機竜戦騎Dragon&Dragoon 〜序盤で倒される悪役に転生したが、主人公達が弱すぎる!?〜   作:兵庫人

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第35話

 こうして客観的に見るとヒカル達の実力はやはりかなり低く感じられ、これからそう遠くない未来に召龍学園で起こる事件を解決できるとは到底思えず、気が遠くなりそうだったが栄人だが何とか気を取り直すことに成功した。

 

「……と、とりあえず、今はヒカル達の援護をしないと……ん?」

 

 栄人はストロッグと戦いを繰り広げているヒカルとミサキに助太刀をしようとしたのだが、丁度その時に今までストロッグの攻撃を避けるか防ぐかしていなかったヒカル達が新たな動きをみせた。

 

「よし! エナジーが貯まった! ミサキは下がってくれ!」

 

「うん! 分かった!」

 

 ヒカルの言葉にミサキは頷き自分が乗っているモンスターを後方に下がらせ、代わりにヒカルがスターズ・レッドをストロッグに向けて進ませると、ストロッグはヒカルとスターズ・レッドに目掛けて攻撃を仕掛けようとする。

 

「……今だ! エナジーを一ポイントだけ残して消費することでスターズ・レッドの特殊能力発動! 『スターライト(星の光よ)スケイル(強固な鱗となれ)』! 続けて残っている一ポイントのエナジーを消費してスターズ・レッドの特殊能力発動! 『スターライト(星の光よ)スケイル(強固な鱗となり)オールリフレクション(全ての攻撃を反射せよ)』!」

 

 ヒカルが特殊能力の発動を宣言するとスターズ・レッドの周囲に光の障壁が現れる。そしてストロッグがヒカルとスターズ・レッドを薙ぎ払おうと振るった尻尾が光の障壁に接触した瞬間、ストロッグの尻尾に込められた全エネルギーが反射されてヒカルとスターズ・レッドではなく、逆にストロッグの巨体が吹き飛ばされた。

 

(おおっ!? そうか、なるほど。ヒカル達はスターズ・レッドの特殊効果でカウンターを決めるためのエナジーを貯めていたのか。じゃあ、さっきの苦戦している様子も演技か。……イヤー、スッカリダマサレテシマッタヨ)

 

 吹き飛ばされたストロッグは、勢い良く地面に地面に激突して倒れるとそのまま立ち上がることなく一枚のカードとなり、特殊能力によるカウンターを決めたヒカルを見て栄人は心の中で興奮した声を上げた。……ちなみにヒカルがミサキと二人がかりでストロッグに苦戦していたのは演技ではなく本心のような気がしたが、栄人は迫真の演技だろ思うことにした。

 

「二人とも、お疲れ様」

 

 栄人がヒカルのストロッグに勝利する瞬間を見ていると、地面に倒れていたタツミがいつの間にか立ち上がっていて、栄人との戦いの疲労を全く感じさせない様子でヒカルとミサキに話しかける。

 

「まだマトモに戦闘訓練を受けていないのに二人だけでストロッグを倒すだなんて、二人とも本当に優秀なのね? ……ああ、もちろん十輪寺君も優秀だからね?」

 

「あっ、ハイ。ありがとうございます……って、あれは?」

 

 ヒカルとミサキを褒めた後で栄人も褒めてくるタツミの言葉に返事をした栄人は、ストロッグのカードの近くに落ちてある、岩の破片みたいな存在に気づいた。

 

「十輪寺? どうかしたのか?」

 

「……ヒカル。あのカードの近くにある岩の破片を取ってみろ」

 

「岩の破片? ……あれか?」

 

 栄人の様子が気になったヒカルが声をかけると、栄人はヒカルに岩の破片を取るように言い、一体どういう事なのか分からないが言われた通りにヒカルが岩の破片を手に取ると、岩の破片が彼の手の中で一枚のカードに変化した。

 

「……っ!? これは……!」

 

「それは『ストロッグの鱗片』といって、使えば一ターン……少しの間だけリーダーモンスターの防御力を上げてくれるアイテムカードだ。防御力を上げてカウンターを決めるスターズ・レッドと相性が良いんじゃないか?」

 

 ヒカルが岩の破片から変化したカードを見て驚いていると、栄人がカードの名前と効果を説明して、それを聞いていたタツミが感心したような表情となる。

 

「十輪寺君って、本当に色々と知っているのね? だったらストロッグと戦ったのは虹城君と赤山さんなんだし、虹城君はそのアイテムカードで赤山さんはストロッグのモンスターを貰ったら?」

 

 タツミの提案は栄人もいい考えだと思った。

 

 ゲームのドラグーン・アカデミーに登場する赤山ミサキは、虹城ヒカルや紫宝院タツミと違ってシリーズのモンスターを使っておらず、様々な種類のモンスターを採用した自由度の高いデッキを使っていた。そんなミサキだったらストロッグをデッキにいれて、なんだったらリーダーモンスターにするのも十分アリな選択肢だと言えるだろう。

 

 これでヒカルもミサキも僅かだかデッキが強化されて、胸の中にある不安も少しだけどやわらいだ……気がした栄人は心の中でヒカルに話しかける。

 

(頼むからこの調子で強くなってくれよ、ヒカル? じゃないとこれから起きる事件を俺が解決しないといけなくなるんだ。……でも)

 

 これから召龍学園で起きる事件、ゲームのドラグーン・アカデミーのラストバトルイベントは、原因を放置していれば召龍学園が壊滅するだけでなく、極東国全体にも大きな被害が出るものであった。だから栄人はゲームのシナリオ通りに事件が起こった場合、最悪自分がそれを解決する覚悟で、召龍学園に入学することをを決めたのだ。

 

 しかし、もし栄人がヒカルに変わって事件の原因を解決しようと動いた場合……。

 

(そうなったら、学園にいる多くの人が死んでしまうかもしれないんだよな……)

カードゲームの「Dragon&Dragoon」、実際にあったら面白そうだと思いますか?

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