名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
軍事基地襲撃/防衛
────ブースターを吹かし、逃げる。
背後から迫る、死神から逃げる。
なんで。どうして。死にたくない。
必死に、生き残るために。
僅かに残った理性を総動員し建物などを壁にして、ボロボロの機体で逃げる。小さな排気音が、破片のように耳に刺さる。
簡単な依頼なはずだった。基地の防衛が手薄になっている所を襲撃し、残った軽MTを倒すだけの。
3対1で負けるなんて思わなかった。
重量2脚は、不意を打たれた末にコックピットを斬られ。
4脚は四肢をもがれ、とどめにライフルで一撃。
自分より強者であろう2機をたった一機が瞬殺する、現実とは信じれない光景。
機体を建物の裏に何とか隠して必死に、必死に、息を殺す。
どうか見逃してくれと、やりたいことがまだあるのだと、いるはずもない神に祈りながら。
そんな
白い機体から蒼い閃光が煌めく景色だった。
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安い機体を撃破し、オペレータから依頼の完了を聞く。
面倒な依頼だった。MT部隊は他の傭兵2人に任せ自分一人でACの迎撃、撃破を行う。
詰めの部隊が後ろに控えているのも分かっていた。傭兵とは、企業にとって捨て駒でしかない。現にMT部隊を担当した1人は最後に重MTにやられたらしい。
だが事実として残ったのは企業部隊の無傷勝利。これは宣伝に使えるだろうが……俺は少し目立ちすぎてしまった。
どの企業の依頼もこなせるようバランスを取っていたが今回ばかりは少々傾きすぎた。暫くこの企業から依頼を受けない方がいいだろう。
傭兵というのは耳がいい。事実を交えた噂を少し流してやれば、この戦場に多数の傭兵が流れ込むだろう。
次も頼むという言葉に返事をしつつ、そんなことを考える。
星を巡る企業間戦争は始まったばかり。暫くは首を突っ込まないが、しっかり稼がせてもらおう。
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星を巡る企業間戦争、C社が優勢か
先日、⚫︎⚫︎星××地区のC社基地に、M社の部隊が襲撃をかけた。
M社はMT数十機、重MT3機に加え傭兵を4名を雇い電撃戦をしかけた。
しかしC社はこれを撃退、部隊の損傷も無しと発表した。傭兵を2名雇ったといえど破格の戦果と言えるだろう。
だが、少し調べたところ雇った傭兵は2名ではなく3名であり、襲撃も発表した数ほどの量ではなかったとの噂だ。
この件に関与した傭兵にコンタクトを取り、話を聞いてみたところ「答えられない」の一点張りであり、C社が追加の報酬金を支払い口封じをしている可能性が高い。
またもう一人この戦いに参加していたとされるランカーは、暫くこの件に手を出さないとの噂が流れている。
この記事を読む傭兵の方々にとってこれは大きな稼ぎ時になるかもしれない。
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ここは、名も無き傭兵達の戦場。
今日もどこかで、戦いの火の手が上がる
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