ORTなオリ主と呪術師   作:雨曝し

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呪霊喰い

 

 

 

 任務先である館に到着した俺は車から降りて大きく伸びをする。

 

「あぁー…狭かったぁ…」

「そりゃトランクの中だからな。よく入ったな?」

「体の大きさを調節したの」

 

 五条はそんなこともできるのか、と呟いた。

 俺は館に向かう際に車の定員的に乗れないのでトランクに入ることにしたのだ。

 その結果窮屈な思いをすることになった。

 

 狭いし暗いしであんまり心地良い体験とは言えなかった。

 今度からは小型の蜘蛛になって乗り込もうと決意した。

 

 そんなこんなで件の館まで補助監督と呼ばれるサポート人員を五条の独断で置き去りにして来た訳だが、館には特殊な結界が構築されているようであった。

 俺はその結界を繁々と見つめて口を開く。

 

「時間の流れが外と内で異なる結界だ。これなら前に派遣された術師とやらも生きてるんじゃないかな?」

「やっぱそういうタイプの呪霊だったか。冥さんいるのにおかしいと思ったんだ」

「とすると出て来るのも時間の問題かな。どうする?」

 

 夏油が五条に問い掛ける。

 五条は何やら悩ましげに考え込んでから俺を見た。

 

「オルト。結界の破壊ってできるのか?」

「俺の結界で建物ごと侵食すれば破壊はできるよ」

「結界が使えるのか……その場合は中の人間はどうなる?」

「水晶と化して俺に捕食される。そうならないように進化することも可能だよ」

「ならそうしてくれ」

「了解」

 

 俺は水晶渓谷を改造して水晶化させる相手の選別や効果範囲を任意で設定可能にする。

 そして水晶渓谷を発動させて建物と結界のみを侵食して水晶化させる。

 

 展開された水晶渓谷が建物を丸ごと緑の水晶に置き換えたのを見て三人が目を剥く。

 能力の確認をしたかったと思われる五条は苦々しく言葉を溢す。

 

「マジか…!何も認識できなかった…!」

「時空に干渉して既にそうであったと置き換えてるからね。認識するしないの問題じゃない」

「時空への干渉か……こんなのは相手にしたくないね……」

「宇宙人って皆こんな化け物なの?」

 

 家入の疑問に俺は首を振って否定する。

 

「普通は人間と大差ないよ。俺が桁外れに性能が高いだけ」

「そりゃ良かった。オルトみたいな奴が沢山いるとか言われたら自尊心がぶっ壊れるところだった」

 

 五条は安心したように息を吐き出した。

 その辺りで館の中に人影が見えた。

 白髪のポニテの女性と黒髪おさげの和服の女性のペアだ。

 

 二人は恐る恐るといった様子で水晶と化した扉を外して出て来た。

 そして俺達を見つけると露骨に安堵した様子を見せる。

 

「五条!夏油!硝子!…と誰?」

「この現象の犯人と見て良いのかな?」

 

 二人は訝しげに俺を見る。

 答えを口にしたのは夏油だった。

 

「昨日発見された宇宙人のオルト・シバルバーです。今は悟の監視下にあります」

「はい?」

「昨日って…何で一級にさえ情報共有がなかったんだ?」

「冥さん達は二日間呪霊の結界内に閉じ込められてたんだよ」

 

 五条が冥冥と庵歌姫という名前であるらしい二人の術師に状況を説明する。

 事態を把握した冥冥は納得して頷き、そしてとある疑問を口にした。

 

「ところで君達。帳は?」

「「「あ」」」

「帳?」

 

 五条達は何かしら問題を認識したようだが俺は一人分からずに聞き返す。

 

「非術師に見られないように基本的に帳という結界を降ろすものなんだ。しかし今回は…」

「いやー忘れてた!」

 

 五条はあっけらかんと口にした。

 これがバレたら俺の存在にまで辿り着かれる可能性があるのに何とも気軽なものである。

 それとも単に胃痛を誤魔化しているだけか。

 

「まあ怪奇現象くらいで済むでしょ。多分。それより─」

 

 五条の言葉を遮って館の形をした水晶が派手に崩壊して呪霊が姿を現す。

 呪霊は庵の背後に迫って襲おうとしたので俺は即座に睨み付ける。

 

 生物として規格の違う俺に睨まれて呪霊は動きを止める。

 それに庵は小さく悲鳴を上げた。

 

「いきなり何!?」

「オルト、何かした?」

「睨んだだけだよ」

 

 俺はそう言って静止している呪霊に近寄り手を伸ばす。

 そして素手で体を引き千切って捕食する。

 

「うわ、マジで食ってやがる…」

「大丈夫なのかな。色々と」

「顔色がどんどん悪くなってるけど…」

 

 俺は呪霊の肉を咀嚼して飲み込み、そしてゲロを吐いた。

 吐瀉物は地面に触れると高温で溶かし崩してしまう。

 辺りに一気に熱が解き放たれた。

 

「ゲロで地面が溶けた!?」

「やっぱり駄目だったか……」

「あっつ…」

 

 五条達はそれぞれ驚愕やら納得やらの反応を示し、俺は一通りゲロを吐いて転げ回る。

 

「不っ味い!!!こんな酷い味は初めてだ!!口の中が気持ち悪い!!」

「地面がドロドロだね」

「吐瀉物で地面が溶けるって…まんまSFホラーじゃない…」

 

 冥冥と庵も驚愕した様子を見せる。

 俺は口直しに呪霊に銀糸を刺して水晶化させて捕食する。

 濃厚な旨味が口に広がり先程までの吐瀉物そのものみたいな味が消える。

 

 そうして漸く落ち着いた俺は固く決意した。

 

「二度と呪霊は直接食べない…」

「それが良い」

 

 夏油は深く共感してくれた。

 呪霊を食べた経験があるのかもしれない。

 

 兎も角、これで呪力の解析は完了した。

 後は呪力の生成器官を増設するだけだ。

 

 俺は自己改造を施して呪力の生成器官である心臓を体内に作成する。

 瞬間的に生み出された呪力は膨れ上がり場を満たした。

 

 ギシギシと空間の軋む音がする。

 

「ぅあ…!!」

「頭が割れる!!」

「オルト!!呪力を抑えろ!!」

 

 五条の言葉に俺は慌てて呪力の流れを制御して体内で循環させる。

 すると空間に満ちていた呪力は収まり全員がドッと冷や汗を流した。

 

「オルト、一応聞くが何した?」

「呪霊の情報から呪力を解析して生成器官を造った。そうしたら外に溢れちゃった。ごめんね」

「出鱈目過ぎる……まあ故意じゃないなら仕方ない。にしてもとんでもねえ呪力だな」

「恒星級の出力だと思ってくれ。当然呪力量はそれ以上だ」

「化け物…」

 

 五条が縮こまってしまった。

 他の面子も大体同じ反応である。

 最強の攻性生物なので当然である。

 俺に並ぶ奴なんていないので安心して欲しい。

 

「取り敢えずこれで任務は終了だな。任務以外のことで余計に疲れた気がする」

「とはいえ、帳を忘れた件はなかったことにはならないからな。後で詰められると思うよ」

 

 五条と夏油が会話するのを聞きながら俺は帰りの車に乗り込む為に体を変形させる。

 小さな蜘蛛型になった俺は五条の肩に飛び乗った。

 

「うわぁ!見た目キモ!」

「仕方ないだろ。こうしないとまたトランクに乗ることになるんだから」

「私はやっぱ人の姿してる方が好きだなぁ」

 

 家入がそう溢すのを耳に入れながら俺は補助監督の待つ車へ戻ったのだった。

 

 

 

 

 翌日、しっかりと帳を忘れた件を夜蛾に詰められ教育的指導を受けた五条と共に俺は高専二年生の教室にいた。

 五条の頭には漫画みたいなたんこぶができていた。

 

「そもそもさぁ、帳ってそこまで必要?オルトはまだしも呪術はパンピーには見えないんだし良くねえ?」

「駄目に決まってるだろ。呪霊の発生を抑制するのは何より人々の心の平穏だ。その為にも目に見えない脅威は極力秘匿しなければならないのさ。それだけじゃない─」

「分かった分かった。弱い奴等に気を使うのは疲れるよ。ほんと」

 

 五条の疑問に対して夏油は濁流の如く言葉を返す。

 

「弱者生存。それがあるべき社会の姿さ。弱きを助け、強きを挫く。良いかい悟。呪術は非術師を守る為にある」

 

 夏油の発言に対して五条が何か言い掛けるも、それを遮って俺は口を開いた。

 

「弱者を守るのは高潔な精神で素晴らしいことだが、呪術を秘匿し続ける限り何も解決はしない」

「ふむ。どういう意味かな?」

「単純な話だ。今の呪術師の在り方は対症療法そのもの。原因から解決しなければ意味はない。呪霊が生まれないように研究する為にも非術師に情報を開示して正式に研究機関を設立した方が将来的には人類の為になる」

「成程…」

 

 俺の意見に夏油は深く考え込んだようだった。

 五条は言葉を遮られてぶすくれている。

 何か言い返したかったらしい。

 

 そこで夜蛾が扉を開けて教室に入って来た。

 家入が椅子を元の位置に戻して座り直した。

 俺は変わらず五条の隣である。

 

 夜蛾は教卓に手を付くと今日の任務について話し始めた。

 

「今回の任務は悟と傑に行ってもらう。正直荷は重いと思うが天元様からのご指名だ。依頼は二つ。星槳体、天元様との適合者。その少女の護衛と抹消だ」

 

 そうして呪術界の今後を左右する任務についての説明が始まったのだった。

 

 

 





・オリ主
呪力の生成が可能になった。
高専にて呪力の登録を行った。

・高専一同
オリ主の能力の数々を知って敵対は人類の滅亡だと悟った。

天内理子について

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