ボクのヒーローアカデミア くらっしゅ!! 作:ぺぺぺぺぺぺぺ
ここすきとかもにやにやしてます
ハゲみになります
「へぇー。
「はい。おすしですね」
「うぜぇ……何の確認だそれ。殺すぞ……」
黒霧に表情があったらニヤニヤしてそうなやり取りをステインはイライラしながら聞いている。
「この街にはまだ贋物が蔓延っている。それを正すには犠牲が必要だ」
「なるほど。それがあなたのやるべきことですか」
黒霧は心做しかまだニヤニヤしていそうな声色だ。単に死柄木の「ほすし」という響きからの連想でお腹が空く、という微笑ましさに楽しい気持ちになるという
「何がおかしい? ヒーローとは偉業を成した者にのみ許される称号だ! 英雄気取りの拝金主義者どもに名乗らせていいものではない!」
ステインはヒーロー科を途中で辞めたからこの程度の理解で止まっている。その後も特に勉強などしていないのでヒーローの免許を取得してからでないと〝個性〟を自由に使えず、偉業を成すなど覚束ない事を知らない……いや、知る気がないのだ。そしてだれがいつ『偉業』を成すかなどステインに分かるはずがない。彼の〝個性〟は『凝血』。血を舐めて動きを止めるというものだ。クソナードが知ればレスキューや医療現場で使える良い〝個性〟だ! と褒め称えてくれるだろう。つまり、ステインは未来予知など出来ないということ。ただの気分で殺す相手を選んでいる。
「この世が自ら誤りに気付くまで、俺は現れ続ける」
罵倒には本人のコンプレックスが出る。『投影』と言われる防衛機制だ。自分の欠点や受け入れたくない感情を他人に転嫁することを指す。「自ら誤りに気付く」事が本当に必要なのは誰なのか、本人が一番わかっているということだ。分からないふりをして現実逃避をしている。
「なんで怒ってたんだあいつ?」
死柄木は当然自分が笑われているのを知っているのでステインがなぜ苛ついて「バッ!」と飛び降りて立ち去ったのかが分からない。コミュ障。「ああ、自分が笑われたと思ったのか」みたいな相手の立場に立った考え方が出来ていない。
「すみません。わかりません。何故でしょうね? まぁとにかく彼はヒーローを殺しに行ったんでしょう。援護しますか?」
「は? なんで」
「え? 何でって……折角の仲間一号ですよ。ヒーロー殺しの実力は折り紙付きですが、ノーリスクというわけでもないでしょう。フォローをするべきでは?」
大丈夫? 何か漏れ出してない? まぁせっかく『先生』がくれた初期SSRユニットなのだから大事に使わないといけないのはそう。
「話を聞いてなかったのか? あんなやつは仲間じゃない。脳無を出せ」
「あ、やっぱり援護するんですね。はいはい。出しますよ」
もう。本当はこれがほしかったんでしょう? みたいな事言ってくるオカンのようだ。そういう言い方するとガキンチョは余計反発するよ。
「違う。いいか? あいつは俺に文字通り刃向かった上に、勝手にこの場から去った。仲間じゃない。とはいえ、争うのもバカバカしい。だから、利用する」
「利用ですか。彼が戦っているヒーローを不意打ちするとかですか?」
「だから違うって言ってるだろ。脳無をこの街で大暴れさせるんだよ。そうしたらどんな馬鹿でも『ヒーロー殺し』が『雄英襲撃犯』の傘下についたって分かるだろう。あいつはほっといていい」
「なるほど。ラベリングさえしておけばあとは放っておいても彼が勝手に活動すればするほど我々の宣伝になるということですか」
黒霧はちょっとプルプルしている。感動しているのだ。せっせと見守ってきた死柄木が指揮官として一段ステージを上げたと感じている。
「そういうこと。俺達はあんな涙ぐましい草の根活動に付き合う必要はない。クールに行かなきゃな。あとどっかの壁に書いとくか。『
「これが終われば少しは増えるんじゃないでしょうか。いえ、きっと増えますよ。じゃあ出します」
ズズズズ……と3体の脳無が出てきて命令待ちの待機モードになる。死柄木が先生に「ヒーロー殺しがムカつくから脳無くれ」と言ったらくれたやつだ。
「よし、お前たちよく聞け。とにかく手当たり次第大暴れしろ。えーとあとは……ヒーローが来たらその対処を優先しろ。……黒霧。こいつらヒーローと一般人の区別つくのか?」
多分あんま強くない余ったやつだろうな、とぼんやり死柄木は思った。先生はいつも一番いいとこを持っていく。ケーキのいちごを何度も奪われたし、それで俺が怒るとニヤニヤしながら「これは僕が買ってきたケーキだぜ? 欲しければ奪え、弔」とか言って苺の刺さったフォークを俺の手の届かない高さまで持ち上げた。
「黒は大丈夫です。他は個体差が大きいので「誰かに攻撃されたらそいつへの反撃を優先しろ」くらいがいいと思います」
ぴょんぴょんと飛んでようやく取ったら五指で触れてしまい苺はゴミになった。爆笑してたな、先生。おはぎならこんなことにはならないのに。おはぎ? おはぎなんて食ったことあったっけ? まぁ先生が5年前にオールマイトに(自主規制)されてからはそういうしょうもないイタズラはなくなったのがあの社会のごみの唯一の功績だな。
「そうか。よしお前らさっきのなし。今から言うことだけ聞け。まずとにかく街をぶっ壊して、攻撃してくるやつが居たらそいつをぶちのめして、終わったら街の破壊に戻る。これを繰り返せ。以上。行け」
脳無たちが眼下の街に降り、破壊活動を始める。死柄木はそれを見ていい気分になったようで笑い出した。そんな死柄木に黒霧が質問を投げかける。
「街の破壊を優先するのですか?」
「ああ。宣伝だからな。目撃者は多ければ多いほど良いだろ?」
「おぉ……! 素晴らしい判断です、死柄木弔。先を見据えた作戦なのですね」
良いサーモンを買おう、と黒霧は思った。この街はまぁまぁ栄えているのでおそらく何処かに高級サーモンもあるだろう。そしてこの襲撃により客足は鈍る。つまりおそらく……生モノは安くなる! 狡猾な
「そうだ。俺は大人だからな。幼稚なガキとは違うんだよ。ハハハハ! 夜が明ければヒーロー殺しは俺達の養分になってるわけだ。楽しみだな」
「いちち……そろそろか。小僧! 実戦に出るぞ!」
「ついに合格ですか、グラントリノ! ……実戦というと、パトロールですか?」
職場体験三日目、夕方。既に何度も実戦形式での模擬戦を繰り返しており、本気のグラントリノに(カス当たりだが)ようやく一撃入れた矢先のことだった。
「そうだ。だがこの街じゃない。渋谷に行くぞ!
「し……渋谷!? いきなりそんな大都会に!?」
人生において一度も行ったことがない……わけではないが。オールマイト関連のイベントはまぁまぁ渋谷でもあるので。
「デカい街ほどイザコザも多い! 手っ取り早く戦闘経験を積むには大量の雑魚と戦うのが一番だからな。俺とばっかりやってると偏る。そら、戦闘服を着てこい! 心配しなくてもデカい事件に首を突っ込んだりはせん!」
クソナードが心配しているのは事件の大小ではなくなんとなく場違いな気がすることであり、戦闘服笑われないかな……みたいなしょうもない危惧を抱いている。ある意味大物である。ドタバタとタクシーに乗り、新宿行きの新幹線に乗り、ようやく少し落ち着いたのでスマホで友人に連絡を取ってみることにした。グラントリノは「座りスマホ! 全く近頃の若者は!」などとわけのわからない戯言を言っている。多分言ってみたかったのだろう、と思って口角が上がる。緑谷はこの3日でもうすっかりグラントリノのことが好きになっていた。クソナードはすぐ好きになっちゃうの。だってみんなカッコイイんだもん……!
(飯田くんはやっぱりすごく忙しいみたいだ)
普段なら既読後3分以内に返事をくれる飯田が今朝した連絡にたった今返事を返してきた。忙しそうだね、頑張って! 返事不要です! と書いて送る。
(麗日さんは『バトルヒーロー ガンヘッド』とパトロール中か。いいな~。いや、僕もオールマイトの師匠と一緒なんだから世界中のオールマイトファンに羨ましがられる立場なんだけど!)
気をつけてね! と送りクソナードはちょっとだけ愉快な気持ちになる。メスガキがよく世界一恵まれている、と自画自賛しているが、緑谷も負けてないと思っている。僕は恵まれて……恵まれすぎている……!
(新斗さんは……)
「保須市? 福岡じゃないんだ……?」
「どうした小僧。保須に何か……いや、ヒーロー殺しが出たんだったか? そろそろ差し掛かるな」
グラントリノはスマホを見てブツつきだしたクソナードにちょっと戸惑ったが、律儀に反応してあげた。まだ3日なのでクソナードの独り言に慣れていないのだ。
(あ、写真がついてる……)
「ホークスと2ショット撮ってるー!?」
ガビーン! という音がしそうな顔で座席から立ち上がりツッコむクソナード。ビクッとするグラントリノ。クソナードはなんだ? ビュティ気取りか? 髪の毛モサモサだからボーボボだろ。ドンパッチが誰かはおわかりですね? 殺してやる……殺してやるぞ尾白猿夫!! メスガキから送られてきた写真はホークスと二人でベンチに座ってブラックモンブランを食ってる写真であった。あったよ! ブラックモンブラン! とメッセージまで付いている。でかした!
「いいなぁー! 遠征ホークスと2ショット良いなぁー!」
クソナードはメスガキの羨ましすぎる写真に限界化してしまった。内面が声として漏れてしまっている。ブラックモンブランをご当地以外の遠征先で食べてご満悦のホークス……! レアすぎる! これどゆこと? さっぱりわからんかった。わかりにくくて本当に申し訳ありません。もちろん本当に限界なわけではなく気持ちとしての独り言です。
「小僧……頭大丈夫か? ちょっと殴りすぎたかな……」
グラントリノの感覚から言うとまだまだ殴って大丈夫なはずだが耄碌したか? とちょっと不安になっていた。良いのかクソナード。ヒーロー候補生のくせに他人に不安を与えるようなことしてよぉ。そんな感じでクソナードがキモオタぶりを発揮していると唐突にアナウンスが鳴り響いた。
『お客様、座席にお捕まりください。緊急停止します』
CRASH!!!
新幹線の壁が破壊され突っ込んできたヒーローが床面に倒れている。ヒーローは起き上がろうとしたが、その後すぐに脳みそが露出した怪人が現れ彼を更に地面に叩きつけた。
「小僧! 行くぞ! 着いて来い!!」
「ハイ! グラントリノ!」
常在戦場。グラントリノは即座に怪人に突進し倒れたヒーローと新幹線から引き離した。まだ走っている新幹線から〝個性〟の『ジェット』を使い
(よし! 上手くいってる! 減速しつつあるとはいえ新幹線の速度から飛び降りてもノーダメージだ!)
『OFA・ナイトモード』。夜ではなく騎士の方である。これはOFAの『耐久力』だけを引き出すことでまるでオールマイトのような防御力を発揮できるというクソナード渾身の新必殺技だ。どれくらいのことが出来るのかと言うと、まだコントロールが難しいものの落ち着いて集中できる状態なら50%を防御に、残りを攻撃に回すことで50%SMASHをノーリスクで撃てるくらいだ。学生には過剰な力であり、グラントリノが着いてこい、と指示したのはこれの存在を前提としたものである。平常時、つまり自然と使える状態だとだいたい防御だけ50%オールマイトって感じの10%フルカウルだ。名前も含めて明らかに誰かの影響を受けた新技。緑谷くんは染まりやすい……。
(グラントリノは……あそこか! 移動用の新スタイルも開発しなきゃな……)
高いところから飛び降りたりがノーリスクで出来るので移動力自体は劇的に上がっているが、やはり機動力は重要だ。今度飯田くんにフォームとか教えてもらおう、と考えつつグラントリノのいる場所にたどり着く。さっきチラっと見てもしかして、と思っていたが……この
「援護します!」
「よし! さっき話したアレをやるぞ! 集中しろ!!」
「了解!」
タクシーの中で「いつかこういうの出来たら良いですよね」「そうだな」と二人できゃっきゃと話したやつを早速使う機会が来た。緑谷は心を落ち着け集中し構えを取る。全身にバリバリとエネルギーが行き渡る。グラントリノが脳無(仮)を空中にカチ上げたあと、待機している緑谷の前に蹴り落とす。
「TWIN DAKOTA SMASH!!」
眼の前に飛んできた脳無(仮)の腹にドゴォ!! と50%オールマイトの拳を振るう。グラントリノを信じ全力でぶち込んだが、上手く昏倒し無力化出来たようだった。オーバーキルということもない。さすがグラントリノだ! と尊敬を新たにした。
「うむ! 良くやったぞ小僧! いや、ヒーロー、デク!」
じんわりと達成感が胸に広がる。ほとんどグラントリノがお膳立てしてくれたが、脳無(仮)を倒せた! 新幹線のヒーローは大丈夫だろうか? ていうか何でこんなところに脳無が? ヒーロー殺しと何か関係が? そう言えば新斗さんが保須市に居るはずだけど連絡したほうが良いか? 一段落すると色々と思考が浮かび上がる。
「緑谷!」
「轟くん!? どうしてここに!? エンデヴァーの事務所は新宿のはずじゃ」
「エンデヴァーがヒーロー殺しを追っていてな。それに着いてきた。怪我……しなくなったんだな」
「見事な連携だったぞ。ご老人と……緑谷くん、だったか」
「エンデヴァー! わぁあああカッコイイいいい! 光栄ですぅうううう!!」
お分かりいただけただろうか? そう! クソナードにとって『エンデヴァー』はマダオではない! オールマイトに次ぐ不動のNo2というカッコイイ印象のままである! 流石に轟くんが嫌ってることくらいは察しているが、クソナードの中の轟くんは体育祭開始前によく分からずに宣戦布告してきたわりに、実際に戦うときにはなんかすっきりしていてそばのことしか考えてなさそうだったというかなりの不思議くんである。何か誤解でもあるんだろう、とかなりエンデヴァー贔屓の印象を持っているのだ。ヒーローオタクなのもあるし、クソナードは性善説というか、善意がすべての人にあると信じているので。
「まるでオールマイトのようだった。さて、騒ぎも収まって……無いな。他にも居たのか、便乗犯か、あるいはヒーロー殺しか? よし、行くぞショート!」
エンデヴァーは息子の同級生からの尊敬の視線にちょっと気を良くして彼にとっての最大級の褒め言葉を贈った。息子の冷たい視線でちょっと傷ついてたので癒やしを感じたのだ。何ば傷つきよっとや! お前が家族をないがしろにしたからやろうが! 瀬古杜岳に行かんかった男は誰や! 見ろや!
「デク! 俺達も行くぞ!」
「はい! グラントリノ!」
なんかオールマイトより師弟って感じだが大丈夫そ? 八木俊典くんショック受けない? いや……アメリカンドリームプランの絆があるから!
「騒々しい……阿呆がでたか……? 後で始末してやる……今は……俺が為すべきことを為す」
いや……
「身体が……動かね……クソ野郎が……!! 死ね……!」
救けを求める人々が近くに居るのにそこに行けない。
「ヒーローを名乗るなら死に際のセリフは選べ」
ステインが『本当に』聞きたいのは無様な命乞いだ。ほーらやっぱり贋物だった! そう言いたいのだ。だからさっさと殺さずに動きを止めてから嬲る。本当に社会のために為すべきことだと思っているなら、一刻も早く終わらせて次に向かわねばという『使命感』がなくてはおかしい。動けなくなった人間の頭を掴んで持ち上げてステインは何をするつもりなのか。ネイティブの血液型がステインが最も長く動きを止められるB型であることも偶然ではない。大抵のプロヒーローはプロフィールを公開している。当然血液型もだ。
「ぐああああっ!!」
ざっくりとネイティブの腕に刀を突き刺す。8分。8分動けない。B型のネイティブは8分間、動くことが出来ない。しかし、喋ることは出来る。喋ることは出来るのだ。〝個性〟は持ち主の解釈や願望や想いに応え機能を拡張・強化する。『凝血』はどうしてこのような方向性に伸びているのか。例えば血を舐めることで心を読み、『本物』かどうかを確かめるとか。『嘘』をついているかどうかが分かるとか。舐めなくても良くなるとか。そういうふうにならなかったのはなぜか。少なくとも15年はこの〝個性〟を伸ばしてきているはずなのに。あるいは一切伸びていなくてこれなのだろうか。
「贋物……! 社会のガン! 誰かが正さねばならんのだ!」
「黙れ……! 犯罪者が! 何が社会を正すだ……! まずお前が襟を正せよ勘違い野郎……!」
ネイティブは別段すごいヒーローではない。チャートにぎりぎり載ったことが何度かある程度で、普段はネイティブアメリカンな雰囲気のステーキショップを経営しながら生計を立てている兼業ヒーローだ。華々しい活動はしないというか出来ず、地元の見回りをしながらチンピラ
「があああっ! 畜生! 畜生ッ!!」
「弱い……! 弱すぎる……! 贋物だからだ……!」
動きを止めた相手を嬲るステイン。弱いもクソもない。本物か贋物かに弱さが関係あるのならオールマイト以外の全ヒーローは死ぬべきである。いや、ステインはそう言っているのだ。社会すべての面倒をオールマイトが見るべきだと言っている。社会との接点のないひきこもりらしい「ぼくがかんがえたさいこうのせかい」って感じだ。彼にとって『社会』とは自分が参加している共同体ではなく、自分の子供部屋を侵略し追い出した敵でしか無いのだろう。それをオールマイトにやっつけてほしいのだ。ゴミカス!
「いい天気ですねぇ~ホークス~」
「だね~。ポカポカしていい陽気だ。町並みも程々の発展って感じで過ごしやすそう。ヒーロー引退したらこういう街に住むのもいいな」
職場体験三日目の朝。前日夜に保須市に前入りし、本格的にヒーロー殺しの探索に乗り出したところだ。今は空を飛んで……というか浮かんで全景を把握し、ステインが出没しそうな路地裏の位置を確認しているところだ。『剛翼』は一枚一枚が非常に高性能かつ大量にあるがそれでも無限にあるわけではないのでヤマを張らなければならない。
「大抵の福岡人はすべての街を天神を基準にして考えるってお母さんが言ってたんですけどそーなんですか?」
「あぁ~……言われてみたらそげんこつあるばい……今まさに天神より静かち考えとった」
メスガキは喋りながら街の全体像と出発前に見た地図を脳内で一致させていく。ステインの活動時刻は主に夕方から深夜にかけてだ。施設の配置や人の流れからその時間に出来そうな『街の死角』を割り出していく。
「あ、マダオだ」
「マダオ? 知り合い?」
「エンデヴァーのことですっ! 轟くんも居るっ! 仲直り……仲直りしたのかなっ! わぁ~っ!」
メスガキは空中でにやにやふにゃふにゃくねくねしだした。ホークスはエンデヴァー、轟炎司、ヘルフレイム、などからマダオというあだ名(?)が出てくるのがピンとこない。その上メスガキの見ている方向をじっと注視してみたがエンデヴァーを発見できない。ホークスは視力もまさに鷹の目であり、かなり遠くまで見通せるのに、だ。
「ホ~クス~! 会いに行きましょうよっ! いいでしょ~?」
「あのねホーリーナイト。今俺達は仕事中です。おそらくあっちもそう」
「うぐっ……」
「そしてヒーロー同士は仲間であると同時にライバルでもある。エンデヴァーさんが今ここに居るなら、その理由が理解できない訳じゃないでしょ?」
まぁ普通に考えたらどう考えても『ヒーロー殺し』の出現を予測して駆けつけているのが分かる。職場体験に来ている息子に良いところを見せたいのだろう、とも。こっちもそうだもんな……。
「はい……申し訳ございません……」
メスガキ、意気消沈! ホークスは若いが自身の事務所をしっかり切り盛りする一国一城の主。つまり大人であるため、メスガキでは勝てない。トホホーリー……。
「だから仕事の話をしに行こう。エンデヴァー事務所とのチームアップの提案。No2とNo3の共同戦線で『ヒーロー殺し』を追い詰める!」
「ホークスーっ!!!」
満面の笑みを浮かべてがばっ! とホークスに抱きつくメスガキ。モテ男の手練手管である。ホークスはとある事情で性欲の恐ろしさをこれでもかと頭に叩き込まれているし、そもそもこんなちんちくりんに欲情などしない。しないが、それはそれとして可愛いJKに抱きつかれるとめちゃくちゃいい気分である。自己肯定感の高まりを感じる。まるでメスガキのそれに感化されたかのようにホークスはいい旅夢気分だ。
(ぷにぷにした低反発枕みたいな感触も気持ちがいいな)
地元でやらなくてよかったな。福岡だと「ホークスおらんかな~」と空を定期的に見上げる人が多いのでかなりの確率で目撃されてしまうハメになっただろう。ともあれ、ぶっちゃけエンデヴァーがこのチームアップの提案を受ける可能性は低いとホークスは見ている。
(現状のヒーロー殺しは美味しいカモですからね。アレが大量にヒーローを殺せたのは何らかの初見殺し〝個性〟を持っているからで、現場の状態や生存者の証言からそれが動きを止めるものであることはほぼ間違いない。大量の刃物を持っていることから考えると斬りつけた相手の動きを止める、とかかな。発見できれば近寄らず攻撃できる俺やエンデヴァーさんにとっては大した敵じゃない。こっそり活動出来なくなった時点でヒーロー殺しは終わりだ。不意打ちが出来ないから)
エンデヴァー相手にはまだ100回戦えば1回勝てるぐらいのワンチャンはあるがホークス相手にはまぁ勝ち目はない。1000万回やって1回勝つくらいは出来るかもしれないが。そして低い可能性ではあるがどちらか、あるいはどちらも退けたとしても、ヒーロー殺しはオールマイト以降で最大の単独
「ところで俺まだエンデヴァーさんがどこ居るか分かんないからそっちが案内してね」
「了解ですッ! 開け
なにが
「それどんな〝個性〟の使い方でやってんの? 初日に聞いた「ダークマター」の説明は生き物が作れる感じじゃなかったと思うけど」
「その通りです! つまりオートではなくリモートです!」
「……ん? あれ? 説明それだけ?」
「そうです!」
「…………え? 全部手動??」
速すぎる男ホークス。理解も話も早い。
「そうです!」
「そういうこと。こらもうあればい、プロ超えとるやん。民衆を喜ばせるためのパフォーマンスちゅうこったいね」
「見ていて楽しくないヒーローを応援しようなんて思わないでしょ? ボクはたくさんの人にっ!! 両親から貰ったこの〝個性〟を素敵なものだって思ってほしいんです!!」
だからメスガキは自分の〝個性〟を褒められるのが大好きである。彼女にとってそれは大好きな両親を褒められるのと同じことだからだ。
「ん……そうだね。綺麗で良い〝個性〟だ」
ホークスはちょっと己を恥じた。ホークスも当然メスガキの何でも出来る〝個性〟を危険視していたし、『上の方』からも探っておけと言われている。だがこの娘はそんなことは百も承知なのだろう。自分の〝個性〟が他人からどう見えるか、どう見られるかをよく知っているし、どうすれば改善できるかもたくさん考えたのだろう。キャナルシティで彼女を事務所まで道案内してくれたという女性二人相手にファンサを頼まれた時。ホークスはこれなら大丈夫かな、と思った。だからきっと彼女も、こちらに心を開いてくれたのだ。
(むしろ過剰な危険視のほうが害となるだろうな。彼女が『最早民衆は自分の〝個性〟を素敵だと思わない』と確信してしまえば、社会は素晴らしく都合のいい無敵のヒーローを失い、恐るべき存在……史上最悪の
ああ、本当に大変だ。No3なんてやってる場合じゃないんだ、俺は。世の中のために……ヒーローが暇になる社会のために……彼女ほど都合のいい存在が居るだろうか? ホークスは自分の軽い褒め言葉ですら大喜びしている女子学生を見て、憂鬱な気持ちになった。あーあ、エンデヴァーさんが良かったんだけどな。でもまぁ、個人的な感情よりも社会の安定優先。まだ若い彼女はきっとこれからどのような色にでも染まってしまう。
独自設定とか
・黒霧:先生もよくからかってたので真似している。
・晩御飯何が良い?:赤黒血染の両親の死亡には事件性なし。
・ステインのコンプ:ヴィジランテ時代の名前はスタンダール。スタンダール症候群とは芸術品などの素晴らしいものを見て気分が悪くなる事を指す。
・配布SSR:ステイン・ムーンフィッシュ・マスキュラー。マキアはあげない。
・はいあーげた:幼稚なAFO。弟にやりたいことを弔にやる代償行為。
・脳無の個体差:いまいち上手くいかなかったやつは弔のおもちゃでいいや。
・おはぎ:おばあちゃんの手作りおはぎ。
・OFA・ナイトモード:まず傷つかないのが大事だよな、というデクの思いにOFAが応えた。
・TWIN DAKOTA SMASH:ノースダコタとサウスダコタ。
・エンデ事務所新宿:ギロッポンに対抗できる場所どこかなって考えてこうした。
・クソナードエンデ贔屓:轟くんもあなたじゃないとかやってないので……。
・個性の精神への影響:トガちゃんとか典型例ですよね。あ、トガちゃんも愚弄されます……。っていうか誰ならされないんだろうな。すみません全員愚弄されます。
・ネイティブ:ステインに一理ある感じにしたいならもっとクズムーブさせると思うんですよね。すごい胆力だし俺を置いて逃げろって言ったりするしやっぱり中卒は節穴として描かれてると思う。贋物認定した飯田くんも後に本物認定してるので。
・ネイティブ嬲り:飯田の腕を無意味に刺したりとかやってるんで当然ネイティブにもやる。キック時点で血取れてる。
・福岡人は天神が基準:へー。天神よりデカいの?とかよく言う。
・ホークスケベ:両親もアレだし公安だとハニトラ対策とかやると思う。
・ホークスおらんかな~:普通に歩いとう!とか驚かれるくらい飛んでる。
・美味しいカモ:自縄自縛で逃げられない。
・次は、君だ:まさに最強で無敵のヒーロー。
ぶっちゃけあらすじどう?
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バッチリ!
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思ってたのとちょっと違った
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全然違くね?
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完全に詐欺