××月○○日
南沢さんと倉間さんと一悶着あったが、いよいよ月山国光との試合が始まった。ちなみに霧野さんは原作と違いスタメンから外されていない。今日の試合が始まるまでの間に俺が霧野さんと狩屋にある特訓を提案したのだ。その特訓とは俺を相手に二人が相手をするというものだった。ルールは二人で俺からボールを奪うというものだったが秋空チャレンジャーズとの試合を通じて狩屋は俺が只者ではないと見抜いていたようで「他の先輩達ならともかく霧野先輩なんかと一緒になって天馬君に勝てる訳ないでしょ…」と言っていたので「ビビってんのか?そんなんじゃ俺どころか霧野さんにも勝てないぞ」と煽ったらそれに乗った狩屋は霧野さんとペアになって俺に戦いを挑んできた。
もちろん突っ走ってきた狩屋を俺は軽く躱していくが、狩屋は負けじと俺に喰らいついてきた。原作でもそうだったが狩屋のボディバランスは大したものだった。俺に果敢と挑んでいる狩屋を見て霧野さんは狩屋がシードじゃないと思い始めているようだった。それから二人は特訓をしている内に互いを認めるようになったようだ。これにより冷静さを取り戻した霧野さんはスタメンから外されなくなり、狩屋もチームメイトにちょっかいを出すことはなくなった。
さて、肝心の試合だが…ハッキリ言って月山国光は大して強くなかった。正直帝国と海王の方が歯応えがあると思ったくらいだ。南沢さんと倉間さんはあれから多少強くはなっているようだが、俺や雷門イレブンは二人が抜けてから更にパワーアップしているので特に苦戦せずに俺達雷門が二点を先取した。俺、剣城、キャプテンに至っては化身も使わずに月山国光を相手にしているので体力の消耗もしていない。
ちなみに海王戦の時に出来た化身アームドだが、あれ以降化身アームドが出来なくなっている。やはりあの時は土壇場で偶々上手くいっただけの様だ。化身アームドを使えるようになるには更に特訓を重ねるしかないようだ。
途中月山国光はサイクロンスタジアムの仕掛けである竜巻を利用したり必殺タクティクスの『タクティクスサイクル』を使ってきたが竜巻は俺が上手く躱すことで何とかなり、タクティクスサイクルは二回目の使用時に一瞬の隙をついて狩屋が相手チームからボールを奪った。一回目の使用時に霧野さんはタクティクスサイクルの弱点を見抜き、それを狩屋に伝えて指示を出したのだ。
月山国光はタクティクスサイクルを破られたからかチーム全体の士気が下がっていた。
「クソッ!何で勝てねぇんだよ!!」
「俺達は雷門と松風を叩き潰す為にここに来たんだ!なのにどうして勝てないんだ!?」
この人達…まだわかってない様だな。
「そんな事もわからないんですか?
「なにっ!?」
「俺達はフィフスを倒して、本当のサッカーを取り戻すためにずっと特訓をしてきたんですよ。お二人が雷門から月山国光に逃げて行ってからずっとね」
「お、俺達が逃げただと!?」
「だって事実でしょう?そもそもお二人は俺を潰す為にサッカーをしているようですが、それって楽しいですか?」
「何が言いたい…!」
「サッカーは11人でやるスポーツです。なのにお二人は俺を倒す事だけに執着して、月山国光とも上辺の連携しか取っていない…私情でしかサッカーをしようとしないあんた達に俺を…雷門を倒す事は絶対に出来ない!!」
俺がそう言ったタイミングで前半戦が終わり、俺はベンチへと戻っていった。
それから後半戦が始まった訳だが、相変わらず月山国光は士気が下がったままだった。しかし南沢さんと倉間さんの二人だけは雷門のゴールに向かって行っていた。
「倉間!あの技を使うぞ!」
「マジっスか!?まだ一度も成功してないんですよ!」
「このままじゃ雷門に負けちまうぞ!俺はそんなの嫌だ!俺はこいつらに勝ちたい!お前もそうじゃないのか!?」
「…わかりました!やってやりましょう!」
二人は会話を終えるとまず倉間さんが【サイドワインダー】を打ち、それに続いて南沢さんが【ソニックショット】を打つとサイドワインダーの蛇が黒くなり、素早い動きでゴールに迫ってきた。
「「【ブラックマンバ】!!」」
「っ!ゴッド…」
三国さんは【ゴッドハンド改】で止めようとするがあまりに動きが速かったのか止められずゴールを許してしまい、月山国光に一点決められてしまった。これにより月山国光の士気が上がり、南沢さんと倉間さんが再びブラックマンバを放とうとするが俺はすかさずボールを奪ってシュートを阻止した。そこから【ファイアトルネード改】で三点目をもぎ取った。
そこから試合終了のホイッスルが鳴り、7対1で雷門の勝利となった。
悔しさを露わにする月山国光イレブンに向こうのキャプテンさんが言葉をかけているのが見えた。初めてサッカーと本気で向き合い、全力を出し切り、初めて本当のサッカーという物を理解できたようだ。ふむ、月山国光のキャプテンさんは中々熱い男の様だ。
それから南沢さんと倉間さんがこちらへやって来た。向こうのキャプテンさんの言葉で自分達も本当のサッカーという物を知ったようだ。正直なところ今更感は拭えないが、キャプテン達の嬉しそうな表情をしていたので何も言わない事にした。すると倉間さんが俺に話しかけてきた。
「…その、悪かったな。今まできつく当たっちまって」
「…倉間さんって、素直に謝る事が出来たんですね」
「おまっ!こっちは本気で悪いと…」
「す、すみません、つい…」
「…ったく、締まりのねぇ奴だな…」
「アハハ…倉間さん、それに南沢さん」
「ん?」
「何だよ?」
「…ブラックマンバ、ちょっとだけビックリしましたよ」
「…当然だろ?お前と雷門を驚かせるために編み出したんだからな」
「…ここまで来たら絶対に優勝しろよ、天馬!」
「…はい!」
そんなこんなで、俺達はようやく認め合う事が出来た…のかもしれない。
○○月××日
今日で全国大会一回戦が全て終わり、聖帝選挙の途中経過が発表された。現聖帝のイシドシュウジにかなりの票が入っていたが、響木さんも負けてはいなかった。きっと俺達の試合を見ていた人達が響木さんに票を入れてくれたのだろう。これからもっと頑張っていこう。
―追記―
特訓帰りに円堂監督を見かけたのだが、どこか上の空だった。確か原作だとこの辺でイシドシュウジと話をしていた気がするし、おそらく今日がその日なのだろう。
××月○○日
二回戦の相手は白恋中に決まった。白恋といえば、イナズマジャパンの一人でもあったあの吹雪士郎さんの母校だ。何でも今は白恋イレブンのコーチを務めているらしいが、原作通りなら今頃コーチを解任させられ、白恋もフィフスの手に落ちている事だろう。
それから俺達は白恋戦に向けて特訓を始めようとしていたら、部室の外から視線を感じたので声をかけてみると一人の男子が部室に入ってきた。
こいつの名前は影山輝。鉄骨おじさんでお馴染みの影山零治の甥だ。輝のフルネームを聞いた円堂監督、鬼道コーチ、音無先生は驚きを隠せないでいた。そりゃそうだろうな。
未遂で済んだとはいえ、円堂監督のお祖父さんを殺そうとしたり、この場にはいないが豪炎寺さんの妹さんを交通事故に合わせて昏睡状態にしたり、まぁ数えたらキリがないほどの悪事をやらかしたおっさんだ。
そういや俺、将来影山が監督をするチームに入るんだよな。上手くやっていけるかなぁ…
それはともかく、円堂監督が狩屋の時みたいに「サッカーは好きか?」と輝に訊き、輝が素直に返事をすると監督は入部をあっさり許した。これには俺も賛成だ。影山は影山、輝は輝だ。影山と最も因縁が深いであろう鬼道コーチも快く歓迎していたし。
それから輝を加えたメンバーで今日の特訓をこなしていった。ちなみに俺がタイヤ特訓を提案したら、サッカー初心者の輝には耐えられないという事で全員から反対されてしまった。仕方がない、輝を揉むのは2日経ってからにしよう。
…どうでもいいけど、甥とはいえ輝って影山とあんまし似てねぇな。
ー技紹介ー
ブラックマンバ
ソニックショットとサイドワインダーのオーバーライド。ブラックマンバとは世界最速の蛇の事だ。
これまでヘイトを溜めてきた倉間(あと南沢)と和解しましたが、上手く書けたかな…?