見切り発車の新作です!
よろしくお願いします!
スイーツⅠ 認定勇者アカシャ
勇者とは何か?
勇気ある人?
違う。
伝承にある巨悪を倒す者?
それも違う。
——少なくとも現代では。
「現代の勇者」とはおよそ1000年ほど前に現れた未知の脅威「エネミー」を討伐する者たちの中で国家に認められた証。
そして「現代の勇者」である認定勇者たちは国から与えられた、所有者の才能を引き出す
かく言う僕も聖剣が目の前に現れ、授けられたことで国家通達され勇者となった。
「おっ、落ちこぼれ勇者様のおかえりだぜぇ」
「おいおい、事実でも言うてやるなって。あんなでも勇者なんだから俺らよりはよっぽど強いだしな」
そして僕、アカシャは勇者の中でも最弱。
僕が聖剣所持によって解放されたスキル「スイーツ」は何故か女の子の姿になって何故か防御力が爆発的に増加するので高まった防御力で無理やり低難易度の達成を上げてきたのだ。
だからそんな罵倒など無視して冒険者ギルドへと入る。
「おいアカシャ、ギルドマスターが奥の部屋でお呼びだ。何をしたか知らないがカンカンに怒ってやがる。気をつけろよ」
僕より頭一つ分でかい金髪の彼はレオ=ラグラース。
彼もこの国の勇者であり、この辺りで僕が倒せないエネミーの駆除を代わりに任されることが多い。
「ああ。レオはこれから依頼?」
「そうだな、ここ最近エネミーの発生量が多くてね」
「そうなんだ……頑張って」
「おう」
レオは僕の幼馴染でこんな僕でも割と気にかけてくれてるいい奴だ。
……とまぁ、雑談はこれまでにして奥のギルドマスターがいる部屋へと向かう。
部屋に入るとやたら豪華な椅子に座る筋肉ムキムキのスーツを着たおっさんとその背後には細身のスーツを着たメガネの女性がいる。
「ギルドマスター……。今度はなんの用ですか?」
そう、このいかつい顔をしたおっさんはギルドマスターでその後ろに控えるのは彼の秘書だ。
「……アカシャ、そろそろわかってるんじゃないか? 勇者が対処しなければならない国家依頼の達成数が年末まであと3ヶ月ちょいなのにお前だけ足りていないのだよ」
僕らは国に「勇者」と認めてもらい、
国が定めた最低ラインは一年で達成数6。
これは戦闘向きではない勇者のことも考慮して組まれた数であるし、そもそも依頼は戦闘ばかりではない。
……それに比べて僕の達成数は3。
国家依頼というからには近隣を脅かす様な高ランクのエネミーの討伐や難関ダンジョンを攻略しなければならない。
達成しなければ聖剣の所有資格を剥奪され、今ある「スイーツ」も無くなってしまうだろう。
そうなれば僕が死ぬのも時間の問題だ。
「……わかった。やるしかないですよね」
「まぁ安心しとけ、今回は簡単な方の国家依頼を探してきたんだ。感謝しとけよ。ほら、これだ」
ギルドマスターはそう言って依頼書を僕へ投げる。
「……未踏破遺跡の調査? これが国家依頼?」
珍しいなんてもんじゃない。
調査ということは戦闘のリスクが低いということだ。
例え遺跡に罠などがあっても「スイーツ」ならほとんどは無傷でいられるだろうし、そもそも勇者じゃなくてそこらの冒険者に投げればいい話だ。
「なんでも物凄い魔力が観測されたらしくてな、一般の冒険者が調査するには危険すぎるんだとさ。まぁどうせ古代の魔道具かなんかだろ。行けるな?」
あまりにも僕に都合が良すぎる。
行かない手はない。
「行きます」
「わかった。あと、これは目的地までの地図と調査レポートの記入紙だ。もってけ」
「ギルドマスター、ありがとうございます」
手厚いサポートに感激しつつ、僕は地図を見ながら軽い足取りで目的地へと向かうのだった。
◆◆◆
「行ったか……」
「よろしいかったですかマスター? あの遺跡の魔力レベルは先日発見されたばかりの観測史上最大の11ですよ。いつも観測魔力レベル1以下常連のアカシャさんでは空気すら耐えられないのでは……?」
「国からの依頼なんだ。アカシャのような勇者がいては勇者の地位に不信が湧くと……。要するに簡単に見せかけた高レベル依頼でアイツを殺そうってこったな。」
「それはあまりにも酷い話では?」
「……国からの圧力でな。流石に俺も脅されては叶わなかった。ここのギルドが潰れれば何人かは暴徒に成り果てる未来が確実に見えてる。アカシャには申し訳ないが……」
ギルドマスターの握りしめた拳の軋む音だけが部屋に響き渡った。
Tips:認定勇者
国から直接