名も無き傭兵達の戦場   作:狐狐

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歳の終わりとかなんて言うんだっけ、と2日ほど考えました。

良いお年を、でした。


ただひたすらに続く闇

カタカタとデスクに向き合う。暗い部屋の中、ひとりで向き合う。

 

周りに人は誰もおらず、ただただ暗闇のみが支配する。

 

そこで私は、ひとり希望の光と立ち向かう。

 

…そんなわけない。ただの残業だ。

 

全くほんとに、やめてほしい。なんでこの日まで仕事してるんだろうか。

 

年が変わってから傭兵達に投げるための依頼を整理する。

 

ほとんどが雑用みたいなもの。サッと目を通して依頼文に違和感がないか探す。だいたい機械に作らせているが、時たま変な文になっている。さすがに直す。

 

次に依頼ブリーフィングに使用する画像等のデータの確認。変なモノが映っていないか確認。たまに何をとち狂ったのか動物の画像が混じっている。なんでだよ、間違えねぇだろ普通は。

 

…はっきり言おう。作業自体は簡単だ。だが問題は、問題は…

 

…数が!多すぎる!!!

 

わかる、わかるぞ。年を越す前に次の年の分を準備しておきたいのは分かる。

 

だがなぜそれをひとりで回してんだ。馬鹿じゃないのか。

 

そんなことを考えながら、コーヒーを飲んで一息つく。

 

内心では、バーカ滅びろ上層部!、なんて考えながら。

 

それにしても、今年は激動の年と言っても過言ではなかった。

 

交渉の末に発生した、資源惑星を巡る企業戦争の開戦。

 

最初は別に良かったのだ。いつもの事、よくあること。

 

我々は外を出ず、中の作業を行うのみ。はっきり言って、あまり関係ない事象だったのだ。

 

それが一変していった。誰のせい?そんなの分かりきっている。

 

トップランカー、ペイルグレアの戦争参戦。

 

これのせいで今でも戦争は続いている。企業が損をし、傭兵が得をする歪な状況になっている。

 

ある程度の損失なら、それは最初の段階で決まっていた資金をやりくりするだけだからいいのだが。

 

今回は、それを逸脱している。個人が戦況を左右するのはおかしいよやっぱ…。

 

上層部の一部はペイルグレアが戦争を巻き起こす死神のように扱い、排除に動いている。この前の依頼だってそうだ。

 

まぁあの依頼が失敗に終わり排除に動いてた奴らが勢いを落とした、みたいな話も聞こえてくる。いい事だ。アイツらうるせぇんだよいちいちと。

 

本当に、ペイルグレアのパイロットが基本喋るような人物ではないからか、それをいい事にあることないこと様々なことが噂になっている。噂のバーゲンセールだ。

 

だけどなぁ。と、少し前のことを思い出す。

 

少し前、たまたま街を歩いている時に見つけた出来事。

 

子供たちと、何かをして遊んでいる1人の青年。周りの子供からはかなり懐かれている、そんな様子を微笑ましく聞いていて。

 

子供の声から、アストラにーちゃん、なんて言葉が聞こえて。正直飲み物を吹いた。

 

どこにでも居そうな不器用な青年が、ペイルグレアのパイロット。

 

その事実は、少し俺の心を弾ませた。

 

まぁ、今の残業で仕事におわれてる俺とは関係ないのだが。

 

はぁ、今年は会社が恋人か…




読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!
良いお年を!
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