ボクのヒーローアカデミア くらっしゅ!! 作:ぺぺぺぺぺぺぺ
かわいいね
同級生を切りつけ重傷を負わせた中学生
現在も逃走中
捜査が続いております
今日はとってもいい天気。友達の■■ちゃんがおはようと笑顔で声をかけてくれます。
カァイイ笑顔。いいなぁ、いいなぁ、きっと我慢なんてしてないんだろうな。
きっと心からの笑顔なんだろうな。
受験も終わってのんびりしたムードの学校はどことなくそわそわとしています。
まるでこの先の決まりきった別れをごまかそうとしているみたいです。
私はあまり頭が良くないので合格した学校は『普通』よりちょっと下くらい……かな?
でも制服がカァイイので楽しみです!
もう学校には来なくてもいいことになってるんですけど、なるべく登校するようにしています。
友達と学校で過ごす時間を大事にしたいので。
それと秘密なんですけどもう一つ……好きな人が、居るから。
今日も私は『渡我被身子』になる。
皆が可愛いって言ってくれる笑顔を作って挨拶を返すと■■ちゃんは嬉しそうに笑いました。
何が面白いんだろう? 私のカオってそんなに変ですか?
ううん、違う。ただ嬉しくなっただけでしょう。羨ましい。カァイイ。
色んな人が私に声をかけてきます。笑顔でいっぱいです。
私がいつも笑っているからか、私の周りには笑顔が溢れています。
笑顔。笑顔。笑顔。笑顔。笑顔に囲まれて私はシアワセ。
親切に振る舞うと親切を返してもらえる。パパとママが言っていたとおりです。
お洋服の趣味だけは合うママ。ううん、だめだ、他にも合うところはいっぱいあるはずです。
パパもママもいつも私のことを気にかけてくれる。
困っていることはないか? 欲しいものはない?
何でも言って、家族なんだから。そう言ってくる。
だから私はいつもお洋服を買ってもらいます。それだけは、そのときだけは、苦しくない。
この生きにくい世界を少しだけ好きになれる。
好き。好き。好き。好き。■■ちゃんのカァイイお耳にかじりつきたい。
彼女のふわふわもこもこの体毛が真っ赤に染まったらどんなに素敵だろうか?
ああ、そんな事を考えちゃダメダメ。最近の私はオカシイ。オカシイんだ。
ガマンしなきゃ……。
またやってしまった。朝起きたら枕元がどす黒く染まっている。
寝ている間に腕をかじってしまったのだ。
こうなってもいいように私はお小遣いでシーツや枕をたくさん買って隠している。
またこっそりコインランドリーに行かなきゃ……。
ママに気づかれる前に素早く隠して何食わぬカオでリビングへ向かう。
おはよう、ヒミコ。やさしい笑顔でママが話しかけてくる。
私の方に手が向けられたが、すぐに引っ込む。触れると危ないらしいと聞いたことがある。
受験が終わったからって気を抜くなよ。言葉少なにパパが話しかけてくる。
パパは自分の歯を見せるのを嫌がる。“個性”が口に関するものらしいが詳しくは知らない。
パパもママも自分の“個性”を嫌っている。見せようとしないし、教えてくれない。
私はこの二人のことをなんにも知らない。私を『普通』にしたがること以外は。
毎日を『贋物』の私で過ごす。したくない笑顔。言えない言葉。我慢して過ごす。
我慢。我慢。我慢。我慢。小さい頃からずーっと我慢している。
だってそうしないと可愛くないって
人間じゃないって、
お前なんか私たちの子供じゃないって、被身子を返せって、
思い出したくない記憶。消えない痛み。癒えない傷。
最初はスズメだった。お庭に横たわって死にかけていた。
カァイイなって思って、ちうちうした。
すっごく気持ちよかったから、パパとママにも教えてあげようと思った。
とってもとっても、怒られた。その日からすっごく怒られるようになった。
笑うな、と言われた。その笑顔をやめろと言われた。何が変わったのか、分からない。
おんなじだよ。かわってないよ。おこらないで……。おんなじだよ……。
イジョウシャだ、と言われた。その時は意味が分からなかったから、分からないと言った。
どういういみなの? おしえて。いままではおしえてくれたのに。おしえて……。
お友だちが怪我をしてたから、我慢できなくなってちうちうした。
ちがうよ、けがさせてないよ。そんなことしちゃ、だめなんだよ。うそじゃないよ……。
どうしてこんなことにって、泣いているママ。ママは一度も私を撫でてくれたことがない。
あ~、あ~! とうめき声を上げるパパ。歯をぎりぎりと噛み締めていてこわい。
壁に力なく寄りかかるママは死体みたいで、 頭を抱えて唸るパパは怪物みたいだった。
もうあんなのは見たくない。だから蓋をした。そうしたらパパとママは優しくなった。
パパとママの言うとおりにしたら、上手くいくんだ。
あの日以来パパとママはずっと優しかった。
ぶるぶると震えて布団にうずくまっていたらいつの間にか眠っていた。
起きたら二人とも何事もなかったかのように振る舞ってて、それが怖かった。
まるであの日を境に別人になってしまったみたいだった。
おはようございます、と私は言ったと思う。テレビで見た挨拶。丁寧な言い方。
たぶんその日からずっと、敬語で過ごしている。
ちうちうするのを我慢します。
パパもママも何でも買ってくれます。
わがままを何でも聞いてくれます。
行きたいところにはどこでも連れて行ってくれます。
でも私が気を抜いて笑うと、コワイ顔になるんです。
私の笑顔はそんなにキモチワルイんでしょうか。
異常者の笑顔なんでしょうか……。
二人はきっと私を愛しています。
頑張って『普通』になった私を愛していると思います。
これじゃない。こんなのじゃない。ほしいのはそれじゃない。
そんなの私じゃない。本当の私を見て。
ちがう、見ないで。『本当の私』がまだいるってバレたら。
パパとママが愛しているのが『贋物の私』だってバレたら。
こんなの被身子じゃないって、
歯を見せるのを我慢しているパパ。
他人に触れるのを我慢しているママ。
二人みたいに『普通』になるためには、私も我慢しないといけません。
私がちゃんと『普通』になれたら、パパは笑ってくれますか?
私がちゃんと『普通』になれたら、ママは撫でてくれますか?
「酷いことを言ったわ」
憔悴しきった顔で女は言った。
「ああ、言ってはいけない言葉をぶつけてしまった」
後悔と苦悩にまみれた顔で男は言った。
「どうしたら、どうすれば」
「わからない。どうしたらいいんだ……」
親とは子供が生まれたらなれるというような簡単なものではない。
日々の関わりの中で子供が『親にしてくれる』ものである。
子育てに正解はない。完璧な人間はいない、と言い換えても良い。
間違わない事は不可能なのだ。なぜならば答えはその時によって変わるから。
正解を導き出す『公式』など存在しない。
「可哀想に、泣きつかれて眠ってしまったわ」
愛情がないわけではない。彼女の“個性”である『吸精』は掌で触れた相手の生命力を奪う。
彼女は衝動的に他者に触りたくなることをいつも我慢している。
「夢だったと思ってくれないだろうか……」
情けない言葉。彼の“個性”である『咬断』は何でも噛みちぎれる。
彼は衝動的になにかに噛みつきたくなってしまうのをいつも我慢している。
「小さい頃の記憶って曖昧だし、忘れてくれたりするかも……?」
これは敗北であった。『親』としての決定的な挫折。衝動に負け愛する娘を傷つけた完全敗北。
「俺達は忘れてはならない。でも、被身子が覚えていても良いことはないと思う」
これは逃避であった。彼らは『ヒーロー』ではない。弱くて情けない『普通の人々』だ。
「……普通に振る舞いましょう。きっとあの子も我慢できるはずよ。私たちの子だもの」
「ああ、そうしよう。きっと時間が解決してくれる……俺達のように」
この二人にとってはそうだった。抗えぬ己の衝動。それを抑え込んで生きてきた。
親に『矯正』され、『普通』になり、同じような苦しみを抱える相手と出会い、愛し合った。
愛する娘もそうなって欲しいと、未熟ながらに、間違いながらも、想っていた。
それだけしか、縋れるものがなかった。
だから、こうなった。
中学校の卒業式。とってもユウウツです。大好きな斉藤くんと会えなくなっちゃいます。
中学校の卒業……『義務教育』の終わりです。私を育てる『義務』はもうなくなっちゃう。
もし『本当の私』がまだ居るってバレたら、捨てられちゃいます。
パパもママも『普通』だから『異常』な私でも『義務教育』の間は育ててくれるはずです。
でもこれからはそうじゃない……。バレたらきっとすぐに家を追い出されちゃう……。
このまま『普通』に高校に入学して『普通』に大学に進学して『普通』に就職して。
いつまで私は我慢すれば良いんでしょう。
あとどれくらい我慢すれば『普通』になれるんでしょう。
その先に一体何があるんでしょう。私の『好き』はいつまで隠せば良いんでしょうか……?
ぼんやりと過ごしていると式は終わっていました。
教室で飲み物やお菓子を持ち寄ってパーティーが始まります。
お友だちはみんな泣いたり笑ったりしています。きっと私とは違う悲しみと笑顔です。
私がいつものように『贋物の笑顔』を振りまくと、みんな笑ってくれました。
私だけが贋物。生きにくい。苦しい。
飲み終わった使い捨てのコップをカッターで切り刻む感触がキモチイイ。
なんとなくストローを噛み噛みしているとみんなが子供みたいだねと笑いました。
私は恥ずかしくて真っ赤になりましたが、嫌な気持ちではありませんでした。
ちょっとだけ、ちょっとだけ楽しいです。その瞬間だけは、嘘の私じゃなかったから。
■■ちゃんが私をこっそり手招きして呼んでいます。何の用でしょうか?
斉藤くんが私を呼んでる……?
胸がドキドキします。これってもしかして……もしかする……ってコト!?
「渡我さん! 来てくれたんだね!」
卒業式が終わりそれなりに時間が経って人気のなくなった廊下。
ソワソワと待っていた地味めだがイケメンな男子生徒。
正義感が強くて優しくて、皆の人気者の斉藤くんだ。
「はい。斉藤くんが呼んでくれるならいつでもどこでも行きますよ」
本心だった。いつも周りに沢山の人が居る二人は、あまり一緒に行動したことがない。
しかし二人の間にはたしかに絆があった。
「えっ!? あのその、ありがとう。えーっと、今日は卒業式だったね」
「ええ、そうですね。斉藤くんと気軽に会えるのもこれが最後でしょうか? 高校は別ですし」
斉藤くんは文武両道なので結構ハイレベルな学校のヒーロー科に受かっている。
制服が可愛いだけが取り柄の渡我被身子の進学先とは違う。
「そんなこと言わずに、連絡とかしてくれていいから! 困ったことがあれば何でも言ってね!」
「ふふ、ありがとうございます。斉藤くんはいつも人助けをしていてカッコイイですね」
渡我被身子が彼を好きになったきっかけも人助けだ。
「! あ、ありがとう……これでも一応ヒーロー志望だからね!」
照れくさそうに笑う。そんな姿もカァイイと、渡我被身子は思った。
「覚えていますか? 以前私が他校の不良に絡まれている時に救けてくれたことを」
去年の夏、ガラの悪い不良に絡まれていた渡我被身子を救けてくれたのが彼だ。
ボロボロになって、血だらけになって渡我被身子の前に立ちふさがり庇い続けた。
「……全然頼りにならずボコボコに殴られただけだったやつね……今はちゃんと鍛えたから!」
「勝てなくても、傷だらけになって頑張る姿は本当に素敵でしたよ!」
彼は渡我被身子を守りきった。どれほど殴られても蹴られても怯まず諦めなかった。
渡我被身子の心からの言葉に、彼は何かを決意した表情をして、彼女を見つめた。
「……あの、渡我さん! 僕! 渡我さんのことが好きなんだ!」
「……えっ!? ほ、本当ですか!?」
渡我被身子の胸がドキドキを通り越してバクバクと高鳴る。まさかの両片思いだ。
そうだったら良いなと妄想はしていたが、本当にそうだとは思わなかった。
「うん! 体鍛え始めたのも君にカッコ悪いところ見せたくないって思ったからだし……」
「そ、そんな……別にそんな事しなくても……私のどこが好きなんですか……?」
顔を真っ赤にして尋ねる。まさに恋する女の子、という感じで微笑ましい光景である。
渡我被身子は思う。もしかして、もしかして、彼なら『本当の私』を……。
「いつも皆に親切で、優しい君が……」
まっすぐな目。何も疑うことのない澄んだ瞳。
「君の『笑顔』が、とっても素敵だなって思うんだ」
ぱきぱきと、仮面が砕けていく。
きちきちと、カッターナイフのストッパーが音を立てた。
ぽろぽろと、破片が落ちる。
ざくざくと、首筋を斬りつける。
ぐいぐいと、ストローが差し込まれる。
真っ赤な血。すき。すき。すき。すき。
チウチウ。ポロポロ。ぽたぽた。
涙と一緒に大切な、あるいはもう要らない何かが身体から抜けていく。
スッキリしたのか、それともからっぽになったのか。
もう分からない。何も分からない。分からないふりをする。
今日は卒業式。
『普通』の卒業式。
この日、この時、この場所で。
『渡我被身子』は死んで、『トガヒミコ』が生まれた。
独自設定とか
・まぁ独自設定だらけなんだけど:何があったんでしょうねえ。
・■■ちゃん:ケモミミの女の子。トガちゃんのことが大好き。高校でも仲良くしてね!
・トガちゃんの進学先:制服の可愛さだけで選んだぎりぎり入れそうな高校。
・寝起きトガちゃん夢●みてぇ:なんてこと言うんだ!
・コインランドリー:毒親は気づかないふりをしている。
・毒親:毒親の親も毒親なことが多い。
・トガパパ:
・トガママ:
・我慢:〝個性〟は世代を経るごとに強力になる。
・毒親視点:言い過ぎたけど、分かってくれたんだ。我慢できて偉いね、何でも言ってね。
・斉藤くん:デクっぽい人なのでデクっぽくした。
・両片思い:発情して斬りつけただけなんて堀越先生はしないと思ったなどと供述しており。
神野(仮)で活躍するのは誰だと思いますか?※展開は変わらないけど描写が増えると思います。
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やっぱオールマイトでしょ!
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いいやメスガキだね!
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弔ェ!お前が新たなる象徴だ!
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え……エンデヴァーッ!
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クソ忙しいホークスを更に酷使していく!
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いぶし銀!塚内くん!
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誰得だよ!おばさん会長!
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実務経験!ベストジーニスト!
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神野のOL!珠葦萌胡ッ!
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ネイティブさん!?