もしもタツミがワンパンマンだったら   作:安全第一

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はい続き更新しまっせー!

面白さは保証出来ないけど読んでくれると嬉しいな!(白目


3.就職先にはおっぱい・天然・ツンデレ・ホモォ・変態・野生児といった個性豊かな社員仲間がいました。

「ほらタツミ、ここが新しい就職先だよ!」

「山ん中じゃねーか」

 

 月給三十五万円という餌にホイホイ釣られて就職を決めたタツミ。そんな彼の前に待っていたものは帝都から北に10km離れた山の中に建っている巨大な建物だった。

 

「んで、社長とかいるんだろ? 一応ここで働く身になる訳だし挨拶ぐらいしておかねーとな」

「いるけど今は留守にしてるよ?」

「社長不在で俺を勧誘しても良かったのかよ」

 

 なんで代表取締役が不在なんだよ、と心の中で突っ込んだがまあ後から挨拶しても問題ないかとあっさり放り投げる。不在の社長が悪いのだという事にした。あと社長が不在だという事を忘れていたレオーネもギルティで。

 

「……細けぇこたぁいいんだよ!」

「後で絶対シバかれるぞねーちゃん」

 

 いずれやってくる社長の制裁を思い出し冷や汗ダラダラのレオーネにタツミは心の中で合掌する。こんな適当な部下を持って大丈夫なのかこの職場。あと社長がいない間にこの職に携わる訳にはいかないので社長が帰って来るまでは非正規社員という事になった。要するにアルバイトという訳だ。

 

「それで社長はいつ帰って来るんだ?」

「えっと……三日後だったっけ?」

「うろ覚えじゃねーか。しかも疑問形ってなんだよオイ」

 

 というかボス(どうやら社長じゃなくボスと呼ばれているらしい)帰って来るの遅過ぎだろ。一体どこで道草食ったらそんなに遅くなるのやら。タツミはほとほと呆れていた。

 

「まぁ取り敢えずこの事は社長に即行で報告するから」

「い" や" あ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ま" っ" て" え" ぇ" ぇ" ぇ" ぇ" ぇ" ぇ" ぇ" ぇ" ぇ" な" ん" て" も" す" る" か" ら" あ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ"!!!」

「正社員が非正規社員に泣きつく光景なんて初めて見たぞ」

 

 レオーネが過去に何をやらかしてボスの制裁を恐れているのかは分からないがこんなになるとは予想外だった。まあ幾ら泣きついても報告するつもりなので制裁は免れない。哀れレオーネ。

 そして非正規社員が正社員よりも高い権力を得た瞬間である。まだ職場に着いて三十分も経っていないのに力関係(権力とかその他諸々)があっさり変動するアッパッパーな職業があるとは知る由もなかったタツミだった。

 

「そういえば他にも社員っているんだろ? まだ分からねーから紹介してくれ」

「あ、確かに仲間を紹介するのを忘れてたな。あと仲間であって社員とかじゃないんだけど……」

「あ、そっち(社員仲間)の方か」

「多分だけど分かってないだろお前」

 

 そんなこんなで仲間の元に案内する事にしたレオーネの後を付いていく。レオーネの後ろ姿を見て尻でけーなとか安産型だなとかセクハラっぽい事を考えていた。ただしタツミ自身にいやらしい感情など微塵もないので突っ込んでいいのやら突っ込まなくていいのやら。

 

 

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

 

 

「こいつはシェーレ。基本天然キャラだ」

「ふーん」

 

 会議室にいたのは眼鏡を掛けた紫色が特徴の女性。見た目読書が好きそうだが本の内容が『天然ボケを直す100の方法』というものに対して突っ込んではいけない。

 

「あれ、その人は誰ですか?」

「あー、私が連れて来た新人だよ」

「ボスに報告しなくて良いんですか?」

「それはほっといてくれ」

 

 視線を明後日の方向に向けるレオーネ。

 

「俺の名はタツミ。この職場に働く事になったからまあよろしく」

「よろしくお願いします。というかここに働きに来て良かったのですか?」

「何が?」

「ここの仕事上、仲間にならないと殺されちゃいますよ?」

「そん時はこの職場全壊させて行くから問題ナッシング」

「えっ」

 

 

 

 

 

「ちょっとレオーネ! ソイツ一体誰よ!」

「誰だあのピンク」

「あいつにはマインって名前があるからピンクと呼んでやらないでやってくれ」

 

 ツインテールのピンク、マイン。以上。

 

「私の説明雑すぎない!? ちょっと! 文句あるなら(ry」

 

 

 

 

 

 

「ここは訓練所という名のストレス発散所だ」

「結構豪華なんだな」

「まあね。んで、あそこにいるのがブラートだ」

 

 訓練所と呼ばれる場所は江戸時代の武士が住んでいる家とかに良くありそうな庭があった。

 そしてそこで目にも留まらぬ速さで重り付きの槍を振るう男性が一人。

 

「どぉりやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「汗臭そうだろ?」

「汗臭そうだな」

 

 誰がどう見ても汗臭い印象しかない。しかも髪型はリーゼントと来た。そしてマッチョである。

 

(この世界のマッチョ率高えなオイ)

 

 原作でもマッチョキャラは多かったと思う。これはタツミが思った事ではなく作者が思った事だが。

 

「おっ、何だレオーネじゃん! ん? そこの少年は……?」

「コイツはタツミ。私が勧誘したから見込みはあるぞ」

「なるほどな。お前が推薦した奴なら構わないが信用出来る奴なのか?」

「あ、コイツ裏切る危険性ゼロだから大丈夫。給料で釣れたし」

「なら良いか」

「アンタ等マジで軽いな。あとさりげなく俺の事バカにしてるだろ」

 

 ホントにここの職場大丈夫なのか、と再び心配するタツミ。するとブラートが此方に向かって来る。そして爽やかな笑顔を浮かべ手を差し出した。

 

「俺はブラート、ヨロシクな! 俺の事はハンサムか兄貴と呼んでくれ!」

「あいよ」

 

 その差し出された手にタツミも手を差し出し互いに握り合う。そこにレオーネがタツミに耳打ちする。

 

「気を付けろ。コイツホモだぞ」

「マジか」

「オイオイ、誤解されちまうだろ? なぁ♂」

「よし、アンタはこれからハンサムホモ兄貴と呼ばせて貰うわ」

 

 しょうがないね♂

 

 

 

 

 

 

「こちらラバック。水浴び場に潜入した」

 

 匍匐(ほふく)前進という隠密行動に最適な移動法で水浴び場に潜入している変態が一人。もしかしなくても覗きを行おうとしているスケベ丸出しの緑色が特徴の少年がそこにいた。

 

「ふへ、ふへへ、そろそろ姐さんが水浴びをしている時間だ……! 俺はあの胸をこの目で見る為ならどんな危険を省みない!」

「じゃあ指二本貰おうか」

「☆♪○→♭★♡♂♀♨︎↑!?」

「……うわぁ」

 

 バレバレやでぇ。タツミは心の中でそう思う。あとどうやったらその声にならない悲鳴を上げられるのか不思議だとも思った。

 

「懲りないなーラバは」

「クソッまだいける! どこまでも!」

「じゃあ次は腕一本な」

「¥%#*♧♥︎♠︎♪♪♪♪♪!? いや、むしろこれはこれでアリか!」

「……という訳で、このバカはラバックな!」

 

 そしてドM属性持ち。色々ひでぇよお前、と口に出掛けたが出してしまうと更に変態属性が追加されそうだったのでやめた。

 

 

 

 

 

「個性的な奴らばっかだなここの職場」

「アハハ……まあそういうなよ。次は美少女だから期待しろってー」

「美少女(笑)の間違いじゃないよな?」

「本人の前でそれ言って殺されても知らんぞ」

 

 そんな二人が向かっているのは河原。そしてそこには社員仲間の一人がいるらしい。レオーネ曰く美少女とか。まあタツミ自身は興味の一欠片も持っていないが。

 

「ホラ、あそこにいるのがアカメだ」

 

 レオーネがそう言って指差した先に居たのはアカメと呼ばれた一人の少女、と丸焼きにされているやたらデカいヒヨコがいた。

 

「可愛いだろ?」

「あのヒヨコ美味そうだな」

「着眼点そこかよ!?」

 

 ヨダレを垂らしているタツミにビックリなレオーネ。まさか美少女よりもやたらデカいヒヨコに興味を持つとか思いも寄らなかった。いや、まぁ確かにあのヒヨコ美味そうだけど、とレオーネも思っていたので否定出来ないのがなんか悔しい。

 

「つーかあのヒヨコなんて言う奴だっけ? エ、エビ、海老……」

「鳥類から魚介類になって来てるぞ。あれはエビルバードな。特級危険種の」

「そうそう海老流BAR度だった」

「物凄い誤変換してるじゃん!?」

 

 そんな他愛のない会話をしているとアカメがこちらを見てくる。そして手に持った骨つき肉をレオーネに向けて放り投げた。

 

「レオーネも喰え」

「おっサンキュ」

「俺にもあるのか?」

「……お前は誰だ?」

「あぁ、まだ紹介してなかったな。こいつはタツミ。私が勧誘した」

「つーわけでこれからよろしく」

「よろしく」

 

 しかしアカメがタツミに肉をあげる気配は無い。

 

「あれ、肉くれないのか」

「お前はまだ本当の仲間になっていない。だからまだこの肉をやる訳にはいかない」

「そっか、そりゃ残念だ」

 

 まだ本当にこの職場の一員になった訳ではないので信頼していないのも当たり前である。タツミ自身もすぐに信頼する人間などいないという事は承知していたのであっさり諦めた。

 そこでアカメがレオーネに問い掛ける。

 

「そういえばレオーネ。私達が何を仕事としているのかタツミに伝えた上で勧誘したのか?」

「いや、まだ伝えてないけど」

「あー、そういやまだ仕事の内容とか知らなかったな。月給だけしか聞いてない」

 

 まあ月給三十五万円という高給を逃す手はないのでどんな仕事の内容でも引き受けるつもりである。

 

「だけどタツミはここで働く気満々なんだろ?」

「ん、まあそうだな。月給三十五万なんて美味しい話逃す手はないしな。やるならとことん働くぞ」

「なら私達が何を仕事としてるのか伝えた後に辞める事は出来なくなるけど良いって事だな?」

「なんかブラック企業染みたオーラが漂うんだが」

 

 あれ、これってもしかして面倒臭い職場にホイホイ入っちまったんじゃ。タツミはこの後、後悔したかも知れないし後悔してないのかも知れない。

 

「私達がやっている事はな───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───殺し屋だよ」

「そーなのかー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───ん? 殺し屋? へー……」

 

 

 

 ……ナンテコッタ、パンナコッタ。

 

 

 

 心の中でそうボヤいたが時すでに遅し。ここもブラック企業なのであった。

 

 タツミがこの先どうなっちゃうのかは神の味噌汁。

 

 

 




次回☆
タツミ「社畜王に! 俺はなる!」

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