名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
追記:パルス→プラズマに修正しました、申し訳ありません。パルスが爆発するわけないじゃんね……
今日のパーツテストが終わり、アホ共の作業を横目に何とは無しに周りを見渡す。最近見慣れた景色であり、所々に妙な物が置いてある。こいつらの作った物で、日の目を見なかったものだろうか
その中でひとつ、気になるものを見つけた。その形状は、手持ち部分が上下に広がっており、先端に向かうほど細くなっていっている。パーツ次第では上下に広がっている部分が腕部や脚部に接触して装備できないのではないだろうか?なんとも、奇妙な形をしたライフルだ
「それが気になるかい?」
「あぁ、妙な形状をしてるのが気になってな」
「なんでこんな形状になったんだったかなぁ。気づいたらこんな形になったからなぁ。みんなかっこいいって言うけど、僕はそうかなぁってずっと思ってるよ」
……相変わらず、変にこだわったり適当だったりする奴らだな。俺の視線を気にせず、彼はこの武器について語りだす
「この武器はマルチENライフルとして作られた。通常時はレーザーライフルとして。チャージ時はプラズマライフルとなるように設計したんだ。そして、全てに成功した。上手くいった、いや行き過ぎたんだ。まるで世界からの後押しがあったかのように、失敗と呼べる失敗も一切起こらなかった。そんな奇跡の中できたのが、この子だ」
「そんな上手くいった物なら、なんで俺たちに渡っていないんだ。誰かが持っているのも、売っているのも見たことがないぞ」
「そりゃ当然さ。だってこのライフルは世界に二丁しか存在しないからね。強力すぎた結果、本社に売るな、作るなって言われたからね。だからここにあるのは予備の一丁だけさ」
「予備の一丁……ということは、持っているやつがいるのか?」
「あぁ、ある恩人に渡したよ。この研究所が本当に潰されそうな規模の襲撃にあったことがあってね。その時、たまたま近くにいただけの傭兵に助けられたのさ。その礼として渡したよ、本社には内緒でね?」
ほんとにこいつらは好き勝手やってやがる。バレたらどうするんだよ、どうなっても知らんぞ
「はぁ……で、当然こいつの名前も決めてあるんだろ?」
「勿論だとも。この子の名前はね……」
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【MISSION BRIEF】
ミッション名:防衛部隊殲滅
依頼主 :クーゲル・エグゼクティブ
前払報酬 : 0 C
成功報酬 :86,000 C
クライスのヘリアル荒野探査隊の防衛部隊を殲滅して欲しい。
既に惑星キログ周辺の覇者であるクライスにこのヘリアル荒野を渡す訳にはいかない。それは我らだけでなく、他企業も同意見である。よって、代表して我らがこの依頼を出すこととなった。
探査隊を排除するのではなく、防衛部隊のみの排除を目標としている。これならいくらでも言い訳が聞く。もし探査隊への被害が確認できた場合、相応に減額させてもらう。良い返事を期待している
【END OF BRIEF】
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ここ最近、センテシアから依頼が沢山出ててすごい助かる。ヘリアル荒野がどうとか、クライスがなんとか、っていうのは私はどうでもいいし。生き残るためには装備の更新とかもしなきゃだし、当然整備費用もかかる。なんならオペレータを雇ったりするのだってお金がかかる。金、金、金。全部高くて困るんだよなぁ……。まぁ、こんな世界で生き延びるためだし、仕方ない
生きるために戦うんだ。生きるために、稼ぐんだ。生きるために、強くなるんだ。理不尽に抗うには、それしかないから。
今日も私は、生きるために戦場に出る
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《作戦エリアに到達》
《メインシステム、戦闘モードを起動》
まずは敵の位置と何機いるか確認をする。ブリーフィングで教えてくれなかったから自分で確認するしかない。ブリーフィングの意味あったかな……
んー……ひぃふぅ……中型の二足MTが4機、かな?で、ACが2機……両方中量二脚か、機動力優先って感じかな?細かいところは分からない、だって今回オペレータ雇ってないし
油断してるみたいだし、バレてない。それならばと、よーく狙って、前方のAC1機とMT2機を巻き込むように。左の武器をチャージして。
ものすっごく眩しい蒼い光が輝いている。バレないか不安だけど、バレても弾速早いし大丈夫でしょ!
そう思い、一撃地面を狙って放つ。それと同時に私はABを使い接近する
カァオ!!!
いつ聞いても、独特なチャージショットの音だよなぁこの子。大規模な爆発が広がって、それに巻き込まれたMTは当然蒸発。ACの方も大きくAPが減った上にACSが負荷限界を起こしている。そりゃそうだよ警告音も聞こえて来てないんだから避けようないもん。まぁ容赦なく逆関節特有の蹴りは入れさせて貰うけどね。今回は巻き込まない用に右肩には
『貴様、どこから!?』
「ちゃんと警戒しなきゃダメだよ。防衛って難しいんだからね」
『くそっ、狙いは探査部隊か!』
どうやら上手く狙いを誤認してくれたみたいだ。左腕武器がオーバーヒート直前でないことを確認して、容赦なくレーザーで攻撃する。この状態の音はなんか玩具みたいなビー、ビーって音するの不思議だよねぇ……。こっちの状態も弾速は十分早い。右腕部の
『そのカラーリングに、エムブレム……ランク9のイグドラか……!』
「当たり。ほら、守んないとやっちゃうよ?」
そう言いつつACは無視してパッパとMTの撃破を目指す。左のレーザーを3発程度撃つ。ちゃんと全弾命中したね、燃え上がって爆発した。次はもう一機の方へとABで接近して蹴りを入れる。そのまま張り付いてマシンガンでACSの負荷限界近くまで攻撃をする。ここでリロードが挟まったから左のレーザーを1発ともう1回キック。スタッガー状態になったから右肩のレーザーキャノンをチャージして放つ。残りはAC1機のみっと
『なん、なんなんだその武器は……!?』
「あ、これ?知らなくて当然か」
マシンガンでちまちまと削っていく。ちまちまと負荷を貯めていく。たまに蹴りとレーザー交えつつ。負荷が半分以上溜まったタイミングでチャージを始める。眩い蒼が姿を見せ始める。蹴りを多めにしながら、まだ負荷を貯めて、貯めて。
負荷限界を知らせる甲高い音が鳴り響く。それと同時にチャージが完了して。眩く光り、人に恐怖を覚えさせる蒼が稲妻を銃身から迸らせている。
「これはねー」
『や、やめろ!たすけて、やめてくれ!!!』
「X1003 KRSWって言うんだよ」
カァオ!!!!
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「そう名付けた。特に意味は無いけどね、こう、頭の中に降りてきたんだ」
「たまにオカルト染みたことを言うよな。お前たちは」
「ははは、よくある事だよ。電波をキャッチしたってね」
「一度使って見たいんだが、そのKRSWとやらを」
「んー……厳しいと思うけど検討はしておくよ。弾があんまりなくてね、用意してないと彼女に怒られる」
「ま、無理強いはしねぇよ」
ここは、名も無き傭兵達の戦場。
過去の遺産は、静かに降り立っていた
読んで頂き感謝感激雨霰ぇ!