舞翼です。
書きあきげました。
今回は合流ですね。
誤字脱字があったらごめんよ
それではどうぞ。
「死銃は九時のサテライト・スキャンで次のターゲットを決めるだろう。 これ以上被害者が出る前に、奴を止めたい。 アイデアを貸してくれ、シノン」
「……いくら妙な力があるって言っても、《死銃》は基本的には
「よし。 俺たちも街を目指そう」
「……わかった」
俺とシノンは川沿に鋭い視線を向けながら、都市廃墟エリアに向かった。
死銃は戦闘後、川の中を泳いで移動したと予想した俺とシノンは川沿いを進み、次のスキャンで死銃の位置を把握しようとしていた。
♦♦♦♦♦♦♦♦
都市廃墟エリアの一角で、俺とシノンは四度目のサテライト・スキャンを待っていた。
右手に衛星端末を握り、左腕のクロノグラフを睨む。
九時ジャストになり端末のマップ上に、光点が幾つも浮かび上がる。
「キリト、あんたは北側からチェックして!」
俺は片っ端から光点をタップし、名前を表示させる。
その中には【Sterben】の名前は見当たらなかった。
その代わりに、この廃墟エリアの中に《yuuki》の名前を見つける事が出来た。
「Sterbenの名前はなかったわね。 そうなると、この廃墟エリアには居ないって事になるわね」
「……シノンが知らない隠しシェルターで、姿を隠しているのかもしれない……。 用心しながら進もう。 このエリアには《yuuki》の名前が表示された。 まずはユウキと合流しよう」
「ええ、そうね。 スタジアムの方だったわね。 銃士Xも居たわ。 戦闘中かもね」
そうなったら銃士Xには悪いが、俺たちが共闘して倒させてもらう。
俺とシノンは全力で走った。
路上に朽ちた黄色タクシーや、大型のバスの間を縫うように北へと
「あの建物がスタジアムだわ」
「……急いで合流しよう」
「ええ、わかったわ」
俺はビルの壁面の崩壊部を潜り、スタジアムに走った。
シノンはビルの壁面の崩壊部を潜る寸前、背筋に強烈な寒気を感じ振り向こうとし、それすらも出来ずに路面に倒れた。
「(――ッ!? 何、今の……!?)」
一体何が起きたのか、すぐに理解できなかった。
反射的に左手を持ち上げたら、腕の外側に激しい衝撃があった。
撃たれた、と思い咄嗟に目の前の崩壊部の陰に身を隠そうとするが、何故か足が動かなくなり、路面に棒立ちになり左に身体が傾き崩れ落ちた。
起き上がろうとするが、身体が言う事をきかない。
動かせるのは両目だけ、投げ出された左手を懸命に見下ろし、ダメージ感があった場所を確かめる。
ジャケットの袖を貫き、腕に突き刺さっていたものは、――弾というよりは、銀の針のような物体だった。
根元部分が甲高い振動音と共に青白く発光し、そこから発光した糸のようなスパークが、腕から全身に流れて込んでいく。
これはペイルライダーの動きを止めた、――電磁スタン弾。
それが今、シノンの身体の動きを止めている。
「(でも一体誰が、どうやって銃撃したの……??)」
この廃墟エリアには、《Sinon》、《kirito》、《yuuki》、《銃士X》しか表示されなかったはず……。
直後シノンの両目が捉えたのは、南に約二十メートル離れた空間に、じじっと、光の粒が幾つか流れ、空間を切り裂き何らかの影が出現した光景だ。
シノンは無言で叫んだ。
「(――メタマテリアル
装甲表面の光
「(……キリトと私が離れた瞬間を狙ったの……)」
其処に現れたのは、表面がボロボロに毛羽だったマント、頭部を完全に覆うフード。
姿を現した襲撃者を、シノンは呆然と見詰めた。
あれは――《死銃》。
死銃が滑るような動きで近づいてくる。
命中したのが左腕だったので、右腕が僅かに動かせる状態だ。
副武装として腰に下げたMP7のグリップを握り、上向け、トリガーを引く事は可能かもしれない。
右手がじりじりと動き始め、指先に握り慣れたMP7のグリップが触れる。
今まで気にしなかったけど、死銃の後方の上空には、中継用のカメラが【●REC】の文字を赤く点滅させながら浮かんでいる。
死銃はカメラを確認してから、勝ち誇ったように十字ジェスチャー行為を行っている。
シノンはMP7のグリップを掌で捉えた。
後は標準して、トリガーを引くだけ。
――――だが。
死銃がマントの中から抜いた黒い拳銃が眼に入った瞬間、シノンの全身が凍り付いた。
「(何で……あの銃は何の変哲もないハンドガンのはず……)」
死銃は左手をスライドに添え、銃の左側面を晒した。
正確には、縦に滑り止めのセレーションが刻まれた金属グリップと、その中央に存在する小さな刻印が。
円の中央に、星。
黒い星。
力を失った右手から、最後の望みであるMP7が滑り落ちた。
死銃は、かちっ、と音を立ててハンマーを起こしてから左手でグリップを包み、狙いをシノンに照準した。
「黒の剣士、絶剣。 お前たちが、本物か、偽物か、これではっきりする」
今死銃が携えている銃は、五年前ある小さな郵便局に押し入り、お母さんを撃とうとした男が持っていた拳銃。
幼かった私が無我夢中で飛び掛かり、男に突き付け、男の命を奪った銃。
――男を殺した銃が、今私に向けられている。
フードの内部の暗闇が奇妙に歪み、血走った深いような眼が見える。
――あの男の眼だ。
――いたんだ。 ここにいたんだ。 この世界に潜み、隠れて、私に復讐する時を待っていたんだ。
全身の感覚が失われていた。
夕空の赤も、廃墟の灰色も消え去り、暗闇の中に二つの眼と、一つの銃口だけが見えた。
あの指が数ミリ動けば、ハンマーが撃針を叩き、銃弾が発射されるだろう。
仮想の銃弾では無く、本物の銃弾だ。
シノン/朝田詩乃の心臓を撃ち抜き、止め、殺す。
私が男にそうしたように、これは運命だ。
決して逃れる事の出来ない運命。
私は思考を閉ざし、最後の瞬間を待った。
しかし――――。
「ユウキッ!!」
「うん!!」
二つの影が突如姿を現した。
光剣のプラズマの刃を伸ばし、地を蹴り、ダッシュのスピードを余さず乗せた全力の突きを放つように、二人は死銃に突進した。
死銃が動きシノンの前から離れ、そしてフードの中の《あの眼》が消え、赤い光点に戻った。
二人は光剣のプラズマの刃を伸ばし、私の前に立った。
「まだやるか」
「ボクたちを撃ってもいいけど、全弾叩き落とすよ」
「黒の剣士、絶剣。 お前らは、絶対殺す」
「俺たちを殺すのは簡単じゃないぜ。 お前も知ってるだろ」
キリトはグレネードを転がした。
「チッ」
死銃は、傍らのビルに空いた大穴へ姿を消した。
シノンは両目を瞑った。
この距離でグレネードが炸裂したら巨大ダメージを受け、私のHPは全て削り取られ、敗退するだろう。
GGOを、いやVRMMOから引退して、現実世界で息を潜めて暮らそう。
あの男に追い付かれる時を、ただ恐れながら……。
それでいい、死銃の黒銃に撃たれるよりマシだ。
だが、シノンの予想は裏切られた。
炸裂したグレネードは、大威力のプラズマグレネードではなく、火薬やナパームでもなく――無害な煙だけを吐き出すスモークグレネードだったのだ。
キリトとユウキが、言った。
「まずは此処から離れるぞ」
「うん、わかった!!」
キリトは光剣を収納し、私の左腕を掴んだ。
そのまま、乱暴に引き上げられる。
背中に手の掌を当て、よろめく暇もなく、そのままへカートごと二本の腕で抱え上げられてしまう。
「(……もう、いいよ。 置いていって)」
そう思ったが、やはり言葉に出来ない。
全身。 いや、意識が完全に痺れてしまっている。
後方から放たれた銃弾を、光剣で叩き落とした音がした。
シノンは反応が出来ていなかった。
銃声が聞こえなかったという事は、あれは死銃のL115だ。
スモークグレネードの煙越しにしては狙いが正確すぎる。
つまり、死銃は追って来ているのだ。
だが、キリトは足を止める事も、シノンを降ろそうともしない。
ユウキは後ろを向きながら、光剣のプラズマ刃を伸ばし、ゆっくりと後退している。
このままだと確実に追い付かれる。
シノンの視線の先に映った文字列は、【Rentlal Buggy&Horse】。
無人営業のレンタル乗り物店だった。
モータープールに停めてある三輪バギーは殆どが全損状態だったが、一台だけ走れそうな奴が残っていた。
ユウキは光剣のプラブマ刃を収納して、キリトに聞いた。
「キリト、動かせる??」
「ああ、大丈夫だ。 ユウキはシノンの護衛を頼んだ!!」
「了解したよ!!」
キリトは運転席に跨りエンジンを掛け、シノンとユウキが後部座席に乗ったのを確認してから、アクセルを全開にしてバギーを走らせた。
シノンの過去を纏めてみました。
何処かでまた書くかもしれんが。
ほぼ感覚だけで、銃弾弾くユウキちゃんすご!!
今回はいつもより、少し短かったですね。
申し訳ないm(__)m
死銃の言葉づかいあってたかな??
あ、銃士Xは、すでにユウキちゃんが倒してましたよ。
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