ORTなオリ主と呪術師   作:雨曝し

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選択の結果

 

 

 

 黒井を拉致した相手は取引場所を沖縄に指定して来た。

 なので俺達は飛行機で沖縄まで向かうことになり、飛行機に乗る前に乗客全員を五条が確認し、フライト中は夏油が呪霊で機体を覆うことで安全な旅路となった。

 

 そうして取引場所まで行った後はスムーズに拉致犯を打倒。

 黒井を救出して拉致犯を尋問した後は水着を買って海水浴に来ていた。

 

「「めんそーれー!!」」

 

 五条と天内が楽しそうに海辺で叫ぶ。

 それを眺めながら俺は海面にプカプカと浮かぶ。

 何気に海水浴は初めてなので今日はテンションが高い。

 

「オルト!バレーしよ!」

 

 天内がビーチボールを持ってそう声を掛けて来たので俺は遠慮なく参加することにした。

 

 皆でワイワイとバレーしたり、ナマコを見つけてはしゃいだりしているとあっという間に時が過ぎて行く。

 何やら黒井と話していた夏油が五条に声を掛ける。

 

「悟!!時間だよ!!」

「あ、もうそんな時間か」

 

 五条の言葉に天内がしゅんと萎れる。

 それを見て俺は思わず口を開いていた。

 

「帰るのは明日でも良いんじゃない?天気は安定してるし、呪詛師に狙われる可能性も低い」

「俺も同意だ。フライト中に賞金期限が切れた方が都合が良い」

「ふむ。それはそうだ。だが…」

 

 夏油は何やら五条を見て考え込んでいる。

 恐らく五条が睡眠も取らずに術式を張り続けているのを危惧してのことだろう。

 夏油は五条に心配の声を掛けるが、五条は軽くそれを受け流す。

 

「分かった。もう一日滞在しよう」

 

 夏油の出した答えに天内が顔を明るくさせる。

 その顔を見て俺は心が暖かくなるのを感じる。

 

 ふむ。最近妙に天内に肩入れしてしまう。

 何が原因だろうか。

 

 疑問に苛まれながらも俺は答えを先延ばしにして五条達について行くのだった。

 

 

 

 

 その後の俺達はカヌーに乗ったりうどんを食べたりして過ごした。

 天内は何処に行っても楽しそうに笑っていた。

 

 そうして水族館までやって来た俺は天内と共に魚達を見て回っている。

 

 魚達が悠々と泳ぐ姿は壮観で、生命の輝きが溢れんばかりに満ちている。

 天内が水槽を見る姿を眺める。

 不意に水槽から目を逸らした天内と目が合う。

 

「なんで妾の顔見てるのじゃ?」

「楽しそうな姿が可愛いから」

 

 即座に返答が口から漏れる。

 俺はそれこそが天内に肩入れする理由なのだと思い至る。

 ORTとしては有り得ない結論だ。

 きっと異世界人の魂に毒されてしまったのだろう。

 だからこんな無駄な感情を抱いてしまうのだ。

 

 人間に思いを寄せて報われることなどない。

 人類の寿命ではどうしても俺は残される側なのだから。

 だから本来ならこんな感情は捨てるべきなのだ。

 

 それでも理性に反して心が言葉を紡ぐ。

 

「生きたいならそう言っても良いんだよ」

「え?」

「五条達は既に結論を出してる。天内が同化を拒むなら俺達は天内を守る」

 

 天内は呆気に取られた様子で口を開ける。

 俺はそれに構わず言葉を続ける。

 

「やり残したことは多いだろう。まだ友達と過ごしたいだろう。黒井とだってまだ一緒にいたいだろ」

「うん……でも、良いの?」

「生きたいと願うのは生物として当然のことだ。それは誰にも咎められない」

 

 天内は涙を目に溜める。

 そして大粒の涙を流して語り始めた。

 

 生まれた時から特別で周りとは違うと言われ続け、危ないことはなるべく避けて生きて来たこと。

 両親が死んだ時のことは覚えてなくて悲しくも寂しくもないこと。

 だから同化で皆と離れ離れになっても大丈夫だと思っていたこと。

 それでもやっぱり皆といたいと思ってしまったことを話してくれた。

 

「もっと皆と色んな所に行って、もっと色んな物を見て、もっと…!!」

「天内がそれを叶えられるように俺達は全力を尽くす。安心しろ。俺は最強だから、誰にも天内を傷付けさせない」

 

 俺が確信を持ってそう言えば天内は更に涙を流してしまった。

 それを正面から受け止めて俺は天内を抱き締めた。

 泣き止むまで俺は背を摩り続けるのだった。

 

 

 

 

 天内の同化拒否を五条達に伝えると、五条達は早速夜蛾に電話を掛けた。

 そして俺達が同化しない方針を取ることを伝えるだけ伝えて通話を切った。

 その後鬼のように電話が掛かって来たが全て無視して俺達は更に滞在日を増やすことにした。

 高専に戻ると無理矢理同化させられる可能性が高いと判断した故の措置だ。

 

 途中で合流した高専一年生達の内、金髪の方からは猛然と文句を言われたが全スルーだった。

 

 そうして一日を終えた俺は天内と黒井と同室の部屋に泊まることになった。

 五条と夏油からは「面白いことになりそうだから」と押し切られた。

 アイツらは何か良からぬことを企んでいるに違いない。

 

 俺が五条達への疑念を深めていると天内が疑問を口にした。

 

「ベッド二つしかないけど、オルトはどっちで寝るの?」

 

 それは至極当たり前の質問だ。

 部屋にはベッドが二つ、自認男が一人と女が二人。

 どちらもシングルベッドである故に寝れるのは最大でも二人まで。

 この状況に置かれて俺がどうするか。

 

 成程。あの二人はこれを想定していた訳だ。

 つまりは俺が二人のどちらと寝るか、その選択を楽しんでいるのだ。

 あの二人は明日になったらボコボコにしよう。

 

 そう固く決意して俺は姿を変えた。

 

「俺は床で寝る」

 

 ふわふわの狐の姿になった俺を見て天内は渋い顔をした。

 

「意気地なし」

「ほう。男女同室という状況下で冷静に紳士な判断を下した俺に意気地なしと来たか。良いだろう、その挑発乗ってやる」

 

 俺は天内の言葉に理性をプッツンさせて答えたのだった。

 

 

 

 

 翌日。

 新たに睡眠という機能を実装して活用し、色々とスッキリした俺はベッドから起き上がって窓際の椅子に座った。

 

 窓から外の景色を眺める。

 沖縄の綺麗な海が見え、心が癒やされるのを感じる。

 天内と黒井はまだベッドの上ですやすやと眠っている。

 疲れ果てているので暫くは起きないだろう。

 

 そんな中で俺は一息吐いて伸びをする。

 別に体が凝り固まるとかないが振りだけでも気分は良くなる。

 

 そうして漸く頭に響く声に集中する。

 

『たすけて』

 

 そんな声が頭に響き続けている。

 昨日からずっとだ。

 SOSの送り主は何処とも分からない異世界の人間であるようだ。

 さて、どうしたものか。

 

 俺の倫理観的には助けに行きたいが、現状は五条の監視下にあるので異世界まで出張は難しい。

 それを押してでも助けるべきか、実に悩ましい。

 

「おると…?」

 

 俺が悩んでいると寝惚けた天内が起き上がってくる。

 ふらふらとした足取りで俺の元まで来たかと思うと俺の膝上に座った。

 

 俺が適当に天内の服を手に取って着せると天内はそれを黙って受け入れた。

 そして俺の顔を見てぼんやりと口を開いた。

 

「なにか悩んでる?」

「あぁー…まぁな」

 

 俺が言葉を濁すと天内は頭を俺の胸に預けて言葉を紡ぐ。

 

「何に悩んでるかは知らないけど…私はオルトに救われたよ……それだけ」

 

 本当にそれだけ言うと天内はベットに戻って行った。

 ベッドに倒れ込むとそのまま寝息を立て始めた。

 

 救われた、か。

 俺には誰かを救える力がある。

 それを行使するもしないも俺の自由。

 

 ならば俺はどうするか。

 助けるべきか、見捨てるべきか。

 

 俺は窓から外の景色を眺めて悩ましげに唸るのだった。

 

 

 





・オリ主
結局天内と寝た。
新たに睡眠と生殖器を増設した。

・理子
オリ主と寝れて喜んでいる。

・天内理子死亡ルート
オリ主が天内に心の内を吐露しなかった場合に発生する。
高専に戻って五条が術式を解いた瞬間スナイパーで天内の頭が撃ち抜かれる。
その後死体は羂索に再利用される。

謎の異世界人からのSOSを受信した

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