ウルトラマンベリアル   作:憲彦

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 1話しか投稿してない上に投稿頻度が亀なのにお気に入りが13人?⋯⋯皆さん陛下のこと好きなんですね〜。ツンケンしながらも地球と地球人を守っていく陛下を書けるように尽力します。


2話

 戦いのさなか、ケガを負った子供を助けたことによりエネルギー切れを起こしたベリアル。目を覚ますと、知らない天井が目に入ってきた。

 

「⋯⋯ここは」

「あ!起きた!母さん!おじさん起きたよ!」

「あ゛?誰がおじさんだ⋯⋯って、あのガキ誰だ?」

 

 少しすると、子供の母親がベリアルの寝かされていた部屋に入ってきた。どうやらここはこの親子の自宅のようだ。

 

「驚きました。怪獣を倒したと思ったら急に小さくなって、息子の怪我も治してくれて」

「あぁ、それでエネルギー切れを起こしたのか⋯⋯」

「あの、身体の具合は?家に入った直後に、姿が、その⋯⋯」

 

 その言葉に、自分の体を触り見た目を確認する。姿はいつものウルトラマンの状態から、この星の住人と同じ人間の姿になっていた。即ち、ウルトラ族本来の姿である人間態だ。

 

「気にするな。俺達も元々はこの姿なんだよ」

(とは言え、かなりのエネルギーを消耗してるな⋯⋯無理矢理変身すれば更に余計なエネルギーを使い、光の国へ帰れなくなる。救助を要請するしかないか⋯⋯)

 

 冷静に今の自分が置かれている状況を確認する。この星でも太陽の光からエネルギーを得ることはできるが、いかんせん光の国やその周辺と比べると得られるエネルギー量は非常に少ない。どんなに効率的にエネルギーを使おうとも、巨人の状態でいられるのは3分が限界。

 更に光を解放するアイテムが無い場合の変身には、途轍もないエネルギーを消費する。その場合の活動時間はせいぜい90秒と言ったところだろう。

 

(ウルトラサイン程度ならこの身体でも⋯⋯次元を超えられるかは分からんがやってみるか)

 

 今後の対策を考えながら、自分の荷物を確認しようとする。光の国でも人間の姿で活動することがある。その時、自分の服に何かしらの道具を入れていたかもしれない。そう思い、持ち物を確認しようとした。

 

「⋯⋯なんだこの格好?」

「すいません。服が血で汚れていたので洗濯を。その服は、亡くなった夫の物です」

「亡くなった?」

「はい⋯⋯2年ほど前から突然怪獣が現れるようになって、その時に」

 

 2年前、初めてこの世界に怪獣が現れた。避難するとき、逃げ遅れた人がいないか確かめてくると言い、倒壊する建物に飛び込み数名を救助。しかし、当の本人は逃げられずに亡くなったとの事だった。

 その最初の怪獣災害を皮切りに、この星では空想の産物として扱われていた怪獣が世界中で次々と現れるようになったのだ。

 

「そうか」

 

 話し終わると、洗濯物が乾いたと言う機械音が聞こえてきた。服とポケットに入っていた物を受け取ると、世話になったと言って親子の家を後にする。

 

「確か、エネルギーカプセルだったな。コイツがあっただけでも幸運か」

 

 現状、ウルトラの姿に戻るための唯一の方法。中に入っているプラズマスパークと同じ波形のエネルギーを貯蔵し、放出することで負担を最小限にウルトラの姿にする道具。科学技術局に立ち寄った際、ある若い研究者から試作品だが緊急用として渡された物だ。

 

「使える回数には制限があるとか言ってたし、無闇には使えんな。取り敢えず試しに⋯⋯」

 

 空へ向かってウルトラサインを飛ばす。ブルトンのせいでこの星に来てしまった為、もしかしたら次元を超えている可能性も否定できない。ほとんど一か八かの賭けだ。

 

(ケンの野郎から応答があれば、コイツを使って光の国へ帰還すればいい。問題は応答がないときだな⋯⋯次元の壁を突き破るだけでもかなりのエネルギーを消費する。ディファレーター光線の少ないこの太陽系じゃ長時間の活動は不可能⋯⋯クソ。何か上手い手を考えないとな)

 

 帰還方法を考えながら歩いていると、地面が激しく揺れた。空からまた怪獣がやってきたようだ。非常事態を示すサイレンが町中に鳴り響き、辺りから悲鳴が聞こえてくる。

 

「宇宙狂険怪獣ケルビム。奴等からしたら、この星はエネルギー豊富って訳か」

 

 我が物顔で町を破壊しながら歩く怪獣。防衛軍の放つミサイルがケルビムを捉え、全弾命中するがケルビムの進路は依然として変わらない。この星の武器は怪獣に対して脆弱過ぎた。多くの犠牲を払いながら、物量を以て怪獣を圧殺する。それが現状とれる唯一の怪獣への対抗策とされている。

 だが、それが通用するのはこの星で生まれた怪獣に対して。特別な防御の術を持たないとは言え、宇宙を渡るために頑丈な身体に進化した怪獣への効果は今ひとつ。

 

「今のこの星じゃ、アイツを倒すまでに星の人間の1割を失うだろうな」

 

 冷静に状況を見ながらそう呟いた。周りは逃げていると言うのに、1人だけ逃げずに怪獣を見上げながら佇むベリアルの姿は、かなり異常なものに見える。

 

「⋯⋯チッ。休ませてもらった礼もある。倒すか」

 

 人気のない場所まで移動し、カプセルを取り出す。ボタンを押し放出されたエネルギーに包まれると、ベリアルは巨人の姿へと戻っていった。

 

「オラッ!」

 

 飛び膝蹴りがケルビムの首に突き刺さった。起き上がるとすぐに尻尾でベリアルを攻撃するが、逆に尻尾を掴まれ投げ飛ばされてしまう。

 

(卵生の怪獣⋯⋯卵を星に産み付けられればそれだけで面倒だ。余計な事をされる前にさっさと倒すしか──)

「ッ!⋯⋯あ?」

 

 防衛軍の放つ砲弾がベリアルに直撃した。偶然の事故ではなく狙いすまされた一撃だった。今の防衛軍にはベリアルが敵か味方かの判別がつかない。そうであれば怪獣諸共討伐を目指すのは当然のことと言えよう。

 

「チッ!グオ!?」

 

 攻撃に一瞬動きの止まったベリアルにケルビムの頭突きが直撃しふっ飛ばされた。すぐに立ち上がるが、たったこれだけのダメージで胸のカラータイマーが鳴り始めた。

 

「時間掛けてる余裕はねぇな!ハァッ!!」

 

 防衛軍からの攻撃は無視し、ケルビムに一気に突っ込んでいく。手に赤い爪状のエネルギーをまとわせ、ケルビムの角と鋭利な爪を破壊する。ベリアルサンダーで吹っ飛ばし距離をとったあと、デスシウム光線で粉砕した。

 

「フン」

 

 地上の兵器群を一瞥すると、空へと飛んで消えていった。地上に戻ると地面に座り込んでしまう。ディファレーター光線の薄いこの星での活動は文字通りの命懸け。向こうでは気にしなかったダメージがこの星では大ダメージとなり、体力も大きく消耗する。それを実感する戦いだった。

 

「見付けた!おじさん!!」

 

 少し前に聞いたことある声が近付いてきた。

 

「あ?誰がおじさんって⋯⋯お前か。なんのようだ」

「これからどうするの?」

「⋯⋯さぁな」

「なら、私たちと一緒に過ごしませんか?」

「見ず知らずの宇宙人とか?」

「見ず知らずでも、2度も助けてくれたじゃないですか。それに、知らないなら自己紹介すればいいんです!」

「自己紹介?」

「はい。私はアリエと言います。日暮アリエです」

「僕はリク!よろしくね!」

「⋯⋯⋯⋯ベリアルだ。ウルトラマン、ベリアル。M78星雲の光の国から、訳あってここに飛ばされてきた」

 

 こうして、1つの親子と宇宙人の少し奇妙な生活が始まることになった。




 ベリアルと行動を共にする親子、苗字朝倉にしようかと思ったんですけど、別にジードにするつもりもないですし、登場させるの予定もないので、別の苗字にしました。
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