ボクのヒーローアカデミア くらっしゅ!!   作:ぺぺぺぺぺぺぺ

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短いし読まなくてもいい話です


赤黒血染:オリジン

 赤黒血染が人生に躓いたのはいつだろう。

 

 初めて人を殺した時か。

 

 母が死んだ時か。

 

 演説を諦めた時か。

 

 高校を中退した時か。

 

 雄英の受験に失敗した時か。

 

 オールマイトに憧れた時か。

 

 まさか〝個性〟に目覚めた時なのか。

 

 あるいは、それら全てなのかもしれない。

 

 4歳になって程なくして赤黒はオールマイトに憧れるようになった。

 

 きっかけはデビュー動画だ。

 

 血まみれになって人を救うヒーロー。あんなふうになりたいと、強く思った。

 

 オールマイトのようになりたい、と母に告げたら、じゃあ体を鍛えなくちゃね、と教えてくれた。それから赤黒血染は毎朝のランニングが日課になり、成長に伴ってトレーニングを増やしていった。しかし、それと同時に少しずつ現実が見えてくる。

 

 個性が弱い。血を舐めると一瞬だけ動きが止まる〝個性〟。『凝血』と名付けられたそれは他人を傷つけないと発動しない個性。

 

 (ヴィラン)のような〝個性〟だとよく言われる。そんなことはない。雄英に入学してヒーローになってそれを証明してやる! 

 

 雄英高校の入試当日。例年通りなら受験生同士の即席チームでプロヒーローの試験官と対戦することになる。お互いに多少の怪我は当然のものとして扱われる。ヒーローをやるなら怪我をしてあたりまえだからだ。しかし赤黒はかすり傷一つでプロヒーローですら行動不能に出来る。必ず評価されるはずだ。どのような相手であっても、僅かな傷で鎮圧できるのだから。

 

 

 

 

 

 

 試験の内容はロボットを倒してポイントを稼ぐこと。クレーム対策で導入されたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 親に言われて仕方なく受けていた滑り止めの私立に入学する。だがはっきり言ってレベルが低い。筆記も実技も自信があったし、実際に判定もAだったので、あまり真剣に選んでなかった事を今更後悔する。

 

 夏休みの少し前に授業内容が一新された。学生同士を戦わせ怪我をさせるのは如何なものか、とクレームが入ったそうだ。新しい授業の内容は、これからのヒーローは大衆受けが重要、というもの。相手を無傷で捕らえないとクレームが入るそうだ。

 

 赤黒は高校を辞めた。

 

 ヒーローとは自らの傷も顧みずに他者を救うものだ。その過程でお互いに傷つくのは当然のことだ。重要なのは信念であり、その過程で起こることは必要なことなのだ。赤黒は駅前で街頭演説をし、そう世間に訴えた。

 

 少しでも世論が変われば良いと思った。自分のように挫折する人間がこの先出なくなれば良いと、思っていた。

 

 時々は応援してくれる人たちが居た。その御蔭で続けることができた。

 

 少しは立ち止まって聞いてくれる人たちが現れだした頃……近隣の人からクレームが来ているから今後の演説は禁止、次見かけたら捕まえるから、とヒーローに言われた。

 

 立ち止まる人もなく誰も集まらなかった5年間は、何も言われなかったのに。駅前では今も暇そうなチンピラが屯しているのに。

 

 クレーム、クレーム、クレーム。赤黒血染の人生は否定されることで曲がり続けた。心が折れて引きこもってしまった赤黒を両親は、特に母は心配した。

 

 申し訳ないと思う。しかしもう、体が動かないんだ、母さん。

 

 俺はもう、終わってしまったんだ。

 

 

 

 家の壁に落書きされた。俺が演説をやめて引きこもったことが近所のチンピラに広まっているらしい。

 

 母は心労で倒れてしまった。

 

 折悪く父が病死し、母もショックでそのまま亡くなり、赤黒は一人になった。

 

 

 

 いいだろう。そんなに俺が間違っているというのなら、教えてやる。

 

 間違っているのはお前らだ。お前らのほうだ!!

 

 まずは鈍った身体を鍛え直さねば。両親の遺産は沢山ある。ただひたすらに己を鍛え上げる。

 

 家の壁に落書きをしたチンピラどもを斬り殺した。下手人は、駅前に屯っていたやつらだった。

 

 クズの血を浴びると胸がすっとした。そうか、俺の使命はこれだ。

 

『スタンダール』としてクズどもを斬り殺していく。そうしているときだけは両親のことを、今までの挫折のことを忘れられる。世の中の役に立っている気がするのだ。

 

 自警団(ヴィジランテ)として活動する中で、同じような活動をしている先達の噂を聞く。

 

 こんな俺にも、仲間がいるのかもしれない……。

 

 

 

 

 

 

 返事は、鉄拳だった。

 

 

 

 

 

 

 もう俺には『何の役割もない』。何者にもなれなかった俺。

 

 

 

 血に染まる俺を見ろ!

 

 忌まわしき光景から目を背けるな!! 

 

 何がヒーローだ! 何が世相だ! 何がクレームだ!!

 

 聞け! 俺の『主張(Claim)』を! 受け入れろ!! 俺の『正しき要求(Claim)』を!!

 

 お前たちが俺を否定し続けるのならば俺もそうしよう!

 

 社会よ血に染まれ!! 俺という『染み(Stain)』を永遠に忘れるな!! 

 

 俺を殺しに来い(たすけてくれ)! オールマイト!! そして(さもなくば)おまえも、殺人者(おれのよう)になるがいい!!!!

 

 




独自設定

・まぁ全部独自設定なんだけどね:捏造だらけ。
・ロボ試験:15年前くらいからAFOが負けた時の準備をしている(志村転弧)。これもその一つ。一見それっぽいクレームで弱体化させる狙い。
・屯してるチンピラ:親切な老紳士が困ってたみたいなのでうるさいヤツを黙らせた。
・親切な老紳士:一体何フォーワンなんだ……。
・強い意志が必要:凝血か。対人ならまぁまぁだな。育てば素体にできるかな?
・事件性なし:事件性はないよ。ご近所トラブルだもんね。
・ステイン過去編とか公式がいつかやりそうじゃね?:多分ぜんぜん違うやろなぁ……。
・俺を殺していいのはオールマイトだけ:オールマイトは殺さなくてもステインを捕まえられる実力がある。そんなことはステインも知っている。
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