名も無き傭兵達の戦場   作:狐狐

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欲張ります。感想くれー!!!ここすきもくれー!!!


配り手

 私は、しがない記者である。様々な記事を書き、世間に情報を伝えてきたつもりだが、所詮は木っ端。大した稼ぎもなければ決まって読んでくれる者もいない

 

 なにか話のネタはないのか、一発逆転できるような興味を引く題材はないのか、などと考えている時にふと、一人の名前が目に入る

 

 “ディーラー”

 

 正体不明の傭兵であり、トップランカー。その依頼成功率はランク1を凌ぐ程の凄腕。様々な噂があり、その中にはNESTの直属の傭兵ではないかという噂まで立っている

 

 そんな彼、ないし彼女だがその姿を見たものは一人もいないという。あの露出の少ないランク1ですら日常の中で見かけたことがあるという話があるのに、この傭兵は一切その話がないのだ

 

 もし私が、彼の姿を追えたら?もし私が、彼の姿を知れたら?それは間違いなく、特大のニュースになるだろう

 

 そう考えた私は、彼の足取りを追うべく足を進めたのだった

 

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 ディーラーに対しての情報はあまりにも少ない。なのでまずは、NESTに載っている情報を簡単にまとめる。

 

 登録名、Dealer(ディーラー)。機体名はBlackjack(ブラックジャック)。青と黒のカラーをした軽量二脚乗りであり、軽量二脚の利点である速さを活かした戦いが得意である。依頼達成率は高く、達成速度は速い。依頼を送ろうと取り合うことにまでなることがある。

 

 これが、ディーラーについての基本情報だ。確かに、依頼者からすれば必要な情報はしっかり載っている。だが、一般の我々からすればどういった人物なのか、というものは何も見えない

 

 私は一旦、ディーラーがどう言った口調なのか、どんなイメージを受けたのかを知るべく、依頼をしたことがあるという傭兵を募った

 

 そうすれば大量のメッセージが送られてくる。金に飢えた傭兵達が恐らくだが、嘘の情報を伝えて金を受け取ろうとしているのだろう。それは最初から分かっていた

 

 そして、送られたメッセージの中に一人の人物を見つける

 

 CLAR RAFOL。トップランカーの一人である彼から連絡が来たのだ。私は急いで連絡を取ると、条件として彼がいる星まで来ることを提示された

 

 私は、嬉々として彼のいる惑星、センテシアまで飛んでいった

 

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 惑星センテシア。様々な企業が乱立し、覇権を取ろうと争い合う傭兵にとっての天国。そこで私は、約束通り彼に出会った

 

「よう、ほんとに来るとはな?偽物かもしれねぇのによく食い付いたもんだ」

 

 クラール・ラフォル。センテシアで暮らす、トップランカーの一人。まさか本当に彼だとは思っていなかった。騙されてもいい、程度の気持ちだったのだ。だからかなり驚いた

 

「あの機械野郎について知りたいんだろ?ならまずは俺の拠点までついてきてもらうぜ。安心しろ、殺したりはしねぇよ。利点ねぇからな」

 

 機械野郎?彼は機械野郎といったのか。ということは人造人間、または強化人間などのそれに類する者なのか?

 

 そんな細かなところもメモを取りながら、彼の運転する車に乗り込み、拠点まで走った。

 

 ……拠点で最初に行われたことについては、今回の件には関係ないので割愛するとして。私はディーラーについて、彼に尋ねていった

 

──ディーラーの性別は?

「まぁ、自認は男なんじゃねぇの?喋り方はかなり中性的だぜ」

──ディーラーに出会ったことは?

「一回もねぇよ。見ることもねぇだろうさ。だが会話は何度もしてるぜ。お硬くてジョークも通じねぇやつだよ」

──NEST直属という噂がディーラーにはありますが、そこはどうでしょうか

「答えれねぇし、真偽は知らねぇ。もっと言えば興味が無い。何となくはわかるが、これはあんたみたいなのにはわかんねぇものだろうさ」

──全て答えて貰えなければ、報酬は無しと言っても?

「残念だったな、俺はもう報酬をお前さんから受け取ってるんだ。金よりそっちがメインだったしな。んなこたどうだっていいだろ、もっと知りたいことを投げかけてきな」

──…ディーラーと依頼を共にしたことは?

「あるぜ。正確無比で迅速。こっちの仕事が無かったよ。ま、ランカー二人相手する奴さんらが可哀想だったよ!」

──共に仕事はしたのに、出会ったことがないと?

「そうだ、仕事はしたけど会ったことはねぇ。あいつは機体から降りようとは一切しなかったからな。別に珍しいことでもねぇよ」

──あなたが思う、今の最強の傭兵は?

「俺だ、なんて言えたら格好がつくんだがね。お前さんは調べたりしてディーラーが1位じゃないことに違和感を覚えたりしたんだな。だが残念だが最強は現ランク1だ。依頼の規模、難度があいつの方がでかいんだよ。その中であの成功率だからこそ、最強なのさ」

 

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「気をつけて帰れよー、依頼料もしっかり頼むぜ?」

 

 彼、ラフォルに見送られながら元いた星へと帰る。様々な事を彼から聞くことができた。だが、まだこれだけでは足りない。もっと情報を集めなければ彼に近づくことはできない

 

 私は彼に礼を言って、センテシアを離れるのだった

 

「…もしもし?これでいいか?…十分?そうかよ。なんでお前はそんな自身の秘匿性にこだわるかね?」

「ま、依頼されたし別に簡単なことだから受けたんだ。ちゃんと依頼料は払ってもらうぜ?」

「ディーラー」

 

ここは、名も無き傭兵達の戦場。

 

世界の動向は、配り手次第




読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!
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