「なるほどよくわかった。」
寮長室に呼ばれもとい連行され、俺と一夏は千冬さんの前に立たされている。そしてなぜか部屋に入れられず、部屋の前に立たされている。なぜこのような状況になっているかというと。
俺がまさかの金髪縦ロールもといセシリア・オルコットの風呂上りのほぼ全裸の姿を見てしまい例にもれずセシリア・オルコットが大声で叫び、何事かと寮長である千冬さんが駆けつけ、俺とバスタオル姿のセシリアが対峙している姿を見て何を勘違いしたらしく激昂して俺が首根っこをつかまれて寮長室に連行されていった。ちなみに一夏も俺と同じような状況だったらしく、同じく連行された。
最近では痴漢冤罪が問題となっているらしい。特に女尊男卑がひどくなっている今日ではそういった類の事件がかなり多いらしい。だから俺たちは思った。これは一種の痴漢冤罪的事件なのではないかと。俺たちは力の限り訴えた。これは不可抗力だ。狙ってやったわけじゃない。俺たちは無実だと。
そして判決が下された。
「まあ情状酌量の余地なく死刑だ。」
「「なんでだよおぉぉぉぉぉ!!!」」
判決は死刑であった。少年法無視も大概である。
「ちくしょ!正義は負けたのか!!」
「まだだ、ここからだ!ここで負けちゃいけない!!」
「うるさい!」
2人の頭に出席簿が振り下ろされた。あまりの痛さに悶絶する。つか、なんで出席簿常備してんの・・・?
「冗談だ。本気にするな。」
「あんたが言うとそう聞こえねぇよ。」
「教師には敬語を使え。」
またしても俺に出席簿が振り下ろされた。
「てめぇ、俺が馬鹿になったらどうするつもりだ・・・!」
「心配するな。それ以上に勉強をすればいい。」
なんて暴論だ。教師とは思えねぇ。
「まあお前たちにそんな度胸があると思えないしな。どうせ不可抗力だろう。」
「あ、当たり前だよ千冬姉!!」
「おい一夏、そこらへんは即答すんなよ。男的に。」
「ほう、ならお前は警察に突き出されたいか?」
「俺にそんな度胸はありません!!」
即答する事にした。主張は時と場合によって変えるべきだと俺は思うのよね。
そんな俺たちの様子を見て千冬さんはため息をつく。
「はあ、まったくお前たちは・・・・・・。篠ノ之とオルコットには私の方から言っておく。お前たちは時間をおいてから部屋に戻れ。」
「え?」
「なんだ木瀬?」
「いや、そこまでしてもらうのはなんか悪いなーと思って・・・。」
「そう思うなら次からこんな問題は起こすな馬鹿ども。」
「ごもっともで・・・・・・。」
確かにその通りだと思うが、年ごろの男女を同じ部屋に寝泊まりさせるIS学園の意図が俺にはわからんけどね。
「夕食の時間までに部屋に戻っておけ。」
そう言って千冬さんは歩いて行ってしまった。セシリア・オルコットと篠ノ之さんをなだめに行ったのだろう。その後ろ姿は凛としていて、騎士とか侍の後ろ姿ってあんな感じなんだろうなーとちょっと思った。見たことないけど。
「ありゃ男より女にもてるタイプだな・・・・・・。」
男の俺から見てもかっこいいと思うしな。とそんな事を口にしたら千冬さんが踵を返してこちらに向かってきた。やべぇ、聞かれたか!?
「そういえば言い忘れていたが織斑、お前には専用機が用意される。」
「専用機?」
一夏はきょとんとした顔をしている。どうやら意味が分かっていないらしい。そして俺の言葉は聞かれていなかったらしい。よかったです。
「千冬ね・・・織斑先生、専用機ってなんですか?」
ぎりぎりで言いとどまって出席簿は回避したようだ。
「本来なら専用機は国家、企業に所属している者にしか与えられないが、お前の場合は状況がちがうのでな、データ収集を目的として専用機が配備されることになった。来週の決闘までには届くだろう。」
ま、ISど素人の俺たちに専用機を渡す目的つったらそれくらいだよな。しかしなかなかに日本も太っ腹じゃねぇか。限りあるISのコアを「俺たち」に分けてくれるなんてよ。
「それと木瀬、お前には大人の事情で決闘までに専用機は届かないからそのつもりでいろ。あと場合によっては専用機も配備されない可能性があるからな。」
「おかしくねぇか俺の扱い!?」
「仕方ないだろ。男のIS操縦者のデータは貴重だ。様々な企業がお前の専用機をつくる候補に名乗り上げているのだが数が多すぎるのでな。今は審査中ということだ。しかし数に限りのあるISのコアをそんなに簡単に使用するわけにはいかないからな。可能性としては低いと思うが、木瀬の専用機の話は立ち消える可能性もある。」
「一夏のはもう決まってるじゃねぇかよ!」
「それは一夏が一番最初だったからだ。単に時間の問題だっただけだよ。」
「納得いかねぇ・・・・・・。」
俺だってISをほしいわけじゃねぇけどよ、なんか扱いの差がなんか悪くねぇか?
「それじゃ伝えたからな。」
そして今度こそ千冬さんは去って行った。
そしてその場に2人が残された。
「なんか扱いに悪意を感じんだけど?」
「俺に言うなよ・・・・・・。」
そりゃそうだ、ただの八つ当たりなもんで。
「・・・・・・さてさてどうやって時間をつぶそうかね一夏君。」
「どうって言ってもな・・・・・・。」
「飯の時間はまだだし、部屋の前にバック置いてきちまったしな。あ、そうだ謝罪の言葉でも考えておくか。」
正直口ではあんな事を言ったが、俺個人でどうにかなるとは微塵も思わなかった。ぶっちゃけ最初から千冬さんをあてにしようと思っていたし。まあ、溝がなくなるわけじゃないと思うが。結局最後は俺がなんとかしないといけねぇし。
「不可抗力とは一応見ちまったわけだしな。ここは潔く謝らないと後々に響くだろうからな。一か月は同室だし。」
「確かに。でも箒すげー怒ってたしな。木刀で殴るくらいに・・・・・・。あ、そういやお前俺の事見捨てただろう!」
「当たり前よ。あれに首突っ込んだら俺がとばっちりで死ぬわ。」
しかし首を突っ込まなかった結果、俺はセシリアのあられもない姿を見てしまったわけだが。あれ?これってバチが当たったのか?
「あー・・・くそ!やっぱすべての原因はお前だわやっぱ。」
「なんでだよ!?」
まあ冗談だよ、半分くらいだが。
「そういや一夏。お前どうやってセシリアに勝つつもりだ?」
「え?」
「え、じゃねぇよ。あんだけ大見得切ったんだ。勝たねぇとかっこつかねぇぞ、勝てねぇとは思うが。」
「そんな最初っから弱気になるなよ亮太。なんとかなるよ。」
「なんともならねぇよ・・・・・・。」
能天気に笑っている一夏を見てため息をついてしまった。こいつ、相手が代表候補生ってのわかってるのか?
「お前は危機感がねぇな、おい。」
「ポジティブって言えよ。」
「ポジティブ馬鹿。」
「褒めてないよなそれ!?」
「まあ、気にしなさんな。とりあえず学校見て回ろうぜ。飯まで時間はあるしよ。」
「う~ん・・・・・・納得いかないけど。」
「行くぞー。」
そして俺と一夏はしばらく学校内を見て回っていた。
しばらく時間が経ち夕食前。
「そろそろ戻るか?」
「まったく気が乗らんのだけど・・・・・・。」
一夏は篠ノ之さんと幼馴染らしいから昔のよしみで許してもらえる可能性は高いが、俺にはセシリア・オルコットという確実に面倒事が起こるタイプの人間に当たってしまったてるわけで、どちらかと言えば部屋に戻りたくない。
「ここはもうスパッと謝れば大丈夫じゃないか?」
「それで許してもらえるようなら決闘宣言とかされねぇよ。」
部屋に行くまでの足取りが重い。このままつかなければいいなと思い始めたが、無情にも俺の部屋の近くまでついてしまった。
「じゃ、俺はここで。」
「ういーす。」
一夏はそのまま自分の部屋に入って行ってしまった。え、さっきの事あったのに超普通に入って行った。一夏はかなり心臓が強いらしい。
「図太いな・・・・・・。」
俺もああいうとこは見習った方がいいかもしれない。
とりあえず俺は自分の部屋もといセシリア・オルコットの部屋の前に立つ。さっきの反省も生かして俺はノックをした。
「・・・・・・どなたですか?」
「えっと・・・・・・木瀬亮太だ。入れてくれると助かるんだが。」
「・・・・・・どうぞ。」
とりあえず許可は出たらしい。部屋の前に置かれたままの俺のバックを担ぎ、部屋に入る。
中に入ると部屋はまるでどっかの高級なホテルかと思ったほど豪華だったが窓側のベットに座りこちらを睨んでいるセシリア・オルコットを見て、ホテルみたいにはくつろげねぇなと思った。
とりあえずバックを置いて、俺もベットに座る。そしてしばらく無言になる。セシリア・オルコットはこちらを睨んでいるが。
「・・・・・・。」
「・・・・・・えっと・・・・・・オルコットさん。さっきはすいませんでした。」
セシリア・オルコットの前に立ち、頭を下げる。しかしこれで許してくれるとは思っていない。教室での決闘宣言の時も思ったがセシリア・オルコットは今の女尊男卑の風潮に染まっている典型的な女だ。謝ったとしてもいろいろと難癖をつけてなんかしてくるだろう。その時は俺も俺で仕返しもするが、今はなんとも分が悪い。とにかく謝ることにする。
またしばらくの無言。そしてセシリア・オルコットが口を開いた。
「頭を上げてください。」
「・・・・・・おう。」
頭を上げるとさっきよりはいくらかましだがやっぱり睨んでいた。
「織斑先生から話は聞きました。今回の事は不可抗力という事で水に流すことにしましたわ。」
なんだがかなり苦渋の決断って感じ言い方である。
「ただし今回の事も踏まえて部屋の出入りには気を付けてください。わかりましたわね?」
「・・・・・おーけいおーけい、わかった。とにかく今回の事は俺が悪かった、反省してます。」
「もういいです!はやく着替えてください!私は食堂に行ってますから!」
そう言ってオルコットは部屋を出て行った。千冬さんがどうにか言いくるめたようだがやっぱり結構怒っている。
それにしても俺が思ったよりもヒステリックな感じじゃなかったな。意外と話せばわかる奴なのか?と勝手に解釈する事にした。
「しかし前途多難だねぇ・・・・・・。」
そんな事を呟いて俺はジャージに着替えはじめた。
セシリアってこんな感じですかね?
原作より話がわかる人として書くつもりです。