名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
紅の旅立ち
数多の戦場を駆け抜けて、全ての強敵に打ち勝って。
今日、彼女は。
新天地へ向かう決意を抱いた。
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ネストに未登録の傭兵。他の傭兵からは、災害のように扱われ、気づけば深紅の悪魔と呼ばれるように。
そんなこと、何も気にせず。いや、むしろ誇りを持って。堂々と、相対した者にその名を名乗った。
「あたしはランブルだ!テメーらの言う深紅の悪魔とか言うやつだよ!」
しかし、その名が残ることはない。なぜなら全て、殺してきたから。
帰るものも、何も残らず。全てを杭で打ち抜いた。
後に残るは火薬の炎と、血のように吹き出すオイルのみ。
紅は、何を思うのか。その後静かに去るのみである。
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ある日のことである。彼女は気まぐれに、アリーナに潜る。ランクのかからない、フリーの場。相手のランクも隠れている。
戦場のような緊迫感は存在しないが、まぁ暇つぶしにはなるような場所。
そんな場所で、白い機体に出会った。
彼女は知っている、この辺りで知らないやつは居ない。彼を象徴する、ブレードを模したような青と白のエンブレム。
「ペイルグレア…!」
ランク1が、そこにいた。
彼女は、一方的に通信を繋いで。
「よぉ、
通信が帰ってくることはない。だが、間違いなく向こうの意識はこちらに向いた。
そこから、何戦も何戦も行った。
レーザーショットガンのチャージで撃ち抜いた。
堅実な盾で守られ撃ち抜かれた。
ショットガンで撃ち抜き蹴り抜いた。
負荷限界に合わせられチャージショットで貫かれた。
肩のキャノンで撃ち抜き、撃ち抜かれた。
パイルで全力でぶち抜いた。
パルスブレードで切り裂かれた。
楽しい時間。素晴らしい時間。記憶のない自分が、唯一満たされる瞬間。
結果は、勝ち越している。だが、最後のあの一戦。
向こうから、通信が飛んでくる。
「…負け越すのは、仕方がない。」
「だが負け続けるのは不愉快だ…!」
強烈な殺意が飛んできた。
これだ、これを求めていたんだ!
「それをもっと俺に向けろ!」
この試合は、完敗だった。勝負じゃない、処理のようなものだった。
最後なんて、テンションが上がりすぎてパイルを狙いすぎて。
「焦りすぎだ。パイル屋」
なんて言われて負ける始末。
だけど、殺意が心地よくて。最も楽しい瞬間だった。
その後少し話す機会があって、自身が知られていることも知った。
深紅の悪魔。俺を示す名前。
これだけじゃ足りない。もっと強いヤツと戦いたい。
そういえば、今騒がれてる星があったっけか。
なら、そこに向かって。
強い奴と戦って、勝ち抜いてやる。
名も無き傭兵の戦場から、誰がための戦場へ。
深紅の悪魔は、戦地を移していく。
読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!
明日は休ませていただきます!