名も無き傭兵達の戦場   作:狐狐

61 / 66
いつも当日に書いて投稿なのでいやぁ思いつかなくて辛いです


ACバトル

--------------------

 

【MISSION BRIEF】

 

ミッション名:ACバトル

依頼主   :クライス

前払報酬  :   0 C

成功報酬  :68,000 C

 

近日中に、我々クライス主催で開催されるACバトルへの参加者を募集する。

このバトルは各界の著名人やら一般の市民達に、AC同士の戦闘でギャンブルを楽しんでもらう一つのイベントだ。

 

もちろん、君たちにもメリットがある。戦闘の勝者には、通常の依頼に相当する金額の報奨金を進呈する。

 

対戦相手はこちらで決定させてもらう。使用する武器、装備等に制限は無い。

諸君の積極的な参加を希望する。

 

【END OF BRIEF】

 

--------------------

 

 クライスが定期的に開催する、傭兵達を集め実戦形式で戦闘を行い、どちらが勝利するかのギャンブルを行うイベント。このイベントにトップランカー達が参加することはこれまで1度も無く、賭けが成立するように調整が行われていた。さらに言えば、ギャンブルの参加者以外も楽しめるように、ランクまで隠して戦わせていた

 

 大きなイベントのように様々な出店を開いて、大きなモニターにAC同士の戦いを映す。ACが爆発する様子を見ながら、皆があれこれと騒ぎ立て、実況がそれを盛り上げる

 

『パイルバンカーの強烈な一撃が決まったァー!これには如何に重量級といえど耐えられず爆発だぁ!勝者!赤コーナー!』

「ちゃんと動かせよ!あんな機体に近距離挑んだら負けるに決まってんだろ!」

「読み通り!いつも儲けさせてくれてありがとよぉ!」

 

 会場は大盛り上がり。ただ眺めている人も、これを賭け事として楽しむ人も、純粋にAC戦を楽しんでいた。なぜならこれは、生死がかかっていないから。シミュレータでの戦いだろうから

 

『さぁここまで楽しんでくれたかな!?そんな時間も次で最後だ!悲しいねぇ、俺涙でちゃう!でも?今回は?いつもとちがぁう!』

『なんとなんと、特別ゲストがこれから現れちまうのさ!特別に招待したヤツがどんなヤツか、みんな気になるよなぁ!!』

「そんな盛り上げどうでもいいからさっさとしろー!!!」

「なんでもいいから儲からせろー!!!」

『ヒュゥ、冷たい声ありがとう!それじゃぁ勿体ぶらず紹介するぜ!このイベント初めての!特別ゲスト参戦だ!』

 

 皆、なにか有名人が来るのだろうと考えた。当然だ、これまで特別ゲストなんて呼んだことがないイベントなのだ。芸能人かなにかが来て楽しませてくれるのだろう。そう考えていた

 

『ランカーって言葉、知ってるかい?傭兵達の中でランキング上位に贈られる言葉だ。実は今までもランカーってやつはここにいた。ランク隠してるから見えないだけでな』

『だが!こいつに関しちゃ隠す意味がない!何故かって?そんなの単純。ランカー程度じゃねぇ、トップランカーと呼ばれる数少ないヤツの一人だからだ!』

『今回の特別ゲストはこいつだ!ランク3位!ウンディネの駆るステインが登場だぁぁぁぁ!!!』

 

 このイベントは、どこまで行ってもAC同士の戦いを見るイベントなのだった。当然、何も知らされず現れたトップランカーに会場は大騒ぎ

 

「は!?ステイン!?誰が勝てるんだよ賭けにならねぇじゃねぇか!」

「かっこいー!あれ本物!?本物かな!?」

「嘘!?本当にウンディネ様!?」

 

 一体誰がこんな化け物を相手にするのか。1体1のルールが基本のこの場で勝てるわけが無い。蹂躙劇が見れるのか、なんて皆が考えていると聞こえてくる実況の声

 

『今回は特別ルールだ!ステインVS二機のAC!この二機も侮っちゃいけねぇぜ?なんせ今回きた奴らの中ではめちゃくちゃ上のランクのやつだ!さぁ!どっちに投票するか、どっちに賭けるか!オッズはステインが2.3、二機の方が8.9だ!ほぉらスタートだ!』

「二対一……それならまだ賭けになるか…?」

「おいおい、二対一なんて話にならねぇだろ。結構前に一位が四対一で勝ったって聞いたぜ?こんなものステイン一択だ」

 

 様々な声が聞こえる。賭けにならないなんて声もあれば成立しているという声もある。ただ純粋に、応援する声も上がっている

 

『さぁ!投票終了!賭けも終わりだ!どっちが勝つかの投票結果は……これだっ!63%対37%!応援票も入ってるからかステイン優勢だねぇ!さぁどうなるか!それでは、バトルスタートォ!』

 

───────────────────

 

 戦いの合図が聞こえる。廃都市という、ビルのそびえ立った立地。まさか二人でとはいえトップランカーと戦わされるとは思いもしなかった

 

「打ち合わせ通りにだ」

《おめぇこそ裏切んじゃねぇぞ?》

「利が何処にある。勝たねば生きても帰れんのだぞ」

《はっ、そりゃそうか。簡単に稼げると思ったんだけどねぇ》

 

 こちらは、中量二脚。相方は軽量二脚。触れられればまず勝ち目がないだろう。だが初対面で上手くいくとも思えない

 

「お互い助けず、狙われている方は逃げに徹する」

《で、狙われてねぇ方が後ろから狙っていく。全く上手くいくもんかねぇ》

「行かなければ死ぬだけだろう」

《ハッ、そりゃそうだ》

 

 遠くから、風を切る音が近づいてくるのがわかる。説明ではこちらのアセンは伝えられていないと言っていたが、本当かどうかは分からない

 

《噂通りだな。凄まじい勢いで近づいてやがる》

「あのアセンで近距離戦を選ぶ理由がわからん。中距離で戦うものだろうあれは」

《だからむしろ近づいて圧力かけてんじゃねぇか?こっちには蹴りがありますよ〜ってな》

 

 そう話していると、モニターに警告が出る。警告は……上方!

 

《チッ、垂直パルスか!もうこっちの位置把握してんのかよ!》

「スキャンを撒け!このままでは引き潰されるだけだ!」

《んな事わかって――――》

 

 鉄が潰れる大きな音が、横から聞こえる。そちらを見れば、コアの部分が潰れた軽量逆関節の上にいる、黒と赤紫の重量逆関節

 

《あは》

《みィつけたァ……!》

 

「ステイン、いつの間にこの距離に……っ!?」

 

《いつの間にィ?簡単でしょ》

《逆関節なんだからビル蹴って飛んでくることぐらい、想像できない?》

「そんなこと想像できるわけないだろうッ、第一するやつが存在するわけッ」

《私は実際にしたけどねぇ?》

 

 レーザーとパルスミサイルが飛んでくる。片腕のレーザーはチャージを開始しているのが見える

 

《あはは!こいつみたいに簡単に死んでくれないでね!》

「ほざけ、生きて帰るのはこちらだ!近距離戦はこちらに分がある!」

 

 相手がQBで近づいてくるのを確認し、ショットガン(HALDEMAN)ハンドガン(DUCKETT)を放つ。だが、すぐさま横に回避される

 

「なんて無茶な起動を……!」

《アハハ!楽しまなくっちゃなぁ!》

 

 まずい、まずい!じわじわとAPが削られていく、ミサイルもレーザーも避けきれない!一旦引いて体制を立て直さなければ……!

 

《隙だらけ♪》

 

 ブーストキックを決められて、機体がACS負荷の限界を告げ

 

《つまんないね、死ね》

 

 青白い光で爆ぜ散った

 

───────────────────

 

『……えっ、と…しょ、勝者!ステイン!圧倒的な試合だった、な……』

 

 会場の空気は、冷えきっていた




読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!
感想頂けると作者が泣いて喜びます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。