名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
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【MISSION BRIEF】
ミッション名:新型ACパーツテスト
依頼主 :クライス 第一研究部
前払報酬 : 0 C
成功報酬 :60,000 C
こちらで開発した、新型パーツのテストを行いたい。
前回のパーツテストでは世話になった。おかげで試作パーツはあの後修理不可レベルの損耗があったが必要経費だ。おかげでさらに性能をあげることができる。
今回はまた違うパーツのテストも共に依頼したい。複数のパーツを頼みたいので前回と違い時間もかなり貰うことになるだろう。
今回も機体はこちらで用意する。是非とも頼む。
【END OF BRIEF】
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というわけで、再び依頼を受けた訳だが。
「おお、待っていたぞ」
「今回はフロートと何をするんだ?」
どうせ妙ちくりんなものを作ったのだろう。今回はどんな妙なものを作ったのだろうか、と機体を見る。
何も妙なところはない。…いや?腕部の形状が変…か?
そばの研究者に視線を送る。
「なぁ、こいつの腕…」
「おお、気づいてくれたか!」
…これは、長くなるやつか。
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「…ということだ!」
「もっとレパートリー増やしたいんだけどまぁ試作ってことでこんぐらいなんですよね」
「…そうか」
つまり、こいつは武器を内蔵した腕部パーツ。所謂武器腕、と呼べるような代物であると。
確かに合理的ではある。たまにはまともなものも作るのか、こいつらも。
「まぁいい。乗るぞ」
「あぁ頼む。フロートも改良してあるからな。そっちも頼むぞ」
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《システム、キドウ》
《今回は依頼通り腕部パーツのテストも頼みたい。存分に使い倒してくれ》
フロートとのブースターを起動。浮遊させて動き出す。…少し出力が上がったのか、前回よりも浮かぶのが早い。
市街地をフィールドに投影してもらい、とりあえず機体を動かす。…やはり、この速度は驚異的だ。ブースト消費がほとんど無くこの速度で移動出来る。その代償がエネルギーの回復の遅さと、枯渇時に動けなくなることなのだろうが。
ある程度動かして慣らしたら、今度は敵を出してもらう。武器腕とやらの試運転を行う。
1度何もロックせずに放つ。散弾が飛んでいく。内蔵されてるのはショットガンか。意図してなのかどうなのか、俺の使い慣れた武器。ならばやり方は変わらない。
機体を動かし近距離まで接近して、発射。威力も衝撃値もかなり高く、射程もそれなり。
ここまで欠点が見当たらないのが怖いくらいだ。今のところ整備士泣かせと変形機構の複雑さから来る変形不良の恐れしか…と考えたところで
そういえば、変形をさせていないな?
と思い、変形を一度試みる。
酷く重く、冷たい音。
合体部分がゆっくりと外れる。
ぐるり、と半回転し、変形が完了した。
かなりの欠点じゃないか。なんでゆっくり変形する?なんでそう見せびらかすように、相手に知らせるように重たい音が鳴る?馬鹿じゃないのか。この間腕部武装が使えないんだぞ、肩部武装だけでやれと?勝てるわけねぇだろうが死ぬぞこんなもの。
気付かぬうちに、銃弾やレーザーに当たる。そして気付く。APとACS負荷限界が前回よりも低いことに。
この機体脆すぎるぞ!?
この後、文句を一方的に捲し上げた。そうしたら、こんな事をほざきやがった。
「その欠点も愛して使うのがいいんじゃないか」
頭を全力で引っぱたいて帰った。報酬は支払われていた。
ここは、名も無き傭兵達の戦場。
火を作るものも、偶には火遊びをする
読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!