名も無き傭兵達の戦場   作:狐狐

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ここが1番自分でもどう進むかわかりません


星の現状:惑星リア

 惑星リアは、何も変わらない。今日もディム・インダストリアルがルミナスへと、襲撃を仕掛けている。そしていつも通り、ルミナスは襲撃をいなすだけ

 

「市民は守っているからこその支持。しかしルミナス社内では疑惑の芽が既に芽生えている、か。全く、人心は離れやすい物であると昔から言っておるはずなのだがな」

 

 その状況を俯瞰して見ている者が一人

 

「しかしディムはよくやっている。あの愚物が長となった時には見限るべきかと悩んだものだが、中々どうして侮れん。しっかりと教育してやったのもあるが、やはり現会長が才覚として抜きん出とるわ」

 

 ディム・インダストリアルに所属しており、ルミナスの相談役も担っている男、周念真であった

 

 彼は、この星の開拓時代からディム・インダストリアルに所属している。だからこそ、これまでの苦労を知っている

 

 彼は、ルミナスが立ち上がるその瞬間をこの目で見ている。だからこそ、何をしてどう今の立場まで登ったかを知っている

 

 全て、彼の提案した物が元となっているのだから。だが、選んだのは彼じゃない。彼は提示しただけだ

 

 彼らが選びやすい方法を、提示し続けただけだ

 

「全くどうして、こうも想像通りに動いて行くとは思わなんだ。管理者の真似事など、さらさらする気も無いのだが。老人にとっては劇物だな、これは」

 

 自身を老人と謳うその姿は、とても老人には見えない。だが、強化人間たる彼は見た目以上に長い年月を生き延びてきた。その果てで、自身が骨を埋めると決めた星。それこそが、このリアであった

 

「開拓のあの時代から眺めてきた。当時から考えれば有り得んほどの光景だ。ビルは並び立ち、人の住処で溢れている。郊外に目をやれば彩り溢れる自然に満ちた。あの荒地しか存在しなかった星は、既にどこにもない。間違いなく、我らの功績と言えような」

 

 脳裏に過去を思い浮かべながら、そう独り言ちる。そして聞こえる、戦火の音。記憶の中でも、現実でも変わりない音

 

 再び、ディムによるルミナスへの妨害行為が行われているのだろう……過去に、このようなことは無かったのだが

 

「やはり、あの愚物に任せたのは間違いだった。そのせいで方向の転換をせねばならなくなった」

 

 今でも思い出せる、当時の記憶。ディムの代替わりを行う際の二人での会話

 

『息子に任せるだと?確かにお前の手腕は確かで、この星と会社が成長したのはその手腕あってこそ。だがお前より遥かに劣るアイツに任せるだと?』

『言うな、分かっている。能力が足りとらん事も自身の欲を優先する愚か者である事も。だがな、それでも』

『あやつは俺の可愛い、一人息子なんだよ』

 

 家族の情なぞ持ち合わせていない。だからこそ、理解できない事柄だった。それに、あの事があったからこそ彼が合理と会社の為に生きる存在ではないと知れた。それ自体は、間違ったことではなかった

 

 それに比べれば、ルミナスの方は一貫している

 

『この星の頂点に立たないか、ですか。貴方の事です、我らにはそれが可能と見込んだのでしょう』

『老人の戯言ではあるがね。これからのディムにハッキリ言って未来はない。だからこそ星の為を思い提案したのだよ』

『ふむ、お断りします』

『ほう、理由を聞いても?』

『我らは、星の頂点に立つ為に動いているのではありません。この星に住む人類の為に動いているのです。だからこその、ディム・インダストリアルとルミナスの二大巨頭を生み出す。人々がどちらかを頼る事ができるように』

『その果てに頂点に立ったとしても、我々はそんなものに興味はない。聞かなかったことにしますよ、周』

 

「……全く、ままならん。思想というのは必要ではあるが、時折邪魔と感じる」

 

 そうして彼は立ち上がり、携帯を手に取る

 

「儂だ。たまには体を動かしたいのでな、都合をつけてくれ。防衛部隊でもなんでもいい、なんならお前が来るか?」

 

 少し荒らげた声が聞こえた後に、通話が切れる

 

「たまには扱いてやるとするかね」

 

ここは、名も無き傭兵達の戦場

 

異なる思想が3つ。しかし目指す先は変わらない

 

より良い星を、より良い日々を

 




読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!
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