名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
惑星キログは、今日も比較的平和である。クライスの支配下にありそれをほとんどの人間が享受している
「またメチャクチャなもん作ってんじゃねぇよ。こんなもん使えるか!」
「えぇー!でもかっこいいじゃないですか!」
「かっこいいだけで戦場に持ってけるわけねぇだろうが!なんでてめぇらはいつもいつも……」
こうして、騒がしくしている研究所もあれば
「いってきます!」
「うん、行ってらっしゃい。ちゃんとお勉強するのよ?」
「うん!」
暖かな家族の居場所もあり
「本日のメインは座学だ。シミュレータを使えず不満だろうが我慢しろ。ACに乗り戦場へと出るならば頭の片隅に置いて損はしない。それは引き出せるかはお前たち次第だがな」
個人でAC乗りになりたい者への教えを授ける教室もある
そんな星で一人、喫茶店で紅茶を嗜む
「相変わらず、表面の部分は平和ですね。ここは」
彼女こそは、ウンディネ。
彼女は追加で注文を頼みつつ、携帯端末で軽く記事を探す
「また記事にされてますね……そろそろルスルスを出るだろうと思ってたんだけどな……候補が無かったのかな」
「クラール様からのメール?珍しい、何かあったんですかね……これは、写真?噂には聞いてましたが、センテシアはこんな不思議な場所もあるのですね……」
「リアの方は変わらず、ルミナスをディムが落とそうと動いてるだけ、か。あの老人がそんなつまらないことばかりするとは思えないんですけどねぇ……」
「お客様、ご注文の品をお持ちしました」
「あぁ、ありがとうございます」
ふと、彼女の耳に店内モニターに映るニュースが聞こえてくる
『先日、27番エリア市街地において何者かの指示による独立傭兵を使用した襲撃がありました』
『しかし我らクライスはこの事態を予測しており迅速に対応を行いこれを退けました』
『これに関しクライス防衛軍代表は』
『大切な市民の皆様を危険な状況に持ち込んでしまい申し訳ありません。しかし如何に突発的な襲撃でも我らは迅速に対応を行い皆様の安全を守ります』
『と、コメントを残しました』
それを聞いて、周りに聞こえないようにひとりごちる
「……なにが皆様の安全だ。あれはどう考えても貴方たちの自作自演じゃないか」
だが、そんな事情を知らない者の方が当然多く。周りからは
「さすがクライスだな。俺たちの安全を第一に考えてくれる。他の企業とは大違いだ」
「あたし、この星に移住してきてよかったー!娯楽もいっぱいあるし、危険も全然ない!ここがいちばんよ!」
なんて声が聞こえてくる。ウンディネからすれば、ありえない言葉。それに彼女は耐えかねて、荒む心を理性で押し殺して。
勘定を置いて、店を出た
ここは、名も無き傭兵達の戦場
傭兵たちも、市民たちも
全ては企業の支配下で
今日もキログは、幸福である
読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!