こんにちは。リイシャです。ご機嫌です。いやーへへへ。話がね通じたんすよ。やっとこさ人間と話が!
それで面白い話が聞けたんすよ。どうやら自分が居るここは、そこそこ地下の可能性が高いらしい。
ルカっていう人曰く、ここの入り口から地下5階位までは床も壁も金属で出来ていて、土なんて無かったみたい。
恐らくあの子と出会ったのはここよりも更に地下らしくて、どうやって上まで来たのか聞かれたけど匂いが違う方に歩いていたと伝えたかったのに、それが表現できなくて大変困りました。こなみ。
あ、意思疎通は尻尾を上げる下げる横にするで今の所話してる。上げるは了承だったり、それな!だったりポジティブな感じ。下げるは否定だったり、ちゃうやんだったりネガティブな感じ。横は分からんって事にした。
それで今色々聞かれたぜ〜。みじか〜い人生で得た知識を披露してやったよ。え!?俺にそれ聞くん!?みたいなことも聞かれたからズッ友だよ♡コンゴトモヨロシク……。
つかアケーディアってなんすか?
ま話を変えよう、今は蜘蛛が居たらしいフロアに移動したぜ!そう。階段を1段登ったってワケ。1段しか登ってなかったらフロア変わってないな?全部の段登った。
この部屋変なんです……。俺がずっと居た所は暗くて狭いジメジメした洞窟だったんだけど。ここはもう森!
見渡す限りの広葉樹林!と変な木!なんか如何にもきのこみたいなのが生えてる!
天井っぽいのが見えるから、ここも一応洞窟の中なのかもしれない。でもな〜めっちゃ光あるし風あるし訳分からん。
森の木は脆いらしくて、俺の針で穴が空けれた。これで迷子にならないね♡なんで引いてるんすかこの三人は?
話戻るけど、俺が目覚めてからこれまでウロチョロしてた計25階位を『虫穴』と呼称するよ。で、今いる所を『穴森』と呼ぶよ。
つまり1〜5階『遺跡』?階が『穴森』それ以降がn+25階の『虫穴』ね。
穴を開けながら歩いてる途中で、変なもんも見つけた。穴を開けるとめっちゃ水が出てくる木。こえーから俺離れたら3人がそれ飲み始めた。ウッソだろ。めっちゃ声出して怒ったら飲むの止めたけど多分通じてないよな。
煮沸消毒の必要性は通じると思い、火の絵と水の絵を地面に書いて説明しようとしたけど、首傾げられた。この木は大丈夫との事だけど、どんな根拠で大丈夫なんですかね……?もしかしてこの世界の人間って毒耐性高い?
それからもチョロチョロ歩き続けてると、限界が来たのかリトリーちゃんが座り込んだ。もう無理らしい。
今日は野宿だと思ったら、ルカくんが推定マジックボックスからテントを取り出し設営を始めてビックリ。スゲーテキパキしてたぜ。
それ見てる間に筋肉男ユードリックは猪みたいなのを1匹捕まえてきてて捌いてた。もしかして俺いらない子っすか?拗ねたもんね。
猪みたいなのちょっと食べたら機嫌治った。もうちょっとこの猪食べない?取ってこようか?
そんなこんなでテントの外で就寝。
パキリと枝が折れる音で目が覚めると、猿みたいな何かが居た。尻尾がかなり太くて蛇っぽかった。
俺が動くと猿みたいなのが驚いて隙だらけだったんで、必殺仕事人みたいに刺したら簡単にポックリいきました。
あとやっぱり尻尾は蛇だった。確か鵺ってのがそんな姿だったような……。
あれ?これもしかして俺って強いんじゃないすか!?と頭に乗ったら最後。アイツラに消される。猿が油断してただけ、油断してただけだぞ。俺はアイツラとは戦いたくないもんね。勝てる見込み無いっすもん。
んまそんな形で夜?を過ごして分かったこと!この森会敵するのが少ないみたい。虫穴ごっつ会敵したんすけど……。
レベル上げには虫穴オススメッスよ。
朝ごはんに昨日の残りの猪食べてテント片付けたら出発進行でしてよ。
何でしょう?はい?この先が件の蜘蛛の巣?自分凸っていいですか?蜘蛛がなんぼのもんじゃいオラァ!ユードリックの仇は取ってやるからな!
うーん。なんか蜘蛛小さくない?子蜘蛛?
なんかやだな。
★
「えー。君ってリイシャとかロル以外で話すことって出来るの?」
カブトワームのリイシャは尻尾を振り、否定の意を示す。
強く感じられる知性にルカは冷や汗をかく。
「これまでの話、聞いてたの?」
「Li」
天を突く尻尾のジェスチャーと、その返事は肯定的であった。その返事を聞いてルカは後悔を重ねる。
妖精種のピクシーもリイシャと同じように、発音は出来ないが知識があり、手話や筆記による意思疎通が可能であるからだ。
「……そうか。助けてくれたのに失礼なことをしました。ごめんなさい」
「Syai」
下げられた尻尾のジェスチャーと返事は否定的に感じられた。気にするなとでも言いたげな態度を三人は感じたことだろう。
「聞きたいことが幾つもあるんだ。聞いていいかい?」
「Li」
「その前に意思疎通の確認をしよう。Liがはいや肯定でSyaiがいいえや否定を表したりしてる?その通りなら尻尾を上げて貰ってもいいかな」
リイシャは尾を上げる。
「じゃあ、質問を始めるね。君は人を襲うの?」
「sya……Li」
「それは何か事情があって襲ったの?」
「Li」
「人を食べたり寄生したいとか思う?」
「Syai」
「僕達が困ってたから蜘蛛の糸をくれたの?」
「Li」
「そっか……ありがとう」
「君はこのダンジョンの主なの?」
「lol」
「ロル?分からないとかそういう意味?」
「Li」
「君はヒトなの?」
「Li……lol」
「君はカブトワームなの?」
「LIISHAAAAAA!!!」
これまでの静かな反応ではない確かな激怒の声。ルカはそれが侮辱と理解しながらも質問した。
「そっか。君は人間なんだね」
「……LOL」
「このバカ!」
リトリー怒りの拳骨がルカの頭を殴打する。魔導使いとは思えぬ高威力にルカは目を白黒させた。
「ごめんなさい。この子が酷いことを言いました」
そういい頭を掴み地面を舐めさせた。土下座である。ユードリックも空気を読んだのか土下座をした。
「syai」
ルカの意識が戻り再謝罪が行われ、会話が再開した。
「あー、そのだ。君は出口を知ってたりするか?」
ユードリックの質問にリイシャは否定を示すしかなかった。
「そうか、じゃあ君は何処から来たんだ?この洞窟も広いのか?」
その答えと言わんばかりにリイシャは針を地面に突き刺した。
「それってこの下から来たでいいの?教えて、この下は何階あったの!?」
「Li……」
リトリーの問いに、リイシャは悩みながら地面に記号を描く。それは正の文字であったが彼らにはそれで伝わった。
「ここより下が25階……!?じゃあこのダンジョン最低でもA+クラスよ……!?」
「しかも
驚くリトリーに冷静なルカのひと言にパーティの指針は確定する。
「「私(僕)達がアケーディア化する前に、帰還を目指す」」
その言葉にユードリックは無言で頷き、ルカは考えていた提案を口にする。
「ねぇ、リイシャ君。外に出たくはないかい?外に出るまで助けてくれないか?」
リイシャにとってその言葉は、待ち続けた救いの道であった。
自分を人として見て、外へ導こうとする彼らの存在は、まさに天から伸びる蜘蛛の糸。彼が人で無くなってから欲しがっていた最上の言葉。
「Lisya……」
人の言葉も話せず、親を殺し、ただフラフラと人の残滓を追いかけて来た。
戦いの最中に彼女が落とした革袋も壊され、彼の唯一の慰みも消えていた。端的に言うと彼の精神は『アケーディア化』寸前だった。
リイシャは歓喜した。涙腺があれば咽び泣き、動けなくなっていただろう。
その身体故に、彼は前を向けた。
「Li!」
★
創造神セブンを神とする宗教団体が存在する。
その中に
それこそがラクナ。創造神の奇跡そのものと言える生きた
「ここがリイシャダンジョンですか」
聖神は真っ白なローブに、半透明の顔全体を覆うフェイスベールといった神秘的な出で立ちで其処に立っていた。
そして特徴的と言えば緑色の肌に低い背丈、その身体に釣り合わぬ豊満なバスト。俗に言えばロリ巨乳と言える。
「ナナリー様、ムカデ様、どうか御加護を……」
ゴブリンの彼女は親しい仲である二柱に祈りを捧げると、ダンジョンの遺跡部へ突入した。
遺跡と呼ばれているが、その姿は見るものが見ればこう呼ぶものだ。「まるで研究所か病院のよう」と。
「エリキサの印……こんな僻地にまで」
歯車とビーカーで彫られた印は不気味に血に染められている。彼女は静かに歩を進め、周りを見渡した。
「これはコンピューター……もう動かないのですね。何か紙の書類は残ってないのでしょうか」
別の場所を探索するがモンスターやクリーチャーが存在せず、靴の音だけが響く。
遺跡内に各所に掲示された、今ではほぼ絶滅した記録言語を読み取り彼女は扉を破壊し「研究室」へ入った。
「あまりにも綺麗ですね。まるでシルキーが掃除しているみたいです……あら?このファイルは……
「地下に……まだいらっしゃるのですね」
彼女は書類を一瞥し
それにより各種論文や技術書が失われることになる。
『アケーディア化予防措置』
『アケーディア化した人間の再利用手順』
『安定した血清確保の為、アケーディア化した人間を母胎とする生物の創造 その1』
『生体電池の転用について』
『クリーチャー化したカブトガニのメリットについて』
『
彼女は歩を早め、この施設の地下へと向かう。
だが、そう簡単に進めるわけではない。
「オオ……オんナ……?」
そう呟くのは筋肉質かつゾンビのようなヒト種らしき何かである。
「オんナ?」「おンな」「ナオン」「ォな」「ろRe:」「デカ」「ママ」「おぎャア」
クリーチャー名、ヒトモドキ。
それはギルドにも報告が上がっていなかった不死の怪物。それらが神の気配により活動を開始してしまった。
殺し、犯し、罪を刻み陥れる、ヒト種の大罪の塊のようなクリーチャーに
「何故研究所に侵略兵器が……はぁ、仕方ありません」
彼女はどこからかとても大きな鎖鎌を取り出す。
ひと目見ただけでそのおかしさは理解できる。その身体では振るう事が出来ないと思えるほどの長さ。更に鎖の長さも加わり彼女とのアンバランスさに拍車をかけた。
「私、生涯
一礼し鎖鎌を振った。
「ヒトヅマ」「ネトRa:レ」「びSs」「ろRe:ママ」「でか」「ィたい」「いだい」「イダイ!」
一度だけ振られた鎌が、何度も斬撃を起こす。ホコリが舞い目に見える形になると、それは理解できる。
「
斬撃で出来た極小の竜巻が、ヒトモドキをミキサーにかけるように破壊していく。
「おーぼーきるとナナリー様は言うでしょうね……申し訳ございません皆様方、天で安らかにお眠りを」
圧倒的な暴力がリイシャ達に出会うまで、残り1日。
ラクナのちょっとしたプロフィール
好きなもの 子どもの笑顔。ムカデ。ナナリー。
嫌いなもの とある悪魔族。クリーチャー全般。
146cm 40kg 元々ゴブリン顔だったけど色々あってヒト寄りの顔になった。
ゴブリンについての説明
この世界においてのゴブリンは子供好きで掃除好きで少しイタズラ好きな善よりの妖精。
イタズラと言ってもホコリの被ったものを動かしたりする程度。メイドやバトラーには掃除箇所が見つかるため、逆に喜ばれているが、ゴブリンは凄いイタズラをしたという気持ちでいっぱいである。
炭鉱や教会墓地、また大家族がいる家等に現れ、炭鉱では宝石の場所を教え、墓地ではその土地を守り祈りを捧げ、家では掃除や子供の躾を手伝う少し醜いだけの優しい生き物。
何処からか捨て子を拾い育てる事が有るため神の眷属ではないかと考えられている。
2/3 辻褄合わせした