偽天馬の超次元サッカー日記   作:のぞむ

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中学サッカーで八百長がまかり通るとかヤバすぎだろ

○○月××日

 

 

いよいよ英都学園との練習試合の日がやって来た。ポジションは先日抜けた部員の穴埋めとして天馬君と同じMFに抜擢されたのだが試合直前で久遠監督からシュート禁止を言い渡された。理由を聞いたところであの久遠監督が説明するとは思えないのでここは素直に従う事にした。でもまぁシュートするなと言われただけで神童さんにパスをするなと言われた訳じゃないから別に良いよな?

 

「さぁっ!いよいよ雷門中と英都学園の試合が始まろうとしています!本日は黒の騎士団との試合で猛威を振るったサッカーモンスター、松風天馬の姿もあります!今回も一人で大量得点を取ってしまうのかぁっ!?」

 

実況の角馬歩の言葉にこの時の俺は思わず反応してしまった。いや、それって円堂ハルの異名じゃねぇか。まぁよくよく考えたらこの前の試合でメッチャ得点してた上に相手チームのディフェンスを軽々と抜いてたからサッカーモンスターと呼ばれるのも仕方ないのかもしれないが…

 

こうして始まった練習試合はこちらのキックオフで始まり、神童さんがゴール前まで行ってシュートを打った。だけど相手のキーパーは【ムーンサルトスタンプ】という技でシュートを止めた。あれって結構無駄な動きが多いよな。

 

そこから英都チームの攻めが始まり、ディフェンス陣と下がっていた神童さんを抜いてあっという間に抜いていき、英都チームのFWが【パーフェクトコース】というシュート技を打った。三国さんは【バーニングキャッチ】で止めようとしたが止めきれずに先制点を奪われてしまった…いや、『止めたいが止めなかった』の方が正しいな。

 

さっきの神童さんのシュートとDFの守りはどれも本気じゃない。要するに先輩達は手を抜いている。前にも言ったが今の中学サッカーはフィフスの管理下であり、八百長なんてものが当たり前の様にまかり通っている。もし勝敗指示を破ってしまえばサッカー部はおろか学校も潰される事もあるらしい。マジでフィフスセクターってどんだけデカい権力を持ってんだよ?

 

そこからあっという間に追加点を取られてしまい、0対3でハーフタイムに入った。「先輩達、もしかしてわざと手を抜いてるんですか?」と信助が先輩達に問いかけた。流石に信助も気づいてしまったらしい。そこから音無先生から3対0で雷門の負けが決まっている事、秩序を保つ為にどの学校にも公平に『勝ち』が回るようにフィフスが勝敗指示を出している事、指示を破ればサッカーが出来なくなることを。

 

「松風。これでもまだサッカーを楽しむと言うつもりか?」

 

すると神童さんが話しかけてきた。

 

「誰が何と言おうと、サッカーがどれだけ腐敗してようと、俺は俺の好きな物から目を背けるつもりはありませんよ。先に言っておきます。後半から俺は神童さんにパスを出し続けます。神童さんがガチのシュートをするまで何度でも」

 

「なっ!?」

 

「お前!何考えてんだ!?」

 

倉間さんが突っかかってきたが俺はそれを無視してベンチで休憩をする。それから後半戦が始まり、相手からボールを奪って神童さんにパスを出した。予想通り神童さんはパスを受け取らず相手チームにボールを取られてしまうがすぐさま俺がボールを奪い返してもう一度パスを出した。それから15分ほどの間ボールを取り返してはパスをし、また取られては取り返してパスを繰り返した。「いい加減にしろよ!ボールを寄越せ!」と相手チームの一人がこちらへ向かって来たので一回ぐらい技を使う事にした。

 

「【アグレッシブビート】!!」

 

「なにっ!?」

 

アグレッシブビート。それは原作の天馬君が使っていた必殺技の一つだ。本来ならクロノ・ストーン編で習得する技なのだが特訓の甲斐もあり早めに習得することが出来た。逆に天馬君の最初の必殺技である【そよかぜステップ】は習得していないし完成する兆しもない。やはり偽天馬の俺には不向きの技なのかもしれない。

 

そこから俺は神童さんに今までより強めのパスを出した。それを見た神童さんは表情を変え、そこからゴールネットに向かってダイレクトシュートを決めた。それを見た英都チームはもちろん、先輩達も流石に驚きを隠せないでいた。そして試合再開の直前、久遠監督からシュート解禁の指示が飛んできた。意図はわからないもののシュート解禁になったからには一点を決めるつもりだ。すぐさま相手からボールを奪ってあっという間にゴール前に行き、ただのシュートで二点目をもぎ取った。こんな奴ら相手にファイアトルネードを使うまでもない。

 

それから試合終了のホイッスルが鳴った。結果は3対2で雷門の負けだ。しかし勝敗指示の3対0を破ったから雷門中はこれから大騒ぎになりそうだな。

 

 

 

 

××月○○日

 

 

フィフスの指示を破った責任を取る形で久遠監督が解任させられてしまった。原作通りの結果なのだがいざ目の当たりにすると少し申し訳ない気持ちになるな。そんな俺の心境を察したのか久遠監督から「シュートを許可したのは私だ。お前の責任ではない」と気遣いの言葉を貰った。もしかしたら自分がクビになるのを承知の上で俺にシュートをするよう指示を出したのかもしれない。それから俺達に次の監督の元でも頑張れと言い残し雷門中を去っていった。久遠監督。短い間でしたがクソお世話になりました!!

 

 

 

 

○○月××日

 

 

久遠監督が雷門を去って少し経った休日、俺は河川敷でタイヤ特訓をしていた。あれからサッカー部の雰囲気は更に悪くなり、大半の先輩達から敵意の目を向けられたりしているが特に気にしていない。

 

「タイヤ特訓か!懐かしいな~!」

 

と、後ろから声が聞こえてきたので振り向いてみるとそこに円堂さんの姿があった。そう、あの円堂守さんだ。理由はわかってるが何故ここにいるか訊いてみたら「明日から雷門サッカー部の監督をする事になったんだ。それでお前に会いにきたって訳だ。松風天馬」と返事が返ってきた。何でも久遠監督から俺の事を聞いていたらしい。すると円堂さんがシュートを見せてみろと言ってきた。確かに今の円堂さんに俺のシュートが通用するか試してみる良い機会だな。なんかベータと初めて会った時の事を思い出すな…

 

そんなわけで円堂さんとPKで対決する事になったのだが、シュートを打つ俺にも円堂さんのとてつもないパワーが伝わってくる。そこから俺は全力の【ファイアトルネード】を円堂さんに向かって打ち、円堂さんは【ゴッドハンド】で俺のシュートを止めてみせた。当たり前の事なのだが円堂さんのゴッドハンドは葵ちゃんのゴッドハンドより遥かにパワーが上だった。やはり現役プロであり、伝説のサッカープレイヤーの円堂さんにはまだまだ遠く及ばないようだ。まぁ円堂さんから「良いシュートだったぞ!」とお褒めの言葉を貰えたので悔しさより嬉しさの方が勝っているが。それから少しの間円堂さんから指導を受ける事になったのだが、円堂さんは俺の長所と短所をすぐに見破って長所の伸ばし方と短所の改善案も教えてくれた。やはりこの人の元でならもっとサッカーの腕が上達出来るかもしれない。これからよろしくお願いします。円堂さん!いや、円堂監督!

 

 

 

 

ー追記ー

 

夕暮れ時になった事もあり、円堂監督から食事に招かれた。奥さんはアニメ版とシャイン版、ヴィクロと同じ夏未さんで、夏未さんの手料理を頂いた。味についてはノーコメントで…

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