今日も淀に行っていました。
今回俺は何を書きたかったんだろう?
原作?ストーリーをはじめから作るのは多分初めてなので……ごめんやで。
本日の学業終了。
終礼をしてからしばらく教室で時間を潰す俺。
下校時間になってすぐの下駄箱は混むからなぁ。別にすぐに移動してもいいんだが、部活に入っているわけでもないし、買い物があるわけでもない今日はゆっくりモードだ。
「ふわぁ〜……あー、眠」
前世の生活が恋しい。
そりゃ現代に比べて何かと苦労は多かった。食料は満足に食えていたとは思うが、今の世の中と違い様々なことが不便であり、質素ではあったと思う。
だが日が上り起きて、腹を満たし、やることが終わればゆっくりとした時間を楽しみ、フブキやミオや爺様と過ごす。日が沈む頃には一日を終えれるように行動をする。あの日々は、思い出すとどこか不思議で懐かしい。
「要するに、寝たいんだな俺は」
結局はそれ。
とはいえ、ここで寝てしまうと気がつけば真っ暗なんて事になってしまう。まだ冬だから日が沈むのも早いしなぁ。
「帰るか」
ボーッとする時間もそれなりにあり、今ならある程度人もいなくなったと思い教室を出る。
時々会う友達と少しだけ会話しながら下駄箱へと向かい、靴を履き替えてから校門の方へと向かう。
そうして向かった校門はいつもとは違い少しざわついている様子だった。
「何かあった……あー……」
目に入った人物に、思わず足が止まってしまった。いや、ほんと、目立つなぁあの人は。
そういや現世でフブキと出会った時、虎だと思っている成人女性とか言ってたっけ?あの時はわからなかったけど今なら何が言いたかったのかわかる。
だってあの後、飯食ってたら枢姉ちゃんが飛び込んできたんだもんな……って事はだ。フブキが見たのはこのとても目立っている人、虎金妃笑虎だったわけだな。
「何でいるんだ?……まぁ他に知り合いがいるって事はないだろうし……俺に用か?……目立つからやめてほしい」
ギリギリ敷地に入っていない門の外側にもたれかかってたっている。何か気になるのか知らないが、爪を見つつ首を傾げる姿。百七十ほどある身長、目立つ容姿に服装。威圧感ってわけではないが避ける人が六割ほどか?それ以外は声をかけるか迷っているやつや、ちょっと騒いでいる奴らがバラバラと。
「あかん、スルーやな」
思わず関西弁なってしまった。
歩くペースを早めて門をで
「ハクたーん。無視はどうかと思うなぁ〜」
「うぐっ!」
ガシッと肩を組まれる。
俺が近づいていたことに気づいていたらしい。
「お!?は、ハクたん?速くない?」
戸惑った声を出すニコさん。
というのもだ。
俺は肩を組まれてすぐにため息をひとつ吐き、騒がれる前に足早に学校から離れることに決めたのだ。そんな俺と肩を組んでいる為、それに引っ張られるようになったニコさんが戸惑った。
だがありがたい事に、高身長な俺が早歩きをしてもこの人なら追いつける。お互い身長高いし目立つんだからな!?さっさと!!速く行きますよ!!
「あぁ!競争か!!」
「違うわい!!」
「よーし!いっくぞぉ!ニコたんが一番だぁー!」
「あーもう!それでいいから行きますよ!」
必死である。
とりあえず目指すは何処か落ち着いた場所!
走りますよニコさん!!
「あー!こんなに無邪気に走ったの久々かもなぁ」
「…………」
「ほらほらハクたん。いつまでも落ち込んでても意味ないって!やっちゃったもんは仕方ないよ」
「まさか……まさか二人三脚状態で公園まで来るなんて!!!……明日から学校行けない!!」
「そんなに!?ニコたん傷つくよ!?」
必死だったんだ。
だからこそ気が付かなかった。
そりゃそうだよ。肩組まれてるのに、俺はそれを放置して歩きだしたのだから……それに競争とかニコさんが言い出すもんだから、お互い早歩きからの走りに変わっていって……うわぁあああ!!!
「あぁぁぁぁ…………」
「え、えっとハクたん?なんかぁ〜、ごめんね?」
「……はぁ……シッ!」
「わひゃあ!?」
パンッと頬を叩いて気分を入れ替える。
いきなり過ぎたからかニコさんが驚いているが気にしない。もう切り替えるって決めたから掘り返さない!
「それで、何かあったんですか?」
「いや別に何も?近く通ったからハクたんと遊ぼうかなって」
「デコピンとかいいっすか?」
「やだよ!?ハクたん普通にエグいのやるじゃん!ニコたん知ってるからね!?デコピンで割り箸叩き折ったの!あの枢ちゃんがドン引きして話してたんだから!」
「あれは俺もびっくりでした。遊びでしたのにまさかあんな事になるとは……」
「そんなのされたらニコたんのキュートなおでこが砕けるからね?」
「歴戦の虎みたいになれますよ?」
「ちょっと惹かれるワード出すのやめない?」
惹かれるの?これ。
でもあれにはびっくりだった。
あれはまだ夏だった頃。俺は家族と枢姉ちゃんとバーベキューをしており、肉を焼くために割り箸を使いたかったのだ。
だが割り箸が中途半端に割れてしまった。飯を食う時なら使いにくい程度でまだいいのだが、火の近くまで手を持って行くことを考えたら短過ぎた。
だから俺はその割り箸を火の中に入れる事にしたのだ。ほんと、なんでそうしたんだろうか?
その際なんとなく小さくするためにデコピンで折れないかな?なんて思って中途半端に割れた割り箸をまとめてデコピン。パキン!といい音を立てながら見事に折れた。
枢姉ちゃんドン引きしてたな。え?なんで折れんの?とか言いながら……。
「ならおでこ以外にします?なんかこう……目立たない所」
「嫌だよ!?」
「そりゃそうか」
今回は諦めるとしよう。
さて、それはそうと何して遊びます?
「とりあえずブランコしよう!」
「なんで?」
この後めちゃくちゃブランコした。
ニコさんとブランコで遊んでから時間は流れる。
俺はボーッと普段は絶対に見れないテレビを見ながら昨日の自分を呪うのだ。そう、平日の真っ昼間だと言うのに俺はベッドの中にいた。
あーくそ。
腰がいてぇ……。
「アタタ……くっそ……前世ならこの程度、なんてことなかったはずなのにな」
トイレに行くために体を引き摺るようにしながら立ち上がる。はぁ……まさかブランコで二人乗りして俺だけ吹っ飛ぶ事になるとは思わなかった。
ニコさんに怪我がなくて何よりではあるが……いたたた。トイレに座るのも一苦労だ。
「くっそ……バカみたいにテンション上げてさ……何してんだ俺」
最近ブレーキが壊れている気がする。
おかしい。もっとこう、静かに生きていたつもりなんだけど……。
ん?
ピンポーンとチャイムが鳴る。
普段なら居ない時間だし無視しても良いのだが……トイレから出たばかりで玄関が近いこともあり、体を引きずる様に動きながらゆっくりと扉を開ける。
「はい……って、フブキ?」
「おはようございますハクくん。ごめんなさい急に……枢から腰を痛めてるって聞いたので様子を見にきたのですが……その様子だと結構酷そうですね」
歩けます?
なんて言いつつ肩を貸してくれるフブキ。
ありがてぇと甘えてベッドへと戻る。
「あたた」
「もー。聞き出したけど、ニコとブランコの二人乗りをしたんですか?….…馬鹿みたいなことするからですよ?前世でもありましたけど、時々狂った様にテンション上げるのやめてください」
「悪い……ん?待て、そんなことあったか?」
「まぁたまにですが、うん。ありました……ちょっと失礼」
ベッドに寝転んだ後、ペタペタと顔を触られる。
なんだいきなり?と思うが、腰が痛い俺にとって抵抗する気力などない。こうしてフブキがお見舞いに来てくれて、人手ができてありがたい限りなのだから黙っていよう。
「やっぱり……ちょっと熱いですね」
「ん?熱って事か?」
「はい。前世からですが、ハクくんが変な行動する様になる時は大体体調が悪かったりするんですよね。と言っても特に生活に支障もなかったですし、問題視したことはなかったんですけど」
「……ふーん」
「今回も撫でてくれる手が少ーし暖かいなって程度でしたし、あの頃は普通の人よりも丈夫でしたからね。今は普通の人間ですし、前世よりも体調に影響が出やすいんじゃないですか?」
「よくわかるな……すごい」
「えへへ〜」
そうらしい。
でもあの頃は確かに……うん。人間という枠組みにはかろうじて居なかった気がする。普通なら寝込む様な体調不良でも、俺にとっては少し違和感って程度で終わっていたのだろう。
だがそれが今世では人間……いや、少しだけ強い人間って感じだし、前世より影響は出ていてもおかしくはないのか?
「というわけで!看病は白上にお任せあれ」
「……ん。頼む」
自覚したからか?
確かに体が熱を持っている気もしてきた。
腰の痛さだけでなく、普通にだるい気もする。
「あんまり前世ベースの考えで生きていると感覚が曖昧になりますから、ちゃんと自己管理してくださいね」
「悪い……ちょっと寝る」
「はい。おやすみなさい」
ふわりと香る匂い。
それと尻尾の感触を感じながら意識を手放していく。……毛並みは、昔と全然変わらないな。
こん!
と大きな声で目を覚ます。
目の前にはいつもの庭。
うむ……寝てしまう前よりも外が少し暗くなったのを見るに、思っていたよりも長い時間寝てしまっていたらしい。
膝の上に乗っていたフブキの声で起きたわけだが……おい、離れるな。少し寒いだろうが。
「……しまったな。うたた寝が長引いた……風邪を引いてしまう」
最近、忙しかったからな。
うたた寝のつもりだったのに……麓の村から頼まれた害獣退治や力仕事。最近は冬の準備もあった事もあり気合いを入れていたのだが……流石に疲れが溜まっていたらしい。
「うーむ……久々に爺様の薬でも飲んでおくか?……いや、いいか」
「こん?……きゃん!?」
おっと、なんの合図もなく立ち上がったせいで膝に乗っていたフブキが転げ落ちた。……すまん。
「すまん。忘れてた」
「こんこん!!」
「悪かったよ。だからそう怒らないでくれ」
ぐしぐしと頭を撫でておく。
立ち上がった俺は炊事場に向かい適当に体が暖まりそうなものを作り、ついでとばかりに酒を用意する。そんな俺の姿にフブキが呆れた目をしてくるが気にしない。でもまぁ、少しぐらいは言い訳はしておこう。
「爺様も言っていた。酒は薬だってな」
まぁこれを言った後の爺様は、だいたいミオに尻尾で叩かれていたが……幸いミオと違いフブキは叩いてこないから安心だ。
……いやまぁ、いつもとは違う呆れた目はミオのやつと似てるけど……よし、飲むか!
「くぅ〜……うまい」
「……こん……」
「そう変な目をするな。なかなかうまいんだぞ?」
お前も飲むか?
って、人間でないお前に飲ますわけがないんだが。
そう言って笑いながら厠へとむかう。それなりの量を飲んでしまうから尿意も……な。
「ん?」
部屋に戻るとグデっと寝ているフブキ。
その側には俺が飲んでいた酒が溢れている。
はぁ……多少からかったのは事実だが……好奇心もあったのかもしれないが、飲むとは思わなかったぞ。
「まったく、阿呆め。それなりに強い酒なのに」
爺様が冗談のように言っていたが、一応鬼も酔ったことがあるらしい強い酒だ。
そんな酒を飲んだフブキはどこか遠くを見るようにキューっと言いながら目を回している。
俺は呆れながら水を汲み、フブキのやつを起こして飲まてやる。
まぁこの酒はミオが一度飲んだ時も大丈夫だったからそれほど心配はしていないのだが……この家で起こる事だしな。
今回は大人しくしておけ。
ぐったりするフブキが落ち着いて眠るまで様子を見る。……まったく、俺も悪いが……あまり心配をさせないで欲しいな。
そう思いながら落ち着いたフブキを抱えて布団に向かうのだった。
「ん……あ、夢か……」
目が覚めた。
……えっと、確か俺は熱が出てて、そんでフブキがウチに来ていて……あぁ、本当に体調悪かったんだな。いつからだったのか分からないが、精神年齢おっさん……いや、ジジイの俺は鈍すぎるらしい。
全く、自分自身が嫌になる。
「おや?起きましたか?体調はどうです?」
「眠い、腰が痛い、頭も少し痛い」
「しっかり体調不良ですね……」
ごめん。
少し呆れた顔をしつつも笑顔のフブキ。
……まさか、俺が看病される側に行くとは思わなかった。
「この際です。甘えてくれてもいいですよ?」
「……」
「ん?どうしました?」
「いや……まさかそんなことを言われる日が来るとは……ってな」
「白上も成長してますから。前世の主人といえど、軽ーく面倒なんて見切れますとも」
「そーかい……あー、その……」
「なんです?」
「……あれだ。優しい味のお粥とか食いたい」
「お任せあれです。卵を入れて栄養満点のを作ってきますね」
「頼んだ」
……まぁ、あれだ。
たまには、俺が甘える日もあっていいだろう。
そう思いながら部屋から出ていくフブキを見送る。
……今まではなんと思わなかったが、誰かが側に居てくれるのは、やはり安心するのだな。なんて思いながら目を閉じるのだった。
色々と激動の日々で疲れていたハクくんでした。
ハク。
体調が悪かったらしい。
フブキング。
この主人は昔から無理する時はテンションが上がってる。その癖が見れて少し安心。
枢ちゃん。
フブキ先輩に頼むか?……ライブの準備……くっっ!!!!
本日のクウト。
初めて浜中逃げろと叫び喉を潰す。
あー!ウイスキーうめぇわ!!!