名も無き傭兵達の戦場   作:狐狐

42 / 66
アンケート!やってます!!!


ネタを尋ねて

 街を歩く。喫茶店を目指して、時間に間に合うように。

 

 珍しくメールではなく、実際に会って話す。彼は結構人付き合いを大切にするから、それの一環なのだろう。

 

 今日はどんなことが聞けるのか、今日は何を流すのか。

 

 ネタが向こうからやってくるのは、最高の環境なのだから。

 

─────────────────────

 

 喫茶店の中に入り、目当ての人物を探す…までもなく。店主と、隅に座る1人の男。この2人しか店内には存在しない。

 

 私は迷わず、彼のテーブルに向かい。

 

「こうして会うのは久しぶりですね、ナインブレイカー?」

「称号で呼ばれるのは好かん」

 

 相変わらず、ぶっきらぼうな方だ。それでもこれがジョークと理解しているからこその対応だ。

 

「ふふ、申し訳ありません。こうしてお会いするのは久しぶりですね、アストラ」

「偶には会って生存を確認すべきだ。AIに成り代わられるなどたまったものじゃない」

「今のご時世で反AIですか?随分と時代遅れでは?」

「友人の無事の確認をしたいだけだ」

 

 この人は本当に…なんとも人たらしな事だ。こんな対応をすれば異性に勘違いされる可能性もあるでしょうに。

 

「あなた、いつか刺されるのでは?」

「なんのことだ。本題に入れ」

「あぁ、はい。わかりました。すいません、彼と同じものをひとつ」

 

 飲み物を注文し、今の情勢を語る準備を整える。彼にとってはただの雑談、情報提供なのかもしれない。だが私にとっては、ここは戦場。

 

 親しき者だが、それと同時にここにおける最強。そんな人物と話すのだから、生半な覚悟でする訳には行かない。

 

 店主から飲み物が届き、頭を切替える。

 

「では、お互いに話し合うとしましょうか」

 

─────────────────────

 

──貴方が今いる星の情勢はどうなってますか?

 

「掻き回しすぎたのか落ち着いている。小競り合いが続くのみだ。知っていると思うが俺自体が狙われもした」

 

──これからそちらはどうなっていくと予想しますか?

 

「恐らくだが二分するだろうな。C社とM社で星を二分。互いに出すリソースを減らしたがっている」

 

──つまり終戦するだろうと?

 

「終戦だろうな。こちらも、随分稼がせてもらった。だが領土の取り合いは起こるだろう。傭兵側も稼ぎに困ることはないだろうが、容易には稼げなくなる。これからは傭兵同士の争いになるだろうな」

 

──ありがとうございます。貴方はどうするのですか?

 

「暫くは転々とするだろうな。面倒だが仕方ない」

 

─────────────────────

 

「お前の方で、いい星はないのか?」

 

 あちらから質問が飛んでくる。今度はこちらが答える番となる。

 

「ずっと言ってる場所しか思い当たるところはありませんね」

「あそこは無しだ、誰が行くものか。そもそもが厄ネタの星になぜ行かねばならん。一度焼かれて今は惑星封鎖機構が管理しているんだぞ?」

「そうですよねぇ…あんな所に行くのはよっぽどのバカか、そこに利益を見出したものか…」

「あの星になにか未練があるか、だ」

 

 本当に、よく調べている。例のハンドラーもそこに向かおうとしているのも知っているのだろう。関係がないから語ろうとしないだけで。

 

「最近で、何か面白いことはあったか?」

「面白いこと、ですか…」

 

 さて、なにかあったか…。彼が気に入りそうな話とすれば…

 

「ランク3がここ最近活発に動いていますね」

「ランク3…?どいつだ…」

 

 ほんとに人のランクに興味がないな、彼は。

 

Stain(ステイン)、と言えば伝わりますか?」

「あぁ、あの気狂い女。近寄りたくないな…。どこの星だ?」

「クライス本社がある惑星キログ一帯ですね。」

「変わらずその辺にいるか。わかった、感謝する」

 

 他になにか、彼が興味が抱くものはあっただろうか…。いや、関心を寄せる話題はある。それを出してみよう。

 

「アストラ、未確認兵器の噂をご存知ですか?」

「何かあったな。確か惑星センテシア、だったか?」

「はい、あそこで相当昔のデータログが見つかったようですよ。驚く事にデータの破損も無し」

「あそこもやはり相当厄ネタの星じゃないか。封鎖機構は仕事を…いや、あそこは封鎖機構が追い払われたのだったか…?」

「傭兵と企業両方が団結して追い払った、とされていますね。」

 

 そうやって、2人で話し込んでいく。そして気づけば解散の時間。

 

「おや、いい時間になりましたね。それでは、今日はこの辺りで」

「あぁ、そうだな」

「それでは、また」

「またな」

 

 そうして、喫茶店から出る。

 

 ふふ、良いネタが貰えた。これから文字に起こすのが楽しみだ。

 

ここは、名も無き傭兵達の戦場。

 

戦火の周りは、また別の戦場がある




読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。