偽天馬の超次元サッカー日記   作:のぞむ

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ホーリーロード編のヒロインレースは葵一強になりそうです。クロノ・ストーン編を書ける日が待ち遠しい…!


GOの序盤って結構ギスギスしてね?

○○月××日

 

 

俺は葵ちゃんと信助と一緒にサッカー棟を訪れたが、中に入ると部員達が揉めている様子だった。どうやら部員のほとんどが退部するつもりらしい。天馬君ならここで引き留めるだろうが、俺こと偽天馬はやる気がないのなら引き留めるつもりはない。そもそも部員のほとんどが内申書の為にサッカーをやっている奴らなので尚更だ。サッカーが好きじゃないのに内申書の為に無理にやるのはマジでサッカーが好きな奴にもサッカーにも失礼だ。サッカー部に残ったのは九名の一軍だけで二軍に至っては全員退部してしまった。

 

それから俺と信助は入部テストを受けたいと申し入れ、葵ちゃんはマネージャーとしてサッカー部に入りたいと伝える。メンタルがやられている神童さんから「もう来るな」と言われてしまうがそう言われて「はいわかりました」と言うつもりはない。まぁGKの三国さんが神童さんを宥めて事なきを得たけどな。三国さんは前世だとクソ雑魚ブロッコリーとネタにされていたが相手が悪いだけでGKとしては強い方だ。それだけでなく脅威の人格者と言われるくらいの聖人でチームの支柱的役割を担っている。

 

そんなこんなで入部テストが始まった。元々凄い人数が入部希望をしていたらしいが黒の騎士団の一件で入部テストを受けに来たのは俺と信助を含めてたった5人だった。ちなみにマネージャー希望の葵ちゃんは入部テストを受けずにそのままマネージャーとして入部することが出来た。テストの内容は一軍5人が相手のサッカーバトルだった。相手は神童さん、三国さん、倉間さん、車田さん、天城さんだ。久遠監督によると勝敗は問わず、それぞれのプレイを見て合否を判断するそうだ。

 

こうして始まった入部テスト。まず俺がドリブルで進んでいくがDFの天城さんと車田さんがこっちへ向かって来たのでノーマークだった入部希望者の一人の…えっと…押井にパスを出す。パスを受け取った押井はゴールを決めようとするが三国さんは軽々とシュートを止めた。それから三国さんからのパスを受け取った神童さんを他の入部希望者が止めようとするがあっという間に抜かされてしまい、残っているのはGKとその前にいるDFの信助だった。

 

「信助!止めろ!」

 

「え、えぇっ!?」

 

「怖がるな!怖がってちゃ合格なんて出来ないぞ!」

 

「う、うん!」

 

俺の叫びは届いたらしく、神童さんを止めようと信助は前に出る。しかし神童さんは猛チャージで信助を吹っ飛ばしてそのままゴールを決めた。だが三国さんはやり過ぎだと神童さんを注意した。

 

信助を含む入部希望者達はサッカーの基礎は出来ているがやはり即席のチームなのでチームの連携が出来ていないし、ほとんどが互いのミスを責め合っている。だが他のメンバーと違い信助だけはサッカーへ真剣に取り組んでおり、先輩達に喰らいつこうとしていた。しかし再び神童さんがディフェンスを抜いて追加点を取ろうとしていた。

 

「そうはさせませんよ、神童さん」

 

「…お前か」

 

流石に二度も同じ手を使わせないぜ。そもそも何もしなかったら俺の合否に響きそうだしな。

 

「…何故お前はサッカーを楽しめるんだ?」

 

すると神童さんがこんな事を聞いてきた。

 

「今の管理されたサッカーでは、本当の意味での勝利は手に入らない…今のサッカーに本気になる価値なんてない…なのに何故お前は楽しそうにプレイが出来るんだ!?」

 

「…神童さんがどんな思いでサッカーをしているかはわかりません。けどサッカーを、好きな事を全力で楽しむのって…最高じゃないっスか?」

 

「なに…!?」

 

俺の言葉を聞いた神童さんはどういう訳か動きが鈍っていたのですぐさまボールを奪ってゴール前まで走っていき、すぐさま【ファイアトルネード】でシュートをした。三国さんが【バーニングキャッチ】でシュートを止めようとするがボールは三国さんを弾き飛ばし、ゴールネットに突き刺さった。

 

それと同時にタイムアップとなり、入部テストが終わりを迎える。合格したのは俺と信助だけで後の三人は不合格となった。三人は不合格に納得がいっていないのか久遠監督に文句を言うが監督は眼力だけで三人を黙らせた。信助は「やったよ天馬!僕達合格したんだ!」と大はしゃぎだったが、かく言う俺も無事に合格が出来た事が嬉しく思わずガッツポーズを取ってしまった。「天馬もそんな風に喜べるんだ!」と信助が意外そうに言っていたが、お前は俺を何だと思ってんだ?せっかくだし今度偽天馬式タイヤ特訓でもさせてやろうかな?

 

そんな中少し離れた場所で俺達を見ていた剣城を見つけた。今後あいつも雷門イレブンになるわけだし、今の内に声かけとこうかな。

 

「…何の用だ?」

 

うわっ、明らかに嫌そうな顔されちまった…

 

「剣城。俺はサッカー部に入ったぞ。お前はどうすんだ?」

 

「お前には関係ねぇ」

 

そう言って剣城はこの場から去っていった。原作知識を持っている俺は知っているが、剣城は心からサッカーを憎んでいるわけじゃない。幼い頃、剣城の兄の剣城優一さんが足を怪我してサッカーが出来なくなる出来事があった。海外の手術で治せるらしいのだがそれには莫大な手術代がいるらしい。要するに優一さんの手術代を手に入れる為にフィフスセクターに従っているんだ。

 

正直この問題をどうするべきか悩んでいる…前にも日記に書いたが俺は偽天馬であって本物の天馬君ではない。天馬君の様な真っ直ぐさや素直さはないし、何よりよその家の事情に首を突っ込める程の勇気は持ち合わせていない。それに問題はそれだけじゃない。確かこの時期の神童さんもメンタルが不安定な状態になっていて、よく素直で純粋な天馬君と衝突していた気がする。ぶっちゃけ剣城より神童さんの問題解決が一番難易度が高い気がするな…

 

正直俺だけが強くても勝ち続ける事は出来ないだろう。勝ち続けるには俺だけじゃなくてチーム全体が強くなり、一つならないといけない。それがサッカーなんだ。

 

「天馬、どうしたの?」

 

すると葵ちゃんが心配そうに話しかけてきたので気持ちを切り替え、今はサッカー部に入れた事を喜ぶ事にした。

 

 

 

 

××月○○日

 

 

入部テストの次の日。新入部員の俺と信助、マネージャーの葵ちゃんと他二人が先輩達の前に立っていた。

 

「に、西園信助です!小学校ではDFをやっていました!頑張りますのでこれからよろしくお願いします!」

 

「松風天馬です。GKとDF以外のポジションならどこでも大丈夫です。先輩方、これからよろしくお願いします」

 

俺と信助が自己紹介を終えると三国さんが「ああ!よろしくな!」と快く受け入れてくれた。しかし倉間さんが小さな声で「ちっ、うぜぇ…」と言っている。おい、聞こえてっからな?

 

おっと、次はお前の番だぞ、後ろにいる剣城君。

 

「フンッ、何で俺がそんな事を…」

 

「お前だって新入部員だろ?新入部員が先輩達に自己紹介をするのは常識の筈だけどな」

 

「…剣城京介。よろしく」

 

素っ気ない態度で自己紹介を終えた剣城は部室から出ていったが、一旦気を取り直してマネージャー陣の自己紹介が始まった。

 

「二年の山菜茜です。よろしくお願いします」

 

カメラを持ちながら自己紹介をする茜さん。確か神童さんのファンなんだっけ。

 

「同じく二年の瀬戸水鳥だ。マネージャーっつーか、天馬の私設応援団って奴だ。いいな天馬!この水鳥さんが付いてれば百人力だ。気張っていけよ!」

 

如何にもスケバンっぽい水鳥さんが俺に向かって発破をかけてきた。何でもこの前の試合を見て俺の事を気に入ったらしい。そういえば天馬君も水鳥さんに気に入られてたな。

 

「一年の空野葵です!試合の経験はありませんけど、ミニサッカーではGKをしていました。よろしくお願いします!」

 

少し緊張しながらも葵ちゃんはしっかりと自己紹介をやり遂げた。そんな中浜野さんが速水さんに「ちゅーかあの子、ゴッドハンドであの剣城のシュート止めたらしいよ」と言って「えぇっ!あのゴッドハンドを使えるんですか!?」と速水さんが驚いていた。後から聞いた話なのだが葵ちゃんがゴッドハンドを使える事はすぐに学校中に広まったらしく、クラスメイトから質問攻めに合っていたらしい。「もう大変だったんだからね!」と愚痴を言いながらほっぺを膨らませていた葵ちゃんは不覚にも可愛いなと思ってしまった。

 

それから音無先生から雷門イレブンのユニフォームを貰った。しかも二軍ではなく一軍のだ。今のサッカー部は人数が足りないので変則的に一軍に入れることになったらしい。それから今日の練習が始まろうとしていたが一年の俺と信助は先輩達とは別メニューの練習をする事になった。自惚れているわけじゃないけど今の俺なら多分一軍の練習についていけると思う。とはいえ信助はまだ基礎練習が必要なくらい弱いから妥当だろう。そうだ!どうせなら俺と葵ちゃんがしていた特訓を信助にもやらせてみてもいいな。

 

 

 

 

○○月××日

 

 

そんな訳で前話した通りこの休日を利用して信助に天馬式タイヤ特訓を体験させる事にした。河川敷で葵ちゃんと信助と合流し、信助にタイヤを背負わせた。主に俺はシュート特訓をして、葵ちゃんはキーパー特訓をしているがちゃんとドリブル練習とディフェンス練習も考えてある。信助にやらせるのはもちろんディフェンス特訓で、タイヤを背負った信助が向かってくる俺を止めるという特訓内容だ。

 

もちろん初めてタイヤ特訓をする信助は思うように動く事が出来なかった。「天馬と葵っていつもこんな特訓してたの…!?」と信助がぼやいていたので「こんなんでバテてるようじゃ俺と葵ちゃんどころか先輩達とも並び立つ事は出来ねぇぞ」と少し挑発したらすぐにやる気を出してきた。一通りやった後は信助が得意だと言うジャンプ力を高める為の特訓を始めた。もちろんタイヤのオマケ付きだぜ♪

 

夕方になり、白目を剥いた信助が地面に倒れていた。動かない。ただの屍のようだ。

 

「死んでないよ!?」

 

あ、ホントだ。

 

「それにしても、ベータもいれば信助がもっと効率よく強くなれるのにね」

 

そんな中葵ちゃんがベータの名前を出してきた。確かに俺達をここまで強くしたベータがいれば信助のレベルアップも計り知れないものになってたかもな。

 

「ベータ?」

 

「俺と葵ちゃんの友達だよ。サッカーが滅茶苦茶上手くてさ、俺もあいつに一度も勝った事がないんだよ。まぁ今は遠くの方にいるからもう三年くらい会ってないんだけどさ」

 

「へぇ~!そんな強い子がいるんだ!僕もいつか会ってみたいな~!」

 

多分会えるぞ。そんで完膚なきまでボコボコにされると思う…

 

そういえば特訓の帰り道で信助がコッソリ俺に話しかけてきたな。確かこんな内容の会話だった。

 

「ねぇ天馬、そのベータって子、もしかして女の子?」

 

「そうだけど、それがどうしたんだ?」

 

「いや、天馬がベータの話をしてる時の葵がなんか不機嫌だったから…」

 

「ああ、葵ちゃんとベータは仲が悪くてさ、よく喧嘩してたんだよ。とはいえサッカーの連携はちゃんと出来てたし、嫌い合ってるわけじゃないと思うぞ」

 

「あ~、やっぱりそういう事か…天馬も隅に置けないよね~」

 

信助に何故か呆れられてしまった。隅に置けないってどういう事だ?

 

 

 

 

××月○○日

 

 

放課後になり、信助と一緒に部室へ行ったら先輩達がメッチャ暗くなっていた。そこにいた剣城いわく英都学園と練習試合をする事になったらしい。本来なら嬉しい事なのだろうが先輩達は嬉しそうじゃなかった。それもそうだ。練習試合とはいえフィフスから負けるようにと勝敗指示が来ているんだ。喜べるわけがない。

 

とはいえこの試合は雷門が変わり始めるきっかけになる試合だ。直接俺がゴールを決めても良いのだが流石にやり過ぎると原作からかけ離れ、最悪な方向に進む可能性もあるからな。今度の練習試合は原作通り神童さんにパスを出してシュートを決めてもらう事も視野に入れてみることにしよう。

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