偽天馬の超次元サッカー日記   作:のぞむ

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口でダメならサッカーで

○○月××日

 

 

吹雪さんが突然雷門に訪ねてきた。やはり原作通り白恋がフィフスの管理下になってしまい、吹雪さんはコーチを解任させられたようだ。要するに吹雪さんは俺達雷門に白恋を救ってほしいと頼みに来たわけだ。

 

勿論断るつもりはなく、俺達は吹雪さんの頼みを引き受ける事にした。ただ吹雪さん曰く、白恋に勝てる確率は五分五分との事だ。白恋には『絶対障壁』と言う防御型タクティクスがあるらしく、俺と剣城のシュートでもそれを打ち破るのは至難の業との事だ。吹雪さん程の人がそう判断するのだから、これは事実の筈だ。

 

吹雪さんによると絶対障壁は中盤に選手を集め、守りを固めるというタクティクスの様だ。だが、中央に集中するあまりサイドの守りが甘くなるという欠点があるようだ。そこを攻めれば勝機がある筈だ。

 

俺達が特訓に向かおうとすると、二年の先生と思われる人が封筒を持ってサッカー部を訪ねてきた。

 

キャプテンや三国さん等の先輩達によると、これはイタリアに留学しているというサッカー部員、錦龍馬さんからの手紙だそうだ。そう、後に時空最強イレブンの一員にもなるあの錦さんだ。手紙に書いてあったのは、日本に帰国するという物だった。ただ、錦さんが乗った飛行機が日本に来るのは白恋戦の前日らしいので練習には参加できないだろう。

 

するとキャプテンがあるタクティクスの事を思い出し、俺達に話してくれた。タクティクスの名は『ダブルウィング』。錦さんが中心になって特訓をしていたというタクティクスらしい。ダブルウィングは敵のサイドを狙って攻めるタクティクスなので絶対障壁対策にはうってつけだ。

 

ダブルウィングに必要なのは二人の強力なストライカーで、二人が並んで走りながらパスを繰り返し、それぞれに仲間が合流しつつ、二体に分かれて突撃して攻め上がるとの事だ。

 

二人のストライカーには俺と剣城が抜擢され、早速ダブルウィングの特訓を始める事にした。結論から言うと、『アルティメットサンダー』より難易度が高いタクティクスではあるが、完成させられないとまではいかない。死ぬ気でやれば試合までには完成させられるだろう。

 

さて、剣城にはとことん特訓に付き合ってもらうとしよう。

 

 

 

 

××月○○日

 

 

今日は休日だが、試合の日が近づいているのもあってダブルウィングの特訓を剣城と一緒にする事にした。今日まで特訓を重ねてきたおかげで、ついに完成させる事ができた。

 

だが、特訓はこれで終わりではない。実は剣城と一緒に習得したい必殺技があり、それを剣城に提案してみた。剣城は「悪くないな」と言って承諾してくれた。

 

ところで、習得したい必殺技とは何なのかって?

 

お披露目するその日まで秘密だよ☆

 

 

 

 

○○月××日

 

 

今日の特訓を終え、葵ちゃんと一緒に下校していると河川敷で吹雪さんの姿を見かけた。どうも二人の学生と話しているらしく、学生が着ていたのは白恋の制服だった。

 

生徒の片方には見覚えがある。雪村豹牙。確か吹雪さんの弟子だった筈だ。ぶっちゃけるとそこまで印象には残っておらず、イナダン映画で噛ませ犬みたいな扱いを受けた印象しかない。

 

そんな事を考えている間に雪村が激昂しながら吹雪さんにボールをぶつけようとしていた。すぐさま俺がボールをトラップしようとするが、その前に葵ちゃんがボール軽々とキャッチしていた。やっぱり葵ちゃんのキーパーとしての力は半端じゃないな。

 

突然現れた俺達に雪村と白恋の生徒、吹雪さんが驚いている様子だったが、雪村は俺を見て「サッカーモンスターか…!」と言っていた。どうやら白恋にも俺の事が知れ渡っているようだ。これまで幾度もサッカーモンスターと呼ばれてきたが、案外悪くない気分だ。

 

それから二人が去っていくのを見計らい、俺と葵ちゃんは吹雪さんから話を聞く事にした。

 

吹雪さんはコーチ就任時から雪村の特訓に付き合っていたらしい。どうやら雪村の才能は凄まじいらしく、すぐに吹雪さんの必殺技である【エターナルブリザード】を習得したそうだ。だがフィフスの権力でコーチを解任させられ、更には白恋中の出入りも禁止されてしまい、そのせいで雪村は吹雪さんから裏切られたと思い込まされたとの事だ。ちなみにさっき一緒にいた白恋の生徒はシードの白咲というらしい。

 

これはあくまでも俺のやり方なのだが、口で言っても通じないのならサッカーでぶつかり合えば良い。互いに本気でプレーをすれば、分かり合えると思っている。

 

俺がそんな風に言うと、吹雪さんが「やっぱり、君は彼に似てるね」と言って微笑んでいた。〝彼〟って誰の事だろ?

 

 

 

 

××月○○日

 

 

いよいよ白恋との試合の日がやってきた。ちなみに錦さんはこの場には来ていなかった。昨日稲妻町に帰ってくるはずだったのだが、結局姿を見せなかった。時間も迫ってきていたので、俺達は二回戦の会場である『スノーランドスタジアム』に向かう事にした。

 

肝心のフィールドは辺り一帯が凍っていた。おそらく並のサッカープレイヤーではまともに走る事ができないだろう。一方白恋イレブンは自分達の得意とするフィールドを目の当たりにし、余裕の表情を浮かべていた。

 

それから試合開始となったのだが、やはり氷の上でのドリブルは中々難しく、そうこうしている間に雪村にボールを奪われてしまった。それから吹雪さんに見せつけるかのように【パンサーブリザード】という技でシュートをしてきたが、三国さんは【ゴッドハンド改】で難なくシュートを止めてみせた。かなりの威力があったが、今の三国さんの敵ではないようだ。

 

パンサーブリザードが止められるとは思っていなかったらしく、雪村は明らかに動揺していたが、俺達はそれに目もくれず攻め上がっていった。勿論白恋が黙って見ている訳もなく、中盤に選手が集まっていった。これが白恋の『絶対障壁』って訳か。

 

「松風、行くぞ!」と言う剣城と共に俺は『ダブルウィング』を使い、絶対障壁を突破した。GKの白咲が絶対障壁を破られた事で動揺している隙にシュートをゴールネットにねじ込み、先取点を取る事ができた。

 

そういや、確か原作だと天馬君と剣城のダブルウィングは失敗してたんだっけ?

まぁ上手くいって困るような事もないから別に良いんだけどさ。

 

それから白恋のキックオフで試合が再開され、雪村が点を取り戻すと言わんばかりの勢いで化身の『豪雪のサイア』を出してきた。雪村を止めるべく俺も『魔神ペガサス』を出して応戦し、ボールを奪い取ってやった。そこから剣城にパスを出し、剣城の【ファイアトルネード改】で追加点をもぎ取る事ができた。

 

それから雷門が4点目を取ったところでハーフタイムに入った。そこへ「待たせたぜよ~!」と言いながら一人の男が現れた。ようやく錦さんが駆けつけてきたのだ。既に昨日稲妻町に戻っていたそうだが、何でも困っていたお婆さんを助けていたら道に迷ってしまったらしく、何とか自転車でここへ来たそうだ。

 

いや、自転車って…稲妻町からこのスタジアムってかなりの距離の筈だろ?まぁ超次元サッカーの世界でそれを疑問に思うのは野暮か。

 

すると錦さんが現在の得点数を見て驚いていた。だけど去年より雷門が強くなっていた事を大いに喜んでおり、自分も負けていられないと闘志を燃やしていた。

 

そんなこんなで一乃さんから代わって錦さんに入ってもらった訳だが、錦さんがついたポジションはMFだ。元々FWとして雷門で活躍していたそうだが、留学中にMFに転向したらしい。

 

それと白恋の方も選手交代があったらしく、やたらガタイの良い大男が入ってきていた。白恋の奴らの反応を見るにあまり好かれてはいなさそうだ。

 

白恋のキックオフで後半戦が始まった。あのガタイの良い男はグリズリーと呼ばれているらしく、ボールを持ってラフプレーを仕掛けてきたので上手く立ち回ってボールを奪ってやった。流石にこんな奴が出張って来たので、俺は白恋イレブンに物申す事にした。

 

「白恋イレブン。これがお前らがやりたかったサッカーか?フィフスの管理サッカーで勝たせてもらえて、満足なのか?」

 

俺がそう言うと白恋イレブンの面々はハッとなり、これまでの特訓の日々やただひたすらボールを追いかけていた頃を思い出している様子だった。それからシードの白咲以外はフィフスに従うのをやめ、正々堂々俺達を相手にし、俺達もそれに応えた。

 

試合は6対0で雷門の三回戦進出が決まった。だけど白恋イレブンは清々しい表情をしており、吹雪さんと雪村さんも無事に和解する事ができたようだ。

 

よし、次の試合も必ず勝つぞ!

 

 

 

 

○○月××日

 

 

円堂監督が監督を辞任し、雷門を去っていった。

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