「紅葉」はその昔「黄葉」と書かれていたらしい…。
(この話とは全く関係はございません)
予想以上に豪華だった歓迎会を楽しんだ次の日、本格的にアカデミアでの授業が始まった。
ちなみに、歓迎会の食事にカレーが大量に出たのは言うまでもない。
「デュエルモンスターズのカードは、大きく別けてモンスター、魔法カード、罠カードの三つに分けられます。
モンスターは通常モンスター、効果モンスター、融合モンスター、儀式モンスター。
魔法は通常魔法、速攻魔法、永続魔法、装備魔法、儀式魔法、フィールド魔法に分けられ、罠は通常、永続、カウンターに分けられます」
「Very good!非常に宜シーノ。オベリスク・ブルーのシニョール明日香には優しすぎる問題でしターネ」
「基本ですから」
さらりとそう言って席に着く天上院明日香。
ま、まずい。答えられない……。
「(基本って……デュエルの基本って何だ!?)」
問題はまずそこからである。
天上院が一番最初に言ったセリフなら大丈夫だ。
だが、その次の通常モンスター云々から分からない。
なんでそんなにスラスラ言えるんだ。基本だからか。
クロノス先生に当てられないようにノートを取るフリをして視線を逸らす。
そのおかげか、次の問題はオシリス・レッドの生徒に当てられた。
フィールド魔法についての質問らしい。
「それで~は、シニョール丸藤。フィールド魔法についての説明をするノーネ」
「え、えっと……その…えっと……」
当てられた丸藤は口籠ってばかりで何も言おうとはしない。
正確には言おうとはしているのだが、言葉が出てこないらしい。
………上がり症なのか?
その内、オベリスク・ブルーの男子生徒が
「今時小学生でも答えられるぞ。流石オシリスレッドだな」
と、馬鹿にしたような口調で嘲笑った。
それに釣られ、周りのブルー男子も笑いだす。
思わず不快な顔をしてしまったが、他人事ではないのですぐに直した。
頑張って勉強しよう。うん。
その後はクロノス先生もオベリスク・ブルーの男子生徒と共にオシリス・レッドを馬鹿にするも、遊城の「知識と実戦は関係無い」的な発言に悔しそうにハンカチを齧った。
……それをナマでやる人、初めて見たわ。
クロノス先生の授業の後は、大徳寺先生の錬金術、鮎川先生の保健・体育の授業だ。
そのどちらもデュエルとはあまり関係ないため、特に問題は起きなかった。
個人的には錬金術の授業が面白かったな。
普通の高校じゃやらない科目だし。
鋼の錬●術師とか思い出すわ。
放課後はそのまま自分の寮へと戻った。
部活に入るつもりもないし、勉強がてらデッキの確認でもしておこう。
「えーと、俺のデッキは………六武衆ってのが多いな」
1枚1枚カードの効果を見ていくと、六武衆を中心に展開していくデッキらしい。
何故か知らないが、サポートには紫炎って名前のカードが多い。
六武衆と何の関係があるのだろうか?
「《紫炎の霞城》は……フィールド魔法か」
そういえば、クロノス先生の授業でもフィールド魔法のことについて聞かれていたな…。
俺はPDAを取り出し、フィールド魔法の効果を調べた。
「フィールド魔法は、魔法・罠ゾーンじゃなく、フィールドカードゾーンと呼ばれる特別な場所に置くカードで、効果がお互いのプレイヤーにも及ぶカード。
攻守が変動したり、カウンターを乗せたりするカードもある。
さらに、フィールド魔法は表側表示で1つしか存在出来ない。自分のフィールド魔法が存在している時に相手がフィールド魔法を発動させた場合、自分のフィールド魔法は破壊される…」
うん。ハッキリ言ってもいいか?
長ぇよ!説明だけでどんだけ書いてるんだ!?
ちょっとデュエルモンスターズの基本とか常識とか舐めまくってたわ。
勉強する気力が砂のように飛ばされて行く…。
「………散歩にでも行ってくるか」
外は暗いが、ちょっと散歩するくらいなら大丈夫だろう。
生徒手帳に記載されていた規則時間内に帰ってくれば良いだけの話だ。
そうと決まれば行動は早い。
床に並べていたカードを傷がつかないように拾い上げ、デッキホルダーに仕舞う。
迷ったら嫌なので、PDAも一緒に持って行こう。
「遠くには行けないし、寮が見える範囲で散歩するか」
それなら多少道に迷っても寮を目印にして戻って来られるハズだ。
時間が迫っても、走れば間に合うだろう。…多分。
気分転換の散歩なのでそんなに難しいことは考えず、俺は気楽に寮を出た。
その数分後、俺は自分自身を責めた。
何故、散歩なんかに来てしまったのかと。
大人しく自室で勉強に励んでいれば良かったのだ。
そうすれば、俺は…俺は……ッ!
「な、なななな何故ここにシニョール七宮がいるノーネ!?」
全身黒タイツみたいなスウェットスーツを来た怪しげな姿のクロノス先生に遭わずに済んだのに…!!
正直気持ち悪くて直視出来ない。視界の暴力だ!!
確かに鬱な気持ちは吹き飛んだが、こんなマイナスな気分転換なんて嫌だ。
「シニョール七宮、ここで私と「俺、何も見てませんから」…そ、そうなノーネ!シニョール七宮は何も見てないーの!」
「えぇ、何も見ていませんとも。……ふふふっ」
「こ、恐いノーネ…」
「さようなら、怪しい人Kさん」
「私は怪しくなんてないノーネ!!」
俺は律義にも怪しい人Kさんに別れを告げ、踵を返した。
後ろで何か弁解的なことを言ってたような気がしたが、きっと気のせいだろう。
気のせいに違いない。気のせいしか認めない。
ふらふらと夢遊病患者のように森を彷徨っていた俺は、いつの間にか自室のベッドの上にいた。
俺は夢を見ていたんだ。そう思う事にしよう。
ち!な!み!に!
この話は丸藤翔が偽のラブレターを掴まされ(笑)、覗き事件へと発展した所です。
フハハハハ!この私がそう簡単に主人公と絡ませると思ったか!甘いわ!!
諸君らは精々いつ出て来るのかと頭を悩ませているがいい!!
アーハッハッハッハ!!
………ふぅ、疲れた。