名も無き傭兵達の戦場   作:狐狐

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雰囲気が前2話とは少々異なります。ご了承ください。


【防衛】どんなやつもボコボコにする!【任務!】

 

「みんなおはめろ〜!C社所属のAC乗り!メル=オーだよ!今日もミッションやってくよー!」

 

・おはめろ〜

・おはめろ〜

・おはめろ〜。今日は何やるの?

 

「今日はね…なんと!!!防衛任務をやっちゃいます!」

 

・おお〜!

・どうせ簡単なやつ

・企業が選んだ簡単なやつやろなぁ…

 

「むっ、そんなことないよ!今日はわがまま言ってメルが選んだんだ〜」

 

・面白くなってきたな

・今日で終わりですか…

・おつ、まぁ頑張った方じゃね?

 

「なんでそんな事言うの!?メルだって強くなってるし、ちゃーんと色々調べたんだからね!」

 

・ほんとぉ?

・かなり怪しい

・ブレードは使えるようになりましたか?

 

「うぇっそれは、えぇと…そんなことより、場所がどこか気になるよね!」

 

・逃げたな

・逃げるな

・まぁ難しいから…

 

「なんなのさみんなしてさ!防衛場所はね、えーっと…S地区前線基地だよ!」

 

・S地区マジ?

・S地区のC社前線基地襲撃依頼ながれてた?

・↑記憶にないな

 

「襲撃依頼が流れて無いって事は相手企業のザコMTばっかりでしょ!それに会社の人も褒めてくれたし、憧れのアストラさんのペイルグレアの動画もいっぱい見た!ってことで早速出撃するよー!めるー、おー!」

 

・めるー、おー!

・ペイルグレア参考にするのは違うと思う

・嫌な予感がする

 

───────────────────

 

「とうちゃーく!みてみて、こんなに味方がいる!緑の点がいーっぱい!」

 

・この辺最近なんか噂なかった?

・↑ランカーいるかもって噂は聞いた

・マジでランカー来たら終わりだなw

 

「違う話してないみんな?まぁメルはさいつよなのでランカーが来てもボコボコにしてやるもんね!」

 

・絶対無理

・メルちゃんならやれる!

・勝てるわけないんだよなぁ…

 

「なんでそんな信じてくれないのさ!同じ人間なんだよ!?絶対勝てるって!」

 

・規模がデカすぎる

・こんだけ味方いるしワンチャンあるかもね

・やばい

 

「ん?どしたの?なんか《そろそろ襲撃推定時間だ。配置に着いてくれ》あっはーい!てことで、コメント閉じるね!メルの勇姿をその目に刻め〜?」

 

・ほんとにやばい、勝てない

・慌てすぎだろ

・不味い、逃げろ!

 

────友軍の反応が、次々消える。

 

瞬き一つで、4つ、5つと消えていく。

 

「え?なにこれ、緑の点が消えてってる?」

 

《ぐっ、ああああああああああ!!!!》

 

「えっあ…隊長さん!?」

 

少し遠くの、重MTも。

 

小さな音の後、例外なく。

 

カメラに一瞬映るのは

 

「白い…AC?うそ」

 

知らないはずがない。誰よりも、なによりも憧れたのだ。

 

特徴的な、真っ白で、尖った肩。

 

水色に光る、カメラアイ。

 

左で光った蒼い閃光は、彼女もよく知るパルスブレード。

 

だって、何度も見たのだ。自社の基地を守った姿を、憧れて、何度も何度も

 

「本物…?まさか、でも」

 

少し先で、破片が飛び散り火花を撒く。

 

ブースターの音は、徐々に徐々に近づいて。

 

警告音が、鳴り響く。

 

・ランカーAC、ペイルグレアが出撃してる!

 

カメラに移る、Pale Glare(ペイルグレア)の文字。

 

憧れが、絶望となって降り立った。

 

「う、うそ。うそだよ。勝てるわけないじゃん」

 

沢山調べたから知っている。依頼はほぼ完璧にこなすことを

 

「で、でも、戦わないと」

 

敵対ACに、例外なく勝利していることを

 

「し、死にたくない…っ!」

 

あんなにも、ただ憧れて胸が熱くなったのに。

今はそれが、これからの自分を裏付ける。

 

ここでこれから、自分は死ぬと。

 

静かに、死神の目がこちらを捉えた。

 

「あ、あああああああ!」

 

喉が痛むほど叫び、自身を鼓舞する。まるで現実から目を背けるように

 

「ひ、引いて、撃つ。ブレードに、気をつければ…!」

 

そんな甘い考えは、通じない。

 

「ひっ、ち、近い!早い!」

 

ABで、一気に距離を詰められる。極限状態で、機体の操作も覚束無い。

 

「やだ、やだ!たすけっ、なんで誰もいないの!?」

 

リニアライフルも避けきれず、ACSが負荷限界に陥って。

 

「わ、わたし、まだ、死にたく…!」

 

蒼い閃光が閃いた。

 

「…あ、あぁ…」

 

・うそ

・やだ、しなないで

・草。おわりやね

 

最後に移った配信欄は

 

・死んだ?

・あーあ

・次に期待

 

無価値を知らせる言葉だった。

 

ここは、名も無き傭兵達の戦場

 

小さな火種は、足掻いた跡も残せず消えた




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