名も無き傭兵達の戦場 作:狐狐
依頼を探す。食い扶持を稼ぐために。
危険な依頼に当たらないように依頼文をよく見ながら。
全額前金なんて、少し頭が回るなら受けるわけがない。だが、それでもそんな依頼はあるし受けるやつもいる。真性のバカか、首が回らなくなった愚か者か。
生きるために、生き残るために依頼を探す。
ランカーのように強くなく、重MTに大苦戦するような弱いAC乗りだからこそ、依頼を吟味する。
そこで見つけた、ひとつの依頼。
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【MISSION BRIEF】
ミッション名:不法占拠者排除
依頼主 :治安維持課 東地区管理課
前払報酬 : 0 C
成功報酬 :12,000 C
我々の管理地区の旧補給倉庫施設を不法占拠している連中の排除を頼みたい。
やつらは待遇改善の訴えなどと口にしているが、既に担当部署との調整は完了しており、今の主張は単なる騒ぎを起こすための口実に過ぎん。
もっとも、名目上は市民である手前、立場上強行排除を取るわけにもいかん。
そこで今回の依頼だ。
遠慮は要らん。きっちりと社会のルールというものを理解させてやってくれ。
【END OF BRIEF】
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なんてちょうどいい依頼だ。これなら大した危険もなく、安全にこなせるだろう。恐らく改造作業車や作業用MTに無理に火器を載せたものばかりだろう。
これも生きるため。必死にボイコットしている相手に悪いなど思わないが、こちらの金になってもらおう。
そう思い、依頼受託のボタンを押した。
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《作戦エリア到達。戦闘モード、起動》
起動後すぐに、スキャンを回す。確認した機影は…7程度。形状的に作業車4にMT3か。小さくドスン、と音が聞こえる。
相手もこちらが現れたことは分かってるだろう。
性能差にあぐらをかかずに、一機ずつ、慎重に対処する。
できるだけダメージを負わないように、かつ銃弾を外さないように。
こちらの機体が重量二脚と言えども多少のダメージは負う。ダメージを負えば、それだけ機体の修理費が嵩む。
弾薬費も馬鹿にならない。だからこそ一発一発を確実に。相手は動きが遅い故に、外す余地は少ない。それでも出費は抑えたい。
弱いものイジメをしている気分…実際間違ってはいない…になり、少しばかりの罪悪感を胸に抱きつつ、それでも仕事をこなしていく。
淡々と、それに目を背けるように。
最後の一機を倒したことを確認し、一息つく。
依頼主に報告をして、帰還の準備を行う。
大した被害もなく終えた。頭の中でそろばんを弾く。…恐らくマイナスは2000と少し。それなりに稼げたことに安心を覚える。
イレギュラーもなく、地味な依頼。これを続けるだけで生きていけるのだ。
《目標達成、通常モード、移行》
ここは、名も無き傭兵達の戦場。
どれだけ小さくても、絶えず火は燃える
過去作をプレイした方はニヤリとしていただけたでしょうか?
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