アビドス一般転生男子生徒   作:むめい。

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第2話 スナイパーライフルってかっこいいよね

 ホシノと言えばキヴォトス最強格に名を連ねるほど、その強さは計り知れない。

 そんな相手と戦うのは普通の人なら無理だろう、だが...俺は転生者だ。

 

 前世と違うところはヘイロー...神秘を手に入れたということだけだが、元から俺は反射神経というか……とにかく“見る”のが得意だった。

 格ゲーでも、一フレ技そのものを見てから避けるわけじゃない。ただ、相手の動きの“出る瞬間”を読むのだけは異常に早かった。だから結果として避けられる、そんなタイプだ。

 

 そしてこの世界に来て神秘を手に入れた俺は見るだけじゃなく、攻撃を避けれる身体を手に入れた。

 

 さて、話は戻るが俺はホシノに喧嘩を売り、戦うことになった...そうして俺たちは学校の運動場に移動した。

 

「遮蔽も何もないな...」

「隠れることができなくて残念ですね?」

 

 そうニヤついた表情でホシノが後ろから声をかけてくる。

 

「旬くん大丈夫...?ホシノちゃんこう見えて結構強いけど...」

「一言、余計ですよユメ先輩!?」

「大丈夫ですよユメ先輩、俺も"こう見えて"強いんで」

 

 俺はホシノを見ながら「こう見えて」の部分だけ強調してやり返した。

 

 さっきのはムカついたからな、これでお互い様だ。

 

「...わかりました、そっちがその気なら一瞬で終わらせてあげますよ」

「ホシノこそ大丈夫か?俺の相棒に掛かれば一発で気絶しちまうかもだぞ」

 

 俺の相棒でもあり愛銃、対物ライフル。名前は『アンチマター』だ。

 バレットM82をベースに色々改造して銃身を掴んで鈍器にもできるようにしてある。

 あとはサブウェポンの拳銃だ、前者は威力だけを追求したせい最早対人用ではなくなっている、なので何の変哲もない拳銃が普段使い用だ。

 

 もちろんこの場では愛銃を使わせてもらう。

 

 対するホシノの武器は愛銃のショットガン『eye of horus』とサブウェポンで拳銃を脇にさしている。

 先生が来る頃には盾を持っていたが...それはユメ先輩が亡くなった後に装備し始めた物だ。

 

「いつでもいいぞ、俺は」

「言っときますけど...チャレンジャーはそっちですからね」

 

 どこかの特級呪術師みたいなことを言うな...強者は全員オサレなセリフを言わないとダメな呪いにでもかかってんのか?。

 

 俺とホシノ、二人が互いに距離を取ってユメ先輩からの開始の合図を待つ。

 

「じゃあ...よーい!スタート!!」

 

 まず仕掛けたのは俺。

 今回は得意な距離から始めさせてもらった、遠距離だ。

 そこから対物ライフルでホシノを狙撃、機動力を削ぐ為足を狙った...一撃で倒せるとは思ってない。

 

 しかし、開始の合図と共に射線を切るように俺に近づいて来るホシノは軽々とそれを避けショットガンの標準を俺に向け、射撃した。

 まだ間合いじゃないのでこれは威嚇射撃だ、それを避けて攻撃の準備をする。

 

「余裕で音速超えてんだけどな...銃弾」

 

 ホシノは恐らく"見て"から避けた。

 それがどれほど規格外なのかは、常人でもわかる。

 

「それで終わりですか!?」

 

 ホシノが煽る。

 俺の対物ライフルは戦車も貫くその威力から反動が強い、連射できるものではないのはホシノも知っているんだろう。

 

 一呼吸置けばまた撃てる、しかし闇雲に狙っても当たらない、ならばどうするか。

 

 次の行動を起こそうと俺が体勢を立て直した瞬間、ホシノが強く地面を蹴った。

 

「……っ!」

 

 嫌な予感がした瞬間には、もう遅い。

 ホシノは撃たれた弾道そのものを“読んだ”ように、地面を蹴る。直線じゃない、ジグザグでもない。

 射線そのものを切り裂くような軌道で、距離を詰めてきた。

 

(速っ――)

 

 対物ライフルのスコープ越しに見えるその姿が、一瞬で大きくなる。

 引き金を引こうとして、理解した。

 ──今撃てば確実に外す。

 この距離、ホシノの速度、銃の反動。

 一発撃てば、次に構え直すまでにホシノは──確実に俺の喉に剣を刺す。

 

「そこです」

 

 次の瞬間、地面が爆ぜた。

 ショットガンの散弾が俺の足元を叩き、砂埃が舞い上がる。

 威嚇射撃。だが意味は十分すぎるほど伝わった。

 

(距離を潰しに来てる……!)

 

 俺は即座に後退しながら照準を下げる。

 狙うのは胴体じゃない、脚でもない。

 地面だ。

 引き金を引く。

 轟音と共に、校庭の一部が抉れ、砂と破片が噴き上がる。

 

「っ……!」

 

 一瞬、ホシノの動きが止まった。

 視界を奪われた、その刹那。

 

(今だ──)

 

 再照準。だが──

 

「甘いです」

 

 砂埃の向こうから、影が飛び出した。

 跳んだ。

 ホシノは爆煙の中を、迷いなく突っ切ってきた。

 銃身がこちらを向く。

 

(撃てない……!)

 

 距離、十数メートル。

 ここで対物ライフルを撃てば、反動で確実に隙を晒す。

 俺は即座にライフルを捨て、腰の拳銃に手を伸ばした。

 ──遅かった。

 

「終わりです」

 

 衝撃。

 ショットガンの銃床が、俺の脇腹に叩き込まれた。

 

「――ぐっ!」

 

 身体が宙を舞い、地面を転がる。

 肺の空気が一気に吐き出され、視界が揺れた。

 それでも、意識は飛ばない。

 

(……まだだ)

 

 地面に手をつき、無理やり身体を起こす。

 目の前には、銃を構えたホシノ。

 

「……避けるのは上手いですね。ですが」

 

 その瞳は冷たい。

 だが、ほんの少しだけ――楽しそうだった。

 

「近距離は、私の間合いです」

 

 俺は息を整えながら、笑う。

 

「…だろうな」

 

 拳銃を構え、ホシノを見据える。

 

「だからこそ、ここからが本番だ」

 

 ホシノが銃口をわずかに傾け、俺の動きを観察する。

 その視線は獲物を見る鷹のようで──でも、どこか楽しげだ。

 

「来ないんですか? じゃあ、私から行きますよ」

 

 言うより先に動いていた。

 地面を蹴った音が消えるほど静かで、けれど到達は雷鳴のように速い。

 

「っ……!」

 

 俺はその踏み込みを“見た”。

 視界の中でホシノの動きは線ではない。

 点が連続するような“最短移動”。

 

(速すぎる……でも、読める!)

 

 ホシノのショットガンの銃口が俺の胸に向く。

 撃たせない。

 

「っらあ!」

 

 俺は前に一歩踏み込み、銃口を横から弾いた。

 至近距離での射撃は、銃口さえそらせば致命傷にはならない。

 ホシノは素直に驚いた表情を見せる。

 

「へぇ……やりますね?」

「見て避けるのは得意なんでね!!」

 

 拳銃を撃つ。

 だがホシノは身体を紙みたいに薄くして避ける。

 反応速度がおかしい。

 同時にショットガンの銃床が迫る。

 

(読める、避ける!)

 

 頭を低くして回避。

 ぎりぎりで髪が揺れただけだった。

 

「っは、やっぱ近距離だと楽しいな!」

「ゲームじゃないんですよ?!もう少し真剣に戦ったらどうですか」

「その割りにはそっちも楽しそうだけど?」

 

 俺は拳銃を逆手に持ち替え、そのまま払い打ち。

 ホシノはショットガンの銃身で受け止める。

 金属音が鳴った瞬間、俺は回転蹴りを放った。

 

「っ!」

 

 ホシノが飛び退く。

 その足さばきは無駄がない。

 本気で強い。

 

「蹴りで来るとは思いませんでした」

「お前に近距離仕掛けられて、黙ってやられるほど素直じゃないんでね!!」

 

 拳銃の引き金を引く。

 ホシノがそれを体をひねって避けた瞬間──俺は地面の砂を思い切り蹴り上げた。

 

「砂っ……目潰しですか!? 卑怯ですね!」

「勝負に卑怯もクソもねぇよ!」

 

 ホシノが視界を確保しようと顔をそらしたその一瞬。

 俺は距離を詰め──拳銃をホシノの額スレスレに突きつけた。

 

「……やっと、これで一発か」

「……」

 

 ホシノが目を細め、俺と銃口を見比べる。

 そして──ふっと笑った。

 

「…残念ですね、私の勝ちです」

 

 下を見ると、ショットガンの銃口が俺の顔に向いていた。

 

「...降参だわ」

 

 拳銃を腰に戻し、俺は苦笑する。

 

 ホシノは強かった、俺が思っていたより何倍も。

 

「いい線行ってましたよ、私とあれだけ戦えるなんて」

「自己評価高すぎだろ...」

「事実ですから」

 

 さっき放り投げた対物ライフルを拾いに行こうとすると、ユメ先輩がそれを持って歩いてきていた。

 

「二人ともすごい!私、何が起きてるか全然わかんなかったよ...」

「銃...ありがとうございますユメ先輩」

「大丈夫ですよユメ先輩、こいつも何が起きてたかわかってなかったでしょうし」

 

 ホシノが毎回突っかかってくるんだが、殴っていいか?。

 まあ今回は負けた、それで引き下がってやろう。

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