ただの普通の一般人がISに乗ってみた。   作:酢酸

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プロローグは終わったはずだった。


第1章
入学式


「んじゃ、行くわ。」

 

俺はまだ肌寒い3月の風を肌に感じながら、駅に入る。その後ろから葛西もついてきた。

明日からIS学園の入学式が始まるため、俺は上京することになった。今まで住んできた町を離れるのはなかなかに名残惜しい。

この町からIS学園まではかなり離れているので、始発を乗り継いでいかなければいけないので、朝からの出発となった。朝日が昇りはじめ、町を照らし始めていた。

 

「たく、結局金髪に戻しやがって・・・。」

「いいだろ、別。」

 

そう、俺は髪を黒髪から金髪に染めてIS学園の入学式に臨む事にしたのだ。だが、これには俺なりの理由がある。

 

「今更もどせねぇしな、この馬鹿が。」

「だってよ、IS学園っていろんな国籍の奴がいるんだろ。俺みたいに普通の日本人が行ってもモブキャラ扱いされそうだからな。これくらいはしねぇとな。」

「・・・なるほど、やっぱりお前は馬鹿だな。」

「んだとこら!!」

「まあ、もうしかたねぇんだ。そのまま行け。」

 

葛西は呆れたように言った。

どうやら最後まで葛西とは意見が合わなかったらしい。

 

「それにしてもなんか静かだな。」

「そうか?ま、最近が忙しすぎたからな。」

 

IS学園の入学を決めてから、提出書類や身体検査、制服の採寸などでかなり忙しかったが、俺が決めた事だから文句は言えない。

ただ、これだけは言いたい。

 

「そういや葛西・・・。」

「なんだ?」

「本当に見送りはお前だけか?」

「・・・まあ、そうだな。」

 

俺の見送りに、葛西しか来ていないのだ。

自分で言うのもあれだが、俺は世界で2人しかいない男のISを起動できる人間なわけで、もう少し注目されてもいいんじゃねぇかと思う。別に有名人になりたいとかそんなじゃなくてだな。

 

「俺って、友達少なかったんだな・・・。」

「誰も来ないってことは少ないじゃなくて、いないって事じゃねぇか?」

 

葛西は俺の心にとどめを刺した。

やべぇ、泣けてきた。

 

「ガチかよ・・・。」

「・・・まあ、仕方ねぇだろ。みんな忙しいんだよ。」

「だからってさ・・・。ここに来て俺のぼっちが発覚するなんてよ・・・。」

「うだうだ言うな。悔しかったらあっちで友達作ってこい。」

 

ちくしょう、葛西!お前に慰めの気持ちはねぇのかよ!こうなったら二度と帰ってくるか!

 

「ちくしょう!あっちで友達100人作ってお前に自慢してやるわ!」

「言うのが俺しかいねぇってどうよ?」

「う・・・。ちくしょぉー!!」

 

俺は涙目になりながら電車に駆け込んだ。

 

 

 

 

 

木瀬亮太が電車に駆け込んだのを見て、葛西は呟く。

 

「あぁ~。ちょっといじめすぎたか?」

 

葛西は少し後悔したように言った。

その時、駅のトイレに隠れていた木瀬亮太のクラスメイトの1人が出てきた。

 

「先生、やりすぎですよ。」

「いや、あいつの反応が意外とおもしろくてよ、つい。」

「つい、じゃありませんよ!あいつ本当に自分がぼっちだと思っちゃったじゃないですか!」

 

クラスメイトは激しく反論した。

 

「ま、サプライズってのはこれくらいがいいんだよ。」

「そうですけど・・・。」

「ほれ、さっさと『持ち場』に戻れ。」

「うーす。」

 

クラスメイトはそのまま駅を出て行った。

葛西も駅から出て、ポケットから煙草を取出し、吸う。

 

「頑張れよ、木瀬。お前はこれからなんだからよ。」

 

吐いた息が空に消えていった。

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、ガチかよ・・・。」

 

まさかのこんな大事な日に俺のぼっちが発覚するとは・・・。テンションがみるみるうちに下がっていくのが自分でもわかった。最悪だよ、もう。

ドアが閉まり、電車が動き出した。

はぁ、俺を慰めてくれるのはもう朝日しかないか・・・。

そんなやさぐれた気分で窓から朝日を眺めようとした時、その光景に俺は驚いた。

 

「はは・・・やってくれたな葛西。」

 

そこには俺の中学の奴らが1列になって手を振っていた。俺のクラスメイトの奴らもいた。そいつらは横断幕を作り、掲げていた。

俺は窓を開け、顔を出す。

 

「ありがとなー!!」

 

俺はできるだけの大声で叫んだ。

電車はスピードを上げていく。列が途切れ、先頭がだんだんと小さくなっていく。俺は見えなくなるまでずっと手を振っていた。

 

 

 

 

 

そんなこんなで俺はIS学園の入学式に出席していた・・・・はずだった。

 

「どこだよ、ここ・・・?」

 

俺こと木瀬亮太はIS学園行きのバスを間違えて乗ってしまい、まったく存じ上げない土地に1人放り出されてしまった状態となった。俺にとって見慣れないビル群の中にポツリとたたずむ。

 

「やっちまったよ・・・。」

 

だいたい駅からしてもう迷いかけたし、俺の住んでいる町と違いすぎるだろ!電車こみすぎだし、乗換早いし、切符使ってるやつがほとんどいないし、俺にとっては異世界に等しい。

 

「最悪だよ・・・。遅刻決定じゃん。」

 

手元の腕時計を見ると9時を過ぎており、入学式はとっくに始まっていた。ちなみにこの腕時計はばあちゃんが入学祝に買ってくれたものだったりする。

 

「携帯は持ってねぇし、どうすっかな・・・。」

 

携帯電話、いまどきはスマホが主流らしいのでそれを入学してから買おうと思っていたので、連絡をとる手段は今現在俺には存在していない。

 

「これはあれか、迷子か?」

 

木瀬亮太。高校生活初日、迷子になる。




まさかの半分以上がオリジナル。
展開おせぇ・・・。
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