「はー……!はー……!」
息を整えること、それを意識すること、それをコンマ数秒、それを終える。
手に持った信頼する大剣を振るう、目の前の数体機械が崩れる、瞬時に消える機械をしり目に前へと一歩進める。
光線が飛んでくる、大剣で防ぐ、大剣が弾かれるほどの大出量のアーツの光線が自身の手から武器を数秒、離される。
自身へと到来する爆発する飛来物を真っ当にくらってしまうが、彼女には傷一つつかない。
だがそれも、莫大な数、という一つの答えたる暴力が彼女を吹き飛ばす。
「はー……!はー……!」
彼女の名前はスカジ、元アビサルハンターの一人であり、その身に一つの秘密を隠す傭兵である。
彼女【達】の狙いはおよそ数キロ向こうにいる廃棄されたはずの移動都市、それにいる一人の賞金首を確保するという目的。
だが【達】であった傭兵は一人、また一人と数を減らしていっており、今残るのは彼女ただ一人である。
源石の爆弾なんぞゼロ距離で食らおうと、莫大なるアーツでも、谷一つ壊すほどの攻撃力だろうっと傷一つつかないはずの彼女の肌には冷汗が流れていた。
「なんて数……!」
地平線を埋め尽くすほどの機械で出来た兵隊。
ただのドラム缶のようなものに手足がくっついたものでありながらアーツ攻撃と鉄の杭を打ち続ける兵隊。
シーボーンのような触手を携えた丸っこい機械からはアーツと丸ノコによる格闘戦を。
腕がブレードになっており傭兵の武器を紙細工のように粉々にする、そして同時に頭から地面をガラス化させるほどの光のアーツを放つ人型機械。
大きいはずであったサルカズの傭兵よりも巨大な三本脚のキャタピラを持ち、手からは銃弾を絶えずばらまき、背中からは追尾、分裂する源石爆弾を備えた移動式の砲台。
それがただ傭兵を疲労させるためにできた鉄壁ともいえる莫大な兵士となって彼女達に襲い掛かっていた。
既に仲間であった傭兵は無力化され、移動都市に連行されている、それを防ぐ気は彼女にはなかったが、回収された先で何が起こっていたのかの心配はあった。
一山幾らで雇われたわけではない、スカジ、彼女と雇われた中にはサルカズのプロ達も混じっていた。
源石爆弾で幾ら吹き飛ばそうと、その怪力で武器を振い壊しても、アーツで溶かし、再起不能に落とし込んでも。
いつの間にか消えては、更に倍の数が彼女たちに襲い掛かっていた。
瞬間何か、大きな物体が飛来する、閃光、そうとしか思えない何かが突如スカジの目を焼き尽くすと同時に彼女を握った大剣ごと大きく吹き飛ばしてしまう。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」
血涙、瞳を再生するのと同時に流れたソレは彼女に大きく痛みを巻き起こした。
「閃光源石爆弾……?いえ、何かそれより恐ろしいもの……!」
再生した瞳が見たのは数キロ先、廃棄されたはずの移動都市から排出される戦闘機械たちと、その正面にいる巨大な機械が投擲を想起されるポーズをしている光景だった。
「巨大な投擲源石爆弾……種さえわかれば……!」
二度目はない、それは相手もわかっていることだろう、故に数という暴力が彼女に襲いかかる。
斬る、叩きつぶす、切る、叩きつぶす、繰り返すこと数百と数回、いまだに相手が数を少なくさせることはない。
その時、スカジの身に異変が起こる、頬に傷がついた、過去の出来事では山ほどのシーボーンに対しても、その親元であるシーボーンにも勝利を誇っていたであろうスカジに傷がついたのだ。
信じられない心となったスカジ、だがその心は瞬時に切り替えられる、それは彼女のアビサルハンターである歴史が相手を、無限にやってくる相手をシーボーンと同等の脅威と認識した。
簡単ではない、だがシーボーンよりはやりやすい、彼女はそう認識した。
海というあらゆる角度、死角、数でせめてくるのに対し。
機械は真正面と真上からやってくる、ならやりやすい。
要するに全てを斬り、叩き潰し、数キロ進み、ただ移動都市ごとあの巨大な機械をぶっ壊せばいいのだ。
そう認識した彼女は早かった、アビサルハンターに二度目は通じない、どこかの創作漫画のような事象だが、アビサルハンターというのはそういうものだ。
変わらずアーツの光線、改造された杭打ち機による絨毯遠距離撃、格闘戦を連携して行ってくるブレードアーム、そしてその巨体で銃撃を繰り返しながら体当たりを行ってくる巨体、そして巨大な源石爆弾を投擲してくる鉄の巨人。
アーツと杭を躱し、防ぎ、耐える。
連携攻撃ごと相手を叩き潰す。
巨体を反対に殴り飛ばす。
源石爆弾を叩き切り、爆発を起こさず無力化する。
ゾーンに入った彼女は傷跡を気にせず鉄の軍団相手に進撃する。
ふと気づく、倒した相手が消えていない、好機、そう感じた彼女は更に進軍スピードを加速させる。
移動都市までおよそ数百M。
『■国の共■主義を撲滅せよ!■メ■カの勝利は確実である!』
巨大な機械の咆哮が空間を刺激する、顔から放たれる巨大な光の莫大なアーツ威力。
「あああああああ!!!!」
彼女もまた咆哮する大剣を振るい、莫大なアーツを防ぎ耐えながら進撃する。
その走りは衰えることなく、跳び上がり、巨大な機械の頭をそのまま切り落とした。
勝った、あとは移動都市を粉砕し、おわりだ。
そう認識したのが悪かったのだろうか、瞬間、彼女は鉄の拳に弾き飛ばされることとなる。
何が起きた、彼女は意識をもうろうとする中、それを見た。
巨大な機械、その倒れこむ後ろに同じ巨大な機械が一体、後ろの地面から最初から埋まっていたかのように土を巻き起こしながら立ち上がるのがいた。
『コ■ュニ■トの敗北は必然です!』
意識がもうろうとする、その中、彼女が見たのは巨大な機械の足元からやってくる軍隊の将軍のような衣服を着た少女の姿だった。
莫大な数でスカジを無力化するアンチ必然なオリ主がいるらしい。
ドラムカンのようなヤツ プロテクトロン
シーボーンみたいなヤツ Mrガッツィー
腕がブレードなヤツ アサルトロン
共産主義絶対コロスヤツ リバティプライム