トリップした先は、男女平等な世界でした。   作:亜豆

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二話です。

今回は説明ばかりになる予定。





※改変しました


二話 異世界の情勢

 

 

「……で、気づいたらあの鳥かごの中にいました」

 

 

一気に喋ったから喉が痛い。

あれから異世界に来てしまった事に気付いた俺のパニック状態が収まるのを待っていてくれた二人にここに来るまでの経緯を話した俺は、ようやく話に区切りがつき、千秋(敬語はいらないって言われた)が淹れてくれた緑茶を一口飲んだ。……程よい濁りと苦味がお茶を際立てている、ものすごく美味い緑茶だった。

因みに今、俺の話を聞いた束さんがISらしきものを呼び出して不気味な高笑いをし、それを千秋が鉄拳下して止めている、という光景が広がっている。デジャヴ?同感だ。

それより、すごい勢いで部屋が壊れていくんだが……まぁ異世界でも束さんだし、すぐ直しちまうか。

 

 

「悪いね、一夏くん。こいつ、千冬ちゃんやほーきちゃんやいっちゃんの事になるとタガ外れちまうからさ」

 

「いや、大丈夫。見慣れてるよ」

 

「あ、そっちの束ちゃんも同じなの?」

 

「……まぁ、似たようなもの、だな」

 

「ふーん。……あ、束ちゃんも戻ってきたし、今度は俺達が話す番だな」

 

「はいはーい!それなら束さんにお任せあれー!」

 

 

いつの間にか時計兎からスーツと白衣に着替えていた束さんが、ノリノリで教鞭でホワイトボードを叩く。

……なんかすごい新鮮だ。ウサ耳はそのままだけど。

 

そして、長い説明が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、これで終わりだよ。いっくん、理解できたかな?」

 

「……な、何とか…………」

 

 

長かった。脱線した二時間を含めて凡そ四時間。束さんは途切れることなく話し続けてるし、千秋は束さんの話を俺にも分かりやすく話し変えてくれて助かった。

 

まず驚いたのは、ISが男女問わず使えることだった。

絶句してしまった俺に、束さんと千秋がかけてくれた言葉にも、別の意味で驚いた。

だって「そもそも女にしか使えないなんて欠陥機もいいところじゃん。束さんは完璧にして十全のものしか作らないんだよ〜。というかさぁ、そっちの束さん、頭大丈夫?」だったんだぜ。……束さんがまともなこと言ってるってことにも更に驚かされた。

話は横に逸れるが、後に白騎士事件と呼ばれた、世界中に散らばる二千発以上のミサイルをぶった斬り各国の既存兵器を悉く無効化した一機のISによる事件。これは学会に認められなかった束さんが起こしたのではないか、というのは実は有名な話である。

 

閑話休題。

 

次に驚いたのは、その白騎士事件すら無かったことだった。

ならどうやってISを認めさせたかというと、簡単な話だった。束さんは千冬姉と一緒に四年間ずっと学会に訴えていたらしい。それも、その傍らで様々な功績を挙げたり人脈を作ったりしながら。

それが認められ、実際に宇宙に行ったのが六年前とのことだった。

今はIS学園も建てられ、やはりその戦闘力に目を付けられ軍事利用されてはいるものの、宇宙進出も少しずつ始まっているとのことだった。

 

 

「んっふっふっふっふ、実はねいっくん。ここ、IS学園なのだよ‼︎」

 

「………………ええぇえぇ⁈」

 

「ま、正しくは“IS学園敷地内にある国際研究所の屋上にブッ刺さってる超弩級ニンジン型研究所”だけど」

 

 

勿論、束ちゃんと俺以外は入れません。

 

そう束さんの言葉を引き継いで千秋は笑った。

 

やはりISを発表し第一回モンド・グロッソが終わった直後、束さんは様々な国から身柄を狙われたらしい。

それが家族にまで及び、怒り狂った束さんが日本政府に掛け合い(と言う名の脅迫)をし、家族を纏めて保護してもらうのと引き換えにIS学園で研究者兼整備科の教師をしている……とのことだった。先ほどのスーツに白衣はその時の姿だとか。

束さんが教師。なんか……世界が変われば束さんも違うんだなぁ。

因みに篠ノ之一家は束さんお手製の無人IS20機(ステルス機能搭載)で守っているみたいだ。

 

だからこの世界では篠ノ之一家は離散しておらず、箒もとても落ち着いた性格をしているんだとか。

 

最後に驚いたのは、その箒と俺の性別が入れ替わっていることだった。

つまり、箒が男で俺が女。しかも、二人は付き合っているらしい。

写真を見せてもらったが、箒は変わらず長い髪をポニーテールにしていて、俺は身長が縮んで全体的に女体らしくなっていた。あ、顔は一緒だった。

ただ、箒は男前な顔つきをしていて…………なんというか、すごい穏やかな笑みを浮かべていた。

 

 

「さてと。これで粗方事情交換は終わったかね」

 

「そーだね。じゃあいっくん。いっくんのこれからなんだけど………ここに住んでみない?」

 

「三食昼寝寝床付き。引きこもりが嫌だったら、いっちゃん達がいる学校に行かせてやるし、さ」

 

 

2人が俺に手を差し伸べてくる。

……そもそもこの世界で生きていくには、2人の手を取るしかないのにな。

 

 

 

「……よろしくお願いします、束さん。千秋」

 

 

 

しばらくこの世界で生活していくんだ。

……千冬姉のことは気がかりだけど、今はこの世界のことを学んでいかなきゃいけないよな。

 

 

 

「じゃあ早速、この部屋の修理しよっか」

 

 

 

待て、それは俺も手伝わなきゃダメなのか⁉︎

 

 

 

 

 

 

 

 




相変わらずの尻切れトンボです。

作者的には白騎士事件が起こった原因は束の癇癪だと思っています。
認められなかったから、認めさせてやる。みたいな子どもの癇癪……に近いのかな?

ですが、この世界の束さんは親とも箒とも上手く行っている、いわばIFの束さんです。
だから学会に認められなくても様々な分野で実績を残して認めさせる、という方法を取りました。

話には書けませんでしたが、箒も一夏と引き離されなかった、また早い段階で一夏と恋仲になった為、とても穏やかで魅力的な剣道少年となっています。勿論、不埒な者には竹刀が飛びますが、間違っても照れ隠しに竹刀は飛びません。

因みに一夏は篠ノ之家に居候中です。


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