記憶にある世界とは違うんですけど?   作:クウト

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大丈夫?
知識量が無さすぎて叩かれないか心配。


前世ぶりの食事

スーパーで追加で買って来た食材を家へと運ぶ。

その間ずっとフブキは今まであったことなどの色々な話をしてくれていた。

そんなフブキは家の中に入った途端に少しだけ辺りをキョロキョロと見回しているが……なぁ、そんなに見ないでくれないか?片付いていないかとか少しだけ気になる。

 

「この匂いどこかで……あの、今更なんですけど……白神様の今の名前って、水宮なんですか?」

 

「本当に今更だな。表札でも見たか?」

 

「はい。水宮って書いてあってそういえばって」

 

冷蔵庫へと食材を入れるのを一旦やめて、俺はフブキの方へと向き直る。

 

「今の名前は水宮白人だ。後もう様付けはやめてくれ……一応普通の高校生なんだから」

 

「なら白人くんとかですか?」

 

「まぁ好きに呼んでくれ。よく呼ばれるのはハクとかだけど」

 

「わかりました。ではハクくんと」

 

……なんだか変な感じだな。

そう思いながら調理を始めていく。

適当に野菜を切ってから、俺の好物である鶏肉を切り鍋に敷き詰めていってから市販のキムチ鍋スープを入れる。鍋は具材を切って放り込んで煮込むだけだから作るのが楽でいいし、時間もかからないから学生の俺でも作りやすい。

さて、フブキさん?

 

「なぁおい。ちょっと待とうか」

 

「……ちょっっとだけ。隠し味ですよ隠し味」

 

「その粉唐辛子をおけ。というかどこに売ってたそんな大袋で恐ろしいパッケージのやつ」

 

「な、ならこっちは?」

 

「なんでポケットから粉唐辛子の瓶が出てくるんだよ……ちょっと引く」

 

「えぇ!?」

 

どこから持って来たこいつ。

……まぁ、得意ではないが程よく辛いのは好きだ。市販のキムチ鍋スープ程度なら普通にいけるし、寒い今の季節ならもう少し刺激的であってもいいかもしれない。

 

「……まぁ少しならいいか」

 

「本当ですか!?なら……」

 

「少しだぞ?一気に入れないようにその瓶の方のやつな?間違ってもどこで買ってきたかわからんその大袋は持って帰ってくれ」

 

「わっかりました。では、パッパと」

 

「それくらいなら」

 

「ぱっぱっぱっぱっ」

 

「待て待て待て待て!!」

 

そんな赤ちゃんがおもちゃを振るみたいに勢いよくやるな!というかどれだけ入れるつもりだ!?

ガシッとフブキの腕を掴んで止める。

 

「え?白上としてはまだまだ足りないぐらいなんですが」

 

「おまえさん、今世で舌バグってんじゃねぇの?」

 

配信で色々と話題になるせいで知ってはいるけど、実物を目の前にするとこんなに恐ろしいとは……!キムチ鍋を見てみると鍋の中に粉が広がっていっている。これはもう回収もできない……か。

 

「……はぁ、責任持って食ってくれよ?」

 

「もちろんですよ?」

 

煮えた鍋を食卓へと運ぶ。

いつも使っているカセットコンロに鍋を移している間にも少しだけ鼻を刺激する匂い……俺、これ食えるか?

フブキを止めてから順調すぎるほどに準備は終わり、対面にはニコニコとしながら器に具材を移しているフブキがいる。……ま、まぁ死にはしないか。

 

「……い、いただきます」

 

「いただきます!」

 

ちょっと赤い気がする白菜。

口に含むと熱さの次に辛さと刺激。

 

「か、かっっら」

 

「美味しい!」

 

「……嘘だろ?」

 

「ん?どうかしました?」

 

「なんでもない……いや、美味いけど辛いんだよ。ちょっと卵でもとってくるか」

 

席を立ち、冷蔵庫へと向かい卵を手にとる。

溶き卵で辛さを緩和しようという作戦だ。直接この激辛鍋を食うよりも、卵をからめてすき焼き風に食えば多少はマシだろう。

そう思い卵をといてから食卓に戻るとどこか申し訳なさそうなフブキがいた。

 

「どうした?」

 

「あ、いえ。ちょっと調子に乗りすぎたなと反省を……いくら前世での時間があるといっても遠慮がなさすぎたなと……」

 

「……イタズラ好きが何言ってるんだ?」

 

「ひ、否定はしませんけど!そこまで辛さが苦手とは思わなくてですね!前世ではあまり辛いものとか食べませんでしたし……ごめんなさい」

 

「気にするな」

 

そう言ってからもう一度白菜を取り、卵につけてから食べる。……うん、さっきよりは全然マシだ。

この程度の辛さなら程よく食欲を刺激する程度になってくれている……気がする。……それでも汗は出てくるけどな。

 

「イタズラ好きのお陰で俺も前と同じように話せてる。だから気にするな。ほら、お前も食わねぇと俺だけじゃ無理だぞ?」

 

「本当ですか?」

 

「あぁ。でも次からは手加減してくれ」

 

「……次……はい!」

 

先程の落ち込みようはどこに行ったのだろうか?

ニコニコとしながらキムチ鍋を食べ始める姿を見て少しだけ安心する。……前世の繋がりを思えばこの程度でどうにかなる仲ではないのだろうが、それでもフブキと仲違いはしたくない。……そんなことになればミオとかが夢の中に出てきそうだ。

 

「にしても不思議だな」

 

「なにがですか?」

 

「いや、画面の中にいた人物が目の前にいるとな」

 

「……」

 

カランとなる音。

フブキの方を見てみると箸を落としたことがわかった。……顔が赤い気がする。まぁ俺も辛いの食って暑いしな。暖房でも下げるか。

またも立ち上がりエアコンを操作してから席に戻る。そこでやっとフブキは意識を取り戻したかのように動き出した。

 

「し、知ってるんですか!?」

 

「最近知ったんだよ。気が向いた時に見てるぞ」

 

「へ、へー。そうなんですか」

 

「どうした?腹一杯か?」

 

「た、食べますよ」

 

落とした箸を拾い直し食事を再開するフブキ。

まさか知られているとは思わなかったらしいが、そんな事もある。俺たちの間だけの反則技みたいな言葉ではあるが……一応言っておくか。

 

「そういう事もあるってやつだ」

 

「……本当、その言葉って便利ですよね」

 

「事実、前世も今世も色々あったからな」

 

「納得してしまうのが悔しい」

 

こうして話しながら食べているが、時間が進むに連れてキムチ鍋もシメへと向かっていく。

俺はいつもは雑炊なのだが、この辛い汁で白米は食えないかもしれないと思い乾麺をぶち込む。今日のシメはラーメンです。俺はまた卵につけてからいただきます。……今日、卵の消費量えぐいな……腹壊さないといいんだけど。

ラーメンも茹で終わり締めを食おうとした時だった。玄関がガチャガチャと騒がしくなり大きな声が聞こえてくる。

 

「ちょっとハクぅ!!なんかニコから聞いたけど女の子と一緒って……!!」

 

「おかえり枢姉ちゃん。おかえりはあちらだ」

 

「来ていきなり帰さないの!って違う!あのフブキ先輩は誰!?……え!?フブキ先輩!?」

 

「水宮って名前で、ちょっとだけもしかしたらって思ってたけど、やっぱり枢だったかぁ」

 

「ん?フブキと枢姉ちゃん知り合い?」

 

リビングへと突撃してきてフブキを見るなりフブキは誰とかいう謎なことを言い出した枢姉ちゃん。

そしてなぜか枢姉ちゃんを知っているフブキ。

ちょっとこれどういう状況なのだろう?玄関の方にリオナさん達とかがいるだろうなぁって感じとか、二人の間に流れる空気感とか……うん、もうよくわかんねぇから勝手にしてくれ。そう思いながら俺は自分のラーメンを啜るのだった。

 

「あー、からっ」

 

 

 

「なー、フブさんと知り合いやったん?」

 

俺がシメのラーメンを食い終わり、皿洗いをしている時に聞いてきたのはヴィヴィさん。

現状を整理しよう。

俺は皿洗い中。

そんな俺の隣に来て色々と手伝ってくれているのはヴィヴィさん。

他のメンバーである千速さんとニコさんとリオナさんはソファに並んで座って状況を伺っている感じであり、問題のフブキと枢姉ちゃんは食卓の席についてダンマリ中。

……ほんと、何これ?

 

「まぁ少し。出会ったのは昨日ですけど」

 

「それでお持ち帰りって……引くわぁ。そういう事はやめときや?」

 

「やめてくれません?……いや、家に連れてきたのは事実ですけど、訳が多少はありまして。あ、パン美味かったですありがとうございました」

 

「それ絶対今ちゃうやろ。まぁ、美味しかったならよかったし、また買ってくるよ」

 

さてと。

皿洗いも終わり手が空いてしまった。

冷蔵庫から適当にペットボトルの飲み物を取り出し、一つヴィヴィさんに渡す。ニコさんに声をかけてからソファ組に渡し、フブキと枢姉ちゃんにも渡してから俺も食卓についた。

 

「……えー、こちら友達のフブキで、こっちはいとこになるけど姉の枢。……まぁ、なんかお互い知ってるみたいだけど」

 

「まぁそうですね。先輩後輩の仲みたいな?」

 

「先輩後輩……?フブキってまだ学生だろう?一応成人してる枢姉ちゃんとどこに接点があるんだ?」

 

「え?……あれ?これ知らない感じですか?」

 

「えぇ!?ち、ちょっと待って!なんでハクが知らないの!?……いや、待って?一応成人って何?」

 

「……状況が全く読めん」

 

おいこらソファ組。

合流したヴィヴィさんと一緒になってハクなら仕方ねぇか?みたいにコソコソと話すんじゃないよ。

全く知らないからその通りだけどさ。

 

「えっと、知らないみたいだし説明しようか」

 

なんかたまーにリーダーとか言われてるリオナさんが先陣を切ってくれた。普段を見ていればちょっっとだけアレだけど、こういう時はリーダー感でるよなぁ。だからリーダーさん説明よろしく。

 

「えっとね……」

 

……へー。

簡単に言えば枢姉ちゃん達はアイドルらしい。

といっても活動を始めてから一年も経っていなくまだまだ新人。この家に来るのもそのミーティングとかをする為とかなんとか……他にも拠点にしている場所はあるらしいけど……それは置いとこうか。

枢姉ちゃん達にとって、フブキはその事務所に先にいた先輩であると……え?枢姉ちゃんアイドルやっとったんか?

 

「へー」

 

「ねぇ、ハク?知らなかったの?」

 

「聞いてないし知らないけど」

 

「……知らないのはまだいいとして!リアクション!!もっと他になかったの?」

 

「おぉーすごーい」

 

「あ、これ全然興味ないやつだ」

 

「こらリッちゃんシーっ!」

 

ボソリと呟いたリオナさんを千速さんが止めている……いや、だってなぁ。

すごいとは思うが……実際あまり興味はない。

というかそれ以前に、俺も言いたい事がある。俺は全然聞いてないし、聞いた覚えなんてこれっっぽっちもないんだが?

 

「枢姉ちゃんは誰にいったの?」

 

「それは…………あ」

 

「もしかして俺の親父?」

 

「……うん」

 

そりゃ聞いてないって。

親父なんてたまにしか連絡してこないレアキャラ状態なんだからな?俺も精神的には大人のつもりだからこっちから連絡する事もあんまりないし。

この状況に枢姉ちゃんもヤバいと思ったのか恐る恐る言ってくる。

 

「えっと、おじさんには言ったよ?」

 

「そっかー。とりあえず応援するよ」

 

身内。

それも俺のことを可愛がってくれている人なのだ。応援するのは当たり前だと思い、俺はスマホで動画サイトを開いて探してみる。

 

『しゅぴしゅわ〜』

 

「まっって!!」

 

「おぉう」

 

スマホをパッと取られた。

ちょっとだけ顔が赤い枢姉ちゃん。

……。

 

「揶揄ってる?」

 

「うん。仕返しに少し」

 

「なんか暴走気味になってたのは謝る。だから今は見ないで……なんか恥ずかしい」

 

「そっすか」

 

枢姉ちゃんが帰ったらみよう。

そうしてやっと落ち着いてきた頃、フブキが話を始めた。

 

「そろそろいいです?」

 

「あ、はい」

 

「いきなりですが枢……いえ、枢お姉さん」

 

「……嫌な予感がしますけど……なんでしょうか?」

 

「妹はいりませんか?」

 

「今はまだいいです!!」

 

「何言ってんだこいつ?」

 

また騒がしくなる予感。

俺は枢姉ちゃんとフブキの話がヒートアップしていくのを知らないフリしておき、風呂に入る為に風呂掃除を始めるのであった。

……あ、全員ちゃんと帰ってね?




フブキング。
前世のご主人に会えて暴走気味。

白人。
イタズラ好きな感じが懐かしい。

枢ちゃん。
先輩がわけわからないこと言い出して混乱中。









どうでもいい作者クウト。
競馬で先週七万勝ったのに無くなって混乱中。
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