名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
惑星センテシアは今、混迷を極めていた。未踏領域たるV地区ヘリアル荒野の開拓が進もうとしているからだ。しかし……
「どの依頼も足の引っ張り合い、馬鹿だなどの企業も。今こそ進めるべきだろうが」
傭兵……クラール・ラフォルが言う通り、どの依頼も他の企業の足を引っ張るものばかりであった。
・探査隊妨害
・調査隊中心人物殺害
・支援物資奪取
軽く目を通すだけでこれである。しかも各企業がそれぞれ出しており、同じような依頼が凄まじい量並んでいた。傭兵からすれば本来、ありがたいことではある。だがクラールは
「関わりたくねぇし面白みもねぇな……前みたいな写真撮影のお供みたいな依頼はないもんかねぇ」
間違いなく、変人であった。彼自身がトップランカーの一人であり金にそこまで困っていないのも理由ではあるのだろうが、それ以上はわからない。だが普通ではない依頼を求めている。クラールとは、そういう傭兵であった
「んー……調査任務とかはあるがどうせ面白みもねぇ依頼だったり囮だろうしな……稼ぎ時なのはわかるがやる気になんねぇなこれじゃぁ」
そう思い、電源を落とそうとした時に一通のメールが届く。普段なら送り主も確認せず無視していただろうそれを、彼は珍しく開けるのだった
未踏領域調査
【SENDER】
KASASAGI
【TEXT】
未踏領域の調査依頼を受けた。クレストという企業からの依頼に装ってあるが、調べたところそんな企業は存在しなかった。この依頼はなにか妙な感覚がする。この感覚は以前亡霊跡地へと依頼で行った時と同じものだ。
こんな面白いことを一人で体験するなんてもったいない。どうだ師匠、一緒に行かないか?
なんとも珍しい、彼の弟子からのメールだった。噂話で誰かが亡霊跡地に向かいデータを拾ってきたのは聞いていたが、まさかお前だったとは。それに、そこに関する依頼だと?そんなもの
「めちゃくちゃ面白そうなことしようとしてんじゃねぇか!乗るに決まってんだろ!ハハッ、ハハハハッ!」
相棒を弾くのも別に楽しい事だったが、それとこれとはまた別だ。それに今は、そちらの方が楽しそうだ。恐らく例のヤバいのが関わることだろうが関係ねぇ。なんせ面白そうなのだから
彼はそう思いすぐさま弟子のカササギにメールを送り、突発的にグループへと連絡する
《おーうトップランカーのアホ共!ヘリアル荒野の秘密弟子と探ってくるわ!》
《ついに気でも狂ったかね?クラール》
《テンション高いですねクラール様……》
《お気をつけて。クラール様》
《とんでもねぇもん見つけて送り付けてやるよ!おいアストラ!てめぇも聞いてんなら安心しろよ!しっかり送りつけてやっからよォ!》
「……別にいらないんだが」
ここは、名も無き傭兵達の戦場
混迷極めた状況に混ざるは、出所不明の危険な依頼
ヘリアル荒野はすぐそこに
読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!