機竜戦騎Dragon&Dragoon 〜序盤で倒される悪役に転生したが、主人公達が弱すぎる!?〜 作:兵庫人
「来なさい! 『紫電竜レイ・ラスター』!」
タツミが召喚したのは、頭部が機械の西洋のドラゴンのような外見をしたモンスターであった。そしてモンスターを召喚したタツミは、紫色のドレスとボディアーマーを一つにしたようなパワードスーツ姿に変身していて、大きく跳躍するとレイ・ラスターの背中に着地した。
(やっぱり召喚するモンスターはレイ・ラスターか……)
ゲームに登場する紫宝院タツミもレイ・ラスターをリーダーモンスターとしており、レイ・ラスターの姿を見た栄人は内心で呟く。
(レイ・ラスターは味方の時は頼りになったけど、敵になると……ん?)
栄人が前世でゲームのドラグーン・アカデミーを遊んでいた時の、レイ・ラスターに関する情報を思い出そうとした時、栄人は急に嫌な予感を覚えた。
何かとても大切なことを忘れている気がする。
紫宝院タツミとは絶対に戦ってはいけない。
そんな予感を感じた栄人が嫌な予感の正体に気を取られていると、その隙を突くような形でタツミが先手を取って行動する。
「私から行くわよ! レイ・ラスター! 特殊能力発動! 『
「っ!?」
タツミがレイ・ラスターの特殊能力の発動を宣言すると、栄人の左手の装甲が展開して内蔵されていた五枚のカードが現れ、それと同時にタツミの前に五枚のカードの幻が現れた。
ゲームのドラグーン・アカデミーを遊んだプレイヤーの多くは紫宝院タツミを協力バトルのパートナーに選んでいるが、その理由はバトルに勝てば簡単に好感度を上げられるだけではなく、彼女が使う紫電竜シリーズの特殊能力も大きく関係している。
タツミが使う紫電竜シリーズのモンスターは、エナジーを一ポイント使用する事で相手の手札を確認する特殊能力「パルスフィールド」を共通して持っており、更には条件が揃えば相手の手札を捨てさせる特殊能力を持っていた。ゲームではタツミの紫電竜の特殊能力で相手の手札を確認して、危険なカードを捨てさせることで助けられたというプレイヤーも少なくなかった。
しかし味方の時は心強い存在は、敵に回ればこの上なく厄介になるもの。ゲームでは頼りになっていたタツミのモンスターの特殊能力が、今まさに栄人に牙を剥こうとしていた。
(分かっていたけど、やっぱり手札を見られて対策を考えられるのは良い気分がしないな……て? 手札を見られる? ………しまった!)
タツミに自分の手札を見られて心の中で愚痴をこぼしていた栄人は、そこでようやく自分の失態を、タツミとは何としてでも戦いを避けるべき理由に気づき、思わず叫び出しそうになった。そして栄人がそうしている間にもタツミは彼の手札を見て分析しようとしていた。
(ふぅん? これが十輪寺君の手札……五枚のうち四枚がモンスターカードで一枚がアイテムカード。四枚のモンスターカードは全て泳炎竜シリーズで、どれも破壊されたらライフポイントにダメージを与える特殊能力持ちっと……。全く、十輪寺君ったらこんな強力なモンスターカードをどうやって集めたのかしら? それでアイテムカードは『泳炎竜の故郷』でその効果は……………え?)
タツミは自分の前に現れた五枚のカードの幻、栄人の手札を見て凍りついたかのように動きを止まった。
タツミの視線の先にあるのは栄人が持つアイテムカード「泳炎竜の故郷」……正確にはそこに書かれている特殊効果の説明文。前世で栄人が使っていた時の「泳炎竜の故郷」の説明文には無かった、この世界で書き足された一文を彼女は震える声で読み上げる。
「『異世界、あるいは現実世界に転移する』? これって……ゲートカード?」
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