ボクのヒーローアカデミア くらっしゅ!! 作:ぺぺぺぺぺぺぺ
「ねこねこねこ……思ったより早かったね!」
「みんなーっ! おつかれさまっ! 可愛いボクのお出迎えだよーっ! 疲れも吹き飛んだでしょ?」
どうだろう……どちらかと言うとさらに疲労感が追加されたのではないだろうか。現在時刻は17時を少し過ぎた所。鬱蒼とした森をへとへとになりながら抜けてきたA組の面々はようやく『プッシーキャッツのマタタビ荘』へたどり着いた。そこに待ち構えていたのはアッパー系のアレでもキメてんのかってくらいハイテンションなメスガキだ。大多数の生徒の気持ちを表現するなら一番ぴったりなのは「うんざり」である。3時間とか言ってただろとか腹減ったとかワイプシと生徒たちがごちゃごちゃやっていると、メスガキはあっと声を上げた。
「響香ちゃんプラグが腫れてる!? どうしたの!?」
「あぁ……使いすぎるとこうなんの。休ませたら治るから大丈夫……」
疲労困憊で喋るのも億劫そうだが、心配されている言葉に答えるくらいはできる。響香はメスガキを安心させるように微笑んだ。駆け寄ってきたメスガキは響香のプラグに触れようか触れまいか迷うように手をユラユラさせていたが、優しい響香ちゃんは気を利かせてプラグを伸ばしてメスガキの手にそっと触れた。触られて痛んだりはしないので、好きにしてもいいのだ。
「クソガキてめぇどこで何してた? 言え」
爆豪は掌は痛そうだが、体力的には余裕がありそうな態度だ。趣味が登山で山歩きを良くしているので歩き方もこなれているし、他のクラスメイトと違って鬱蒼とした森にマイナスイメージはなく、むしろ軽い疲労に心地よさすら感じていたので怒鳴りつけはしなかったが、メスガキの反応はすこぶる悪かった。心配そうな表情でイヤホンジャックを撫でていたメスガキが「邪魔しやがってクソが」と言うときの爆豪みたいな顔をしながら元ネタの繊細男をにらみつける。こうかはばつぐんだ! かっちゃんはメスガキの表情を見てずつきされたポケモンみたいにひるんでいる。
「どこって、主に空だよっ! 先生に頼まれてB組の皆にちょっかい出してたんだよーっ! B組はキミたちより後発だけど、キミたちより早く着いてる! なぜだか分かる人~?」
出発地点が違うので単純な比較は難しいのだが、まぁメスガキもそれを分かっていないわけではない。というか今年の生徒の優秀さを鑑みるとB組のスタート位置のほうが不利ですらあった。差分の距離は例年を参考に割り出されているからだ。
「……ハァ? そんなもん一番遅えやつに合わせてんだからそいつの差だろ。俺一人なら半分の時間で着いたわ」
協調性のない男だと思われていた爆豪だったが、今回のトレッキングではかなり活躍した。というかめちゃくちゃ仕切り屋だった。クソナードが「かっちゃんは登山が趣味なんだよ」と解説して爆豪をゾワムカっとさせちょっと揉めるなどといういつものアレはあったが、的確な指示を出し、全体の行軍を指揮するなど才能マンっぷりを見せつけていた。半分の時間で着いた、というのもなかなか正確な分析で、実際こいつ一人ならそれくらいで辿り着けただろう。その場合疲労は今の比ではなかっただろうし、轟の協力が得られないため水分不足でヘロヘロになっていただろうが。A組がふっとばされてB組はそうではなかった理由はここにもある。B組は水を用意できる〝個性〟が居ないのでバスに水筒を取りに戻れるタイミングが用意されていて、当然それに気づき準備して出発したということだ。
「それもあるかもね! でも一番の原因は~? そう! ボクが不在だったことだよ!」
身も蓋もないがそれはそう。メスガキが居れば全員抱えて空を飛んで10分もしないうちにマタタビ荘へたどり着いただろう。まぁだからこそ別行動させられたわけだが。メスガキだけでなくクラスメイトにも何の学びもない。一番の原因、すなわちB組のほうが早かった理由はまとまりのよさにある。彼らは普段の訓練でも相性の良い〝個性〟同士で組んだり、様々なチームを組んでみたりと、まさに『組』で行動するのに慣れているのだ。爆豪の指揮がいかに的確で、受ける側もその正しさを理解できていたとしても、B組のように即座に従うような信頼関係は彼らにはない。この部分は明確にA組はB組に劣っていると言える。例えば爆豪が飯田に情報を伝えそれを全体に周知するなどでワンクッションを挟めば、手間が増えたように見えても実際は時間短縮になっただろう。そしてメスガキが居ればそうした役割分担も(上から目線で強制的に)振ることが出来たので〝個性〟を使わなくても居たほうが速度は上がっただろう。
「リノちゃん別行動多くて寂しいよ~! 折角の合宿なんだしもっと一緒に居たい~!」
「終盤みんなテンション低かったもんな……新斗が居れば盛り上がっただろうけど」
芦戸は行軍が楽とかそれ以前の問題で、メスガキが居ないことが寂しかったようだ。そして上鳴はメスガキのテンションアゲアゲな所を恋しがっていたらしい。実際に居たら多分ウザかったと思うが……。ドヤ顔だったメスガキのもちもち顔があっという間にしおしおになる。
「ボクも皆と一緒に山歩きしたかったよ~……せめて分担が逆だったら良かったのにぃ~……」
そういう感じだからA組はピクシーボブでB組はメスガキという分担になった。甘やかすとまでは思われていないが、話しかけるなどして注意力が散漫になったり、雰囲気がだらける可能性が懸念されたためだ。メスガキはそういう手抜きをするタイプではないのだが、まだそこまで全面的な信頼は勝ち取れていない。扱い的には雄英でインターンをしているようなものである。公安と違い雄英は焦らずじっくり育成していきたいと考えているのだ。今積み上げたものが将来の飛躍の高さを決める。メスガキだけではなく、すべての生徒に対して適切な土台を作ってやらなければならない。
「その点は雄英側としても忸怩たる思いだ。お詫びというわけではないが、今日の夕食は各地の名産をふんだんに使った豪勢なものだし、ランチラッシュが届けてくれたデザートもあるぞ。さぁ、そろそろバスから自分の荷物を部屋に運べ。はよ」
しょぼしょぼ顔をしたクタクタ腹ペコ高校生たちはその言葉で一気にテンションを上げて、さっきまでの重い足取りが嘘のような力強さでバスへと荷物を取りに行った。まだ余裕があった……わけではない。どちらかと言うとろうそくの最後の輝きに近い。エネルギー補給の目処が立ったので最後の力を振り絞っているのだ……。
「それじゃあボクは先に食堂に行って配膳してますね、マンダレイ! 洸汰くんいこっ!」
「……ん」
「いやぁ、手伝わせちゃって悪いね」
「悪くなんて無いですよーっ! 楽しいよねぇ、洸汰くん!」
「別に……仕方なく手伝ってるだけだし」
友人たちと行動できなかった寂しさはあるが、行動そのものに不満はないようだ。そして始まるメスガキとマセガキの夢のクソガキコラボ。みんな楽しみにしてたよね? もうすでに何がしかのやり取りを済ませたらしくある程度打ち解けている。生徒たちはちびっこの紹介をされていないので「誰?」となっている。ちょっと不思議に思いながらも各々の部屋に荷物を置くと、お待ちかねの食事の時間である。
「本日の夕食はワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの皆様が手ずから作ってくれましたーッ! マタタビ荘ではこの他にもマンダレイのテレパスモーニングコールや遭難率0%のサーチ登山など、ファンにはたまらないさまざまなお楽しみが」
「ホーリーナイト、宣伝は嬉しいけど皆お腹すかせてるから!」
唐揚げやチャーハンなど学生向けって感じの大皿がどーんと並んでいる食卓を前に、飢えた高校生たちは血走った目でメスガキを睨んでいる。マンダレイはいきなり頼んでも居ない宣伝をはじめたメスガキに面食らったが、早く食べさせてあげないと暴動が起こりそうなのでまずは食事を開始させるよう促した。
「感謝の気持は大事だと思うんですけど……それでは皆さん手を合わせてくださーいっ! いただきまーすっ!!」
「いただきますッ!!!」
メスガキに直前でもったいぶられたせいか、まさに餓鬼という感じのがっつきっぷりで食事が始まった。
「がしゃがしゃ! ぐァつぐァつ!!」
「染み渡るぜ五臓六腑、匹敵するぜランチラッシュ! 米! 粒立っている今ここに! 噛み! しめていたいぜいつまでも!」
急にクソみたいなラップを始める上鳴。放課後たまに響香ちゃんがメスガキと楽器の演奏をしているのを見て音楽に興味が湧いているらしい。
「あはは……大きい! からあげかな? いや違う、違うね。唐揚げはもっとあっさりした味だもんね。熱々だな、これ。ふぅ、レモンはないのかな? おーい、出してくださいよ! ねえ!」
芦戸は疲れすぎてちょっとおかしくなっているようだ。酸の使いすぎで色素も薄くなっている。酸味を欲しているのも無関係ではあるまい。
「大皿にかけようとすんなクソボケ!! 取り皿でやれや! ……何だそのチャーハンの取り方は! 断面増えて冷めやすくなるだろうが! 総じて端から取れクソカスども!! ああああ自分の箸使うな菜箸かトング使えやあああああ!!!!!」
「かっちゃんは食事にこだわりがあってこんなふうに色んな意味でうるさいんだ」
「まぁ言ってることは分かるけどな。つーかいっつも避けてるのにナチュラルに隣座ったな」
「あ、うん。僕はほら、かっちゃんのこだわり知ってるから邪魔にならないからね……すごいでしょ。そういうレベルで食事には真剣なんだよ」
「自分で言うことか? 自慢げな意味も分からん。オイラがおかしいの? ……麗日、皿に一度に盛りすぎじゃね……?」
「ふわっ! あ、アカンかったかな?」
「好きなだけ食べていいよーっ! 欲しいやつあったら追加で作るから! ねーっピクシーボブ!」
「そうにゃん! 今はボーナスタイム! 明日からは自分たちで作ってもらうけど、今日はワイプシごはんをこころゆくまで楽しんでねっ!」
トレイを持ちながらにゃおーん☆って感じのポーズを取るピクシーボブ。メスガキはそれをほえーって感じの顔で見ている。メスガキが疑似インターンなのでお手本になろうとしてくれているのだ。緑谷はそれを見てハッとした。そうだ、この食事中ですら学びの宝庫! 豪華なだけではなく、ヒーロー直々の調理と配膳! クソみたいなレモン要求にも素早く笑顔で対応するサービス精神! 今日来たばかりの食堂のはずなのにリラックスできるホスピタリティ! これがプロ……!
「マジか、手厚いな……この味噌汁うめぇ……」
「リノはずっと配膳してるけどいつ食べるの?」
「みんながこの後お風呂入ってるときに先生方と食べる予定だよーっ! 明日からは食事もお風呂も一緒だから安心してねっ!」
(なにそれ羨ましい! ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの4人に加えてブラドキングとイレイザーヘッド合わせて計6名のプロと食事会!?!?!?)
この場にいる生徒たちの中でこれを即座に『プロヒーローとの食事会』と認識できるのはクソナードのみである。他の生徒達は「先生たちと一緒に食事は流石に緊張する」という感じになる。いや、実際クソナードの認識も正しくはあるのだが……メスガキのインターン風味なので食事中もプロ感ある振る舞いをしてくれるので。ヒーローオタクのクソナードは当然ワイプシもブラドキングも好きなヒーローだし、イレイザーヘッドの大ファンなので他の生徒なら罰ゲーム感あるそれに参加したい気持ちでいっぱいであった。
「皆少しはお腹が落ち着いてきたかな~? 食欲に支配されたケダモノにヒトの叡智を授けてやろうっ! 刮目せよっ!」
え? なに? なんだあっ? という感じで戸惑っているのはB組のみ。A組は無視はしてないけど特に聞いてもいない、なんかいつもと違うこと言ったら耳を傾ければいいや、みたいな慣れた感じでワイワイと食事を続けている。メスガキの演説をいちいち真に受けていたら人生が何周あっても足りないのだ。いまいち注目が集まっていないことに気付いたメスガキは〝個性〟を駆使してモニターを作り出してマタタビ荘の全景……と思われるファンシーなイラストを掲示した。
「ここはワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの皆さまが経営しているマタタビ荘でぇーす! あたりに広がる山並みは美しく、露天風呂からは満天の星空が……」
さっきの続きだった事がわかると大半のA組生徒は興味を失ったようで、食事の方に意識を8割位向けた。B組生徒は珍しいのかそれなりにモニターもどきに注目している。それに気を良くしたのかメスガキは解説を続けながらイラストの中にワイプシっぽい猫を登場させたりしてまぁまぁ盛り上がった。
「それでは最後にスタッフでもあり、これから1週間お世話になるワイプシの皆さん、および洸汰くんをご紹介しまーす!」
ぱっと画面が切り替わりメルヘンチックな感じのイラストではあるが『マンダレイ』だと分かる人物が映し出され、メスガキの独断と偏見による人物紹介が続いていく。そして最後に生徒たちも気になっていた謎の少年の紹介の番になった。
「この子は『
へえー、という空気が6割くらい。残り4割は沈黙。沈黙した生徒はプロヒーロー『ウォーターホース』が2年ほど前に
「皆はウォーターホースのことは知っているかな? それじゃあ……緑谷くん! 解説っ!」
「え!? あ、ハイ! ウォーターホースは夫婦で活動していてデビュー当初はカップルヒーローなんて言われてた時期もあったベテランヒーローだね! あ、本当の最初期は二人別々に『ケルピー』と『ネッシー』って名乗っていたんだよ! 『波』の個性と『チューブ』の個性を組み合わせて放つ『ウォーターレーザー』の威力はビルをも切断できると言われていて特に有名なエピソードは北海道の屈斜路湖で暴れた大物
緑谷の解説に合わせてメスガキモニターにウォーターホースらしきヒーローとその活躍シーンらしいイラストが映し出される。
「ハイ! 緑谷くん、ありがとうございました! このようにとっても活躍した素晴らしいヒーローの息子さんです! 皆リスペクトするように!」
パチパチパチ。拳藤はメスガキとクソナードのありがたいお話を聞き終わると、拍手をした。何か痛みに耐えるような表情をしていてあまり楽しそうではない。B組はすぐに同じく拍手をしだして、それにつられてA組の生徒たちも拍手をした。緑谷のそこそこ長い解説には現在の話が全く出てこなかった。その事に全ての生徒が気付いていた。いや、『ウォーターホース』が今良くない状態であることは、洸汰を見れば分かる。目尻に涙を一杯にためて、新斗黎乃を親の仇のように睨みつけている。
「おい。ウォーターホースは2年前に殉職したんじゃなかったか。人の心とか無いんかテメェ」
KABOOM!!!
爆豪が爆発的にやべぇ地雷原にドカーンと突っ込んだ。爆破耐性の賜物だろう。生徒たちは驚愕した。ウォーターホースの殉職を知らなかった生徒は、その情報そのものに。知っていた生徒は、かっちゃんが子供に対する思いやりを見せたことに、それぞれ驚いていた。他人の心に思いを馳せるのは爆豪にとっては爆裂に苦手分野だが、家族愛は分かるのだ。
「か、かっちゃん……新斗さんはそんなつもりじゃ……きっと洸汰くんのご両親が立派な人だったって皆に伝えようとして……」
「なんでテメーが勝手に代弁しとんだ。黙ってろクソナード。つーか今やる話か? せっかくの美味いメシが不味くなるだろうが」
意外! それは正論! でも今やるべきじゃない殉職話を持ち出したのはかっちゃんである。爆発的に他責思考。いや、彼の主観だとウォーターホースの殉職は前提なのだから「メシマズ話を持ち出したのはメスガキ」というのは全くの事実ではあるのだが……そうなんだけどそうじゃなくて……そうなんだけど……。
「ほら、洸汰くん! 皆きっとウォーターホースの話、聞きたがっているよ!」
メスガキは気にせずぶっこみ続けた。無敵か? 先程からマンダレイがそわそわしている。メスガキに『テレパス』を試みているのだが上手く行かないのだ。送れているような気はするのだが、反応が全く無い。単純に無視しているのか、どうなのか。
「なんで……」
「なになに?」
「何も知らないくせに!! 頭イカレてるんじゃないのか!? 何がヒーローだよ! 殺し合いがしたいだけだろ!」
それだけ言ってだっと駆け出す少年。数歩も進まないうちにメスガキの〝個性〟にキャッチされた。空気が読めないメスガキは一旦仕切り直ししたほうがいい場面でも自分勝手である。ふわふわと空中に浮かされた洸汰くんは拘束からのがれようとジタバタしている。
「まだまだお子様だなー! ヒーローは殺し合いなんてしないよ?
A組はなんとなくメスガキの言いたいことは分かったので戸惑いつつも静観しているが、B組はドン引きである。いや……お前……何考えてんだまじで……傷ついてる子供に言うことか? そういう理解できないモノを見る目だ。教師陣もワイプシも、ハラハラしながら見守っている。正直ワイプシの面々も洸汰にはあまり効果的なことは言えていないのが現状なので、やめろとか間違っているとか言えないところがあるのだ。
「うるさい! 離せよ! 自分の〝個性〟を自慢したいのはおまえだろ! そうやってひけらかしてるやつから死んでいくんだよ!」
「皆のこと、心配してるんだね! 洸汰くんには優しい心と思い遣りがある! ご両親もキミのことを誇りに思っているはずだっ!」
「……!! う、うるさい……! さわるなっ! これどけろっ……あっちいけ……!」
「いっぱい泣いていいんだよっ! 泣いて泣いて泣きまくったら、思い出せるようになる! 優しい言葉、楽しい出来事、抱きしめられた感触、全て! まだキミの中にあるはずだっ!!」
「だまれよぉ……! はなせっ……しゃべるな……イカレおんな……!」
ぼろぼろと涙をこぼす子供を見て、生徒たちは胸を痛める。同じくらい泣いている生徒すら居る。
「辛いことにしがみつくなっ! ココロの内側にある二人の愛を抱きしめるんだッ! それがキミの傷を癒やすんだよっ!」
「どいつもこいつも好き勝手いって……なんで……なんで僕のパパとママだけ……他にもいっぱいヒーローは居るのに……みんな見てたくせに……」
ずるい。なんでお前らは生きている。なんで僕のパパとママは死んだ。どうして救けてくれなかった。ヒーローじゃなくても〝個性〟があるじゃないか。キライだ。剥き出しになった幼いエゴ。綺麗事では誤魔化せない憎しみ。
「それはね。洸汰くんのお父さんとお母さんが、すごい人だからだよ! 普通の人には出来ないことができる、立派な人だったんだ! キミはそれを、誇って良いんだよ!」
「みんな……そういうんだ……! りっぱだったとか、すごい人だとか……! ウソばっかりだ……! りっぱなら、すごいなら、なんでかえってこなかったんだよぉ……!」
消えない痛み。深く残る傷。何をどう言ったところで、結局のところ、二人は死んだ。置いていってしまった。パパもママも僕じゃなくて他の人を選んだんだ。
「帰りたかったんだよ。帰れなかったんだよ。それを責められたら、お父さんとお母さんが、泣いちゃうよ……? 二人を、赦してあげて……? キミしか、キミだけしか、二人を赦してあげられないんだよ」
ゆるす。そうだ。僕はゆるせない。かえってこなかったパパとママなんてしらないもん。でも、そうやってパパとママを遠ざければ遠ざけるほど、苦しくなる。
「キミはきっと強くなれる。このボクみたいに! 強いっていうのはね、赦せる人なんだ! ボクもまだまだだけど……もっと強くなる! 必ずそうなる! ボクはそうする!」
拘束が解かれ、解放されても洸汰は動けない。ふわふわしたクッションのような感触の何かにしがみついて涙を流し続ける。
「キミはどうする? お父さんとお母さんに、天国で泣いていて欲しいって思う? これから一生、二人を憎んで生きていく?」
「…………そんなのやだ……」
「うんうん。そうだよねっ! 大丈夫! キミは愛されている。ご両親はキミ以外の人のために死んだんじゃなくて、キミのために生きたんだ! 洸汰くんのこれからが、その証になるんだよっ!」
「……うん……」
落ち着いてきた様子を見ておずおずとマンダレイが洸汰に近付いていく。彼女は洸汰に嫌われているという自覚があった。『ヒーローという生き方』を拒絶しているのだと思っていた。だがそうではなかった。『パパとママを救えなかったヒーロー』に向けられる憎しみだったのだ。思えば6歳の子供がそこまで複雑なことを考えるはずがない。洸汰が年齢に見合わない賢さを持っているがゆえに見落としていた。もっとシンプルに、責められていただけだったのだ。
「洸汰……ごめんね……私……全然分かってなかった……」
「…………」
ぷいっと涙で腫れぼったくなった顔を逸らす洸汰。彼も何を言っていいのかわからないのだ。どうするべきかは分かったが、即座に実践できるなら苦労はないし、心は簡単に変わったりしない。
「ていっ」
メスガキの〝個性〟がマンダレイと洸汰を縛り付けまとめあげる。肉体派ではないとはいえ12年もの経験がある現役プロヒーローのマンダレイを容易く拘束する展開速度と前兆のなさに驚くワイプシ。
「うわっ! なにすんだよ!」
「ちょっと!? 急に何!?」
「時間は有限! キミたちは合理性に欠くねっ! 洸汰くん! マンダレイはキミの両親の代わりにはなれないし、ならない! でもね! 思い出させてくれるんだよ!」
「え……?」
「例えば誰かに抱きしめられると! 心に浮かび上がってくるんだっ! 抱きしめられた記憶が……愛された思い出が! 違いがあるからこそ鮮明にねっ」
その言葉を聞いてマンダレイがたまらず洸汰をぎゅっと抱きしめる。自分の気持ちを伝えるためではない。ウォーターホースたちの気持ちが伝わることを願って。
「あ……あぁ……」
マンダレイは温かい。洸汰の両親はちょっと冷たかった。心がではなく物理的に体温が低かった。二人とも水に関する〝個性〟だったからだ。洸汰もその体質を継いで体温が低いので、かつてマンダレイに初めて抱きしめられたときは暑くてすぐ離れたし、両親が死んで引き取られたあとも避けていた。避けていた理由はそれだけではないが、一因になっていた。
「パパもママも……もっとひんやりしていて気持ちよかった。信乃姉ちゃんはぬるくて気持ちよくない……」
「えっ!? ご、ごめんね洸汰……私はひんやりして気持ち良かったけど考えてみたらそりゃそうだよね……」
離れようとしたマンダレイだったが、洸汰の方から抱きしめ返した。
「でも……いやじゃない。あいつのいうとおりだ。パパとママのこと……思い出せる……おもいだしたよ、マンダレイ……」
ぽろぽろと涙をこぼしマンダレイにぎゅっとしがみつく洸汰。マンダレイにはひんやりとしか感じられない涙。そこにある暖かさを知ることができるのは、きっと両親だけなのだろう。同系統の〝個性〟でなければ分からないそれ。だが分からなくてもいいのだ。分からないからこそ分かろうとする心が、何かをしてあげたいという気持ちが、愛情を生み出す。抱き合う二人は親子ではなくとも、間違いなく家族だった。
カポーン。これ、なんの音か知っていますか? マタタビ荘の露天風呂には鹿威しがあるんですね。爆豪いわくクソ茶番が終わってなんとなくいい雰囲気になった食堂はメシマズでは無くなったがかっちゃん的にはソワソワムズムズイライラする空間だったので、風呂の時間になって解放された気持ちになったのはしょうがないのだろう。
「爆豪おまえちょっとは隠せよ」
「あ? 何をだ?」
かっちゃんは他のクラスメイトと違いタオルを腰に巻かず肩にかけている。そのためぶーらぶーらしている。才能マンの才能マンは才能マンだ。現状は宝の持ち腐れだが。
「いや……風呂場で隠せよって言われてその返しはおかしい。……おかしいよな?」
「かっちゃんはタオルで股間をパーンってするタイプなんだよ」
「相変わらずきっしょい爆豪知識をありがとう。いや、ありがたくないわ。もうやめて。勘弁して」
かっちゃんはもはや完全に無視している。いや、無視しているふりをしている。ちょっと戦慄顔しながら中学の時の修学旅行か? などと情報の出どころを推測しているが外れだ。緑谷出久は爆豪の両親にものすごく信頼され、ありがたがられている。そのため二人はクソナードになにかの役に立つかもとかっちゃん情報をぽこじゃか渡してくる。出久くんに見捨てられたら息子がマジで終わっちゃう……くらいに認識されているのだ。まぁ割と正しい。両親目線の情報でかっちゃんを分析してるのでクソナードは親目線になりがちなのだ。
「俺は漢らしくて良いと思うぜ!」
「まぁいかにも股間をパーンってしそうな感じだもんな、爆豪」
「股間をパーンってしそうな感じってなんだコラ。レッテル張って分かった気になんじゃねえよ。クソナードになんぞ」
「今までのお前の悪態の中で一番傷つくやつ来たわ。つらい」
「えっ」
「おいおいふざけんなよお前ら。チンチンの話やめろ! 隣から聞こえる楽園のメロディに集中してんだよこっちは! 耳を汚すんじゃねぇっ!」
「お前そろそろマジでだめだぞ」
「分っかんねえかなぁー! 未曾有のチャンスなんだよ今は! なんせ新斗が居ねぇ!」
「あっ、死んだな」
「お悔やみ申し上げます」
「命知らずだね峰田」
峰田はメスガキのエロには興味ない。そう解釈し、それが逆にメスガキを不快にさせるだろうと思った生徒たちは峰田の死を予言した。メスガキが己の貧乳を気にしていることはまぁまぁ広まっているのだ。食堂での顛末を踏まえるとクッッッッソ不謹慎なことを言うカス高校生ども。心操くんとかが聞いたら幻滅しちゃうこと請け合いだ。まぁあんまり気にして萎縮するのもヒーローとしての資質に関わるので一概に悪いともいい切れないが。
「何言ってんだ! あいつが居ないんだから殺されないんだよ!」
峰田はメスガキが居ないから逆鱗に触れない、と考えているようだが、それに異を唱えるものが居た。
「いや……それは違うんじゃね? 新斗って全然お前のスケベ気にしてねえじゃん。本人どうこうより耳郎と八百万を不快にさせた事にキレそう」
峰田の考えより上鳴の考えのほうがメスガキを理解していると言えるだろう。体育祭で服がボロ布になっても何も気にしてないのがメスガキである。全国放送で全裸を晒すことにためらいがない。上鳴は食堂でのメスガキの演説の影響かいまは友情面が強く出ているようで、今回は峰田のエロトークに引きずられなかった。声を聞いて欲情するのにピンときてないのもあるが、もし峰田が覗きにでも行こうものなら止めに入っただろう。
「つまり……どっちみちオイラは死ぬ……ってコト!?」
「そうかもね。耳郎さん絶対聴いてるでしょこれ。今のうちに謝っときなよ。生存確率が上がるかもしれないよ」
尾白はメスガキをなんだと思っているのだろう。彼はあまり悪ノリしないので真面目に殺害の可能性を検討しているのかもしれない。
「いやちょっと待てよ! 聴いてるとしたらそれはおかしい! なんで耳郎はこっちを聴いて良くて、オイラはあっちを聴いちゃダメなんだよ!? 男女差別じゃねえか!」
「一見それっぽく聞こえるけどお前は性欲でやってて耳郎はその対策だろ。マジもんの
瀬呂は言葉とは裏腹に面白がっているようでニヤニヤしている。
「正直どうかと思うぞ、峰田くん!」
ヒーローの卵の姿か? これが……最高峰の雄英にふさわしくない恥ずべき痴態だ。
「全部聴こえてるっつーの」
「けろ……どうしたの響香ちゃん」
女湯の方では当然と言うかなんというか、響香が全てを聞いていた。男子の予想通り峰田が覗こうとしたらイヤホンジャックでぶちのめす予定で警戒していたのだ。メスガキにチクるとどんな苛烈な報復になるか分からないのでそっちは最初からやる気がなかった。「もう二度と女体に興奮できなくしといたよっ」などと言ってきてもおかしくないので。
「峰田が覗きにこないか警戒してた。一応その気はないみたいだけど、今どき時間ずらさないとか……」
「急に場所が変更になったからではないでしょうか。しおりではズレていたはずですわ」
「あ、そーなんや。じゃあ明日からはズラすんかな?」
「たぶんそーじゃない? ていうか好きでもない人の裸みて楽しいもんなのかな?」
「私がいつも見せてあげてるのにね!」
訓練で頻繁に脱いでいる葉隠がそう言う。もはやその事を気にしている生徒はいない。人は慣れるものだ。峰田ですら気にしなくなった。全裸のJKが身近にいてもふーんで終わるようになってしまっている状況はまじすごい。〝個性〟社会の闇。
「見えてへんやろがーい!」
「わっ、びっくりした。お茶子ちゃんそういうコテコテのツッコミも出来たんだね!」
「私はよくツッコまれるわ。ケロケロ」
麗日と蛙吹は特に仲良しでよく二人でしょうもないコンビ芸をやって二人だけでウケている。
「なんか今日梅雨ちゃんよくケロるね?」
「ケロるって何? 乳酸菌飲料?」
「ブフーッ! 乳酸菌飲料て!」
「あ、それそれ。いつもの麗日のツッコミってそんな感じ」
「何故かしら……温泉だとついケロってしまうゲコ」
「そんな……語尾まで変わり果てた姿に……」
「風呂ッピーなの?」
大体こんな感じのしょうもないネタばかりなのだが麗日はゲラなのでものすごくいい反応をするため、梅雨ちゃんもついやってしまうのだ。実際今もけらけら笑っている。かわいい。
「温度や湿度が関係しているのではないでしょうか? 6月は良くケロケロと仰っていた記憶がありますわ」
それは梅雨で梅雨のテンションが上がってケロケロしていただけである。オールマイトが「事務所のやつ買い替えたから持ってきたぞ!」とか言って教室に除湿機を設置するまでは本当に上機嫌だった。かわいそう。その時のことを思い出したのか梅雨ちゃんのテンションがダウンしたので、響香は話を一旦切り替えることにした。
「いや~、気持ちいいね。疲れが抜けていく」
「わかる~。もう本当にへとへとだったよ~! でもごはん美味しかったしみんなと一緒だしで楽しい! これでリノちゃんも居ればなぁ~」
「そだね~……あとは温泉なのも嬉しいね。~~~♪」
「あら……クラシック……ですか? 少し違う気もしますが……?」
「あ、最近よく聴いてるクラシックアレンジのバンドの曲。聞きすぎてイヤーワームになってたからつい出ちゃった。はずい」
「ていうか声キレー! なんか喋りと印象違うね!」
「そ、そう……? 自分じゃあんまりわからないかも」
「なんか歌いたくなってきた! 皆で歌おうよー!」
「何歌う?」
「かーえーるーのーうーたーが~♪」
「リンショー!!」
「梅雨ちゃんっょぃ……」
いきなり歌いだしてゴリゴリにゴリ押ししてくる梅雨ちゃん。みんなで1周したら飽きたらしく終わった。ちなみに最初にやめたのは梅雨ちゃんである。っょぃ。
「Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen,Tod und Verzweiflung flammet um mich her!」
ヤオモモはゴリ押ししていいんだな、と良くない学びを得たらしく急に甲高いエエ声で歌い出した。
「なんてー?」
「これどゆこと? さっぱりわからんかった」
「夜の女王のアリアですわ」
「何語? なんて言ってるの?」
「ドイツ語ですわね。地獄の復讐が私の心の中で煮えたぎり、死と絶望が私を焼き尽くす、という意味です」
「ヤオモモ!? 何か悩みでもあるの!? 相談のるよ!」
「ケロ……辛いことがあるなら話してくれていいのよ」
「誰に何されたの!? リノちゃんにチクってボコボコにしてもらお!」
「話すだけでも心が軽くなると思うんよ。何でも言うてね」
「いえその……み、みなさんもご存知の曲のはずですが……」
「えー? 知らないよ~! 初めて聞いた!」
「ん~、皆知ってると思うよ。ここなら分かるでしょ。~~~~♪」
響香がどこかで聞いたことのあるメロディーを高い声で歌う。
「あ、それ知っとるー! え、同じ歌!? そういう歌詞やったん!?」
皆知ってるね。曲名聞いてピンとこない貴方もきっと知っていますよ、夜の女王のアリア。聴いたらきっとお茶子ちゃんと同じ気持ちになれるはず! 男子勢は耳を澄まさずとも聞こえてきた輪唱やオペラにほっこりした気持ちになり癒やされていたが、峰田は「違うんスよ……求められているのはこういうのじゃないんスよ……」とぶつくさ言っていた。彼はおっぱいの大きさがどうだとか言いながらお互いに揉み合うみたいなのを期待していたのだ。しょうもない。彼の妄想は性別を置き換えると「爆豪ちんちんデッケェ! 触らせろよ!」って感じのあり得ない展開である。男女は色々感覚が違うので完全にひっくり返せるわけではないが、この件に関しては大体そんな感じなのだ。女子なら女子のおっぱい揉めるとかそんなことはない。仲良しの友達でもちんちんは揉まないだろ? そういうことだから。
独自設定とか
・プラグ腫れてる:イヤホンジャックがなんか凸凹してる。腫れてるというか曲がってる?分からん。
・ひるむ爆豪:ふくつのこころがあるのですばやさが1段階アップする。
・B組のほうが早い:虎とラグドールが飯作ってたぽいので。
・仕切る爆豪:原作でもぶつくさ言ったとは思うが仕切ってはないと思う。ここではリーダーシップを発揮したが、普段がクソ過ぎて微+くらいに収まってしまった。
・デザートもあるよ:メスガキがめちゃくちゃ気に入っていたいちご大福。あとB組にも食べさせてあげたいという優しさ。
・上鳴の音楽興味:ヤオモモが楽器を『創造』したりメスガキが“個性”で音を鳴らしたりして耳郎が演奏したり歌ったりする。上鳴もたまに混ざる。本人は良くわかってないが友情モードの時だけ混ぜてもらえる。
・クソガキコラボ:いかがでしたか?高評価、チャンネル登録よろしくお願いします!
・マタタビ荘のサービス:“個性”使って色々やってくれるんじゃないかなぁ?クソ高そう……。
・うるさいかっちゃん:仕切り屋。ちょっとクラスのことも好きになってきている。
・いっぱい食べる君が好き:おもちっぽいものをすっごい皿に載せてる。
・疑似インターン:本インターンもホークスが熱望している。ミッドナイトはちょっと警戒している。妹を守護らねば……!
・こりないメスガキ:悪びれない。
・ウォーターホース殉職:どのくらい有名か分かんなかったので6:4くらいに。
・デビュー当時からカップル:ヒーロー同士で結婚したというよりカップルでヒーローになったイメージ。
・『ケルピー』『ネッシー』:『ウォーターホース』という映画が元ネタっぽいので独自にヒーロー名設定。
・『波』:マンダレイのいとこのほう。髪色的にパパと想定。水を自由に操れる。『ケルピー』。
・『チューブ』:夏っぽいことは大体できる(笑)。水をどばーっと出せるチューブが背中にある。『ネッシー』。
・屈斜路湖の大物敵:北海道でも
・人の心とかないんか?:疾風迅雷やね。
・ちが……そんなつもりじゃ……:どういうつもりだ?言ってみろ。
・ぶっこむメスガキ:コミュ下手くそか?
・洸汰くん:年齢は最終設定準拠。それでも年齢の割にだいぶ賢い。
・信乃姉ちゃん:2年前の呼び方として独自設定。
・マンダレイの愛情の勝利:メスガキのSEKKYOUは効果小~中。二人を物理的にくっつけたのが効果大。スキンシップは愛情の形成にとても重要。
・『マンダレイ』:『ヒーロー』への感謝の気持ち。人間が出来ている。
・洸汰くん:メスガキの両親がもういないことを知っている。
・デリケートな話に首を突っ込んでくる:
・かっちんちん:親父似。
・かっちゃんパパママ:ハラハラしながら息子とその友達(両親視点)の仲を見守って取り持とうとしている。闇。
・覗きに行かない峰田:生命の危険だけでなく体育祭で反省と言うか成功体験が変わったのもある。ドリルとかも買ってない。
・オールマイト除湿機:すまっしゅネタ。
・かえるのがっしょう:パブリックドメイン。
・夜の女王のアリア:パブリックドメイン。
・ヤオモモが夜の女王のアリアを歌う:すまっしゅネタ。
・女子なら女子のおっぱい揉める:まぁでもすげえマッチョが居たら腹筋触らせてもらうやつあるじゃん、あんな感じで巨乳触らせてって頼まれる事はあるらしいよ、夢があるね。
どんなときのメスガキが好き?
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ドヤ顔してるとき
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オールマイトにロジハラしてるとき
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落ち込んでるとき
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泣いてるとき
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甘えてるとき
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SEKKYOUしてるとき
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愚弄してるとき
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スカートがひらひらしてるとき
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自画自賛してるとき