名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
それは依頼をこなし、帰ろうとした時に現れた。
不気味に、その場で佇んでいる奇妙なAC。
いつからいたのか、いつ現れたのか分からない。
通信でコンタクトをとってもなんの反応もせず、ただこちらを見据えるのみ。
あまり見覚えのない
面倒事を避けるように、気付きながらも帰投しようとすると。
想像通りに、ミサイルを放ってきた。
やはりこうなるのか、などと思いつつミサイルを避け弾数を確認する。…右腕、右肩共に問題無し。AC相手にするなら恐らく足りるだろう。だが問題は後方に見える、赤い光。
あれは、恐らく噂にあった
宇宙を覆った、コーラルとかいうやつだろう。
そうして考察していると、ACは急接近してくる。ABを使ったわけでもなく、QBを使った訳でもない。これは…近接武器使用時の出力を利用したのか。
自身以外が、それを活用するのを初めて見たのだ。
…間違いなく、強い。だが、なんだ?所詮無人ACと言えばおしまいなのだろう。しかし、余りにも殺意を感じない。まるで、戦うために戦っているような…
などと考えていたら、向こうのパルスブレードがコアを掠める。駄目だ、考えてる余裕はない。向こうはAC戦を手馴れたような慣れた動きをしてくる。
ライフルをばらまき、ACSの不可をかけつつミサイルも放ち、左のパルスブレードで叩き切る。左肩に武装がないのは不明だが、その一点で随分助けられてるだろう。
恐らく、同じ武装を使えば、俺は負ける可能性が高い。
だがここは戦場。そんな言い訳は通じない。
向こうの急接近に合わせ、リニアライフルのチャージを合わせ、放つ前にQBでキャンセル。向こうはおそらく、警告音から回避機動を取った。
しかし未だに近づいてくる。ならばと、それに合わせてこちらもパルスブレードを合わせ。
至近距離でグレネードキャノンを放った。
向こうの機体が不可限界を迎える。合わせて蹴りを入れようとした際に。違和感と、嫌な予感が頭をよぎる。
その直感に従い、急いでリニアライフルを撃ちながら距離を取ると。
目の前に広がる、赤色の爆発。
アサルトアーマー、しかもどれだけの影響があるかが不明なものだ。
だが、それを放った途端に。
ACは光を失い、動かなくなった。
…一体、なんだったんだ。だが動かなくなったのならば、とこれ以上動くことがないようにグレネードキャノンを当てる。
よく見る橙の爆発に混ざる、赤色の爆発。
こうも本能に警告を鳴らすようなものは、初めて見た。
これ以上の戦闘を避けるため。さっさと機体を翻す。
『レイヴン』
───赤いノイズが、頭を走った。
ある決断の先
宇宙には赤が滲み出す
読んで頂き感謝感激雨霰!