今日からピッカピカの中学一年生です
××月○○日
俺、偽天馬!今日からピッカピカの中学一年生です!
俺が入学するのはもちろん雷門中学だ。この日までサッカー特訓は欠かさずやっていたので一軍に並び立てるくらいには強くなっているとは思う。木枯らし荘を出て犬小屋にいるサスケに雷門の制服を見せていると雷門の女子制服を着ている葵ちゃんがやって来た。ちなみに葵ちゃんもサッカー部にマネージャーとして入るようだ。
葵ちゃんが「制服、似合ってるね!」と言ってきたので俺も葵ちゃんに同じことを伝えると葵ちゃんは照れながらお礼を言ってきた。ってか何で照れてたんだろ?
そんなこんなで葵ちゃんと一緒に雷門中にやって来た。入学式までまだ時間があるので学校内を見て回っているとサッカー部の看板がある旧部室を見つけた。これが円堂さん達が使っていた部室か。アニメやゲームで何度も見てたけど実物を見るとなんか感慨深いな…GOから15年経ったヴィクロでも残されている事を知った時は地味に感動してしまったものだ。まぁ一回エイリア学園にぶっ壊されてるけどそれを言うのは野暮だよな。
葵ちゃんが「ここが部室なのかな?」と呟くと「それは記念に残してあるずっと前の部室で、今は使われていないわ」と後ろから話しかけられる。話しかけてきたのは現在サッカー部の顧問をしている音無春奈さんだった。説明は不要だろうが、音無先生はかつて円堂さん率いる雷門イレブンのマネージャーをしており、更にあの鬼道さんの妹だ。
うん。やっぱり鬼道さんとあまり似てないな。それぞれ実のお父さんお母さんに似たのかな?
それはさておき、音無先生にサッカー部入部希望の意思を伝えた俺達は現在の部室やスタジアムを完備しているサッカー棟に案内してもらった。今思うと学校の部活動の一つに過ぎないサッカー部にここまで良い環境や設備を整えてるって凄いよな…それだけイナイレ世界のサッカー人気が凄まじいって事なんだろうけど。
するとそこへ慌てた様子の教師が音無先生を呼びに来ていた。なんでも外のサッカーグラウンドで大変な事が起きているらしく、俺と葵ちゃんも音無先生についていった。サッカーグラウンドで俺達が目にしたのはボロボロにやられているサッカー部二軍の選手達と現在サッカー部の監督をしている久遠さん。そして改造制服を着ているツンツンヘアの少年だった。もちろん少年は剣城京介だった。
「今日限りで雷門サッカー部は廃部だ」と二軍に向かって告げる剣城。いや、お前一人でそんな事決められるかよ…と、普通ならそうなるのだが現在の中学サッカーはフィフスセクターというサッカー管理組織が支配しており、そういう事も容易だろう。目の前にいる剣城もフィフスから送り込まれたシード…要するにスパイだ。
まぁ俺自身前世の知識は持っているがフィフス関連の話は少し小難しいのでよく覚えていない。覚えているのはフィフスがサッカーの試合における勝敗まで管理していて、八百長が当たり前の様にまかり通っているくらいだ。
剣城は「サッカーなんてくだらねぇもんは必要ねぇ!」と言いながらサッカーボールを蹴り上げて近くのゴミ箱に入れる。もちろん本心ではない事は前世の知識がある俺にはわかるのだが、その事を知る由もない葵ちゃんは剣城に抗議する。ここは俺も便乗するとしよう。
剣城は目の前に現れた俺達に抗議された事で機嫌を悪くし、俺達に勝負を申し込んできた。俺達が勝てばサッカー部は廃部にはならないそうだが、それはお前の一存で決まる事じゃねぇだろ。
しかしそこへ現れた理事長の金山がその勝負を認めてしまう。いやいや、理事長なら普通止めるだろ…そういやこの理事長フィフスの言いなりだったな。
いや、それはまだいい…俺が一番気に食わないのはテメェだよ冬海!あんた円堂さん達に命に関わる妨害行為をしようとしてた癖に何で校長になれてんだよ!?金か?金なのか!?マジでその時の当事者だった音無先生が気の毒で仕方ないんだが!
話が逸れてしまったがこの勝負に挑むのは俺ではなく葵ちゃんだ。ルールは剣城がゴールネットに向かってシュートをし、それを葵ちゃんが止めたらこちらの勝ち。止められなかったら剣城の勝ちだ。剣城の相手にと俺が推薦したのが葵ちゃんだが「私に止められるかな…?」と自信なさげだったので俺が背中を押す。葵ちゃんも今日までサッカー特訓を続けていたんだ。俺も葵ちゃんなら絶対に勝てると確信している。
剣城は「女だろうが容赦しねぇ」と言って必殺シュートの【デスソード】を放ってきた。
「【ゴッドハンド】!!」
「なにっ!?」
葵ちゃんは青色のゴッドハンドで剣城のデスソードを止めてみせた。これには二軍の皆さん、そして久遠監督と音無先生も驚愕していた。なにせあの円堂さんや立向居さんといった有名選手が使っていた伝説の技を新入生の女子が使ってみせたのだからな。余談だが葵ちゃんはゴッドハンドの他にもう一つキーパー技を習得しているのだが、それはまた別の機会で話そう。
葵ちゃんは喜びながら「これでサッカー部は大丈夫だね!」と俺の元に駆け寄ってきたがシュートを止められたことで怒り心頭の剣城が「サッカーサッカー言うんじゃねぇ!!」と言ってこちらにボールを蹴ってきた。しかしそのボールはどこからか飛んできたボールによって軌道が変わり、俺達に当たる事はなかった。
「お前達!サッカー部の神聖なグラウンドで何をしている!」と言って現れる一人の男と大勢のサッカー部員。この人こそこの時代の雷門サッカー部キャプテン、神童拓人さん。そして雷門イレブン一軍だ。
そこから話は進み、剣城率いる黒の騎士団と雷門イレブンが試合をする事になり、俺と葵ちゃんは久遠監督に連れられその試合を見学する事になった。ちなみに剣城が原作同様ボールで旧部室を破壊しようとしたが間一髪で俺がボールを蹴り返したので事なきを得た。
試合が始まり、まずは雷門イレブンの攻めから始まった。ゴールネット手前でFWの南沢さんがシュートを放つが相手のキーパーはそれを簡単に止めてしまった。そこから黒の騎士団が優勢となり、あっという間に10点を取られて前半が終わった。雷門イレブンは相手チームの攻撃でほとんどが疲弊していた。
この試合を見て思ったのだが、どちらも実力はあると思うのだが俺の目には遅く見えてしまっていた。
すると久遠監督から「お前はサッカー部に入部希望だったな?」と聞かれ、そうですと答えると監督は南沢さんを下げて代わりに俺を試合に出すと進言した。当然交代の際に南沢さんに睨まれてしまうが睨むんなら交代を指示した久遠監督を睨んでくれ。
笛が鳴って試合が再開し、FWの倉間さんからすぐさま剣城がボールを奪ってしまう。あっという間にゴール前に来た剣城が追加点を入れようとする。
しかし剣城が持っていたボールはいつの間にか消えていた。俺がボールを奪ったのだ。
これは相手の死角のみを移動し、気配を消して背後から忍び寄ってボールを奪うテクニック。ヴィクロで円堂ハルが使っていたテクニックだ。そこから一気に相手の守備陣を抜いてゴール前に移動し、相手が技を出す間もなくゴールを決めた。
一点決めたわけだが相手チームはともかく、雷門イレブンまでもが驚愕していた。
…もしかして俺、強くなり過ぎた?
いやいや、確かに雷門に入学するまでメッチャ特訓をしてきたけどここまで強くなる要素なんて…ベータがいたわ。あいつの特訓で強くなり過ぎたんだわ。
俺自身も驚いているがすぐに相手ボールで試合が再開した。すぐさま俺はボールを奪い、再びゴール前までやって来た。先輩方にパスを出すことも考えたが今のチームレベルではあいつらに勝てない。俺はこの試合でもしっかり勝ちたい。原作?知った事か!そもそも俺が偽天馬の時点で原作通りなんて無理なんだからな!
そんじゃあ一つ俺の手札を見せてみるか。
これが俺の最初の必殺技、【ファイアトルネード】だ!!
ファイアトルネードは俺を助けた豪炎寺さんが使っていた伝説の技だ。俺自身最初に習得するのはファイアトルネードだと決めていたからな、習得出来た時は滅茶苦茶大喜びしたものだ。
「あれは豪炎寺修也さんの!?」と驚愕する先輩達をよそに俺は追加点を取り続け、あっという間に10対10と同点になった。流石に焦って来たのか相手チームの監督さんは剣城に俺を潰すように指示をした。剣城は一瞬躊躇している様子だったがすぐに俺を見て、背後からオーラを出してきた。あれは剣城の化身、『剣聖ランスロット』だな。
「松風天馬!お前は俺が潰す!」
そう言って剣城は俺に向かって来た。けど俺はすぐに『魔神ペガサス』を出して剣城に対抗した。流石に俺が化身まで出せるとは思っていなかったのか、剣城は滅茶苦茶動揺していた。化身のぶつかり合いの末、勝利したのは俺だった。そこから化身を出したままシュートをして追加点を取った。これでついに雷門イレブンが逆転する事が出来た…まぁ決めたの全部俺だけど。
そんな中神童さんが「雷門は俺が守る!俺は雷門のキャプテンなんだ!!」と叫びながら化身、『奏者マエストロ』を出していた。
そんな中相手チームの監督さんが試合中止を進言してきた。とはいえ雷門11点、黒の騎士団10点なので実質こちらの勝ちだ。こうして色々あった入学式は幕を閉じたのだった。
ー追記ー
入学式を終えた後、クラスメイトの西園信助と友達になった。どうやら今日の試合を見ていたらしく「一人で11点も取るなんて凄いね!」興奮しながら褒めてくれた。うむ、悪くない気分だ。前世だと信助って結構嫌われている印象があるのだが俺自身は別に嫌っていない。だが木枯らし荘を秋姉さんの目の前でボロアパートだとほざいていたのでゲンコツを喰らわせておいた。涙目で「痛いよ天馬~!」と喚いていたがファイアトルネード治療法じゃないだけ温情だと思え。