新年一発目です。どうぞ。
「はい、それでは今日はここまでです。」
IS工学の教師が授業終了の合図を伝え、今日のすべての授業が終わった。俺は終わったといった感じで背伸びをした。ISの基本であると言われる授業内容であったが俺にはさっぱりわからなかった。授業中に一夏を見てみたがあいつもわかっていない様子だった。
「まあ、なんとでもなるか・・・。」
今はわからなくてもこれからやっていけばいい。3年間もあるんだ、機会はいくらでもある。
とりあえず俺はさっさとこの教室から出る事にした。昼休みにちょっと気まずい雰囲気になったりとか、この教室自体の女子だけの雰囲気にどうにも馴染みきれていないようでかなり疲れたのだ。いわば今日はもうさっさと寝たいのだ。
「よし、かえっか。」
「りょうちゃんもう帰るの~。」
「おうよ、俺はもう寝る。」
「お~余裕だね~。」
「何がよ?」
「せっし~との決闘だよ~。」
・・・・・・忘れてた。そういやそんなのあったな。俺はほとんど巻き込まれただけだが。
「めんどけせぇ~・・・・・・。」
「頑張ってね~。」
本音ちゃんは笑顔で俺にエールを送ってくれる。いや、うれしいけどやる気がまったくわかない。
「今から謝ればなんとかなるかな~。」
「え~りょうちゃん~かっこ悪いよ~。」
「だよな~。」
俺が謝る道理なんざ一個もねぇし。つか、あの金髪縦ロール、雑誌と違いすぎんだろ。背もたれにもたれかかり、脱力する。
「ありゃねえだろ・・・。」
俺が「インフィニット・ストライプ」で見た時の金髪縦ロールは肌の露出を控えた清楚な感じの写真を載せていたし、雑誌のコメントで「今の世の中は女尊男卑と言われていますが、私自身は男女平等の社会になるように行動していきたいと思っています。」というかなり良識のあるコメントを載せていた。だから俺は勝手に慈悲深い良識のある育ちのいいお嬢様という印象を持っていたのだ。しかし実際はなかなかに苛烈な女尊男卑に偏っているお嬢様だったのでかなり面喰ってしまった。それで教室で突っかかってきた時に思わずあんな言葉を言ってしまった。今思えばあの言葉が引き金なんじゃねぇかと思い始めた。だからと言って謝る気はねぇが。
「あの金髪め・・・。」
「りょうちゃんも金髪だよ~。」
「あらそうだった。」
俺も若干忘れてた。俺の周りの奴らキャラが濃すぎるんだよ。おかげで俺の金髪程度じゃモブに近い感じだ。俺も真剣に濃いキャラを作っていかねぇとな。
とそんな事を真剣に考えてきたとき、教室に誰かが走って入ってきた。
「お、織斑君と木瀬君いますか!?」
入ってきたのは我が副担任山田真耶先生であった。なかなかの童顔で子供が無理に大人の服を着たという印象を受ける方である。ただしある部分に関して言えば大の大人でも敵わないようなものをもっている。教室に入ってきた山田先生はその部分を揺らし、息を切らしながら俺と一夏を呼んだ。
「俺はいますよー。」
「俺もいます。」
俺と一夏は返事をした。
「ちょ、・・・はぁ・・・ちょっと・・・はぁ・・・来てもらえますか?」
山田先生はよほど急いで走ってきたのか肩で息をしている。俺と一夏はそんな山田先生の前に集まる。
「どうしたんですか、そんなに急いで?」
「いや、織斑君と木瀬君が・・・はぁ・・・帰っちゃたらダメなので・・・はぁ・・・急いできました。」
どんだけ急いでんだよ。
「まあまあ少し落ち着きましょうや。はい深呼吸ー。」
「は、はい!すーはーすーはー・・・。」
生徒言うこと素直に聞いてどうすんだよ。
そう思ったが、こういうところがこの人長所なのかなーとか思ったりした。
「ふー・・・すいません、落ち着きました。」
「それはよかったっすね。そんじゃ本題を。」
「あ、はい。織斑君、木瀬君、今日からここの寮に入ってください。」
・・・・・・いや、別にそれそんな急いで言うことか?
「いや、俺もとから今日寮に入る予定なんすけど・・・。」
「え!そうなんですか!?」
どうやら情報が伝わっていなかったらしい。
「え、そうなのか亮太?俺は一週間自宅通学って言われたぞ。」
「俺は地元から上京してくる予定だったからな、寮の部屋割りがもとから決まってたんじゃねぇか?」
俺に一週間自宅通学とかなら片道で5時間はかかるぞ。ここらへんはIS学園の気配りなのかね。
「えっと織斑君に関しては急遽決まったことなので・・・。」
「て、言っても俺なんにも持ってきてないですよ。」
「それなら私が用意した。」
会話の中に突如千冬さんが教室に入ってきた。
「充電器と着替えがあれば・・・まあ、なんとかなるだろ。」
「え!ちょっと千冬姉!それじゃ・・・。」
「織斑先生だ。」
そう言って千冬さんは出席簿で一夏を叩いた。無理やり黙らしたな。
「まあ一週間すごせば家に帰れるし、そん時にいろいろ取ってこいよ。別の意味で一週間耐えれるかわからんが・・・。」
「本当にそれだけが心配なんだよ・・・。あ、亮太そういうの持ってきてるか?」
「ああ、それなりに。」
「マジか!あとでちょっと部屋に行くから貸してくれ!」
「あー・・・お前の趣味にあるかどうか知らんけどな。」
「・・・・・・お前ら、教師の前で何を話しているんだ!!」
千冬さんが出席簿で俺と一夏の頭を叩いた。ちなみに山田先生はきょとんとした顔をしていた。どうやら深い意味は知らないようだ。それでいいと思いますよ。
そんなこんなで俺は千冬さんに若干キレられながら自分の部屋のカードキーを渡された。すげぇ、カードキー初めて見た。今度はしっかりと使い方を山田先生(千冬さんがキレてしまったため)にレクチャーしてもらった。
「えっと1020、1020。」
「お、見っけた。」
一夏はどうやら自分の部屋を見つけたようだ。
「俺は1026だな。」
「あらら、結構離れるな。まあ大した問題はねーけど。あとで部屋くるか?貸すけど?」
「いや、今はいいや。だってな・・・。」
「まあ、確かに・・・。」
千冬さんに怒られたのもあるが、実は寮の部屋割りにはとんでもない秘密が隠されていた。
「まさか女子と同室とはな・・・。」
「ガチでな・・・。」
山田先生から伝えられた事実。それは部屋が女子と同室であるという事だ。なんと部屋割りを急遽決めたため部屋割りがうまいようにいかなかったらしい。粗い仕事だなIS学園。
「しかも一か月とはな。なかなかに長い。」
「本当だよな。」
「どうするよ。一か月耐えれるか?」
「・・・休日に何とかする。」
「ま、そこはお互い頑張りましょうや。」
なかなかぶっちゃけた話をしているが、別に俺が下ネタ好きというわけじゃない。女しかいない環境で言葉に気を付けながら話しているので、男2人だけだとなんか遠慮がなくなるからこういう話題にも触れられるもんだと思う。
「そんじゃ後でな。」
「おう。」
そう言って一夏は部屋に入って行った。
「さてと、俺の部屋は。」
廊下の奥に進んでいき、「1020」と書かれた部屋を見つけた。ドアに手をかけると鍵は開いているようだった。ん、せっかくだからカードキー使ってみたかったけどな。
そんな事を思っているドアを開けようとしたら後ろから「ドカッ!!」と何かを殴りつけるような音がした。後ろを振り向くと一夏が木刀を持った篠ノ之さんが一夏を部屋から追い出している様子だった。しかも木刀を使って殴りながら追い出そうとしている。そしてなぜかバスタオル一枚の姿だった。一夏は一夏でなかなかの反射神経で木刀をよけていた。
「え、なにこれ、怖い。」
女って怖いな。木刀で殴んのかよ。
そんな事を思っていると一夏が俺に気付いたようで。
「ちょ、亮太!助けてくれ!!」
「知らん。勝手に死ね。」
「おい、ちょっとまてよ!!」
ぜってぇ関わったらダメなパターンだよあれ。とばっちりで殺されるわ。
俺は一夏を見捨て、部屋に入った。そして後悔した。
「・・・・・・」
「・・・・・・どうも。」
バスタオル姿のセシリア・オルコットがいた。
一発目はこんな感じです。
そろそろヒロイン決めたいですね。