した事じゃなくてもそうやって続けてしっかり結果だしてるのはすごいと俺も思うぞ」
それを勉強の方にも向けてくれ。
風太郎ならそう言いそうだが俺はその言葉を飲みこむ。どう考えても逆撫でする未来しか見えないからな。
「……そこまで言うならあんたの分も作ってあげる」
別に作って欲しいとは言ってないが、飯代浮いたと思って甘えよう。
「それは助かる。ありがとうな」
「ふん」
なんだかんだ良い奴なのかもしれないとキッチンに向かう二乃を眺めていると上の扉がひとつ開いた。
視線を向けると五月がいた。
「おはよう。五月」
「……」
俺が挨拶をすると五月は戸惑った様子で視線をそらし無言で階段を降りてくる。
「えっとさ。勉強はあれかもしれないが、友達としては接しても良いか? 別に喧嘩してる訳でもないしさ」
あくまでも家庭教師と生徒という立場が気まずくなっただけで友人としては何も問題はないはず。
「……そうですね。すみません」
「いや、良いさ。てか、朝まで勉強してたろ?」
「どうして」
「目が充血してる。誰が見たってそう思う」
徹夜は推奨したくないんだが、今の五月は一人で頑張ろうとしているからな。
「……俺の事を気に掛けてくれるのはありがとうな。けど、少し五月は俺を見くびってる」
「そんなつもりは」
いいや、そうなんだよ。
じゃなきゃ俺を拒否したりしない。
ま、出会ってまだ一ヶ月そこからだ。お互い何もしらなくて当然。なら、知ってもらえばいい。
「だから、俺はそれを証明する。それが証明できたら素直に俺に教わってもらう」
「証明って」
「とりあえず、今回俺は静観してる。けど、俺以外のやつには頼れ。頼る事は悪いことじゃない」
「……」
返事は無いが、俺の意志は伝える事はできたから良しとするか。
「おはよぅ」
「一花、意外だな。お前が最後に起きてくると思ったんだが」
「セージ君、失礼。でも、私が最後なのは間違いないよ。だって三玖はいなかったから」
三玖のベッドを借りる代わりに三玖は一花と寝てたはず。
三玖の姿がなかったってことはもう起きてるって事か。
「けど、部屋出たなら気付くはずだが。俺が起きるよりも早くに?」
そんな気配感じなかったけど。いや、俺も結構爆睡してたからな。
「朝食作り始めちゃったから三玖探してきてよ」
「あ、なら四葉が」
そう言って四葉は三玖を探しに行ったが、外に行ったのか?
結局、二乃が朝食を作り終えるまでに三玖は見つからず四葉にはとりあえず戻ってくるように連絡を入れ俺達は先に朝食を頂くことに。
「うお、すごいな」
「時間あったら誰でも出来るわよ」
綺麗なエッグベネディクトにマフィン。そしてサラダ。朝としては十分すぎる食卓だ。
「俺は時間があってもエッグベネディクトは作らん。作っても卵焼きだな」
「卵焼きの方が手間じゃ無い? てか、あんた料理するんだ」
「親が忙しいからな。お前の言葉を借りると自然とそうなったってやつ」
「ふーん」
二乃の隣で食べていると俺の正面に座る一花が温かい視線を俺に向けているのがわかった。
おおよそ、二乃とコミュニケーション取れて偉いねとでも言いたいんだろう。
しかし、料理の事だと割と普通に話せるんだよな。前に新作のケーキの感想も普通だったし。
「ところで彼は?」
「さぁ? まだ寝てるんじゃ無い」
「あー、そういや風太郎まだ起きてこないな」
五月の問いにそういえばと俺は風太郎の姿がまだ見えない事に気付く。
「あんたらが本当に泊まるなんて。ま、それもあと少しの辛抱だわ」
「二人も勉強参加すればいいのに。案外楽しいよ」
「お断り」
一花がそれとなりに参加するように言ってくれるが、二乃は俺らの事情を知っているからそうなるはずもない。
「五月、あんたは絆されるんじゃないわよ」
「……」
「素直になればいいのに」
「彼、上杉君とはどうも馬が合いません。この前も諍いを起こしてしまいました。些細なことでムキになってしまう自分がいます。それに長尾君にはこれまでので十分です」
「それについてはもう少し保留にしてくれよ。さっきも言ったが証明してやるから」
俺は五月を真っ直ぐ見てそう答えると五月は俺の視線から逃れるように視線を下げた。
「と、とにかく。私は一花や三玖のようにはなれません」
別に二人のようになれなんて言ってないんだがな。
「なれるよ」
そう思っていると一花は立ち上がり、五月の髪をいじり始めた。
髪の分け目を変え目に髪が掛かるようにする。
「三玖のできあがり!」
「やっぱこうすると見分けるのむずいな」
今はそれぞれ特徴あるから見分けられるが、同じ格好同じ髪型されたら誰か誰だか本当にわからん。
「私は真剣に言ってるんですが!」
「ごめんなさい。五つ子ジョークだよ」
「一花! 髪の分け目が逆よ。もっと寝ぼけた目にして」
「この毛が邪魔だなー」
そんなやり取りを眺めていると最終的に風太郎に見分けられるかという話しへとなっていた。
「ごちそうさま」
その間に俺は食べ終え皿を流しへと持って行く。
「あ、食洗機使うから適当に入れておけばいいよ」
「おう、わかった」
一花の言葉にそれらしき場所に皿を入れる。
昨日の風呂場といいやっぱ金持ちだよな。
そうこうしている間に三玖となった五月が出来上がりいざ風太郎の元へ。
「ちなみにセージ君は見分けられる自信は?」
「ない」
「即答だね」
「むしろ、お前らはどうやって見分けられるんだよ」
コツとかあるなら教えて欲しい。昨日の風呂場の件みたいな事は回避したいしな。
いや、あれはそもそも姿も見てないからな。
「どうって。雰囲気?」
「聞いた俺が馬鹿だった」
「もう結構です!!」
一花とそんなやり取りをしていると上から五月の声が響く。そして五月はまた自室へと戻ってしまった模様。
「あーあ、やっぱり怒らせちゃった」
「フータロー君、大丈夫?」
「今度はなにやらかしたんだ?」
本当に喧嘩しかしてないな。
そう思いながら俺は風太郎の様子を確認する。
「俺は別に……て、誠司! お前なんで起きたらベッドにいないんだ!」
「は? いや、なんでって起きたからな」
「それは……そうだよな」
あまりにもすごい勢いで聞いてくる風太郎。
反応からするに俺がソファーで寝ていた事には気付いていない感じだがその反応はなんだよ。
起きて一番に俺の顔が見たいとかいうなら止めてくれよ。
「そういえば、三玖がどこに行ったか知らない?」
「今起きた風太郎が知ってるのか?」
「えーっと、図書館かな」
風太郎の図書館という言葉にそんな事あるか?と思ったが、三玖は最近かなり気合い入れて勉強してたしその可能性も捨てきれない。
「じゃあ、私たちも気分変えて図書館で勉強しよっか」
一花の言うとおり、多少環境の変化も大事ではあるしな。
そうして俺達は図書館で勉強する事にした。もちろん五月にも声を掛けたが良い返事はなかった。
とりあえず、三玖探しから戻ってきた四葉と合流して図書館へと俺達は来た。
その間、風太郎はずっとソワソワしていたけど、おそらく置いてきた五月の事だろうな。
「三玖はどこかなー」
四葉は三玖を探すがその姿は見当たらない。
そもそも図書館にいるのは確定してないからな。
「えー、ゴホン。四葉、例えば……例えばだが」
風太郎がわざとらしく咳をすると前置きをした上で何か四葉に聞こうとしていた。
「この先、五人の誰かが成績不良で進学できなかったとする。その時、お前はどうする?」
「私ももう一回、二年生をやります」
突然なんだその質問はと俺が風太郎に聞くよりも早く四葉は少しの迷いも無く風太郎にそう答えた。
姉妹の絆と言われたらそうなんだが、一瞬四葉の雰囲気がいつもと変わった気がした。
「と言っても私が一番可能性が高いんですけど、あははは」
いつもの調子の四葉にあれは俺の気のせいだったのかもしれない。
「でも、上杉さんと長尾さんがいればそんな心配いりませんね」
その四葉の言葉を聞いて風太郎はまた何かを考えてる様子。
さて、今回は俺に出来ることはないからそろそろ風太郎に頼むとするか。
「フータロー君」
「ん?」
「私、うっかり筆箱忘れちゃったよ」
俺が言い出す前に一花がそう切り出した。
そんな彼女に俺はなんとなくだけど、彼女の意図が見えた。
まったく、将来が楽しみな若手女優だ。
「書くものなら私がたくさん」
「あー、俺が二人について先に始めてるから風太郎。行ってこい」
気を利かせてくれた四葉には悪いが、ここはなんとしても風太郎に行かせなければならない。
「だから、フータロー君。忘れ物取ってきてくれる?」
「頼むぞ。風太郎」
「あぁ、行ってくる」
そうして風太郎を見送り、俺達は目的通り勉強しようと自習室へと向かう。
「セージ君もなかなかの演技だね」
「将来有望な若手女優さんに褒められて光栄ですよ」
階段を上がっている途中で俺の隣に来てコソッと俺の耳元で一花がそんな言葉を掛けてきたから俺は全然嬉しくもないがそう答えた。
「ありがとう。けど、よかったの? フータロー君で」
「言ったろ。今回、五月を支える役目は風太郎だって」
「……そっか」
そうして一花と四葉、俺で勉強会がスタート。遅れて三玖が合流したわけだが、そもそも三玖を追って俺達は図書館に来たことをその時思い出した。
「誠司……ありがとうな」
結局、風太郎はだいぶ経って戻ってきた訳だけど、戻ってくるなり俺に礼を言ってきた。
その様子からしてとりあえず落ち着いたようであとの問題は中間試験と俺と五月の事だな。
もっとも一番重要なのは中間試験だ。
これを乗り切れなきゃいくら俺が五月に証明したところで家庭教師は続けられない。
いや、教える事に関しては別に家庭教師じゃなかろうと関係ないか?
でも、どちらにせよ風太郎の進退が掛かってる。腐れ縁の家計問題も関わってる以上、回避が最優先だ。
そしてそのために風太郎からある提案が出された。
試験前日、中野家に泊まり込んでの一夜漬け。
正直、推奨したくないが、背に腹はかえられない。俺も同意し中野姉妹にも提案したが、もちろん二乃はいい顔はしなかった。
けど、そこに助け船を出したのは五月だった。
少しは風太郎との関係も変わりつつあるのかも知れない。
「とはいえ、遅刻したら元も子もない訳だが」
現在、時計は朝の八時を回った時刻を指している。
そして今日は中間試験当日。
「お前ら起きろおおお!」
正直、俺もまさかの寝坊に驚いている。いや、今は驚いている暇もない。
そこから時間とのチキチキレース。
走ればギリギリいける。四葉は特に運度神経良いからかあっという間に姿が見えなくなった。
俺は一応他四人と運動ダメダメな腐れ縁の様子を見るためにペースを落とす。
なのにこの中野姉妹と来たら。
「やっぱメイクしたいわ。スッピン見せたくない」
「荷物、持つ」
二乃はメイクしたいとか言うし、三玖は親切にお年寄りの荷物持って横断歩道を歩いてあげてる。
うん、それは偉い事なんだけどな。
「最近、学校の入り口に生徒指導の先生立ってなかったっけ?」
「あー、あのゴリラか。確かに捕まると厄介だ」
一花が言う生徒指導の教師とは生徒の間ではゴリラという失礼なあだ名が付けられている。
教師としては正しい行為なのだろうけど、厳しいと生徒には不評だ。
余計に遅刻は許されない。
「なのに」
「どれもおいしそう」
「どれにしよう」
「あんたたち急いでるんじゃなかったの!?」
コンビニのおにぎりに悩む五月と風太郎。二乃の発言に俺は激しく同意だ。
「まぁ、空腹で気が散るのは避けたいからな。しかた……ん?」
外で待っている一花と三玖の方を見るとしゃがみ込んでいる。
何かと思い近づくと子供がひとり。
「急いでるんだ。他の人に任せて行くぞ」
おにぎりを五月に買ってもらった風太郎の発言。正論だが、子供前でそんな事言うなよ。
案の定、中野姉妹からも批判の声があがる。
「ボク~、お姉さん達にお話聞かせて?」
一花が優しく笑いかけながら少年に聞く。
「I wanna meet my mommy……」
帰ってきたのは英語、その瞬間一花と三玖の表情が固まる。
これはこいつらには手に負えなさそうだ。
そんな様子を眺めている俺の後ろで風太郎と二乃の会話が聞こえてきた。
「……急いでるみたいだけど、間に合ったとして赤点回避できると思ってるの? 言っとくけど私はパパに真実をそのまま伝えるから」
「短い期間だったが、俺も誠司もできることは全部やったつもりだ。お前も頼んだぞ」
二乃は結局、最後まで勉強会には参加しなかったからな。
ま、それでも俺達が勉強している場には監視という名目かなんかでいたがほとんど俺達からは教えていない。
「て、それよりあれか。一花、三玖。その子は俺が」
「今、ホスピタルって言わなかった?」
三玖は少年の英語を僅かながら聞き取った。
だが、自信はない様子ですぐに自分の気のせいかもと尻込みする。
「むー、Did you……go to the hospital……with your mother?」
すると一花は丁寧な英語で少年に尋ねると少年は頷いた。
通じた事に喜ぶ一花達。
なんだ。しっかり成果は出てるじゃないか。
やっぱ遅刻なんかで努力は無駄にしたくないな。
「んじゃ、俺が送り届けてくる。風太郎、こいつらがこれ以上寄り道しないように見張っとけ」
「誠司! それだとお前が遅刻する。送るなら俺が」
「風太郎、別に俺は諦めちゃいない。俺はお前ほど運動ダメダメに成り下がってない。走れば間に合う可能性がある」
「……わかった」
俺は可能性が高い手段を選んだだけだ。
「セージ君……みんな、セージ君の犠牲を無駄にしたらいけない。行こう!」
「まだ犠牲になっとらんわ!!」
ふざけた調子で学校へと走り出した一花だが、なんだかんだ俺の意図をよく理解してくれている。そうして三玖や二乃も続いていくのを確認するが一人だけまだ動かない人物がいた。
「……長尾君」
「だから、五月は俺を見くびりすぎなんだよ。ほら、一人で頑張った成果が無駄になるぞ。本当に大丈夫だから……な?」
「……絶対、ですよ」
「あぁ」
そうして全員が学校へと向かったのを確認し、俺は少年を病院へと送り届けた。
だが、俺の足が速くても病院側がすぐに対応できるとも限らず少々時間が掛かってしまい登校時間をオーバー。
「意外なやつが遅刻だな」
「すみません」
ゴリラこと生徒指導の教師は俺を見ると少々驚いていた。
これでもそこそこ優等生でいるからな。それもあってかそこまで指導される事は無かった。
それでも最初の社会のテスト開始時間から過ぎていて別室で受けさせられて、次の試験で教室に戻るとクラスの浅井達にあれやこれや聞かれた。
「よかった」
席に座ると一花の言葉が聞こえ俺はひっそりと彼女にサムズアップをした。