ありふれた異世界で転生特典【ボカロ曲】を使って楽しんでみる 作:夢のまた夢
あの後、俺たち四人(1人3人外)はブルックの町まで訪れた。
ちなみにプレートは【マジックメイド】で増やした。その結果がこれだ。
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リオネ ─歳 無性 レベル:78
天職:魔物
筋力:800+
体力:5000
耐性:10000+
敏捷:100+
魔力:4000+
魔耐:4000+
技能:状態変化・技能変化・衝撃吸収・魔力吸収・全属性耐性・全状態異常耐性・再生魔法・空間魔法・重力魔法
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ハギア 182697529歳 女 レベル:99
天職:天使
筋力:10400
体力:10400
耐性:10400
敏捷:10400
魔力:10400
魔耐:10400
技能:聖属性適正・悪属性適正・全属性適正・全属性耐性・分解・剣舞・真魂[+魂移し][+魂追跡][+魂弱点看破][+追憶視]・再生魔法・空間魔法・重力魔法
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ミレディ・ライセン ─歳 女 レベル:78
天職:
筋力:800
体力:900
耐性:4000
敏捷:1000
魔力:60000
魔耐:1800
技能:物理攻撃耐性・全属性耐性・状態異常無効・自然修理・魔光[+魔光弾][+魔力武装]・格闘術・高速演算・魔力解放・重力魔法
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もれなく全員バケモンだった。
リオネはまあまあ
シェルネはいつのまにか魂に関する技能が増え、魂を移すだけでなく、魂から記憶を読み取ったり、弱点を見つけたりできるようになっている。後なにげにこの中で基本スペックが一番高い。
ミレディは普通の魔法が使えなくなった変わりに、魔力を纏ったり、魔力を放ってビームや衝撃波を飛ばせるようになり、さらに機械の体になったことで状態異常が全く効かなくなった。
なお、さすがにこのまま町に入るのはアレなので、【メズマライザー】によって門番を洗脳し、認識を一般のステータスだと誤認させて入った。
え?洗脳できるなら最初からいないものとして通らせたらいいって?
……廃人にするよ?
それはさておき。
ブルックの町で南雲ハジメの聞き込み調査を行ったところ、彼はここでは決闘スマッシャーと呼ばれていた。いや何してんだよホントに。
また、ハジメの連れであるユエとシアもそれなりに暴れていて、特にユエのせいで
また、そもそもここの人たちも変人ばかりで、服屋の店主であり、身長が2mを超える筋肉漢女のクリスタベルさんを筆頭に、むっつり小娘の変態看板娘ソーナちゃん、頭おかしいファンクラブ第一号『ユエちゃんに踏まれ隊』、第二号『シアちゃんの奴隷になり隊』、そして第三号『お姉さまと姉妹になり隊』と、後半三つはもはや救いようのない人たちであった。変態紳士淑女が多すぎる。
しかもこの後、『リオネちゃんの兄になり隊』や、『シェルネ様にあやされ隊』、『ミレディさんに罵られ隊』が新しく生まれる始末。この町は混沌と化していた。あゝ、無情。
しかし、それでもこの町はどこか活気が満ち溢れており、退屈しない素敵な町で少し気に入っている。
服も先程前述したクリスタベルさんも見た目が異常であっただけで服のセンスや腕前は確かなものであった。
ただ、たまにこちらを見て舌舐めずりするのだけは勘弁してくれ。俺にそっちの
そして、現在の服装は白シャツに黒のスラックスと、「オシャレ?何それ美味しいの?」という無難な服装となっている。(なおそれまでは普通に制服で行動してた)
リオネは和服を見に纏い、見た目も相まって座敷童子みたいになってた。あとなんで洋風ファンタジーなのに和服あんだよ。
ミレディは生きていた当時の衣装をクリスタベルさんにつくってもらい、シェルネは肩出しドレスでありながらも、どこか神々しく、杖と盾を持つとある緑髪の女神のような服装(パル◯ナ)をオーダーメイドでチョイスした。なんでわざわざその服選んだ?
そして、ギルドで冒険者登録し、受付のキャサリンさんからハジメの情報を聞くと、なんとすでにブルックの町から出てフューレンに向かっているというではないか。こうしちゃいられないと、大急ぎで【ラグトレイン】で電車を用意し、フューレンへと向かう伊織御一行なのであった。
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中立商業都市フューレン、の路地裏。
表の大都市で栄えているところには、決まって裏の通路に悪が蔓延っている。
「ん?なんだこりゃ?」
そしてこの男も例外ではなかった。彼はフリートホークの一員であり、下っ端も下っ端。ただ、この裏社会だと、楽に甘い蜜を吸える。
そう、言ってしまえば楽に生きたいから。そんな甘い考えでこの世界に入ってきた。
そんな彼は、この薄暗い路地で一回り小さい金庫を見つけた。
「ここに置いてあるってことは、捨てられたもんか?もったいねぇ、まだまだ使えるってのによぉ」
そう言って金庫の取手に手をかける。盗みや殺しは当たり前のこの
「……ぉお、マジかよ」
金庫の中に入っていたものは金目の物ではなく
小さな赤ん坊だった。
さすがの男でも、これは予想できなかったらしく、少し小さな声で呟いた。この薄暗い社会でも赤ん坊の取り扱いはしておらず、またこの男はさらに上の幹部ほど非道ではなく、この赤ん坊をどうするか、考えていた。
「だがなぁ……、どうしたもんか。にしても全然泣かねぇなこのガキ」
そうは言っても彼は裏社会の人間。打てる手立てはなく、渋々ここに置くことにした。
そんな彼に足りないものは、
警戒心だった。
「な!?なんだ!?」
その瞬間、ものすごい勢いで金庫に体が吸い込まれる。どうにか抜け出そうとしても、一歩も引かない。
そのときに気づいた。今まで赤ん坊だと思っていたのは、ただの肉の塊が赤ん坊の形を成しているだけだと。そしてそれは未来の姿だと。
そう考えている間に、彼は生きたまま金庫の中に詰められた。原型をなくし、暗い暗い箱の中で。
──────────
「これで15428」
「えっと、何の数ですか?」
「手元にあるフリートホークの数」
フューレンに来てから現在7日目。フリートホークの連中は思った以上に大きな組織らしく、情報収集と人質、見せしめとして、【コインロッカーベイビー】で閉じ込め、四次元ボックスにぶち込んでいる。どういう原理か、あの中だと人の形を保ってなくともなぜか生きている。ただ、痛みはあるため、激痛が走ろうとも声を出す機関がなく声を出そうにも出るのは空気のみだ。
別に殺しておいてもいいのだが、人質として今はとっておいている。おそらく人質になることはないだろうが。
「にしてもなんでわざわざこんな手法を?伊織さんなら力でねじ伏せた方が早くありませんか?」
「それはそうなんだが、どうせなら残虐にやっておこうかなと。今後こういうことが起きないように。あ、また1人増えた。しかもコイツは上の方」
悪いニュースほどよく広まる。それはこの世界でも同じこと。裏社会にこの残忍な出来事を浸透させ、その後に起こるフリートホークの崩壊とあわせて活用することで裏の動きを抑制しつつ、不法な奴隷を解放しちゃおうという一石二鳥作戦である。
「にしても、なかなかにエゲツないことするねぇ……イオくん。うぷっ、ちょっと吐きそう」
「お、大丈夫か?一応エチケット袋あるぞ?」
「オッケー、ありがと」
「ねえねえイオリ、それたべていい?」
「いいけど後でな。残りはたらふく食わせてやるから」
俺は善人じゃない。助けられない人がいたら無理して助けようとせず、誰かに丸投げするタイプの人間だ。普通こういう人は善人と言わないだろう。というか大半の人間は同じはずだ。
全ては自己満足。結論は何だってそこに行き着く。
ミュウがフリートホークに連れ去られたと聞いたときから、俺の心は決まっている。
そのためならば、他人なんてものはただの障害物でしかない。そんなもん吹き飛ばすだけだ。できることなら悪人以外には危害は加えたくないけど。
「お、さっき入ってきた奴、結構情報持ってんな。近日中に奴隷オークションやるみたい。場所は後で伝える、みんな手伝ってくれ」
「わかりました」
「りょ」
「まぁいいよ、手伝ってあげる」
「っても簡単な設置だけどな」
単純な爆弾の設置だし。ま、爆弾は爆弾でも人間爆弾なんだけど。ついでに親玉の処理。
──────────
「……チッ、これで何人目だぁ?」
「す、少なくとも二万は超えています」
「あ!?そういうことを聞いてんじゃねぇんだよ!!」
「ヒッ…!?」
手に持っていた酒瓶を下っ端にぶん投げる男。彼はフリートホークのトップである。そんな彼が何を苛立っているのか。
それは現在フリートホーク内で行方不明者が出ていることだった。それだけならよくあることだったが、今回は数が違った。
行方不明者は現在二万を超え、さらには取引先にも被害が及ぶ始末。そんな状況下で、彼は冷静になりきれず、ここ数日は酒をひたすら飲んでいた。そんな彼は、ついに天から見放された。
「ちくしょう!なんで俺がこんな目に!」
「日頃の行いじゃありませんかね?」
「日頃の行いでしょ?なぁにが『何で俺がこんな目に』っていい人ぶってんのさ」
「!?だ、誰だテメェ!!」
気配がない。しかし声からわかった。女だ。だがこんなところになぜ?
それにずっと前を見ていたはずだった。なのに、目の前の女二人に気づかなかった。酔っていたからか?思考しても酔いが邪魔をする。
「名乗る者でもございませんが……、強いて言うならば、何でしょう?」
「わざわざそんな硬い言い方しなくてもいいでしょシェル姉は。どうせ殺すんだし」
「それもそうですね。それでは一仕事終わらせましょうか」
取り出すのは一つの大剣。軽く一振りすると男の壁には亀裂が入り、それと一緒に腕が肩ごと斬られていた。その一撃による絶望という現実が、彼の酔いを覚ました。
「んな、え? ぎゃああ「うるさい」
パァン
ミレディの手のひらから高速の魔力が男の体に穴を空けた。しかし、心臓の位置から大きくずらしているため、かろうじて彼は生きている。
「他の拠点を……あ、言わなくていいや。シェル姉ならわかるもん」
「それもそうですね。一応聞きますが生かすつもりは?」
「あるわけないよこんなクズ」
仮にも元解放者の方がそんなことを言うとは……、と少々過激なミレディの発言に驚きつつも子供をだしにして商売をするカスに思うことは同じなので、自身の技能である追憶視を使ったあと容赦なく分解で消し飛ばした。
「ここにリオネがいれば、後処理も楽なのですが……」
「リオネは子供たちの救助に向かってるからねー、しょうがないしょうがない」
「ではそろそろ伊織さんの用意した爆弾を設置しに行きましょう」
「えー、もう少し休みたーい」
「はいはい、これが終わったら甘いものでも食べにいきましょうね」
そう言いながらも、楽しそうに二人歩く姿は、本当に姉妹の様である。……ただ一つ、血飛沫が両者の顔に付いていることを除けばだが。
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場面は変わり、地下。それは表の住人が知るはずのない場所が、闇のオークションが開かれていた。にしてもギルドの地下深くに作るなんてだいぶ喧嘩売ってんな。
「さて、今宵も始まりました!裏・オークション!今回も様々な奴隷が目白押し!」
さて、始まった。ここでは罪のない子供を掻っ攫い、商品として売り捌く、畑の肥やしにすらならない外道共のオークション。
特に希少性のある亜人族を狙うあたり、人の命を金としてか見ていないことが手を取るようにわかる。
そして最初に連れて来られたのは、狐耳のついたか弱そうな少女。
髪はボサボサで、服も薄汚れており、軽く震えている。
司会がその少女について説明した後、800万ルタからスタートした。850、900、1000と、着実に金額を伸ばし、最終的に1200万で落札された。
「さてと、さっさと連れてけ」
そう言って大きな男が少女の手を掴もうとする。すると、少女は手を振り払った。まるで性格が変わったようで髪や服からくる醜さはとうになく、気高さをその身に纏っていた。
「んだ、このガキ……!」
今まで舐めていたガキが急に反抗したことに対し、激昂した男だが、大事な商品であるので傷をつけることができず、怒りを抑えて無理やり腕を引っ張った。
その時である。形を保っていた少女の体は崩れ、男の体にまとわりつき、悲鳴を出す暇もなくものすごい速度で骨へと変えた。
「んな……!」
「なんだ急に!?」
「キャァァァ!?」
あまりにも急な死者に周りの人たちは慌てふためく。
その中で唯一落ち着き、ひとりでに舞台へと上がり、形の崩れた少女の元へと向かう青年がいた。
「リオネ、お疲れ様」
「ん、子供は全員逃した」
そう、俺だ。俺がこの場所を突き止めたとき、先にリオネに子供のいるところに行ってもらい、【ワープアンドワープ】で子供たちを先に【ラグトレイン】の中へ送ってもらった。
その後、リオネの分裂体にその場にいた子供全員分の姿をさせ、脱走のカモフラージュをしたため、下手に騒がれることはなかった。リオネに任せて正解だった。
「リオネ、よくやった。それじゃあ、後は俺がやっとくよ」
「ん、ムリしないように」
そうリオネに伝えたあと、現れたのは一つの肉塊だった。その禍々しく気持ち悪い見た目と、鼻がひん曲がるほどの異臭から、俺以外の人は恐怖する。
「な、何だあれは!?」
「ヒッ、き、気持ち悪い……!」
「いや、いやぁ……」
不快感をあらわにした人たちはその肉塊を嫌悪し、パニックになりながら距離を取る。
肉塊は周りの反応を気にせず、ただ蠢き、小さな肉塊を生み出した。
その小さな悪夢は、生きている者に近づいて、触れると生者を取り込み、そのまま動かなくなった。
その様子を見た者たちはさらに絶望し、小さな部屋を逃げ惑う。
こうして絶望の鬼ごっこが始まった。
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経つこと1時間。
よくもまあこんな狭い部屋で1時間も逃げ切ったものだ。予想では30分も経たずに全員脱落すると思ったのだが。
「ところでイオリ、さっきのいきもの……、いきもの?ってなに?」
「ああ、あれは【コインロッカーベイビー】で集めた人だったものだ。別に死んでも構わないから、利用させてもらった」
部屋を見回すと、人サイズの塊がごろごろいる。やはり先に子供を連れていったのは正解だったな。もし子供にこんなモノ見せたらトラウマどころじゃないだろう。
他の二人は順調に爆弾を設置できているだろうか?爆弾といってもあの肉塊を召喚する装置なのだが。下手なことして取り込まれていないといいな。
「ところでリオネ、これ、食べるか?」
「ん!いただく!」
そう言って指さしたのは落ちている肉塊。よくこんなん食べる気になるなリオネは。事後処理としてはとても助かっているが。
「それじゃ、みんなの場所まで戻るとするか」
「りょーかい」
二人は全てのアジトを巡り、肉塊の処理(食事)をしてから、別行動していた二人の元へ向かうのだった。