レアネリア戦記(書きかけ、チラ裏、AI利用)   作:湯木一栄

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思春期のルジェの中には、二つの波がある。一つは雌性の波。月の周期に沿って安定して流れる波。もう一つは雄性の波。制御できず、不定期に燃え上がり、そして沈み込む波……。


第11話 裏切る肉体Ⅱ

 その日の夕暮れ。厳しい訓練を終え、道具を片付けている最中だった。

 ふと、隣で汗を拭うロサのうなじが目に入った。

 ほつれた黒髪。白く濡れた肌。そこから立ち上る、汗と革と、そして微かな「日向の匂い」のような、ロサ特有の体臭。

 

 その瞬間、ルジェの中の「雄の衝動」が、理性の堤防を決壊させた。

 

「……ルジェさま?」

 ロサが振り返るより早く、ルジェは背後から彼女を抱きすくめていた。

 

「ル、ルジェさま!?」

 

 ロサが驚いて身を固くする。

 当然だ。主君が従者に、こんな場所で抱きつくなどありえない。

 だが、ルジェは腕の力を緩めなかった。むしろ、しがみつくようにロサの首筋に顔を埋め、その匂いを肺いっぱいに吸い込んだ。

 

「……すまない。少しだけ」

 

 声は震えていた。

 ロサは、それを「日々の疲れや心細さからの甘え」だと解釈したのだろう。彼女は抵抗をやめ、困惑しながらも、少し照れたように身体を預けてくれた。

「……はい。私でよければ、いくらでも」

 

 その献身が、ルジェには痛かった。

 違う。僕は君に甘えているんじゃない。

 僕は今、君を「雌」として嗅いでいる。この柔らかい乳房の感触と、君の匂いを脳裏に焼き付けて、後で「使う」ためにデータを集めているんだ。

 

 ルジェは獣のような呼吸音をひた隠しにし、限界までその匂いを貪ってから、パッと身体を離した。

 

「……ありがとう。落ち着いた」

 嘘だった。股間は痛いほどに張り詰めていた。

 ルジェは赤面するロサから逃げるように、「先に上がる」と告げて納屋の影へと駆け込んだ。

 

 ***

 

 暗がりの中。

 ルジェはズボンを引き下ろし、荒い息を吐きながら自涜に耽っていた。

 

(ロサ。ロサ……)

 

 鼻腔には、まだ彼女の匂いが残っている。

 腕には、彼女の柔らかい肉の感触が残っている。

 それを燃料にして、ルジェは指を動かした。

 

 これは冒涜だ。

 僕を守るために剣を振るってくれる彼女を、脳内で犯し、汚している。

 だが、その背徳感がたまらなく興奮を煽った。

 

「っ、くぅ……!」

 

 従順なロサ。驚くロサ。そして、僕の下で乱れるロサ。

 現実の彼女の信頼を裏切るように、ルジェは妄想の中で彼女を貪り尽くし、やがて欲望を地面に吐き出した。

 果てた瞬間、ルジェは膝をつき、しばらく動けなかった。

 地面に染み込むシミが、自分の魂の汚れのように見えた。

 

 ***

 

 翌朝。

 ルジェが目覚めると、昨夜の嵐のような性欲は嘘のように引いていた。

 「白の波」も「赤の波」も凪いだ、平常運転の朝。

 

 だからこそ、地獄だった。

 冷静な頭で、昨夜の自分の行いを反芻させられるからだ。

 

「おはようございます、ルジェさま」

 

 朝の水汲み場で、ロサがいつも通りに挨拶をしてきた。

 だが、その頬はわずかに朱に染まり、昨夜の抱擁を思い出して恥じらっている様子が見て取れる。彼女はあれを、信頼の証だと思っているのだ。

 

「……ああ。おはよう」

 

 ルジェは、ロサの目を見ることができなかった。

 吐き気がした。

 あんなに純粋な信頼を寄せてくれる少女に対して、自分は昨日、獣のような欲情をぶつけ、影で自慰の道具にしたのだ。

 

(僕は……なんてことを)

 

 自分は、平原の豚のような領主たちと同じだ。

 立場の弱い者を力でねじ伏せ、搾取し、自分の欲望を満たすだけの獣だ。

 「王族だから」「高貴だから」というメッキの下にあるのは、制御の効かない性欲と、身内さえ汚す卑しさだけではないか?

 

「ルジェさま? 顔色が悪いですが……」

「触るなッ!」

 

 心配して手を伸ばしたロサを、ルジェは反射的に怒鳴りつけて拒絶してしまった。

 ロサが傷ついた顔をする。

 それを見て、ルジェの自己嫌悪はさらに深まる。

 

「……すまない。頭痛がするんだ。……一人にしてくれ」

 

 ルジェは逃げ出した。

 この平常心に戻った朝の冷徹な光こそが、ルジェにとってはどんな闇夜よりも残酷な断罪だった。




セクシーすぎないかな。R15でおさまるといいけど
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