名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
荷物をまとめる。次の星を目指すため。
依頼はなく、しかし新たな依頼の為に。
あの星は確かに稼げたし、これからもコツコツ稼ぐことができるのだろう。
だが、それでは満足出来なくて。
実質的な頂点の存在への恐怖もあって。
どうせなら、違う星で一山当ててやろう、と思い。
この惑星を、旅立つのだ。
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あの星に思い入れなんて存在しない。だがこれから稼げる場所がある、と聞いたから向かっただけ。
傭兵になりたてで金の無い身分にとってはかなり助かったのも、また事実だ。
だけど、ここにいる限り。
自分が頂点に立つなんて出来ないのだ。
まずもって、ランク1には勝てないのは分かりきってる。
今日こうして生きていられるのも、奇跡的に敵対しなかったからであり、敵対していたらこうして二本足で立てていない。
企業への敵対行為をとっても自分のような存在は生き残れない。
どれだけ振り回されていても、企業というのは一般的な傭兵よりも、比べ物にならないほど強力な存在なのだ。
自分は強くなく、力の前には屈する存在。そんなことはランク1を目の当たりにして思い知ったのだ。あれを見れば、誰しもが伸びていた鼻が根元から無くなるだろう。
そんな中で、ずっと考えていたのだ。どうすればより稼げるか。弱い自分でも、頂点に立てるか。
簡単なことだ。傭兵が居ない星に向かえばいい。
思いついた時は天才だと自分褒めた。だが何処にそんな星があるのかと思い断念した。
だが後々、よく考えれば。そんな星は存在するのだ。
開拓途中の星。そこには傭兵なんて存在しないだろう。なんせ稼げる場所じゃないだろうから。
何と争うんだ、現地住民か?よっぽどの異常が無ければ負けるはずがないだろう。それだけの技術力を持っている。恒星間航行技術が一般化してるのだ。1つの星に閉じこもっていた存在が勝てるわけが無い。
だからこそ、戦いは少なく稼ぎも少ないものだろう。
それでも危険は少ないだろうし、なにより早い段階から存在すればその星や企業への理解が高まる。つまるところ、後々有利になるのだ。
楽しみだ、これから向かう先での黄金の道が。
弱者が頂点に立つ瞬間が。
この時の私は失念していた。
企業とは企業同士で足を引っ張り合うことを。
私が思いつくのだから、他の傭兵も思いついてやってくるだろうことを。
そして、どこにでも怪物は存在しうることを。
新天地でも、頂点に立てることはないだろう。
ここは、名も無き傭兵達の戦場。
戦火に身を置くものの想像は、
必ず戦火が付きまとう。
そうして戦火は続くのだ。
読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!