名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
おう、どうした。久しぶりに声かけやがって。傭兵から足洗って元気にやってるのか?
…なに?いまは教官だと?けっ、やっぱりじゃねぇか。1度あそこを覚えたやつは少しでも、どんな形でも残ろうとするんだよ。前にも言っただろうが。
まぁお前には合う仕事だろうよ。で?その教官様がなんの用事だ?…依頼だと?…ちっ、しゃあねぇ。その日の夜に酒を奢れよ。それが依頼料だ。
なんだ、それで済ませるのが意外だと?はっ。
元相棒の話を聞きたいんだよ。言わせんなよ。
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いつもはシミュレータを使いACの操作、戦法などを教わるこの教室。
しかし今日は、いつもと違った。
見知らぬ人が、教壇にいた。しかも教官と親しげに。
あれは誰だ?初めて見る、などの声が聞こえる中、授業を知らせる音が鳴る。
教官が話を始める。なんでも、現役の傭兵であり、過去に依頼を共にしたらしい。
その時のツテを使い、依頼という形で今回来てもらったようだ。
現役の、AC乗り。もちろん見た事はある。だが、今目の前にいる人は、なんというかすごい…圧がある。
周囲を見渡して、話し始めた。
機体名等は教えて貰えず、ただ依頼を受けた傭兵であると。自腹を切った教官に感謝しろ、とも言われた。
話終わったあとに、調子に乗ったやつが1人、質問をする。
本当に強いのか?ただの雑魚が死なないから選んだんじゃないのか?
完全に煽りだった。そして周りも、同じような嘲るような目。舐め腐っている、クズ共の目だ。だか、その言葉を言い終わった、いや言い終わる瞬間に
乾いた音が、鳴り響いた。
気づいた時には持たれていたハンドガンから、煙が吹いている。後ろをちらりと見ると、明らかな銃痕。
俺たちは、舐められたら終わりだ。どこであろうとな
そう、低い声で言い。
先生に煽りを入れた生徒…いや、それ以外の生徒も、腰を抜かしていた。
今日は、生意気なクソガキ共に如何にしてお前らがこうして阿呆を宣いながら暮らせているか説明してやる。
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…今日は済まなかったな。かなりひやひやさせてもらった。
当然だろう。お前は昔から気が短かった。煽られてはすぐに喧嘩を買い、周りを巻き込んで乱闘を起こして人死を起こす。
そんなお前が、よく殺さなかったな。正直な所、数人は殺されるだろうと思っていた。
何?教員がそれでいいのか、だと?
お前に依頼した時点で覚悟していたさ。これもまた現実だと教える、いい機会だろう。
殺して欲しかったのか?そんなわけあるまい。皆可愛い教え子だ。だがそれとこれは別だ。戦場とは、そうだっただろう。
…そうだな。お前の言う通りだ。
お互いに、随分と丸くなった。
ここは、名も無き傭兵達の戦場。
猛る炎は火を撒き続け、
しかしいつしか、落ち着くだろう
読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!