名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
今日は初めての仕事相手にオペレートを行う。今回のミッションは施設の襲撃なので事前に周辺の情報を集め、同時に今回の依頼人がどのような人物かを調べる
周辺情報はすぐに集まるが施設の情報は全く入らない。まぁ当然のことだ、マッピングしながら進んでもらおう。仕事相手に関しては……ふぅん、かなり慎重なタイプ。こっちの仕事が増えそうだなぁ、めんどくさい。考えても仕方ないんだけど、それでも仕事が増えるのは面倒だ。でも、雑な仕事をして客が離れるのはもっと面倒なので真面目にする
にしても最近は、センテシアでの依頼が多い。動きがあったのは聞いたから知ってるけど、それにしたって動きすぎだろう。そんなに足の引っ張り合いがしたいのか?そんなことするより調査進める方がいいと思うんだけどなぁ
まぁ、そういうのが嫌だったから企業の所属とかやめたんだけども。毎日毎日似たような任務のオペレートやらされて、出る杭は打たれるように優秀な人には全体でイジメをするし、いい思い出がない
そんなことはどうだっていい、とりあえず情報を色々集めないと。これで客に離れられるわけにはいかないのだから。固定客はついてるけど、それとこれとはまた別だしね
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《作戦エリアに到達、これよりオペレートを始めます》
《本ミッションは施設の襲撃。相応に重要な施設でもあるようなので防衛設備も充分揃っている事でしょう。当然施設の構造などの情報は集まらなかったので、内部設備に関しては不明。常に注意して行動してください》
《またNESTを辿ったところ、傭兵に防衛任務の依頼を出していることも確認しました。ACの出現に注意してください》
《それでは、
任務が始まった。とりあえずの警告や注意点はこれでいいかな。慎重な人は自分でも情報を集めているはずだから、それと合わせて動くだろう。マッピングデータを貰いつつ、リコンを撒いて敵機や防衛設備の有無確認する
んー……やけに少ないな?なにかあるかもしれないけど……ちょっと予想がつかない。実験段階の兵器がでる可能性もあるし、廃棄予定だったから施設を爆発させ損害を負わせる罠という可能性もある。注意喚起はしておこう
《確認する限り、敵反応が非常に少ないです。なにか異常事態があるかもしれません。警戒を》
なんて言ってたら、向こうからこんなことを言われる
《防衛設備と思われる物の残骸が散らばっている》
うん?イレギュラーが起きてるみたいだ。1度周辺を写真に撮って送って欲しいと伝える
……ふむ、なるほど。この何か重たいものが無理やり擦ったような跡のある地面、残骸の焼けたような色。どうやら他の依頼とバッティングしたみたいだ
《どうやら、他企業の依頼とバッティングしたようですね。この先には二機のACがいるでしょう。中枢部を破壊できるかどうかは不明ですので、一旦そこを目指しましょう》
バッティングするのは珍しいなぁ。NESTも管理しきれていないのかな?それとも、わざとなのか。その辺は私には分からないけど、任務の遂行のため進ませると、どうやら音が聞こえてくるようだ。マッピングデータよりも当然音の方が早いので、こちらよりも気づくのが早い。ということは、この先では二機のACが戦っているのか。まぁ、彼もそんなことは気づいているだろうが、一応そのことを伝えておくと
《なにかが爆発する音が聞こえた。どちらかが破れたようだ》
あら、もう決着がついちゃったのか。いや違うな、こちらよりかなり先に入っていたからこそ、ようやく終わったと言うべきか。そう言われた辺りでようやくデータに映る敵機のマーク。その場に留まってる様子から、どうやら勝ったのは防衛側らしい
《どうやら、勝利したのは防衛側のようです。このまま進んで、漁夫の利と行きましょう》
かなり楽に済むんじゃないかな、よっぽどの怪物じゃない限りだけど。でもこの星の一番の怪物は防衛任務苦手だし、出てこないと思うからそれは心配していない
そうして進むと相対する、敵のAC。どうやらかなりやられているようで機体も限界近いらしい
《はぁ!?二機目は聞いてないんだけど!?》
ん?聞き覚えのある声だ。うちの客の一人じゃないか?……んー、そうだ。かなり焦ってるし、もしかしたら行けるかも?
《あー、あー。聞こえますか?》
《?どうした、オペレーター》
《おわっ!?あんた今日そっち側かよ!》
《いえ、ちょっとした交渉をと思いまして》
両方とも意味不明そうな声を上げている。なんだなんだ、双方に理のある提案をしようとしてるのに私が変みたいじゃないか。まぁそんなこと気にせず話を続ける
《このまま行けば、貴方は負けてこの施設と共に消えます。その機体状況だとそうですね?》
《まぁ、そうだけどよ……だが退けって言われて退くわけには行かねぇぞ!》
《そんなタダで退けなんて言うわけないじゃないですか。これは交渉ですよ。次からあなたが私に依頼する時、通常の3割引でオペレートを受けましょう。何度か仕事をした中でオペレーターの重要性はよく分かっているはずです。どうですか?》
《そんなので退くわけが……》
《……悩むな、かなり悩む》
《は?》
そうだろうそうだろう。なにせ自他ともに認める優秀なオペレーターなのだからな私は。それに、知っているということは弱点や動きの癖も知っているということ。言外にそのことも伝えているつもりだが、どうなるかな
《……わかった!これから撤退するから撃たないでくれよ!あとこれから嘘でしたはやめてくれよ?正直助かった!》
《いえいえ、お気をつけてお帰りください》
《……さて、障害は取り除けましたね。それでは中枢部を破壊しましょうか》
《恐ろしいオペレーターだな、貴方は》
《そんなことありませんよ?》
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「なーんて事がこの前ありました。珍しいですよね、バッティングもよく依頼されてる人と相対するのも」
・あんたのオペレーター入りの相手とやるの嫌すぎる
・イレギュラーな二機目がこれってマジ?でも普通に3割引羨ましすぎるんだが?
・羨ましかろう羨ましかろう。あの時は助かりました。リペアキットもなんもなかった……
「そんなことだろうと思いましたよー。それに、こちらの客が減るのも困るのでね?あぁただ、あの人を前にしたら無理だと思ってくださいね。間に合わないので」
・嘘だろ?オペ子さんでも間に合わないの?
・まさかそんな……嘘だよな?
・ははは、冗談はよしてくれ
「一度相手しますか?私オペレートの彼」
・AS:楽しそうなことを言っているな
・来んじゃねぇやめろ
・こないで
・たすけて!
いやー、いい話の種になったなぁ
ここは、名も無き傭兵達の戦場。
危険なのは正面の敵ではない
背後で指示する者こそが、最も危険な存在だ
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