前回の倉間脱退、凄い反響が来てましたね。
ちなみに当初の構想は帝国戦か海王戦で倉間がファイアトルネード治療法を受けてそのまま仲間として残るというものでした。
○○月××日
ただいま緊急で日記を書いております。
なんと今日、倉間さんがサッカー部を退部してしまいました。しかもキャプテン達二年生から聞いた話では近々転校してしまうようだ。更に三国さん達三年生の話では以前退部した南沢さんも転校するそうだ。このタイミングで退部し、そして転校する二人…何だろう、嫌な予感がするな…
とはいえ今はサッカー部の問題を解決するのが先決だろう。倉間さんが抜けた事で部員は剣城を含めて10人しかいない。しかも剣城が次の試合に来るとは限らないのでそれも踏まえて二人ほどメンバーの追加が必要だ。どうすっかな~…狩屋はまだ雷門にいないし、錦さんはまだイタリアにいるし、輝でも誘おうかな…あいつはもう雷門にいる筈だし。
なんて考えていたら部室の外から視線を感じた。声をかけてみたら部室に入ってきたのはかつてサッカー部二軍に所属していた一乃さんと青山さんだった。何でも俺達のホーリーロードの試合を一回戦から見ていたらしく、徐々にまたサッカーがやりたいと思い始めたらしい。そして倉間さんが抜けて人数が足りない事を知り、居ても立っても居られなくなってもう一度サッカー部に戻りたいそうだ。
キャプテンが「フィフスセクターと戦う事になるぞ?」と問うが覚悟は出来ているようだ。こうして人数問題は難なく解決した為この日も対帝国戦へ向けた練習を一通りし、葵ちゃんと一緒に下校する事にした。その道中どこかへ向かっている様子の剣城を見かけた。恐らく優一さんが入院している病院へむかっているのだろう。すると葵ちゃんが「剣城君をおいかけてみようよ」と言って俺を引っ張って剣城の尾行を始めた。葵ちゃん。君いつの間にそんな行動派になったの?
こうしてあっという間に病院に辿り着いた俺達は近くにいた看護師さんに自分達が雷門中サッカー部である事とチームメイトの剣城に探しに来た事を伝えると「そう、あなた達がマモル君の…」と、どこか懐かしそうにしている表情になっていた。っていうかこの看護師さん冬花さんじゃん。冬花さんは円堂監督の幼馴染でかつてイナズマジャパンのマネージャーをしていた人物だ。それに別の世界線では円堂監督の奥さんにもなっている。個人的な話だが冬花さんが母親だった場合のハルがどんな性格で冬花さんとの家族関係はどうなっていたかという妄想を前世でしょっちゅうしていた。
剣城のチームメイトならという事で特別に冬花さんに優一さんがいる病室へ案内してもらうとそこに剣城と優一さんの姿があった。「お前ら、どうしてここに!?」と驚く剣城と「もしかして、京介のチームメイトかい?」と反応する優一さん。俺と葵ちゃんが初対面の優一さんに自己紹介をすると「ああ!君達が天馬君と葵ちゃんか!」と、何故か俺達を知っているようだった。
「京介に聞いたんだよ。雷門に自分より凄い同級生がいたってね」
「剣城君が…?」
剣城が俺達の事をそう言ってたなんて、正直ちょっと意外だと思った。それから俺達は剣城に連れられ人気のない場所へやって来た。当然連れてきた本人はご立腹のようだった。
「どういうつもりだ!?俺をつけてきたのか!」
「ご、ごめんなさい!剣城君の事が気になったから…」
「…なぁ剣城。次の試合に出る気はないのか?」
「ああ。俺は二度と雷門でプレイを…サッカーをする気はない」
「それは本心なのか?」
「なに?」
「この前の万能坂で、お前は本気のサッカーをした。それだけじゃない。前の黒の騎士団の時よりお前は強くなっていた。その時に俺や葵ちゃんに負けたのが悔しくて、ひたすら特訓してたんじゃないのか?」
「そうなの?剣城君」
「…」
「無言は肯定と捉えるよ。そんなお前が本気でサッカーを辞められるのか?」
「…お前に何がわかる」
「教えてあげてはどうですか?君が雷門でサッカーをしない…いや、出来ない理由を」
いつの間にか黒の騎士団の監督をしていたおっさんがそこにいた。名前はえっと…
「黒木さん!どうしてここへ!?」
そうそう、確かそんな名前だったな。
それから黒木は俺と葵ちゃんに剣城の過去を語り出した。六年前にサッカーで遊んでいた幼い剣城と優一さんはボールを木の上に引っかけてしまい、ボールを取ろうとした剣城が地面に落ちそうになった、優一さんは剣城を助けようと下敷きになってしまい、剣城は無事だったが下敷きになった優一さんは足を大怪我してしまった。それもサッカーが出来ない程の…海外に行けば治せない事はないそうだがその費用は莫大で剣城家ではとても用意出来ない金額だそうだ。そして兄である優一さんの手術代を稼ぐ為に剣城はフィフスのシードになったと黒木は語った。
いや、あんたなに人様の事情ペラペラ喋ってんだよ?それも剣城本人の許可を得ずさ。
「どうですか?これでも彼にサッカーを強要するつもりですか?」
「…俺は剣城にサッカーを強要してるつもりはねぇよ」
「なんですって?」
「サッカーをやるかやらないか…それを決めるのは俺でもあんたらフィフスでもない。剣城本人だ」
俺がそう言うと黒木はどこかへ去っていった。おそらく俺と葵ちゃんに揺さぶりをかけるつもりだったようだが俺達にはそんなの通用しない。
「剣城。お前が本気でサッカーをやらないつもりなら止めはしない。だけど、自分の心に嘘を吐くなよ」
「…くだらねぇ」
そう言って剣城はその場から去っていった。ここからはあいつ自身の問題だ。俺と葵ちゃんは病室を後にし、それぞれの家に帰ったのだった。
××月○○日
いよいよ地区予選準決勝、帝国学園との試合が始まった。ベンチで試合の準備をしている最中、ふと帝国側のベンチを見る。あそこには帝国の選手はもちろん監督であり総帥の鬼道さん、そして帝国の選手時代から鬼道さんの参謀をしているコーチの佐久間さんの姿があった。確か二人とシードではない一部の帝国選手は表向きではフィフスに従っているが本当はフィフスを倒すべく裏で活動しているレジスタンスだったんだよな。とはいえこの試合も全力で挑んで勝ってみせる。わざと手を抜くのは帝国の選手や鬼道さんにも失礼だからな。ちなみに剣城も倉間さんもいない為FWは俺とキャプテンのツートップになった。現状このチームでシュート力があるのは俺とキャプテンだけだから円堂監督のこの判断は妥当だろう。
それから雷門のキックオフで試合が始まり、パスを受け取った俺はすかさず帝国側のゴールへ向かってシュートを打つがキーパーの雅野に止められてしまった。何気に俺のシュートに対応したキーパーはこいつが初めてだな。「お前の力はこんなものではないだろう、サッカーモンスター。帝国のサッカーを…甘く見るなよ!」と言って雅野はパスを出し、それをFWであり帝国側のシードの一人である御門が受け取った。そこから間髪入れず御門は【皇帝ペンギン7】を打ったが、なんと三国さんが赤色の【ゴッドハンド】で御門のシュートを止めてみせた。三国さんがいつの間にかゴッドハンドを習得してた事に俺は驚いたが、そういえば最近葵ちゃんと三国さんが二人で何か特訓をしていたのを見た記憶がある。もしかしたらその時してたのがゴッドハンドの特訓なのかもしれないな。
そこからすかさず反撃に入った俺達は必殺タクティクス【アルティメットサンダー】を使って帝国の守りを崩し、すかさず俺は【ファイアトルネード】を打ち、雅野が【パワースパイク】で止めようとしたがそれは出来ず、ボールは帝国のゴールにねじ込まれた。こうして雷門が先制点を取ったのだった。