名も無き傭兵達の戦場   作:狐狐

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曲を引けるようになりてぇなぁ。


雑音では無いノイズ

ふらふらと物販を回る。特に目的もなく、ふらふらと。

 

ただ暇つぶしになればいいと思って、見て回る。

 

そこでたまたま目に付いた、ひとつの楽器。

 

かなりオンボロな見た目をしてる。だけど、大事な部分は死んでいない。弦もサビサビなエレキギター。

 

何故かこいつが、無性に気になって。

 

気づいた時には買って帰っていた。

 

───────────────────

 

さて、買ってきたはいいものの。

 

俺はこいつの奏で方を全く知らない。記憶を頼りに、弦を適当に弾いて見る。

 

小さな、気持ちの悪い音。そりゃあそうだ。こんなボロボロの物が整備されてるわけもない。それに、エレキギターなのに特有の音がない。これはどういうことなのか。

 

それでも、まぁ。弾いて音が出るのが、なんだか楽しかった。

 

何度も弾いて、音を聞く。たまに上の部分を抑えて、弦を弾く。そうするとどうだ、音が変わるではないか。

 

汚い音には間違いないが。それでも間違いなく発見だ。…なんてことをしてるうちに、気づけばそれなりにいい時間。

 

俺はギターを端に置いて、寝にいった。

 

───────────────────

 

今日もまた、物販を巡る。前回と違い、今回は目的を持って。

 

どうやら、エレキギターをしっかり鳴らすにはコードで機械に繋げればならないらしい。それと、汚い音は調整することで綺麗な音になるとも。

 

機械は…まぁ、ACに無理やり繋げればいいだろう。偶には音を出す装置として仕事をしてもらう。問題は調整だが、これは買わないといけないのだろうが、まぁ後でいい。そんなことより、あのオンボロをエレキギターにしてやることが最優先。

 

適当に店に入って、ギターとACを繋ぐコードを探す。こんな需要の無いものあるのかね、なんて考えながら。

 

まぁ見つかる訳もなく。なんだよ、なんて思ってるとなにやら声をかけられる。ここで何を探しているのか、と聞かれたのでバカ正直に答えてやった。そしたら聞いてきたヤツは大爆笑。なんでもお前みたいなバカはそういないとか。

 

失礼なヤツだな、こいつ。そう思っているとちょっと待ってろ、なんて言われたので少し待つ。そうすると持ってきたのは、今にもさっき改造しました、みたいな形をしたコード。

 

これを持っていけ、なんて言いやがるから金はいいのかよ、と聞くといつかその演奏を聞かせろなんて言ってきやがる。聞かせる予定はねーよ、と答えながらそのコードを受け取る。

 

後ろから聞かせるまで貸しだからな、なんて声が聞こえるので軽く手を挙げて挨拶をして去っていく。

 

そして、ガレージにいきACを起動して、適当にギターを繋げる。さて、これでエレキギターだろう。そう思って、鳴らしてみる。

 

普通に引くより、酷い音。耳障りな、聞いてるやつによってはキレられる音。そんな音を聞いて俺は

 

エレキギターじゃなくて雑音ギターじゃねぇかよ

 

なんて笑いながら独り言ちた。

 

ここは、名も無き傭兵達の戦場。

 

どれだけ燃えても、時には休憩を挟むだろう




読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!
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