デュエマ妄想短編集   作:H.M.S.Ulysses

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 ネタが思いつかないので初投稿です。
 上げられるのがどうしても加筆修正ばかりになってしまう…2本立てなので前話も読んでない方はぜひ。
 
 


まい・ぺるふぇくと・さーゔぁんつ

 

 

 

 

 

「起きて下さい、マスター」

 

「休日だからって寝過ぎだよ〜。ご飯、食べよ?」

 

 トツゼンだけど、うちには精霊が二人いる。

 ……いやいや、マジだって、大マジだよ!

 

 なんて言えばいいのかな、オレのせわ人? とにかく、精霊のクリーチャー──二人合わせて《支配の精霊》なんだってさ──として、オレのくらしを支えてくれてる。

 ほら、うちって父さんも母さんも、すっごくいそがしいからね。

 

「良いですかマスター、食べ終わったら片付けて、歯磨きして、それから……」

 

「分かってるってば、オレだっていつまでもガキンチョじゃないんだからさ」

 

「ふ〜ん? わたしがちょっと脅かしただけで、幽霊が出たって大騒ぎしてたあの夜の事、もう忘れちゃったんだ〜」

 

「あれはノーカンでしょ!? ノーカン!」

 

 マジメそーなのが青い髪の方で、ゆるーいくせにちょっといじわるなのが白い髪の方。

 名前を知らないのかって? そりゃ、オレも知りたいって思わないわけじゃないけど。

 呼ばなくてもずっといっしょにいるから、聞こうと思ってもわすれちゃうんだよねぇ。

 

「よーしっ、やらないといけないことはおわったよね。それじゃーさ、オレちょっと遊びに行きたいんだけど」

 

「ああ、そう言えば。マスターに一つ言う必要がある事がありました」

 

「──ハイ、ナンデショウ」

 

「あ、確かにあったね〜。ねぇマスター……この前、あの高級な菓子(ヤツ)、つまみ食いしてたでしょ〜」

 

「……キオクニゴザイマセ「じゃーん、防犯カメラ〜」うっそでしょちゃんとかくにんしたのに!?」

 

 クセはつよいけど、二人とも、いつもはとっても優しい。

 じゃあ、いつもじゃないときは? オレがわるいことをしたり、したときは?

 

「あれほど止めろと言い含めました、よ、ね」

 

「……ハイ」

 

「うーん、反省してるのか分かんないな〜」

 

「ええ。場合によっては、お仕置きが必要──マスター?」

 

「あー、そのー、よてー思い出した! じゃあn」

 

「“三”」

 

「っあ、ちょっ」

 

 二人はとってもこわくなる。

 

 

 

 

 

 ーーーーーー

 

 

 

 

 

 天使。えんじぇる。

 人々をみちびいてくれる、ありがたーい存在。

 けれど、そんな彼らをもし怒らせると──そりゃもう、おそろしい目に会うのです。

 

「ぐぅぅ」

 

「逃げようとするからこうなるのです。何度も経験すれば、良い加減に分かるのではありませんか、マスター?」

 

「ね〜。素直にごめんなさいって、そう言えば良かったのに〜」

 

「……ぅ、離して……」

 

 オレの部屋の、ベッドの上。

 鉄のオモリにつながれたみたく、うずくまるオレの両どなりに、二人がいる。

 いつもよりずっとずっと近い。息がかかりそうなくらい、ずっとずっと。けれど、二人の周りの空気のすべてが、オレにはこわくてたまらない。

 

 ペルフェクトの力は、名前のとおり、“支配”の力。

 って、二人は言う。

 わるいことをした時。それをかくしたりした時。ウソをついた時。そして、“支配”からにげようとした時。二人はそれをゆるさない。

 

 さん、に、いち。

 ペルフェクトがひとこと、そう言うだけ。

 たったそれだけで、オレは動けなくなっちゃう。カウントダウン、進めば進めば、それはますますひどくなる。

 

 たしかに、わるいことをしたのはオレ、うたがいようもなく。

 でも、でも、ちょっとくらいは……。

 

「ゅ、ゆるしてくれない?」

 

「はぁ、これだからマスターは」

 

「まだ、お仕置きが足りないかな〜?」

 

 ──“二”。

 

「ぁゔ……っ」

 

 カウントダウンする二人の声が、ぬるりと耳に入ってくる。

 この声を聞く時だけは、なんだかまるで、ことばが熱をもってるみたくて、生き物みたくて。

 くすぐったいような、気持ちわるいような、気持ちいいような。頭がヘンになりそうなんだ。

 

「ね〜マスター、最近思うんだけどさ。コレしてほしくて、わざと怒られる事をしてたりするの〜?」

 

「ん、な、わけ……っ、やめ、さわらな……」

 

 白い髪がぐっと近づいた気がして、上から、だいだいのキレイな目が降りかかる。

 お仕置きって言いながら、どうしてそんなにいたずらっぽい顔をしているの?

 

「止めて欲しいのですか? であるならば、そもそもお仕置きをされないように振る舞うべきでしたね。それでなくとも、すぐに罪を認め、私たちに誓うべきでしょう」

 

 と思ったら、視界が青くなる。怒ったような色がオレを刺す。

 ……怒っているんだよね。そのはずだよね。

 

 どうしてそんなに頬が赤いの?

 

「ち、ちか、い……」

 

「もうしません、とか〜、お仕置きを全て受けいれます、とか〜。ほら、言おうよ、ね?」

 

 なんでかは分からない。けど、「お仕置き」の時、二人はオレにくっつく。

 くっついて、ときどき、オレの体をまさぐる。

 お仕置きの一つなのかな。動けなくなったオレは感覚もにぶっちゃうから、よく分からない。

 

 耳のあたりに息がかかっているような、気がする。

 胸の近くにあたたかいものがある、気もする。

 首がなんかざらざらしてる、気もする。

 

 何をされてるのか、よく分かってなくて、それがなおさら、「お仕置き」をこわくさせて。

 いじっぱりなオレは、ていこうする方を選んじゃう。どーにもならないって分かってるのに。

 

「ゃ、めて」

 

「?」

 

「おし、ぉきを、やめなきゃ……オレは、あやまらな、い、もんね……」

 

「あはっ、強気だね〜」

 

「……マスター」

 

「ぉ、おれだって、しうちに……なっとくいかないとき、が、ありま」

 

「“一”」

 

「ぅゔぅっ……」

 

 ますます重たい。

 たえられずに、オレの頭ががくんと、どっちかのひざの上に着地した。その上から手をのせられて、首すじをさすられてるような感じがする。

 ペルフェクトの手はあたたかい。オレの体のそこかしこに生まれるあっついのは、もしかして全部、手のせいなのだろうか?

 

「はぁっ……全く。マスターは意地でも張っている気なのですか……?」

 

「ね、マスター? もうこりたでしょ? もう一まで来ちゃったんだからさ、これ以上抵抗したら……どうなっちゃうかな〜……」

 

「……っ」

 

 そのとおり。

 さっきも言ったけど、あっとー的にわるいのはオレなんだ。

 オレが今、言わないといけないのは、「お仕置きをうけいれます」というひとこと。それだけでいいし、それ以外ではいけない。

 

 なのに、体の方がそれをいやだ、と。

 うけいれたくない、うけいれてはダメだ、これはお仕置きじゃない気がする、と。

 なんでなんだろう。頭どころか体もおかしくなったのかな。とにかく、ペルフェクトにこれ以上の何かをされることがいやだって、シグナルをオレに出してるような、そんな感じ。

 

 お仕置きは今もずっと続いてる。

 なのに、気持ちわるかったり気持ちよかったり、わけの分からない感覚が、オレの中をごろごろして、回る。

 こんなことをされる経験は、片手にはおさまらないくらい。けど、ここまでヘンで、何かがおかしいのは、初めて。

 “支配”が続く。二人の精霊がぴっとりとくっついている。気持ちわるい、気持ちいい。

 何かが、ずっとおかしい。いかれてる。「うけいれる」のひとことでオレは自由になれるのか? なぜだか、ぜんぜんそんな気がしない。

 

 気持ちわるい、気持ちいい。あたたかいものがはいまわる。

 気持ちわるい、気持ちいい。二人はなんでこんな事を。これはほんとにお仕置きだよね。

 気もちわるい、気もちわるい。“支配”からにげたい。にげてしまいたい。

 きもちいい、きもちいい。あやまちをみとめて、うけいれればいいはずなのに。いいはずなのに。

 

「ねぇ〜……ますたー……」

 

「返事が……聞こえません……けれど……」

 

 ──にげよう。

 オレの頭はけっきょく、それでそまった。

 

「……ゔ、っ……」

 

 両どなりに二人。

 どちらでもない方向に、手をのばそうとして。

 

「あ〜あ〜、そうしちゃうんだ。ふ〜ん」

 

「それがマスターの、選択ですか」

 

 

 

 ──ぜろ。

 

 

 

 え、なにそれ?

 オレ、そんなの、しらな

 

「……っう、?、?」

 

 

 

 

 

 ーーーーーー

 

 

 

 

 

 ──はあ……もっと従順でいてくれたなら。

 

 ──お仕置きを始めたのは一応、わたしたちだよ〜?

 

 ──私たちの力は、本質的には強制的、自動的なルールです。破られなければ何を引き起こす事もない。マスターが受け入れる方に進んでいれば、こんな手を取らずに済んだのですが。

 

 ──全然受け入れてくれないのにつけ込んで、マスターの体に色々してたくせに〜。それも「お仕置き」の範疇〜?

 

 ──……。

 

 ──ま、わたしもやってたけどさ〜。それより……どうする〜? 気絶するところまで“支配”しちゃったけど。

 

 ──“支配”に対して抵抗し続けたマスターには、まだもう少し、懲罰が必要だと思いませんか。

 

 ──あははっ、賛成〜。

 

 

 

 

 




 
 
・マスター
 本当はこれほどには強情じゃない。ただペルフェクト二人の“支配”と「お仕置き」に対して心と体が全力で拒否反応を示しているのでそれに引っ張られている。
 この後何があったのかは想像にお任せ。

・ペルフェクト
 こっちを余裕で支配しうる圧倒的つよつよ種族エンコマが割とマスターとのそういう事が好きだったりするといいよね。
 カード使用ロックをそれっぽく解釈したらこうなった。もっと絶対うまい調理の仕方があると思うので皆も、書こう!

 引き続き今回も評価、感想、そして誤字報告あればよろしくお願いします。
 
 
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